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ケダモノのように愛して.15
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「咲那はお父さんにアドバイスとかもらうの?」
ひなたの矛先が突然自分に向けられ、咲那は面食らった。
「う、うちのお父さんはほとんど家にいないから…。それに、うちにいても私に写真の話とかしないし…」
「へえ…、勿体ない。だけど、親子だとそんなもんかもね」
「う、うん…」
「でもさ、親子だと出来ない話でも俺たち写真部相手にだったらしてくれたりしないかな?」
今度は滝口まで話しに首を突っ込んできた。
滝口は二年であるにもかかわらず部長の座についている。
というのも、三年生は大人しくてリーダー的なタイプじゃない女子ばかりだったせいなのだけれど。
滝口は写真部の他に陸上部の短距離も掛け持ちしている。
あまり練習に参加しなくても、大会に出場すれば三位以内に入賞してしまうという羨ましい才能の持ち主なのだ。
やっかみの対象になってしまいそうなくらい文武両道で、おまけに顔は中の上という好物件のため、実は結構モテたりする。
しかし、今、滝口の一番の興味は写真だ。
そして高校生の間に、その写真で何かしらの実績を残したいと密かに目論んでいる。
写真を冒とくするつもりはないけれど、もし大きな大会で入賞したりできれば、何もないより箔がつくのではないかと思ってしまうのは男として当たり前のことなのかもしれない。
そんなわけで、滝口は色んな意味で写真に対する情熱が人一倍強いのだった。
「う~ん、難しいな~。うちのお父さん講演とかするタイプじゃないからさ~」
「そっか、じゃあ口下手のひなたはやっぱり将来有望だな」
滝口はよいしょではなくひなたの才能を認めている。
「なんでよ~」
部長である滝口に褒められ、ひなたはまんざらでもなさそうだ。
今日プリントしたものの中から、写真甲子園に出す作品を選ぶ作業が待っている。
皆はそれぞれの思いを胸に、学校を後にした。
「ただいま~」
と言っても、いつも通り家にはまだまりあは帰ってきていない。
今週も桔平のモデルをすることになっているけれど、その連絡はまだ来ていない。
それにこの間、桔平がモデル女性とイチャイチャしているのを見てしまったせいで、どんな顔をして会ったらいいのか分からない。
別に自分は桔平の彼女でもないくせに、変な独占欲が芽生えてしまって困る…。
でも、やっぱり会いたい。
本当は毎日でも会いたいけれど、桔平は恐らくそういう面倒な女は好きではないだろう。
その場の気分でセックスをする後腐れない関係。
それが桔平のような自由な生き方を選んだ男の望む男女関係の在り方なのではないかと、咲那は勝手に解釈している。
癖の様につけたテレビを、その内容はまったく興味がないのに見ていた。
携帯が着信を知らせる。
液晶には桔平と表示されている。
「もしもし?」
咲那は嬉しくて声が上ずってしまいそうなのを何とかこらえた。
「ああ、咲那か?さっきまりあさんから連絡があってさ、今夜遅くなるから飯食わせてやってくれって。俺んち来いよ」
「え~、私には何も連絡来てないよ」
「まあいいじゃん、じゃあ待ってるから」
「うん…」
まりあから連絡が無いことなんて、本当はどうでもよかった。
桔平と会う口実ができたことが嬉しい。
ただ、やっぱりあの女性とのことが頭から離れることはない。
ひなたの矛先が突然自分に向けられ、咲那は面食らった。
「う、うちのお父さんはほとんど家にいないから…。それに、うちにいても私に写真の話とかしないし…」
「へえ…、勿体ない。だけど、親子だとそんなもんかもね」
「う、うん…」
「でもさ、親子だと出来ない話でも俺たち写真部相手にだったらしてくれたりしないかな?」
今度は滝口まで話しに首を突っ込んできた。
滝口は二年であるにもかかわらず部長の座についている。
というのも、三年生は大人しくてリーダー的なタイプじゃない女子ばかりだったせいなのだけれど。
滝口は写真部の他に陸上部の短距離も掛け持ちしている。
あまり練習に参加しなくても、大会に出場すれば三位以内に入賞してしまうという羨ましい才能の持ち主なのだ。
やっかみの対象になってしまいそうなくらい文武両道で、おまけに顔は中の上という好物件のため、実は結構モテたりする。
しかし、今、滝口の一番の興味は写真だ。
そして高校生の間に、その写真で何かしらの実績を残したいと密かに目論んでいる。
写真を冒とくするつもりはないけれど、もし大きな大会で入賞したりできれば、何もないより箔がつくのではないかと思ってしまうのは男として当たり前のことなのかもしれない。
そんなわけで、滝口は色んな意味で写真に対する情熱が人一倍強いのだった。
「う~ん、難しいな~。うちのお父さん講演とかするタイプじゃないからさ~」
「そっか、じゃあ口下手のひなたはやっぱり将来有望だな」
滝口はよいしょではなくひなたの才能を認めている。
「なんでよ~」
部長である滝口に褒められ、ひなたはまんざらでもなさそうだ。
今日プリントしたものの中から、写真甲子園に出す作品を選ぶ作業が待っている。
皆はそれぞれの思いを胸に、学校を後にした。
「ただいま~」
と言っても、いつも通り家にはまだまりあは帰ってきていない。
今週も桔平のモデルをすることになっているけれど、その連絡はまだ来ていない。
それにこの間、桔平がモデル女性とイチャイチャしているのを見てしまったせいで、どんな顔をして会ったらいいのか分からない。
別に自分は桔平の彼女でもないくせに、変な独占欲が芽生えてしまって困る…。
でも、やっぱり会いたい。
本当は毎日でも会いたいけれど、桔平は恐らくそういう面倒な女は好きではないだろう。
その場の気分でセックスをする後腐れない関係。
それが桔平のような自由な生き方を選んだ男の望む男女関係の在り方なのではないかと、咲那は勝手に解釈している。
癖の様につけたテレビを、その内容はまったく興味がないのに見ていた。
携帯が着信を知らせる。
液晶には桔平と表示されている。
「もしもし?」
咲那は嬉しくて声が上ずってしまいそうなのを何とかこらえた。
「ああ、咲那か?さっきまりあさんから連絡があってさ、今夜遅くなるから飯食わせてやってくれって。俺んち来いよ」
「え~、私には何も連絡来てないよ」
「まあいいじゃん、じゃあ待ってるから」
「うん…」
まりあから連絡が無いことなんて、本当はどうでもよかった。
桔平と会う口実ができたことが嬉しい。
ただ、やっぱりあの女性とのことが頭から離れることはない。
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