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ホストと女医は診察室で.26
「やっぱり知り合いなの?」
「い、いやそういう訳じゃないけど…。なんで先生がこの写真持ってるのか聞いていい?」
「なんか答えになってないけど…。私、今度この人とお見合いすることになったんだけど、どう見ても聖夜さんにしか見えなくて。だけど、聖夜さんの本名知らないから確かめようがなくて…」
慶子は聖夜の顔をじっと見つめた。
聖夜はサッと目を逸らす。
見合だって、聞いてないぞ…。
ああ、そう言えばこの間母さんから電話があったな。
あれはもしかして見合いの話だったのか…。
俺が拒否したらか、和希にっていうことか。
「う~ん、まいったな…」
余程話しづらい内容なのか、聖夜は言葉が続かない。
「聖夜さんからは言いにくいなら別にいいわ。どうせ来月には和希さん本人に会うんだから」
「ま、待って。分かったよ。そいつは俺の弟だ。だけど、見合いするなんて知らなかったから…、驚いてるだけ」
「え、聖夜さんの弟さん!ってことは、聖夜さんのご実家って、三上コンサルティングなの?」
「まあそういうことだ。ただ、俺は家を出た人間だから、実家の仕事とは一切関係ない」
「ねえ、立ち入ったこと聞いていい?聖夜さんはどうしてお家を継がないでこの業界を選んだの?」
「最初からホストを仕事にしようと思ってたわけじゃないよ。俺も物心ついた頃から家業を継ぐもんだと思ってたし、そういう風に教育もされた。だけど、大学に入って誘われてホストのバイトやったんだ。そしたらこれが妙に自分に合ってたっていうか、なんかやってて楽しいんだよね。そんとき思ったんだ、俺これを仕事にしようってね」
慶子は、以前真也が言っていた言葉を思い出していた。
聖夜が慶子のクリニックを指定したのだと。
その時はその理由がなぜなのか分からなかったけれど、父親同士が以前から知り合いであることで、その理由の見当がついた。
恐らく聖夜は父親の仕事を引き継ぐために、直接顧客の資料を見たりすることもあっただろう。
そう考えれば、慶子の所属している愛誠会の名前を目にしていたのかもしれない。
慶子の中でずっと引っ掛かっていた謎がやっと解けた。
「ご両親に反対されなかったの?」
「もちろん大反対。っていうか、未だに反対されてる最中。だけど俺もう決めてるんだ。近いうちに自分の店を出すって」
「そ、そうなの?」
「そんなに驚くことないじゃん。先生だって自分でクリニック経営してるでしょ」
「そ、それはそうだけど。私なんて親に世話になりっぱなしだから、聖夜さんとは全然違うわ」
「まったく、先生は自己評価が低いな。そんなに綺麗で頭も良くても性格が歪んでないんだからもっと自信持ちなよ」
「は、はい…」
聖夜は自分より年下のはずなのに、完全に言い負かされている。
「ねえ先生…、見合いのことだけど、会うだけなんて本気で思ってる?」
「え、だって親が勝手に決めて、会うだけでいいっていうからOKしたんだけど…。まだ、クリニック始めたばかりだし…、結婚とか考えられない」
「だからなんじゃない?経営って大変でしょ。先生のご両親もその辺のことを心配してコネクションを作ろうとしてくれたんじゃないかな」
「そ、そうなのかな…」
どこまで行っても親は子どもの事が心配だということは慶子も身をもって感じている。
それがこういう形でやってくるとは思っていなかったけれど。
「い、いやそういう訳じゃないけど…。なんで先生がこの写真持ってるのか聞いていい?」
「なんか答えになってないけど…。私、今度この人とお見合いすることになったんだけど、どう見ても聖夜さんにしか見えなくて。だけど、聖夜さんの本名知らないから確かめようがなくて…」
慶子は聖夜の顔をじっと見つめた。
聖夜はサッと目を逸らす。
見合だって、聞いてないぞ…。
ああ、そう言えばこの間母さんから電話があったな。
あれはもしかして見合いの話だったのか…。
俺が拒否したらか、和希にっていうことか。
「う~ん、まいったな…」
余程話しづらい内容なのか、聖夜は言葉が続かない。
「聖夜さんからは言いにくいなら別にいいわ。どうせ来月には和希さん本人に会うんだから」
「ま、待って。分かったよ。そいつは俺の弟だ。だけど、見合いするなんて知らなかったから…、驚いてるだけ」
「え、聖夜さんの弟さん!ってことは、聖夜さんのご実家って、三上コンサルティングなの?」
「まあそういうことだ。ただ、俺は家を出た人間だから、実家の仕事とは一切関係ない」
「ねえ、立ち入ったこと聞いていい?聖夜さんはどうしてお家を継がないでこの業界を選んだの?」
「最初からホストを仕事にしようと思ってたわけじゃないよ。俺も物心ついた頃から家業を継ぐもんだと思ってたし、そういう風に教育もされた。だけど、大学に入って誘われてホストのバイトやったんだ。そしたらこれが妙に自分に合ってたっていうか、なんかやってて楽しいんだよね。そんとき思ったんだ、俺これを仕事にしようってね」
慶子は、以前真也が言っていた言葉を思い出していた。
聖夜が慶子のクリニックを指定したのだと。
その時はその理由がなぜなのか分からなかったけれど、父親同士が以前から知り合いであることで、その理由の見当がついた。
恐らく聖夜は父親の仕事を引き継ぐために、直接顧客の資料を見たりすることもあっただろう。
そう考えれば、慶子の所属している愛誠会の名前を目にしていたのかもしれない。
慶子の中でずっと引っ掛かっていた謎がやっと解けた。
「ご両親に反対されなかったの?」
「もちろん大反対。っていうか、未だに反対されてる最中。だけど俺もう決めてるんだ。近いうちに自分の店を出すって」
「そ、そうなの?」
「そんなに驚くことないじゃん。先生だって自分でクリニック経営してるでしょ」
「そ、それはそうだけど。私なんて親に世話になりっぱなしだから、聖夜さんとは全然違うわ」
「まったく、先生は自己評価が低いな。そんなに綺麗で頭も良くても性格が歪んでないんだからもっと自信持ちなよ」
「は、はい…」
聖夜は自分より年下のはずなのに、完全に言い負かされている。
「ねえ先生…、見合いのことだけど、会うだけなんて本気で思ってる?」
「え、だって親が勝手に決めて、会うだけでいいっていうからOKしたんだけど…。まだ、クリニック始めたばかりだし…、結婚とか考えられない」
「だからなんじゃない?経営って大変でしょ。先生のご両親もその辺のことを心配してコネクションを作ろうとしてくれたんじゃないかな」
「そ、そうなのかな…」
どこまで行っても親は子どもの事が心配だということは慶子も身をもって感じている。
それがこういう形でやってくるとは思っていなかったけれど。
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