上 下
5 / 96

それでも俺が好きだと言ってみろ.05

しおりを挟む
 ジェルが行き渡ったのか、動きがスムーズになると、腰の動きが一気に激しくなった。

「・・・んっ、・・・んっ」

 激しい挿入のせいで和香の口からは吐息が漏れ出す。

 しかし、それはただ押されて出てくるだけの、生理的なもので、むしろ苦しさをともなった声だった。



「もっとエロい声出せよ」

 桜庭は和香の顎を掴んで正面を向かせる。

「それは・・・、勘弁してください・・・」

「チッ、色気のないやつだ」



 桜庭は乱暴に和香の乳房を揉みしだいた。

 先端をキツく扱かれる。

「ああっ!!」

「そうそう、そういう声」

 桜庭は面倒くさそうに、和香の乳房をいじりつづけた。



「お前、彼氏はいるのか」

 桜庭は腰を動かしながら尋ねてきた。

「はい・・・」

 少しはいたわりの言葉をかけてもらえるのかと思っていた。



「じゃあ、随分してないんだな。締まりが悪い」

「・・・っ!!」

 ひどい・・・。

 この人は自分と同じ人間なのだろうか・・・。

 和香の目からついに涙が溢れた。

 泣いたりしたらきっと怒られると思って我慢していたのに。



「泣くな!しらける」

 やっぱりだ・・・。

 和香は慌てて涙を拭った。



 桜庭は和香の様子などお構いなしに、自分の気持ちよさだけを追求し、勝手に昇りつめた。 

 自身を引きずり出し、桜庭はティシュで処理している。

 和香は脱いだ服を着ようとベッドから立ち上がった。



「何勝手なことしてる」

「えっ・・・」

 もう終わったんじゃ・・・。



「今度は四つん這いになれ」

「もう一度ってことですか・・・」

「俺のは一度じゃ収まらないんだよ」



 一度したら二度も三度も同じだ・・・。

 和香は自分に言い聞かせる。

 言われるままにベッドの上で恥ずかしい格好をした。



「俺は、バックの方が好きなんだ」

「・・・」

 そんな話、和香にはどうでもいいことだ。



「お前の尻綺麗だな。こういう格好すると結構エロいじゃないか」

「・・・」

 勝手なことばかり、よくペラペラとしゃべれるものだ・・・。

 そんなことより、こんなこと一刻も早く終わらせてほしい。



「だけど、お前がこんな格好を晒してるなんて知ったら、お前の彼氏どう思うんだろうな」

「っ!!」

 そんなこと考えられるんなら、今すぐこんなことやめて欲しい。

 しかし、そんな訴えを口に出すことはできない。
しおりを挟む

処理中です...