68 / 96
それでも俺が好きだと言ってみろ.68
しおりを挟む
きっと今もまだ思いを寄せているであろう伊沢が、不倫されていたなんて・・・。
今の桜庭の心中はどうなっているのかと思うといてもたっても居られない。
でも、何もできやしない・・・。
また、さらに輪をかけて悶々とした土日を過ごすことになるのかと思うと、休みなどなくていいから、ずっと仕事をしていたほうがマシだと思った。
変に時間があれば余計なことを考えるだけなのだから。
だけど、猪俣が言った様に一週間の疲れは確かにたまっているはずで、しっかりと休まなければならないことは明白だった。
伊沢ほどではないにしろ、桜庭のことが頭から離れずに、寝不足が続いている自分の体調は万全とは程遠かったから。
ご飯と少しのおかずで粗末な夕食をすまし、シャワーを浴びた。
もしかしたら桜庭から連絡があるかもしれないなどと、淡い期待を抱きスマホを枕元に置いた。
そして色んな意味で疲れた重い身体をベッドに横たえた。
土曜の朝、目が覚めると、すぐにスマホを確認したがやはり桜庭からの連絡はなかった。
とても一人で家にいる気になれず、映画を見に行くことにした。
午前中に家事をすませると、結局外が暗くなる時間までずっと映画館で過ごした。
家に着くと、やっぱり桜庭の事を考えてしまう。
自分から連絡することも出来ず、待つことしかできない。
スマホばかり気にしているのにもいい加減疲れて、和香はシャワーを浴びると寝酒に缶ビールをひっかけると、早々にベッドに潜り込んだ。
酒に強くない和香は、少しアルコールが入るだけで眠たくなる。
宴会には向かないが、こういう夜には便利な身体だ。
結局そのまま眠ってしまった。
日曜の朝だというのに、まったく嬉しくない。
若い女の子がこんな夢も希望もない休日を迎えていいものかと、自分のことながら暗たんたる思いに駆られる。
食欲もあまりなくて、とりあえず牛乳だけ飲んだ。
桜庭からの連絡がたった一週間ないだけで、生活がままならなくなるなんて、社会人としてとてもやっていけない。
自分で生活費を稼がなければ生活は破綻するのだ。
こんな時、なぜだか思い出すのは猪俣のことだった。
真面目過ぎて面白味のない生活にしか見えない彼は、意外にも毎日がとても充実しているのだ。
休日も自分の趣味を楽しんでいる。
猪俣と同じようには出来ないけれど、和香は少しだけ前向きに頑張ってみようと思った。
とりあえず生活をちゃんとするところから始めてみようとスーパーに出かけた。
明日は手作り弁当を持って行こう。
そして、久しぶりにクッキーを焼いてみた。
紅茶を入れて焼き上がったクッキーを食べたら、やっと人間らしい生活をしている気分になれた。
もうすぐ夕方だ。
今日はこのまま穏やかに一日が終わるんだ・・・。
そんな風に思っていた矢先、桜庭からメッセージが届いた。
今の今まで静かに一日が終わるのを望んでいたはずなのに、桜庭という文字を見た瞬間、そんなものは一瞬で意味をもたなくなった。
メッセージには『すぐに来い』とある。
明日は手作り弁当を持って行くつもりだった。
夕食だってちゃんと作るつもりだった。
だけど桜庭を前にしたら、そんなものどうでもよくなってしまった。
今の桜庭の心中はどうなっているのかと思うといてもたっても居られない。
でも、何もできやしない・・・。
また、さらに輪をかけて悶々とした土日を過ごすことになるのかと思うと、休みなどなくていいから、ずっと仕事をしていたほうがマシだと思った。
変に時間があれば余計なことを考えるだけなのだから。
だけど、猪俣が言った様に一週間の疲れは確かにたまっているはずで、しっかりと休まなければならないことは明白だった。
伊沢ほどではないにしろ、桜庭のことが頭から離れずに、寝不足が続いている自分の体調は万全とは程遠かったから。
ご飯と少しのおかずで粗末な夕食をすまし、シャワーを浴びた。
もしかしたら桜庭から連絡があるかもしれないなどと、淡い期待を抱きスマホを枕元に置いた。
そして色んな意味で疲れた重い身体をベッドに横たえた。
土曜の朝、目が覚めると、すぐにスマホを確認したがやはり桜庭からの連絡はなかった。
とても一人で家にいる気になれず、映画を見に行くことにした。
午前中に家事をすませると、結局外が暗くなる時間までずっと映画館で過ごした。
家に着くと、やっぱり桜庭の事を考えてしまう。
自分から連絡することも出来ず、待つことしかできない。
スマホばかり気にしているのにもいい加減疲れて、和香はシャワーを浴びると寝酒に缶ビールをひっかけると、早々にベッドに潜り込んだ。
酒に強くない和香は、少しアルコールが入るだけで眠たくなる。
宴会には向かないが、こういう夜には便利な身体だ。
結局そのまま眠ってしまった。
日曜の朝だというのに、まったく嬉しくない。
若い女の子がこんな夢も希望もない休日を迎えていいものかと、自分のことながら暗たんたる思いに駆られる。
食欲もあまりなくて、とりあえず牛乳だけ飲んだ。
桜庭からの連絡がたった一週間ないだけで、生活がままならなくなるなんて、社会人としてとてもやっていけない。
自分で生活費を稼がなければ生活は破綻するのだ。
こんな時、なぜだか思い出すのは猪俣のことだった。
真面目過ぎて面白味のない生活にしか見えない彼は、意外にも毎日がとても充実しているのだ。
休日も自分の趣味を楽しんでいる。
猪俣と同じようには出来ないけれど、和香は少しだけ前向きに頑張ってみようと思った。
とりあえず生活をちゃんとするところから始めてみようとスーパーに出かけた。
明日は手作り弁当を持って行こう。
そして、久しぶりにクッキーを焼いてみた。
紅茶を入れて焼き上がったクッキーを食べたら、やっと人間らしい生活をしている気分になれた。
もうすぐ夕方だ。
今日はこのまま穏やかに一日が終わるんだ・・・。
そんな風に思っていた矢先、桜庭からメッセージが届いた。
今の今まで静かに一日が終わるのを望んでいたはずなのに、桜庭という文字を見た瞬間、そんなものは一瞬で意味をもたなくなった。
メッセージには『すぐに来い』とある。
明日は手作り弁当を持って行くつもりだった。
夕食だってちゃんと作るつもりだった。
だけど桜庭を前にしたら、そんなものどうでもよくなってしまった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
233
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる