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第4章 崩壊したコロニー
20話 「心の距離」
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コロニーの外に出て、太陽の鳥がこちらを見やる。
そういえばここに放置したままだったな。
「どうする。アルヴァンらに何か支援を求むか」
「んーいざ欲しい物っつわれるとな。案外旅に必要な物は全部揃ってると思うぜ」
「じゃあ特段返事はかかず、太陽の鳥を返すぞ。ミリーもそれでいいか?」
「うん……いいよ」
手に鳥を乗せて、高く放る。
随分と訓練は行き届いているようで、勝手にコロニー003の方角を向き、そちらの方に凄い速度で飛んでいく。
あんな風に俺達も飛べたら、この旅も楽なんだがな。
ミリーはまだ沈んだ様子。
何か少しでも前向きになってもらえるような声かけはあるだろうか。
少し考えて、明日の行く先を思い出した。
「ミリー、明日は海に行くぞ」
「海?」
「そうだ。見渡す限りに水が広がる、地上でしか見れないものだ」
期待感を高めて旅に前向きになってもらうのは、236の時と一緒だ。
これで海って奴が死体の浮いているような場所だったらとんだ愚策だが、まぁそんな事はないだろう。
「そっか。それは、すごい綺麗な場所?」
「そうらしいな。俺も見たことはないが、過去の人類はそう言っている」
「花畑よりも?」
「……それは、お前の受け取り方次第なんじゃないか」
「はは、そうだね」
少しは前向きになってくれたようだ。
少女の顔に少しの微笑みが戻った事で、俺は安堵した。
歩き出すと、グロムが小声で喋りかけてくる。
「随分その子の扱いにも手慣れてきてんなぁ」
「何か不満か?」
「いやぁ、なんか面白くってよ。おめぇがご機嫌取り頑張ってんのが。女を口説く時もあんな感じなのかってな」
半笑いでそう言う。
面白がるのは勝手だが、趣味が悪いな。
「そういえばおめぇ、女とかの浮かれた話は一切聞かねぇけど恋人いねぇの?俺お前に気がある奴結構知ってるぜ?」
「特段作る気はないな」
「余裕クンかようざってぇ。そうやって婚期逃がしちまえよ」
グロムは石を蹴っ飛ばし、ぶっきらぼうにそう言う。
「でも、おめぇ女に限らずあんま距離詰めない……っつうか、詰められんのを怖がってる感じあるぜ」
「そうか?」
「あぁまぁ、なんかあんなら聞かねぇけどよ」
もはや小声は何処へやらという声量で、思い出したように言う。
「まぁでも、いざって時に嘘一切無しで、腹割って話せる奴って1人は必要だと思うんだよな」
「……かもな」
「別に、今じゃなくていいけどよ。おめぇがなんでそんなビビった感じなのか、どっかで聞かせてくれよ」
「別にビビって無いが」
そんな線引きを普段からしているつもりは無いが、無意識的にしているのなら。それはきっと、あの日の記憶から来る恐怖かもしれない。
そう思いつつ俺は明日の海を求めて歩き、今日の一日を終えた。
ーーー
いつものように風呂を作り、休みにする。
もうお風呂屋は定番だ。制作手順も完全に頭に入ったので、何も考えずに作れる。グロムに温度を測ってもらう部分だけは省略されたが。
ミリーが風呂に入り、その間に今日を振り返る。
少し失敗した1日だったかもしれない。
昨日までのミリーの楽しそうな様子からは少し離れてしまった。
思えば出会ったばかりの少女もそうだったか。
普段は明るいが、何かあると少し沈みやすい性格のように思う。
というか、そんなにあの骨を見て凹むものだろうか。
正直死体というよりは魔物に近かった。
苦渋の表情が見えたりもせず、まぁ少しホラーチックなだけだった。
不思議と言えば不思議に思う。
「お、おい……カイ」
「ん?」
グロムが昼間と同じように小声で語り掛けてくる。
またしょうもない話をされるのだろうか。
「あの子、中で泣いてそうだぜ」
「……?」
耳を澄ませた。
確かに、少し鼻をすすっているような音は聞こえる。
今日は、少女をそこまで追い込んだ1日だったのか?
コロニー236をそんなに期待していたのだろうか。
それほどの落胆があったのだろうか。
正直、どれもしっくりこない。
それ相応の理由がどこかにあるはずだ。
だからといって風呂でなんで泣いてたって聞くのも……少し違う気がするな。
そう思って扉を見ていると、扉の隙間に板のような物を入れてある事に気が付いた。
魔術でミリーが作ったのだろうか?扉によくあるつっかえ棒。
それはまるで、少女が自分の心に鍵をしているかのように思えた。
「なぁグロム、あのつっかえ棒は前から作ってたか」
「あん?おう。確か嬢ちゃんは風呂の度なんか置いてる音はしてたぜ」
「じゃあ、今回ばかり鍵をかけているわけではないか」
正直、今日のミリーの心情はよく分からない。
何か彼女にとって泣くほどの衝撃のある出来事があっただろうか。
1つずつ振り返っていくが、特段思い当たる事は無かった。
そうしているうちに、ミリーが帰ってきた。
「お風呂あがりー。次入る人!」
「……じゃあ、俺が先行くぜ」
グロムが気を利かせたのか先に行く。
ミリーと2人になり、いつものように解毒と髪を乾かす。
「アルヴァンさんから貰った食べ物、いつものよりおいしかったね」
「丁度味に皆飽きてきた所だったから、有難い限りだな」
「そうだね。やっぱりコロニー003には美味しい物が沢山あるのかな」
「あぁ、食いつくせない程あるだろうな」
泣いていた事に、触れていいのか分からない。
そもそも泣いていそうというだけで、全然泣いてないよとなったらとんだ間抜けだ。
彼女が気丈に振舞っているのなら、深く詮索するのも野暮に思えて。
ひとまず今日は、何も詮索しない事にした。
「海も楽しみだし、まだ楽しみがいっぱいだね」
「そうだな」
でも、彼女の元気はやっぱり無理やり出そうとしている物にも見えて。
それがなんだか少し、苦しかった。
ーーー
8日目終了
移動距離24km
残り167km
そういえばここに放置したままだったな。
「どうする。アルヴァンらに何か支援を求むか」
「んーいざ欲しい物っつわれるとな。案外旅に必要な物は全部揃ってると思うぜ」
「じゃあ特段返事はかかず、太陽の鳥を返すぞ。ミリーもそれでいいか?」
「うん……いいよ」
手に鳥を乗せて、高く放る。
随分と訓練は行き届いているようで、勝手にコロニー003の方角を向き、そちらの方に凄い速度で飛んでいく。
あんな風に俺達も飛べたら、この旅も楽なんだがな。
ミリーはまだ沈んだ様子。
何か少しでも前向きになってもらえるような声かけはあるだろうか。
少し考えて、明日の行く先を思い出した。
「ミリー、明日は海に行くぞ」
「海?」
「そうだ。見渡す限りに水が広がる、地上でしか見れないものだ」
期待感を高めて旅に前向きになってもらうのは、236の時と一緒だ。
これで海って奴が死体の浮いているような場所だったらとんだ愚策だが、まぁそんな事はないだろう。
「そっか。それは、すごい綺麗な場所?」
「そうらしいな。俺も見たことはないが、過去の人類はそう言っている」
「花畑よりも?」
「……それは、お前の受け取り方次第なんじゃないか」
「はは、そうだね」
少しは前向きになってくれたようだ。
少女の顔に少しの微笑みが戻った事で、俺は安堵した。
歩き出すと、グロムが小声で喋りかけてくる。
「随分その子の扱いにも手慣れてきてんなぁ」
「何か不満か?」
「いやぁ、なんか面白くってよ。おめぇがご機嫌取り頑張ってんのが。女を口説く時もあんな感じなのかってな」
半笑いでそう言う。
面白がるのは勝手だが、趣味が悪いな。
「そういえばおめぇ、女とかの浮かれた話は一切聞かねぇけど恋人いねぇの?俺お前に気がある奴結構知ってるぜ?」
「特段作る気はないな」
「余裕クンかようざってぇ。そうやって婚期逃がしちまえよ」
グロムは石を蹴っ飛ばし、ぶっきらぼうにそう言う。
「でも、おめぇ女に限らずあんま距離詰めない……っつうか、詰められんのを怖がってる感じあるぜ」
「そうか?」
「あぁまぁ、なんかあんなら聞かねぇけどよ」
もはや小声は何処へやらという声量で、思い出したように言う。
「まぁでも、いざって時に嘘一切無しで、腹割って話せる奴って1人は必要だと思うんだよな」
「……かもな」
「別に、今じゃなくていいけどよ。おめぇがなんでそんなビビった感じなのか、どっかで聞かせてくれよ」
「別にビビって無いが」
そんな線引きを普段からしているつもりは無いが、無意識的にしているのなら。それはきっと、あの日の記憶から来る恐怖かもしれない。
そう思いつつ俺は明日の海を求めて歩き、今日の一日を終えた。
ーーー
いつものように風呂を作り、休みにする。
もうお風呂屋は定番だ。制作手順も完全に頭に入ったので、何も考えずに作れる。グロムに温度を測ってもらう部分だけは省略されたが。
ミリーが風呂に入り、その間に今日を振り返る。
少し失敗した1日だったかもしれない。
昨日までのミリーの楽しそうな様子からは少し離れてしまった。
思えば出会ったばかりの少女もそうだったか。
普段は明るいが、何かあると少し沈みやすい性格のように思う。
というか、そんなにあの骨を見て凹むものだろうか。
正直死体というよりは魔物に近かった。
苦渋の表情が見えたりもせず、まぁ少しホラーチックなだけだった。
不思議と言えば不思議に思う。
「お、おい……カイ」
「ん?」
グロムが昼間と同じように小声で語り掛けてくる。
またしょうもない話をされるのだろうか。
「あの子、中で泣いてそうだぜ」
「……?」
耳を澄ませた。
確かに、少し鼻をすすっているような音は聞こえる。
今日は、少女をそこまで追い込んだ1日だったのか?
コロニー236をそんなに期待していたのだろうか。
それほどの落胆があったのだろうか。
正直、どれもしっくりこない。
それ相応の理由がどこかにあるはずだ。
だからといって風呂でなんで泣いてたって聞くのも……少し違う気がするな。
そう思って扉を見ていると、扉の隙間に板のような物を入れてある事に気が付いた。
魔術でミリーが作ったのだろうか?扉によくあるつっかえ棒。
それはまるで、少女が自分の心に鍵をしているかのように思えた。
「なぁグロム、あのつっかえ棒は前から作ってたか」
「あん?おう。確か嬢ちゃんは風呂の度なんか置いてる音はしてたぜ」
「じゃあ、今回ばかり鍵をかけているわけではないか」
正直、今日のミリーの心情はよく分からない。
何か彼女にとって泣くほどの衝撃のある出来事があっただろうか。
1つずつ振り返っていくが、特段思い当たる事は無かった。
そうしているうちに、ミリーが帰ってきた。
「お風呂あがりー。次入る人!」
「……じゃあ、俺が先行くぜ」
グロムが気を利かせたのか先に行く。
ミリーと2人になり、いつものように解毒と髪を乾かす。
「アルヴァンさんから貰った食べ物、いつものよりおいしかったね」
「丁度味に皆飽きてきた所だったから、有難い限りだな」
「そうだね。やっぱりコロニー003には美味しい物が沢山あるのかな」
「あぁ、食いつくせない程あるだろうな」
泣いていた事に、触れていいのか分からない。
そもそも泣いていそうというだけで、全然泣いてないよとなったらとんだ間抜けだ。
彼女が気丈に振舞っているのなら、深く詮索するのも野暮に思えて。
ひとまず今日は、何も詮索しない事にした。
「海も楽しみだし、まだ楽しみがいっぱいだね」
「そうだな」
でも、彼女の元気はやっぱり無理やり出そうとしている物にも見えて。
それがなんだか少し、苦しかった。
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