10 / 17
10
しおりを挟む
どうしてこうなった?
「イヴリン・グリフィス、そなたを我が息子アダム・ムーアとの婚約者として認める」
あまりの衝撃で、失礼にも陛下に向かって「は?」と聞き返してしまった今日の午後。
今日って、私なりに断罪式?みたいな気分で登城したの
だけれども。
馬車の中で、ハリエットと向き合っていた。
「ねえ、ハリエット。あれって私の聞き間違えかしら」
「何度も何度も陛下に聞き返してたじゃないですか。あれはだいぶ失礼に値しますよ。しつこいお嬢様に戸惑っていらっしゃいました」
「だって、陛下ったら目も合わせてくださらないもの!マイラもマイラで突然虐めは私の勘違いでした!なんて皆の前で謝罪するし」
猫から人間の姿に戻ったマイラは、そのまま意識を失った(失わせた)のでティティトリティス家の門の前に置いて、ピンポンダッシュして逃げてきた。
「何か裏で動きがあったのでしょうね」
私はふぅっとため息をついた。
「その裏で糸を引いていた人間と話をつけなきゃね」
「私は言いましたよ。国外追放なんてさせてもらえないと」
「もう少し聞こえるように言ってくれる?」
次の日、私は再び登城した。
「ご機嫌よう。アダム」
美しく咲く薔薇に囲まれた、その後ろ姿に声をかける。
「イヴリン」
アダムの真正面に私は立つ。
「私達、本当に親友ではなくなってしまったようね」
「そうだね」
静かに私を見つめ返すアダム。
「なぜ?アダム、あなたバカだわ。私を救う為にこんな事を?」
「…。」
「私はあなたに少しでも自由な結婚をして幸せになって欲しかったのに」
何て悔しいんだろう。大切な人の足を引っ張ってしまうような事を私はしたのだ。
私が婚約破棄に浮かれている裏で、アダムは私を救う為に色々と動いてくれたのだ。
「自分を犠牲にしてまで守ってもらっても、私は嬉しくなんてない!」
握りしめた手の上をアダムが優しく包み込む。
「それは違うよ。イヴリン。この婚約はオレが願ったことだ」
「なにをっ…!」
「マイラがはじめに魅了をかけたのはオレだ」
「なっ!はっはあぁ??」
「二度程かけられたが、オレにはまるで効果がなかった。靡かないオレに逆ギレしてマイラはオレを責めた。なぜ魅了が効かないのかと」
え、マイラ自分でバラしちゃったの?相手王族だよ?
「でも魅了は強い魔法よ。二度も失敗するなんて…」
「言っただろう?オレには愛している人がいる」
"オレの恋は最初から最後まで同じ人だよ"
「…だからって」
魅了がかからない程の、強い想いなど…,
アダムは握りしめた私の手を、自分の頬にあてた。
伏せた目を綺麗な睫毛が囲う。
「ずっと、ずっと愛してるんだ。イヴリン・グリフィス。君を」
伏せた目がゆっくりと開く。
アダムの強い視線が私に突き刺さる。
「イヴリン・グリフィス、そなたを我が息子アダム・ムーアとの婚約者として認める」
あまりの衝撃で、失礼にも陛下に向かって「は?」と聞き返してしまった今日の午後。
今日って、私なりに断罪式?みたいな気分で登城したの
だけれども。
馬車の中で、ハリエットと向き合っていた。
「ねえ、ハリエット。あれって私の聞き間違えかしら」
「何度も何度も陛下に聞き返してたじゃないですか。あれはだいぶ失礼に値しますよ。しつこいお嬢様に戸惑っていらっしゃいました」
「だって、陛下ったら目も合わせてくださらないもの!マイラもマイラで突然虐めは私の勘違いでした!なんて皆の前で謝罪するし」
猫から人間の姿に戻ったマイラは、そのまま意識を失った(失わせた)のでティティトリティス家の門の前に置いて、ピンポンダッシュして逃げてきた。
「何か裏で動きがあったのでしょうね」
私はふぅっとため息をついた。
「その裏で糸を引いていた人間と話をつけなきゃね」
「私は言いましたよ。国外追放なんてさせてもらえないと」
「もう少し聞こえるように言ってくれる?」
次の日、私は再び登城した。
「ご機嫌よう。アダム」
美しく咲く薔薇に囲まれた、その後ろ姿に声をかける。
「イヴリン」
アダムの真正面に私は立つ。
「私達、本当に親友ではなくなってしまったようね」
「そうだね」
静かに私を見つめ返すアダム。
「なぜ?アダム、あなたバカだわ。私を救う為にこんな事を?」
「…。」
「私はあなたに少しでも自由な結婚をして幸せになって欲しかったのに」
何て悔しいんだろう。大切な人の足を引っ張ってしまうような事を私はしたのだ。
私が婚約破棄に浮かれている裏で、アダムは私を救う為に色々と動いてくれたのだ。
「自分を犠牲にしてまで守ってもらっても、私は嬉しくなんてない!」
握りしめた手の上をアダムが優しく包み込む。
「それは違うよ。イヴリン。この婚約はオレが願ったことだ」
「なにをっ…!」
「マイラがはじめに魅了をかけたのはオレだ」
「なっ!はっはあぁ??」
「二度程かけられたが、オレにはまるで効果がなかった。靡かないオレに逆ギレしてマイラはオレを責めた。なぜ魅了が効かないのかと」
え、マイラ自分でバラしちゃったの?相手王族だよ?
「でも魅了は強い魔法よ。二度も失敗するなんて…」
「言っただろう?オレには愛している人がいる」
"オレの恋は最初から最後まで同じ人だよ"
「…だからって」
魅了がかからない程の、強い想いなど…,
アダムは握りしめた私の手を、自分の頬にあてた。
伏せた目を綺麗な睫毛が囲う。
「ずっと、ずっと愛してるんだ。イヴリン・グリフィス。君を」
伏せた目がゆっくりと開く。
アダムの強い視線が私に突き刺さる。
52
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
【本編完結】真実の愛を見つけた? では、婚約を破棄させていただきます
ハリネズミ
恋愛
「王妃は国の母です。私情に流されず、民を導かねばなりません」
「決して感情を表に出してはいけません。常に冷静で、威厳を保つのです」
シャーロット公爵家の令嬢カトリーヌは、 王太子アイクの婚約者として、幼少期から厳しい王妃教育を受けてきた。
全ては幸せな未来と、民の為―――そう自分に言い聞かせて、縛られた生活にも耐えてきた。
しかし、ある夜、アイクの突然の要求で全てが崩壊する。彼は、平民出身のメイドマーサであるを正妃にしたいと言い放った。王太子の身勝手な要求にカトリーヌは絶句する。
アイクも、マーサも、カトリーヌですらまだ知らない。この婚約の破談が、後に国を揺るがすことも、王太子がこれからどんな悲惨な運命なを辿るのかも―――
婚約破棄ですか?はい喜んで。だって僕は姉の代わりですから。
ルーシャオ
恋愛
「女が乗馬をするなどはしたない! しかも何だこの服は、どう見ても男装だろう! 性倒錯甚だしい、不愉快だ!」
タランティオン侯爵家令嬢メラニーは、婚約者のユルヴェール公爵家のドミニクからきつく叱責された。しかしメラニーは涼しい顔で、婚約破棄をチラつかせたドミニクの言葉をすんなり受け入れて帰る。
それもそのはず、彼女はメラニーではなく双子の弟メルヴィンで、もっと言うなら婚約は目眩しだ。祖父であり帝国宰相ランベルトの企みの一端に過ぎなかった。メルヴィンはため息を吐きながらも、メラニーのふりをして次の婚約者のもとへ向かう。すると——?
コルセットがきつすぎて食べられずにいたら婚約破棄されました
おこめ
恋愛
親が決めた婚約者に婚約を破棄して欲しいと言われたクリス。
理由は『食べなくなった』から。
そんな理由で納得出来るかーーー!とキレつつも婚約破棄自体は嬉しい。
しかしいつものように平民街の食堂で食事をしているとそこに何故か元婚約者が!?
しかも何故かクリスを口説いてくる!?
そんなお話です。
親に捨てられた長女ですが両親と王子は失脚したようです┐( ^_^;)┌
頭フェアリータイプ
恋愛
クリームランド公爵の長女ルカは神の愛し子である妹アンジェラを悲しませたという理由で戒律が厳しいことで有名な北の修道院に送られる。しかし、その3年後彼女は妹の望みで還俗することになって???
投稿後3日以内にお気に入り10で短編に変更連載続行します。
お気に入りありがとうございました。短編に変更し連載を続行します。完結までどうぞお付き合い下さいませ。
イイカンジノカオモジを発見したのでタイトルを微変更
どうにかこうにか完結。拙作お付き合い下さりありがとうございました。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる