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プロローグ

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大好きな森の香り…大好きな木の温もり……

小学生の頃からコツコツと貯めたお金と日々節約しながら会社の給料を貯めに貯めて50前に脱サラした。
山に籠もった俺は引っ越したばかりの念願のログハウスで大好きな木々に囲まれ、大好きな香りに囲まれて俺は…目を閉じた…はずだった………

目が覚めるとそこは大好きな森の香りは全くしない、豪奢なベッドの上に横たわっていた。


「………ん…」


あれ?子どもの声が…
ゆっくりと起き上がり周りを見渡す。

………いねぇな………

「誰か………っ?」

………ん?………

今の声………俺?

下を向くと小さな可愛らしい手が2つ………?

……この角度…上から俺が見てる訳じゃないよな………

……まさか………俺ぇ?!

____キュウィィィイ____

「あだだだだだっ!」

痛いっっ!何だ?!この耳鳴りと頭痛っ!!
吐き気も出てきたっ………

………あ………

いきなりの走馬燈な記憶が俺の頭に蘇る………蘇るで良いんだよな?!本人の記憶?なんだし。

うぉぉぉおっ!気持ち悪いぃぃっ!!

頑張った節約生活の為せる技なのか…もったいない精神が勝って、どうにか気合で吐かなかった。

どうやら俺の名前は「シオン・ローズウッド」…らしい…

フッ…こんな森や木が全くない景色の中で…自分の名前で見つけたぜ…

「ローズウッド」
日本じゃ「紫壇」って言われてる希少価値の高い木だ。

ここでのローズウッドは、数少ない精霊の加護を持つ一族らしい。
このヨーロピアンな雰囲気…時代は……

____キュゥウウ____

「カッ…ッ…ハッ………!」

あ、少し吐いちゃった。血も…少しある?
もったいない…

____バァァァン!____

「シオン様!大丈夫ですか?!………!!」

あ………分かった………

「…カ…ヤ……」

「シオン様っ!誰か!!医師を早くっっ!!」

お~「カヤ」だ…
あれ?超イケメンな男なはずなのに、何か…若い?
フフッ…若いと少し可愛いんだぁ……

赤ちゃんの頃から俺に仕えてくれているカヤに抱かれて意識が薄れる景色の中で、俺は…少しずつここに来る前と今までのシオンの記憶が融合していくのを感じた。


___どうやら俺は…脱サラ1日目で眠ったままあの世に行った___


………そして………


俺は…山に引き籠もりたい原因を作った…BL…しかも、ここにくる直前までハマッていたBLゲームの世界に…転生した…らしい………



BL恋愛ゲーム
「森に差し込む陽の光のように…」



………………悪役令息「シオン・ローズウッド」として………………
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