目が覚めたらBLゲームの悪役令息になったけど、山に引き籠もりたいので全力で主人公を応援しますっ!

mana.

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【7歳】

【7歳】3

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………と、思っていたら翌日かよ………

「………と、言う訳で………シオン………ゴメン………」

王の依頼で動いていた父。
依頼は他国の調査だったが、子どもと打ち解けた父が嬉しさのあまり、ウッカリ王様にこないだの梅の木の話を自慢したらしく「そんなに出来た息子なら、王子の話し合い手になれ。」と、言われたそうだ……しょんぼりしながら報告にやって来た。

いやぁ、一応7歳だよ?
母親から離れて1人で王都?いやいや…どこの時代劇だよ…イマドキ聞かないよ?そんな話。

「…僕は…ここを…母上と離れるのは嫌なんですが…」

都会はなぁ…
ここでのんびりとスローライフを楽しみたいんだが。
取り敢えず「母上」のカードで攻めてみる。

因みにあれから両親は俺が色々取り持ってラブラブだ。
母もツンデレの「ツン」が取れ、今じゃ「デレデレ」だし。

「う………そうだよね。まだ幼いシオンを…分かった!私も王に伝えてみるよ!!」

あ、交渉出来るんだ。
せっかく3人幸せ家族♡な構図が出来たもんね。
忙しい仕事の合間をかいくぐって一生懸命帰ってくるもんな。
そりゃあ、いっぱい堪能したいよなぁ。

父は聞いてみると王様とは年齢が同じで学園では共に勉強をしてからの仲だそうだ。
その時に色々と認められて、無理難題を押し付けられては他の仲間と動いているみたいだ。

仕事出来る人って、どこも大変だよな~。

と、他人事でのんびりと考えてた。


………父が王都へ戻って1週間後………


「来てやったぞ!」


___父と問題の王子様がやって来た___


「…………お初にお目にかかります。シオン・ローズウッドでございます。まだまだ幼い身でございますので、正式なご挨拶はご無礼ながら省略とさせて頂きます。」

___で、挨拶良いんだよな?父よ…___

にっこり王子に笑って後ろの父にアイコンタクトをする。
今ならファストフードでも働けるぜっ!
気付いてない王子の後ろで、半泣きで一生懸命コクコクと頷く父。

父よ…何故コイツを土産に持って帰ってきたっ………

「俺は第3王子のオークだ!お前は少し身体が弱いと聞いたからなっ。来てやったぞ!」

___はぁ?何故に?___

「………身体はだいぶ良くなりましたが、人混みにはまだ難しいかと父も申しているとは思いますが……王子様の何にご興味が出たかは分かりませんが、僕には王都は向いてはないと思います。」

何だかんだとここを気に入り始めているから、断罪の原因である「婚約」自体を無くしたいんだよなぁ。

「…オーク…」

「え?」

「俺の事は…オークって呼べよ…」

呼べるかいっ!
でも…王子様命令だよなぁ…
うぅ…上司には逆らえない日本のビジネス体質が憎いっ。

「…じゃあ………オーク…様…」

王子様は名前呼びに何故か頬を赤らめた。

「……俺、ここに住む…」

「「は?」」

父と2人でハモってしまった。
いやいやいや…仮にも王子よ?
そりゃ無理だ。

「オーク様…それは…」
「王子、それは安全面を考えますと難しいかと………」

うん。いくら使用人みんな男女問わず武力はやたら強い屋敷だけどさ、王子守る程の人数はいないわ~。

「やだ…」

え~、ワガママ~。

「じゃあ…シオンが俺の婚約者になるなら我慢する………」

マジかっっ?!

「いや、どうしてそうなるんですか?!」

「~~~~っ!良いだろ!俺がそう思ったからだっ!!」

プチンッ…と何かが切れた…

「え~………僕、イヤです。」

「え?!」

え?!何その驚き、断らないの前提?!

「突然こちらにやって来て、王都に来いだわここに住むだわ騒いだ挙げ句に婚約ですか?馬鹿にしないで下さい。子どもの僕でも人の好き嫌いはあります。」

「俺が…王子でもか?」

「王子でも。」

「俺が…王子じゃ…なくても?」

「王子じゃなくても。」

ま、嫌われて婚約しないならそれにこしたことはないし。
今現在じゃ、ただのワガママな失礼なヤツだしな。

王子は少し考えて「………すまなかった…帰る。」と、言い残して父と王都へ戻って行った。
よくよく考えりゃ不敬罪で問われる事もあったよな。

よく生きてたなぁ…俺。

翌日、父が王都からトンボ返りして帰ってきた。
王様が王子のワガママを聞いたからと休暇をくれたらしい。

「…………お帰りなさい、父上………」

「…………ただいま…シオン…」

「人とお話する時は目を見て話すのが…常識じゃないんですか…?」

「うぅ………そんなクロバイみたいな事言わないで…」

日本なら「そこに座りなさい」で、正座で説教だぜ。

「シオン!パパをイジメないでっ!!」

「母上は最近父上に甘すぎです。」

「………っ!そんな事………ないもんっ!」

「ポゥ…♡」

あ、ポゥはポーロウニア、母のあだ名ね。

母の腰に手を回し、母は父の胸に両手を添える…バカップル爆誕だよ…

実は母、父に一目惚れした後に親から勝手に婚約者を決められた腹いせに滅茶苦茶相手を怒らせて婚約解消させたらしいんだよな。
そりゃ、やっとこの恋愛が実ってデレるのは分かるよ……分かるが…

……爆ぜろリア充ぅっ。

「…アッシュ様、ポーロウニア様……そういった事はシオン様のいない所でお願い致します…」

カヤが俺の後ろから手を回して目を隠し、両親へ注意をする。

「あ、シオンッ!ゴメンッ!!」

パッと、カヤが手を離した時には離れている両親は有り難いが…
有り難くないのが第3王子だ。

「…で、王子は何と?」

「う~ん…突然押し掛けたのは申し訳無かったと伝えて欲しい、改めてまた来る…だそうだよ。」

また来るんかい………

王子は俺が記憶が戻ってすぐ、どうしても参加しなくちゃいけない王家の茶会に端っこで座っていた俺に一目惚れしたとか…
どこをどう見て一目惚れしたんだか……俺には全く分からんが。

なので、前から王様にお願いしていたがきっかけを掴めず、たまたま自慢してきた父の話に便乗したらしい。

「………日を改めて、ちゃんと申し込みに来るみたいだよ。」


___王命だよね?断れないじゃん___
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