のんびり異世界旅行~キャンピングカーごと死んだので特典てんこ盛りで転移しました~

みりん/鷹山リン

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「ッフフ」

 ソランツェが噴き出す様に笑い出す。胸に振動が伝ってきて、胸元のスリットから中に入り肌に触れていたソランツェの少し硬めの髪の毛がくすぐったい。
 抱いていた頭を解放して顔を上げさせれば、俺の顔を見てまた笑う。俺、顔真っ赤なんだろうって自覚あるわ。

「まだ早い、か?」
「……うん、俺達会ったのまだ昨日だし」
「でも、嫌じゃない?」

 俺の答えはもう判り切っているのに、ソランツェは俺の口から聞き出そうと目で訴えてくる。
 
「俺さあ、経験あるのは女性のみで、まあそれも言ってしまえば何となくだったって感じで、かと言って同性とってのは考えた事なかったんだけど」
「だけど?」
「嫌じゃ、なかったねえ?」

 目を合わせたまま、ニッと笑うとソランツェも同じ表情を返してきた。
 しばし見つめあった後、近くへと来たソランツェの顔をそのまま受け入れると、時間をかけずわざとらしくリップ音だけ響かせて顔が離れていく。

「……だからまだ早いって」
「そうか?」

 なんて言いつつも、クスクス笑いながら俺を抱き起してくれた。そうですよ?まだ早いでしょうよ。俺達会ったの昨日ですってば。

「なんつーの……えーと、見極めたい?」
「特別な所には既に置いてくれていそうな気はするが?」

 くっ!そこまで自分に鈍い訳じゃないからね、俺だって微妙に気付いてますけども。

「と、とにかくまだ早い!はい!この話今日はおしまい!」

 それにソランツェからも直接言葉を聞いた訳じゃないしね!!!





++++++




 さて、逃げを打った俺をソランツェは笑いながら解放してくれました。ふぅ。

 就寝前に貴重なはずのお風呂が用意されていたので、有難く入浴させて頂く。石造りの浴槽は日本の一般家庭サイズよりは少し大きいかな?足は難なく伸ばせる。大きな浴槽いいなあ……。欲しい。これは作り付けだから持ち運び無理だけど、浴槽ってどうにか作れないものか。もしくは売ってないかな?

 今日は精神的に疲れているので、気休めに入浴剤でも入れたいとお湯の中でシュワシュワとなるあのアレを思い出した。たしか実家の物の中に無かったかな?収納の中にあれば出て来いと念じるとトプンッと湯に落ちた。やった~!あ~、シュワシュワ気持ちいい~!ゆずの香り~!
 
 まったりと過ごしてから出て、体を拭いた後、自分の着替えを置いていた場所をふと見るとなんか、すっごい防御力低めの透けそうで透けてない様な、でも透けてそうな紫のツヤツヤしたナイトガウンと紐パンだけがそこにある。自分は今チベットスナギツネみたいな顔してるんだろうなって思う。アシュマルナ、テメー余計な事すんなよ。マジで、今は。

 お湯を入れ替えてからソランツェに声をかけた。
 ブスッとした顔でナイトガウンを着て出て来た俺に、ソランツェは察したのか笑っている。これで我慢しろというのは中々の試練を神は俺に課すんだなって言って。くらえ、猫パンチ!と小突いておいた。



 ソランツェがお風呂に入ってる間、俺はベッドへ。
 貴賓室はスイートルームみたいな造りで、ソファセットとかのある応接区画と寝室などの区画に分かれていて、寝室真横に護衛の人用なのか一応小さめのシングルベッドが置かれた小部屋もあった。部屋は狭いしベッドは小さいし実の所寝る用じゃないとは言え格差が凄いよね。メインは天蓋付きキングサイズベッドだし。そんな豪華なベッドでも使われているマットレス?は硬めだけど。

 明日はどうしようかな、と考える。
 本当は数日滞在する予定だったんだけど、俺達が動く=警備隊の人の仕事が増えるって事なので、早々に立ち去った方が良さそう。
 ペダソクの先に港町があるらしいから行きたいけど、この状況じゃ道中どうにも……。多分、その港町の方にも伝わってるかもしれないし、情報が漏れたペダソクはここより大変な事になりそうなんだよなあ。
 ジルオラさん情報によれば、神託の情報が漏れたのはララタスよりも規模が大きくララタスを下に見ているペダソクの教会の偉い人の一人が、伝えられた情報になぜ俺が来るのがペダソクじゃないのかと機嫌が悪くなって所構わず周囲に当たり散らし、それをたまたま御用聞きの口の軽い商人さんが目撃し、言葉巧みに情報収集、そして即拡散と……。
 色々駄目が重なっているので近付かない方が良さそう。
 どうしようかな~。





 まあ、そんな事よりもだ。
 あれだよ、あれ。俺を揺るがす、あれ。
 『神からは許しをもらっている様なものだ』ってこれだったんか~い!とベッドで枕側から足側までゴロゴロゴロゴロ寝転び、何で?あいつらタッグ組んでんの?とまた足側から枕側までゴロゴロゴロゴロ寝転ぶ。ソランツェ、何いきなりエロくなってんの?お兄さん困る!と枕を抱き締め足をバタバタ。

「リヒト、自分の服装忘れてるだろう?」
「!?!」
 
 そうだったよ、そうだった。捲れ上がってました、ナイトガウン。
 股間までは見えては無いけど太ももは出てた。風呂上がりのソランツェにしっかり目撃されている……俺はなんて迂闊なんだ……。

「待たなくていいのか?」

 そんな事を言いながらソランツェはベッドをギシッと軋ませ俺の横に寝転んできて、捲れ上がったナイトガウンの裾を弄んでいる。たまに太ももに指を掠めさせるのがまた……ああ~~!もう、またじゃん!!くそ、いいよ、もう開き直ってやる。とは言え、まだ早い!
 
 裾を弄ぶ指を絡め取ると、そのまま自分の口元へ引き寄せる。
 ソランツェの指先に軽くキスをして解放すれば、言いたい事は伝わった様だ。

「熟した方が美味しいんじゃない?」
「では、やっぱり待つしかないか」
「熟すといいね?」
「頑張ろう」

 二人でクスクス笑い合って、今日は終了です。お疲れさまでした。明日また頑張りましょう。




++++++



 おはようございます、今日も『目を閉じたら瞬時に朝でした』の経験です。
 これ、あれだよな。このベッドでもそうなるって、ベッド本体の仕様じゃなくもうアシュマルナの魔法とかの仕業って事だよな。いや、寝る前に色々考えてしまいがちなので有難くはあるけど……。

 寝起きでボケーッと考えていたらソランツェも起きた気配を感じて、そちらを向くとソランツェもこちらを向いていて目が合うと優しく笑ってくれた。昨日の朝はサッと移動されてしまったのでちょっと嬉しい。

「おはよう」
「ああ、おはよう」

 スッと起き上がりながら俺に近付いて来て、チュッと額に目覚めのキスをくれる。

「ふふ。なんでそこ?」
「違う所が良かったならもう一回しようか」
「残念、目覚めのキスは一日一回のみで~す」

 あはは、と笑いながら起き上がって、さて、お着替えしましょうかね。
 そういえば、着替えって魔法でいける?いけるかな?あ、いけた。ホント便利だなあ。

 よーし、出発しましょうか。
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