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38☆

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「俺だけはヤダな」



 そう言って覆い被さっているソランツェの服を軽く引っ張ると服を脱いでくれた。

「かっこいい……」
「そうか?」

 俺の目の前に現れたソランツェの身体は美しく割れた腹筋や腕の筋肉、他のどこを取ってもかっこいい身体だった。
 ボクサー体型っていうのかな?と、しっかり鍛え上げられた魅力的な身体に心底うっとりしていると、ソランツェはクスクス笑い俺を抱き起こしながらも既にあまり意味を持っていなかったナイトガウンを完全に脱がしてくる。

「あ……」

 あの紐パンだけの姿は正直恥ずかしいけど、それが気にならないくらい触れ合う素肌が気持ちが良くて自分からグッと身体を寄せる。

「気持ちいい」
「俺もだ」

 抱き合うだけでこんなにも気持ち良かった事なんて過去に無い気がして、心がなんだかソワソワする。もっと、もっと、って。

「もっと、触って」
「ああ」

 ソランツェは俺にキスしながら男を感じさせる手で女性の様な膨らみもソランツェの様な鍛えられた筋肉も無いペタンとした胸を探り出す。
 見つけた突起を中心に軽く揉みながらたまに親指の腹で突起を潰す様に捏ね、俺の反応を見る。

「そんな所感じないって思ってたのに」
「そういう訳でもないみたいだな」

 あっさり尖ったそこをソランツェの舌が這う。吸いながら舐めたり軽く噛んでみたり唇で挟んで引っ張ったり、あらゆる動きで俺に快感を与えようとしてきて、時々上目遣いで俺を見るその視線にお腹の奥がうずうずと熱くなってくる。

 疼くものを逃したくて小さく喘ぎ出したのに気付いたソランツェは俺を優しく寝かせてくれたが、離れた体温が恋しくて手を伸ばしてソランツェを引き寄せようとすると、すぐにその体温を俺に戻してくれる。

「もっと?」
「……足りないよ」

 強請る俺にニコリと微笑むと、先程とは違うもう片方も同じ動きで俺を攻める。既に濡れている方も指で弄び、新しい快感を俺にくれた。
 濡れてヒヤリと冷たさを感じる先端を片方は舌先でちろちろと微かに舐められ、もう片方は爪の先でほんの少しだけ触れる様に引っ掻かれると、もう小さな喘ぎではじわじわ広がる疼きを逃せなくなる。

「ん、んっ……、やぁ、あ、あん」

 快感に悶える俺の身体は、すごく素直に反応していて躊躇うことなくさらなるものを求めている。

「俺って、こん、な身体だったんだ……な、ぁん」
「良い身体だな」

 首筋や胸、脇腹を指でなぞる様に刺激されると身体が跳ねてしまって、恥ずかしい。

「……好き?」
「もちろん」

 なぞる指は紐の位置まで辿り着き、解くでもなく紐の上を何回も行き来するだけで、生地に押さえられ窮屈さを感じるようになった場所を解放してはくれない。
 じれったくて、どうにかして欲しいけど、でも、ちょっと悔しくて言うのを我慢していたら、それを咎めるかの様に、形を変え硬くなって浮き出たラインを指で丁寧になぞってから、手全体の動きに変え俺を追い詰めてくる。

「あ、あっ、んん……やぁ、ああ! もぉ、いじっ……わる」
「リヒトだってそうだろう?我慢なんかして」
「そん……なぁ、ん、 っあぁ」

 ソランツェは追い詰める手とは反対の手で俺の手を取って、自分の場所へ導く。

「えっ、あぅ……」

 そこにあったのは、自分のこの姿だけで俺と同じ様に形を変え硬くなってくれたもので、下着越しでも伝わる熱いそれに触れると自分の中に嬉しさが湧いて来るのが判った。

「そっか……俺も意地悪だね」
「……触れたい」

 余裕のないソランツェの声が嬉しくて、願いを受け入れる様にキスを返すと躊躇なく紐が解かれた。
 俺もソランツェのをと脱がせると、そこには体に見合った長さと太さを持つ、顔が良い奴はこんな所まで非の打ち所がないんだななんて言いたくなる完璧な造形の物があって、思わず息を呑む。
 目を離す事が出来ず、うっとりと見つめているとソランツェの指が俺の唇を撫でていく。

「気に入ったか?」
「!? もぉっ、ホント、バカじゃないの?!」

 実の所は……図星だったので、恥ずかしくて耳まで赤くなるのが自分でも判った。だって、しょうがないじゃん、完璧なんだもん。
 お気に召した様でよかった、なんて言いながら俺と向き合う様にソランツェもベッドに横たわり、俺の腰を撫でながら臀部まで手を下ろし割れ目をなぞってきた。
 男同士がどこを使うかなんてのを知らない様な無知ではないから、指の位置にその先を想像してゾクゾクくる。使った事なんて無いのに怖いなんて感じなくて少し戸惑うけど。

「……俺、そこ、」
「挿れたりはしない、……今日は」

 近い内にあれを挿れられたりする日が来るんだなと思えば、知らない快楽に焦がれてお腹の奥が疼く。どうしちゃったんだろう、俺の身体。
 なんとなく、それを悟られたくなくて顔を隠す様にギュッと抱き着けば、自分のものとソランツェの熱いものが当たってしまってますます疼いてしまう。


「すご、 熱い……」

 当たったまま離さず、擦り合わせていくと、互いから溢れ出る生暖かい液体で硬いもの同士の滑りが良くなり、少し動くだけでも気持ちよく、自然と腰が動いて声が止まらない。

「ん、ぁ ヌルヌル気持ち、いぃ……ね」
「ああ、……気持ちいい」
「あは……一緒……だねぇ、でも――」

 もっとどうにかして欲しくて強請ると、俺よりも大きな手で俺のものを握り、俺の手に自分のものを握らせてきて意図を察するが、人のはした事なんかないから俺は頑張ってもあまり上手く出来てる気はしなくて……。
 なのに、ソランツェの手は扱いが上手く感じて、その事に胸がちょっとモヤッとするし、でも気持ち良過ぎてだんだんそんな事も考えられなくなってくる。

 空いている手で胸を弄られ首筋を舌で攻められると、もう出来ないなんて甘えた声が出て波にのまれた様に訳が判らないまま一際大きな嬌声を上げて久し振りのあの解放感を味わう。

「ぁ ん、気持ちい……ぃ」
「リヒト」

 ソランツェに縋り付いたままピクピクとひくつく余韻に浸っていると、興奮した声で俺の名前を何度も呼び、俺の手ごと自分を扱き上げるソランツェと目が合った。
 獣が獲物を追い詰める時の様な鋭い目で見つめられると、全身に甘い痺れが走る。
 
 息が上がり本当に余裕がない様子が、かわいい。

 その様子に俺もちゃんと気持ちよくさせたいなんて思って、自分の思うままにソランツェにキスをして空いている手で彼の先端を撫で上げる。
 低い良い声で小さく喘ぐのをもっと聞きたくて、滑るカリを人差し指と中指で挟みグリグリと刺激しつつ親指で鈴口を指で擦ると、何回もしない内に余裕ゼロの低い喘ぎ声と共に俺の手に精が散った。

「熱い……」






 息が整ったソランツェが無言で、でも微笑みながら抱き締めて来るのが嬉しくて、自分も抱き締めようとするが手の事を思い出す。
 ちょっと待って、とシャワーを浴びたイメージで魔法を使えば、二人とも綺麗な、何もしていませんみたいな身体になった。下着やシーツも綺麗にして後処理完璧。
 下着だけつけて、ゴロンと横になる。当たり前の様に腕枕されてるけど異論はない。

「魔法って便利だね」
「こんな使い方するのはリヒトだけだ」
「あははは――って、ちょっと待って!!!」
「どうした、いきなり」

 すーーーーーっかり忘れてたけど!!てゆーか、すっごく今更だけど!!!


「もしかして、これ、アシュマルナ……見てる?」
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