とある高3の日記

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7月26日

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会社見学から1夜明け朝、担任からその会社がどんな様子だったかなどを詳しく聞かれた。まだ記憶が新しいからこそはっきりと思い出して報告できたがこれが一週間もすれば忘れていくのだろう。
担任への報告が終わり暇になったら俺はどこかに行こうと考えた。別に行き先は決まっていない、ただこの家にいるのが無性に嫌だった。朝からの雨もそう俺が考え始めた頃には上がっており充分外出は可能だった。行く宛もなくひたすらに自転車を走らせていると気づいた時にはつい先日自分と随分と年の離れた友人(俺の何倍も年上)と来た場所だった。時刻は17時を過ぎており段々と空が赤く染まりつつあった。一度も水分補給をしていなかったこともあり近くの自販機でお茶を買ってその場所に戻って休暇した。周囲に人が居なかったこともありそこで見えた海の景色はやけに綺麗に見えた。
写真を撮っておこうと思ったが携帯を持っていなかったので撮れなかったのが少し残念だった。
帰路につき家に戻ったのは19時を過ぎた頃だ。誰もいない静かな家は祖母が亡くなって半年が経った今でも俺は慣れていなかったんだと改めて気づいた。
兄が帰宅後俺は直ぐに飯の支度をしたが兄はそれを食べずに30分ほど放置していた。別にそれだけなら良いのだが「飯が冷めている」ということで怒られた。この理不尽はきっとこの家に居る合間ずっと続くのだろう。
後はLINEで叔母に怒られた。理由は簡単で会社見学を行くのに俺の持っているシャツが汚いということで新しいシャツを買うことになったのだがそのことについて今日来た電話のことを報告しなかったからだ。そりゃ確かに俺が叔母に頼んでシャツを買って貰うのならば報告はする。だが俺は一度もシャツを買って欲しいと言っていないしシャツを買うことに対して賛成したいなかった。それなのに「シャツを買ってやるんだから報告しろ」とはよく言ったもんだ。
結局買うのはアレコレ理由を付けたところで叔母の自己満足に過ぎない、シャツが汚いから不採用ならそうすれば良いそうすれば俺はこんなクソみたいな生活きらおさらば出来るし親族から「お前は弟なんだからーー」と言われ続けられることも無くなるし兄は死んで欲しい奴が消えるんださぞかし喜ぶだろう。それで良いじゃないか。最近は叔母から「悲しいことがあっても泣かない可愛げがない」とよく言われる、生憎俺も自分の涙をここ4、5年程見ていない。もしかしたらもう涙なんてとうに枯れ果てているのかもしれないな。
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