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悪役ってなあに?
しおりを挟む「あなたは将来、悪役令嬢になるから気をつけなきゃ
私があなたを護るからね!
私の可愛い子 私の推し」
「かあさま あくやくれいじょうってなあに?」
母に物心つく前から言われてきた言葉
「悪役令嬢はね
ヒロインに意地悪をして『ざまぁ』されちゃう人のことよ
そうならないように優しい人になれるようにきをつけましょうね」
「? うん わかった かあさま」
その後、家庭教師に勉学をマナー講師には淑女教育を学び、物語なども嗜むようになる頃には理解してきた。
私は悪役なんだって
そして『ざまぁ』されるらしい。
別に家族仲は悪くないし冷遇もされておらず
キチンと教育も受けさせてもらっている
貴族令嬢としては恵まれて居ると思う。
しかし
母親だけは受け入れられない…
「将来あなたは『悪役令嬢』になってしまうから地味なドレスや控えめな装飾を纏なさい」
とか
「『悪役令嬢』になりたくないなら我儘はいわないのよ」
とか
「表情は柔らかくいなさい『悪役令嬢』はキツく見られやすいから」
など
ことあるごとに『悪役令嬢』がついて回る
そして
私を見ているようでまるで見ていない
『悪役令嬢』という役者としてしか見られない。
母親からしたら私は『推し』と言うものらしい
たくさん構ってもらって可愛がられているが『母親の娘』としては見てもらえない
「気持ち悪い…」
父親から見た母娘は仲良く見えるのだろう
微笑ましげに見てるだけで分かってくれないのだ。
誰にも相談できないし、誰にも理解してもらえない。
遠目からは幸せな『貴族令嬢』に見られているのだから
どうせこのまま物語りのように
『悪役令嬢』になり『ざまぁ』されるのなら…
仮に『悪役令嬢』にならず『ざまぁ』を回避したとしても、母親に繰り返し同じ事を言われ続けるなんて私には耐えられないっ
「はぁ …頭がおかしくなりそう」
そして、私は決意しました。
ーーーーーーーーーー
ーコンコンー
カチャッ
「あなた お呼びと聞いて伺いました」
「娘が出て行った」
「えっ …あの子が出て行ったですか?」
「置き手紙を残して家出したらしい
これに書いてある事は本当なのか?」
「これは…」
「娘が幼少から『将来あなたは悪役令嬢になり断罪される』と繰り返し言い続けてたらしいな」
「表向きは仲が良く見えたが、裏では虐待してたのか?」
「いえっ!そんなことは誓ってしていません!」
(そんな …私は推しを虐待なんか絶対しないわ ずっと断罪回避の為に推しを見守ってきたのにっ なんで…)
「キミにはガッカリしたよ」
(あぁ …どこにいったの? 私の推し)
ーーーーーーーーーー
私は、母親がおかしいと気づいてから
家出を考えてコツコツお金を貯めていた。
家に居続けて改善を試みたところで誰も信じてくれないし、『悪役令嬢』になる前にきっと私自身が精神的に壊れてしまうだろう。
いや、実際壊れているのかも?
なので
せめての意趣返しに置き手紙に今まで母親に言われ続けた言葉を父親に残してきた。
大した傷にはならないかもしれないが
跡取りの1人娘が居なくなったのだからある程度は困るだろう。ざまあみろ
やっぱり私は『悪役令嬢』なのかもしれない。
そんな事を考えながら汽車の車窓を眺めている。
10年前に隣国が開発し、昨年漸く自国も開通した。
今までは国境を渡るまで馬車で何週間か、天候によっては月単位になることもあったらしいが、汽車だと幾つか乗り継ぐが数日で済むし揺れも少ないから快適だ。
本来『ざまぁ』された後は国外追放らしいから、とりあえず隣国に向かっている。
「ふふっ」
セルフ『ざまぁ』
なんて考えていたら可笑しくなってきて、何だか楽しくなってきた。
世間知らずな令嬢がひとり旅なんて
酷いことが待ち受けてるかもしれないのに…
今は楽しみで仕方ない
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