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001.最初の探索
001.ナウローディング
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物語は超巨大戦艦、ファインニードにある自室から始まった。
質素なパイプベッドから身を起こすと、立ち上がり部屋の中を見渡した。
思いのほか質素な感じに、拍子抜けしてしまう。
『まっ、これから色々アイテムを収集してカスタマイズいけば良いか』
そう考え、さっそくセレクトボタンを押し込んだ。
視界の中央から下が半透明の黒いウインドが出ると同時にカーソルアイコンが点滅を開始していた。
改変画面を呼び出した僕はさっそくとばかりに、コマンドの一つを打ち込んだ。
『/stats』
キーボードを叩くと、タンッとエンターを押下した。
『 』
が、何の反応も起きない。
『っかしいなぁ、説明書に確かステータスって打ち込めば初期パラメータが見えるって書いてたハズなんだけどなぁ』
そうこう考えながら、部屋の窓から見える街並みをボーッと見下ろしていた。
宙を舞う乗り物が居住空間を自由に行き来し、光のケーブルを辿り特定のコースを進む電車らしき箱船。他にもカラフルなレーザーライトが無限い広がる闇空を貫いていたり、船内は未来都市といっても過言ではない様子を見せていた。
『はぁ、あの街中にも行けたら神なのになぁ……』
現在、情報の展開中で部屋の外へ出る扉はうんともうんとも言わず、こうしてコマンドテストや外の景色を見て過ごしていた。まぁ、冒険が始まっていないにも関わらず胸の高鳴りは止まることは無かった。
そして、ついにその時がやって来た。
フィン、と軽やかな音と共に部屋の扉が勝手に開く。
自然と、外へ向いていた視線が扉の方へと向く。
「お待たせしました、お兄様」
扉を開け自室へ入って来たのは、全身真っ赤なドレスに身を纏った一人の御供《おんなのこ》だった。
きめ細かなディティールのドレスに、思わず処理落ちしないかとそんな事を考えてしまう。
ついでに、そのドレスの下もちゃんと作り込まれているのか非常に気になるところである。
「……見たいの?」
小首をかしげて人差し指をほっぺたにぷにっとぬめり込ませてみせる。ふわりと綺麗な金髪がドレスの表面を滑らかに流れていった。まるで本当にそこに人間が居るかのような、そんな作り込みである。
しかし、幼さの残る高めの声で言われると少なからずドキリとしてしまう。
見たいか見たくないかで言えば、そりゃ確認はしたいがヘッドセットをつけたまま寝転がる姿勢をとってみるとか、寝転がるアクションで視界を変えて見るとかそんな選択をして良いものか。
「見たい、のね。ちょっとだけですよ」
ドレスのスカート部分をたくしあげると、顔を赤らめながらハイ、と言って見せる女の子。
「わわっ、ちょっとタンマ! まだ何も言ってないから! おろして、おろして!」
ドギマギしながらも、カラフルな下着に視線がくぎ付けである。
「一応、これは水着だから恥ずかしくはない、よ」
『危ないっ、どこかで似たフレーズを聞いたことが僕にはあるっ!』
「ちゃんと許可は貰ってるから大丈夫。スペシャルサンクスよ」
「ってさっきから僕の考えてる事、聞こえてたりする!?」
「ヘッドセットの骨伝導デバイスによる、思念伝達が可能。説明書の12pに書いてある」
『って事は、僕の邪な感情も全部筒抜けてる!?』
「大丈夫。兄妹は合法」
「そういう問題じゃないから! 良いから早く戻して!」
「……それじゃあ、話を進めるわね。初めまして、私のお兄様。私の名前は蒼、地球が青いからって安直な理由で名付けられた御供の一人。私のお兄様に宿った貴方のお名前を教えてくれる?」
意味深な台詞だけど、確か始まりは主人公が惑星ライオルで活動できるように、疑似人格を埋め込んだ強化人間が目覚めるところから始まるんだったと、説明書のシナリオ紹介部分に書いてあった気がする。
つまり、この子の兄貴に僕の人格が埋め込まれたから兄妹でありながら、初めましてとなったようだ。
「そう。私の愛するお兄様は死んでしまったわ、でも今こうして戻ってきてくれたから、私はそれだけで良いの……」
と、とにかく名前だな。
僕は良く使うネットネームを打ち込んで、名前を決める。
「ユウト、僕の名前はユウトだ」
「ユウト兄様……はい、ユウト兄様!」
とびきりの笑顔に、再び胸の鼓動が速くなってしまう。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。これから、宜しくお願いします」
「あ、ああ。宜しくな」
「それと……」
あおは、先ほど僕が打った改変画面のコマンドのスペルが間違っている事を指摘した。
アハハ、と苦笑しつつ僕はコマンドを打ちなおすと僕のステータスはちゃんと表示されたんだ。
『/status
力:1 技術:1 PG属性:無』
質素なパイプベッドから身を起こすと、立ち上がり部屋の中を見渡した。
思いのほか質素な感じに、拍子抜けしてしまう。
『まっ、これから色々アイテムを収集してカスタマイズいけば良いか』
そう考え、さっそくセレクトボタンを押し込んだ。
視界の中央から下が半透明の黒いウインドが出ると同時にカーソルアイコンが点滅を開始していた。
改変画面を呼び出した僕はさっそくとばかりに、コマンドの一つを打ち込んだ。
『/stats』
キーボードを叩くと、タンッとエンターを押下した。
『 』
が、何の反応も起きない。
『っかしいなぁ、説明書に確かステータスって打ち込めば初期パラメータが見えるって書いてたハズなんだけどなぁ』
そうこう考えながら、部屋の窓から見える街並みをボーッと見下ろしていた。
宙を舞う乗り物が居住空間を自由に行き来し、光のケーブルを辿り特定のコースを進む電車らしき箱船。他にもカラフルなレーザーライトが無限い広がる闇空を貫いていたり、船内は未来都市といっても過言ではない様子を見せていた。
『はぁ、あの街中にも行けたら神なのになぁ……』
現在、情報の展開中で部屋の外へ出る扉はうんともうんとも言わず、こうしてコマンドテストや外の景色を見て過ごしていた。まぁ、冒険が始まっていないにも関わらず胸の高鳴りは止まることは無かった。
そして、ついにその時がやって来た。
フィン、と軽やかな音と共に部屋の扉が勝手に開く。
自然と、外へ向いていた視線が扉の方へと向く。
「お待たせしました、お兄様」
扉を開け自室へ入って来たのは、全身真っ赤なドレスに身を纏った一人の御供《おんなのこ》だった。
きめ細かなディティールのドレスに、思わず処理落ちしないかとそんな事を考えてしまう。
ついでに、そのドレスの下もちゃんと作り込まれているのか非常に気になるところである。
「……見たいの?」
小首をかしげて人差し指をほっぺたにぷにっとぬめり込ませてみせる。ふわりと綺麗な金髪がドレスの表面を滑らかに流れていった。まるで本当にそこに人間が居るかのような、そんな作り込みである。
しかし、幼さの残る高めの声で言われると少なからずドキリとしてしまう。
見たいか見たくないかで言えば、そりゃ確認はしたいがヘッドセットをつけたまま寝転がる姿勢をとってみるとか、寝転がるアクションで視界を変えて見るとかそんな選択をして良いものか。
「見たい、のね。ちょっとだけですよ」
ドレスのスカート部分をたくしあげると、顔を赤らめながらハイ、と言って見せる女の子。
「わわっ、ちょっとタンマ! まだ何も言ってないから! おろして、おろして!」
ドギマギしながらも、カラフルな下着に視線がくぎ付けである。
「一応、これは水着だから恥ずかしくはない、よ」
『危ないっ、どこかで似たフレーズを聞いたことが僕にはあるっ!』
「ちゃんと許可は貰ってるから大丈夫。スペシャルサンクスよ」
「ってさっきから僕の考えてる事、聞こえてたりする!?」
「ヘッドセットの骨伝導デバイスによる、思念伝達が可能。説明書の12pに書いてある」
『って事は、僕の邪な感情も全部筒抜けてる!?』
「大丈夫。兄妹は合法」
「そういう問題じゃないから! 良いから早く戻して!」
「……それじゃあ、話を進めるわね。初めまして、私のお兄様。私の名前は蒼、地球が青いからって安直な理由で名付けられた御供の一人。私のお兄様に宿った貴方のお名前を教えてくれる?」
意味深な台詞だけど、確か始まりは主人公が惑星ライオルで活動できるように、疑似人格を埋め込んだ強化人間が目覚めるところから始まるんだったと、説明書のシナリオ紹介部分に書いてあった気がする。
つまり、この子の兄貴に僕の人格が埋め込まれたから兄妹でありながら、初めましてとなったようだ。
「そう。私の愛するお兄様は死んでしまったわ、でも今こうして戻ってきてくれたから、私はそれだけで良いの……」
と、とにかく名前だな。
僕は良く使うネットネームを打ち込んで、名前を決める。
「ユウト、僕の名前はユウトだ」
「ユウト兄様……はい、ユウト兄様!」
とびきりの笑顔に、再び胸の鼓動が速くなってしまう。
「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。これから、宜しくお願いします」
「あ、ああ。宜しくな」
「それと……」
あおは、先ほど僕が打った改変画面のコマンドのスペルが間違っている事を指摘した。
アハハ、と苦笑しつつ僕はコマンドを打ちなおすと僕のステータスはちゃんと表示されたんだ。
『/status
力:1 技術:1 PG属性:無』
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