悪役令嬢になってしまったので準備は万全にしましたが義弟が心配です!

さくら

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1章

冒険も必要

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しばらく考えてもスチル目当てでやったゲームだから世界観とか物語の考察不足で戦争と私が国外に行くことが繋がりがある理由はよく分からない。でも絶対に国外追放または他国に追いやられるのは避けなくてはいけない。それと、リアンとグレイエのルートをヒロインから避けさせる。リアンは攻略が難しいから関わると戦争は避けられないことが多い。グレイエとヒロインは絶対にグレイエが不幸になるリスクが多いからこれも避けさせるしかない。
記憶を思い出した日に書いたメモを魔法石を使い燃やした。ただの紙の管理は難しい。何故なら、この部屋にある机の引き出しの鍵はなんと部屋の鍵と同じなのだ。あまり意味がない。そのため魔法で日記自体に鍵がかるものにした。日記なら鍵がついていても怪しまれないからだ。

「りんごの木」
そう言って鍵をかけた。
この世界の絵本にある有名な話からとったのだ。絵本にでてくる主人公は赤いりんごを食べると途端に髪が赤くなり魔法が使えるようになり町を救う。リリーナはその作り話を信じて食べていたことがある、もちろん属性魔法も髪の色も変わらない。そんなことは、わかってはいたけど何かに縋りたかったのだ。そして私が誕生日の日にとろうとした花もりんごの花だった。だから鍵となる言葉はこの言葉にした。もしも私が前世の記憶や記憶を思い出してからの出来事が何かの拍子に忘れたとしてもこの日記が開ければ何か少しでも思い出せるように。



「さて街に出ますか」
お忍びになるが街に行く方法は意外にも簡単なのだ。
ここは魔法が使える国。このお屋敷から街に行くのは魔法が必要となってくる。領地内に限るのだけど
まず、マリアが昔作ってくれたこのモンスルト家のメイド服を着る。そして町娘の服と売りたい物をカバンに詰めてメイド達の更衣室に向かい町娘の服に着替え、公爵家の使用人専用の出口に行く。そしてお庭を出て門をでて駐輪場のようなところにある魔法のゲートつまり門に行く。その門に魔力を注ぎ行き先を門番に伝えると領地内のゲートが設置されているところに行ける。お屋敷の人間と一部の役職の人間以外はこのゲートは通れないようになっているその為の門番だ。記憶を思い出す前にもこの方法を使って街に行ったことがある。町娘の服なんて持ってなかったからその時は更衣室に置いてあった誰かの服を勝手に拝借して行ったがそれが少し騒動になったので今回のは自前のだ。顔パスで行ける門番は人間ではなく魔法石で作られたロボット。 記録には残ってしまうけどそんなに毎日確認するものじゃないから大丈夫なはず。

ヒヤヒヤしながらなんとかこの領地の一番栄えている街に来た。
普通なら髪色ですぐバレやすいものなのだが私の髪色では誰もモンスルト家の人間だとは思わないみたいだ。街の人間も私を特にジロジロ見ることもなくうまく溶け込めている。
「よし売りまくるぞ」
まずは、要らない物を売ってお金を手にする。私はこのあたりで質屋みたいな買い取り専門店に向かいアクセサリーや高価な物をバラして少しずつ売った。一箇所で売るよりバラした方がバレる心配がないと思ったからだ。
予想以上に良い金額で売れたので多分このお金があれば身分剥奪されたとしても街で宿がしばらくの間働かなくても借りれて食事にも困ることがないだろう。
でも一生働かなくていい金額を手にしたわけではないので、就職に役立ちそうな情報やどの街に住むのが安全か調べておくか。
そう思って私は街の人に聞き情報屋にむかった。
「すみません、この国にで将来的にも治安がよく物価が安定していて女性の働き口が多い場所ってどこですか?」
ストレートに聞く。すると情報のレート金額が示されたのでその金額を情報屋に払う。
「この街の隣にあるアセムという街だよ。そこなら治安も物流もよいから物価も多少安定していて街も服の流行がそのアセムからきていると言うぐらい栄えている。働き口は針仕事が多いから女性も働きやすいと聞いている。王都より少し離れてはいるが国の端ではないしいいと思う」
「ありがとうございます」
アセムか。確かそこの領地って同じく殿下の婚約者に立候補しているジャスン・ミリアヌアンの領地なのよね。明日から仲良くしておこう。
着々と準備ができてきた。明日からはジャスンからアセムの街について聞いたり本で調べ住むところを具体的に決めよう。
針仕事の基本となるガイドブック的な物も買ったので勉強もするぞ!これでなんとか無事に生きれそう。多分そんな甘くないかもしれないけどたくさんお金もあるし。
銀行で口座を作り預ければ少しは利息がつくし。
そうそうこの世界の銀行もどきに私はお金をほとんど預けた。偽名での登録はできないが名前と自分の魔力で口座が作れるのでモンスルトの名は要らない。

「完璧ではなくて?」身分剥奪された後の準備が整いすぎた。もうこのまま家を追い出されても強く生きていけそう。
後2年。正確に言えば2年と11ヶ月。つまり約3年ぐらいあの地獄みたいな環境にいなくてもいいのでは?と
そんなことを思ってふらふら歩いていたら銀行の裏にある裏路地で誰かとぶつかりそうになった。ぶつかったと思った瞬間に華麗に相手から避けられたのでことなきを得た。
「ごめんなさいね、僕怪我は無かった?」
心配して聞くと相手のフードを少し深めに被った男の子が突然動きが固まり驚いていた。
何か言ってはいけないこと言ったかなそう思った瞬間フードを脱ぎ
「俺ってそんなに若く見えるの?」と聞いてきた。
そのフードをとった姿は私より2つぐらい下の男の子だった。でもどこかで見たことがあるなつかしさを感じていた。しばらくして
脳裏に思い浮かぶ一つの名。リアン。
リアン???????突然訪れた誰かの死亡フラグ。
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