独り身オメガに幸せを

蒸しケーキ

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告白

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「正直さ、本当はめっちゃ怖かったんだ。葵さんがもうずっと目が覚めなかったらどうしようって。俺と出会わなければ、葵さんは最初からこんなボロボロな状態になる必要なんてなかったのに...って。後悔してました。」

「そんなことーー」

「うん。でも瑠夏と葵さんはなんともないって許してくれた。責められてもおかしくない俺のことを。」

「だからさ、今度は葵さんが溜め込んでることも、抱えてるものも、ぜんぶ一緒に俺にも背負わせてほしいんだ。今すぐには難しいかもしれないけど......」

 蓮君の瞳が俺のことだけを写している。他の物は何もいらないと言っているみたいに。

 逆上せたのかそれとも蓮君の熱に当てられたのかは分からないけれど、頭がくらくらとしてきた。

「それと、さっきは言えなかったんだけど改めて俺とーーって!?葵さん!!鼻血が!!!」

「え??あぁ......ほんとだ」

 鼻血が出てると認識した途端、ぽたぽたと血が流れる。さっきから鼻水が垂れてくるような感覚がしてたけど、あれは鼻血が垂れてくる感覚だったのか。

「逆上せたみたいだからあがるね、」といって俺は鼻を押さえつつ、蓮君と一緒にバスルームから出たのだが、明らかに先ほどの朗らかな様子とは打って変わって、蓮君の様子がおかしかった。

 血の気が引いていて顔が真っ白になっているし、まるでーーなにかに怯えているような感じにも見えた。......もしかして血がダメなのか?

 俺は脱衣所から急いでタオルだけを取り、鼻をそれで押さえながら蓮君の元に駆け寄った。

「蓮君?大丈夫?」と声を掛けると俺のことを蓮君は強い力で抱きしめてきた。う、うぐっ...潰れるっ!!潰れるってば!!

 降参を伝えるように背中を手でバシバシと叩くと蓮君は「はっ!?」っとしたようで「すみません!」と言いながら離れてしまった。

 抱きしめられたままで力さえ抜いてくれたらよかったのにな......。ふぅ、と軽く一息ついて俺はもう一度両手を広げて蓮君に「おいで」と言い優しく抱きしめた。

 蓮君は少し申し訳なさそうに、今度は俺のことを控えめに抱きしめ返してくれた。それから小声で

「葵さん......葵さん......お願いだからもう、いなくならないで......」 

 か弱い声が耳に届いた。それは蓮君の出してる声とは思えないほど悲痛な想いを帯びていた。その声を聞いて俺は胸が痛んだ。

「蓮君、ちょっと一緒に深呼吸しよっか」

 蓮君の背中をトンットンッと擦りながら深呼吸をした。何回か繰り返しているうちに、蓮君は落ち着きを取り戻してきた。

「すみません......ありがとうございます。あっ!それより葵さん鼻血は大丈夫ですか!?」

「うん大丈夫だよ、もう止まってきたから。」

「良かった......」

「とりあえず、服着てリビングに行こっか」

「......はい、そうですね。」

 パジャマに着替えながら考える。......たぶん血がトラウマになったのは俺のせいだよな。でも蓮君は医者を目指してるから、血を見る機会はそれなりに多いはずだし......大丈夫かな。

 お風呂から上がると瑠夏が怪訝そうな顔をしてリビングで待っていた。

「なぁ。風呂から上がるの遅くね??まさか手、出したわけないだろうな......」

「いや、未遂はしたけど、まだしてないよ。」

 ぶふっ、と俺は吹き出してしまった。元気ないくせにそういうとこは馬鹿正直なんだから。

「はぁ!?ありえな......って、母さんそのタオルどうしたの??真っ赤じゃん...それ母さんの血?」

 しまった!あとでバレないようにこっそり洗おうと思っていたのに、考え事をしていたら忘れていた。

 ーーでも瑠夏は至って冷静でパニックになるような素振りはなかった。

「あぁ、さっき逆上せちゃったみたいで鼻血がね......あとで洗っておくから」

「いや、あとで俺が洗っとくよ。んで、蓮の顔色が悪いのは母さんの血をみたから??」

「まぁ、ね...そんな感じ」

 瑠夏はそう言いながら、俺と蓮君に水を持ってきてくれた。心の専門家を目指しているだけあって、人の感情の機微、顔色の変化について鋭いなと感心した。

 でも、瑠夏がそういうのに聡いのって割と昔からだったかもな......。

 俺は二人の会話を聞きながら昔を思い出していた。



















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