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番外編
酔って帰ってきた蓮の話02
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前みたいにーー
そう。あれは一回だけ俺が蓮のことを「寝ないで待ってるよ~」と言ったのにもかかわらず、ベッドに入った瞬間、すやすやと寝てしまったときの話だ。
ただ寝るだけだったならまだしも、この日は俺が蓮を誘ったこともあって、蓮も楽しみにしていた日であったと思う。
言い訳をすると、この日は依頼主が突然「納期を早めてくれないか」と打診してきた。いつも俺に案件を回してくれるお得意様なだけあって、俺はつい「いいですよ」と快く受けてしまった。その結果、その日のうちに取引先に送らなければならない案件を一気に三つも抱えることとなり、完全に寝不足の状態だった。
仕事が終わったのが、ちょうど蓮が寝る時間と重なっていたから、「まぁ、眠いけどこのまま起きてられるでしょ」と軽く思っていたのが甘かった。
俺からすると、気がついたらもう朝になっていて、なぜか蓮は不機嫌オーラ全開だし、なんで蓮が怒ってるのかさっぱり分からなかった。それ以来、蓮はこのことをずっと根に持っているわけだ。
もうそれを引き合いに出さなくても......さすがにそろそろ許してくれてもいいと思うんだけどね。
俺はパソコンのデータを保存してから、寝室に向かった。ぽすっとベッドに体を沈めるとふわりと蓮の匂いが鼻腔を掠める。
思わず心地よいその匂いを全身で堪能していると、寝室の扉がガチャリと開いた。そこにはタオル一枚を腰に巻いただけの蓮の姿があった。まったく...どうして服を着ていないんだよ...。
「また寝てたかと思った。」
「俺がうつ伏せだったから??」
「うん。」
そう言いながら、蓮は俺の隣に腰を下ろした。
「なんで服着てないのさ...」
「だって、どうせ後で脱ぐし」
「いや風邪ひくってば。」
俺はとりあえず毛布を蓮に巻き付けた。
宣言通りに蓮は、かなり手早く風呂を済ませてきたようだった。隣にいる蓮の身体からは、俺と同じシャンプーの匂いとフェロモンの混じった香りがふわっと漂ってきた。
けど、どう考えても絶対湯船には浸かっていないだろうなぁ。
「湯船、浸かってないでしょ??」
「葵のところに早く行きたくて。でも、明日の朝入るよ。」
「そう言う問題じゃーー」
そう返そうとした俺の言葉は、そっと蓮の唇によって塞がれてしまった。静かな寝室に優しくも熱を帯びたリップ音が響いた。
「んっ...」
甘いリップ音は次第に、水音に変わっていきそれに呼応するように口づけも深くなった。舌が器用に俺の口の中を蹂躙し、上顎や舌先をちゅるっと吸われると下半身にずくっと疼きを覚えた。
「んんっ...あっ...はぁっ...」
「ねぇ、俺だけ服着てないの恥ずかしいから、葵も脱いで?」
「蓮が勝手に服着てないだけじゃん...。」
俺は不満を口にしながらも蓮の「バンザーイ」に素直に応じた。にこにこと無邪気に笑いながら、俺の服を一枚ずつ脱がせていく蓮の手は、いつになく丁寧で優しかった。
だけどあまりにゆっくりと脱がせてくるので、だんだんと恥ずかしくなってきてしまった。
「そんなじっくり脱がせなくてもいいでしょ......」
「ん??だって葵が可愛いんだもん。好きな人の可愛い姿をじっくり見たくなるのは当たり前じゃない?」
あぁもう......蓮はずるい。酒が入ってるとはいえ、そんな甘い言葉を俺にかけてくるなんてさ。俺は何も言い返せなくなっていた。
「今日は乳首だけでイってみよっか」
「はっ??」
そう言うと蓮は、俺の胸の赤い粒を執拗に攻めてきた。ぐにぐにと人差し指と親指で挟んできたり、舌を器用に這わせてくる。そしてぎゅっと強い力で摘ままれたり、弾かれたりすると背中に電流のようなものがビリビリと走った。
「んぁっ...あっ、んんっ」
「ずーっとびくびくしてるね。かーわい。」
もう蓮のバカ、どアホ!陰険!!早く挿れろよこの酔っ払い!!
「でもやっぱ、俺のでイって欲しくなってきたな。」
蓮は俺を後ろから抱きしめると項をさらりと手で撫でて、べろりと舌を這わせた。
「......噛むつもりでしょ??」
「痕、薄くなってきちゃったからね。余計な虫が寄り付かないように。」
「......俺が嫌だって言ってもどーせ噛むくせにね?」
「えへへ、それでもなんだかんだ許してくれるから葵は優しいよね。」
分かっててやってるなら聞くなよな。と思いつつ内心、何回噛まれてもいいと思っている自分もいた。
「仕事はもうほとんど終わったんだっけ??」
「うん。ほとんど終わらせちゃった」
「じゃあ、今日は無理させてもいいってことだよね??」
ギラギラとした蓮の瞳は俺だけを写しだしていた。そしてぶわっと蓮のフェロモンが部屋の中に充満した。
「お、お手柔らかに......」
この後、蓮に散々抱かれまくったのは言うまでもなかった。
翌朝、目が覚めると項を何回もがぶりと噛みつかれたせいで首はズキズキと痛むし、身体には蓮が咲かせた赤いバラの花びらがたくさん舞っていた。声もガラガラでおじいちゃんみたいなしゃがれた声になっていた。
それもそのはずで、昨日の蓮はお酒の影響かは分からないが、いつも以上にねちっこかった。俺のいいところを的確に当ててくるくせに、絶頂を迎えそうと分かった途端、いきなり動きを止めてきたり
「葵?もっとちゃんと動かないと俺、いつまで経ってもイケないよ??」
「葵の好きなとこ、違うでしょ?ほら、自分で気持ちいいとこ当ててごらん??」
そう言いながら、蓮の上に跨っている俺の屹立を扱いてきたり、腰に手を添えて一気にS状結腸のあたりまで蓮の杭をぐぐっと打ち付けてきたりしてきた。
おかげで昨日の夜はお互いの粘着質な液体のせいで、身体がぐちゃぐちゃだった。
でもキレイになってるってことは、あのあと蓮がお風呂に連れて行ってくれたんだろうな。
にしてもだ。これはやりすぎだろ......と思いつつ、隣ですぅすぅと気持ちよさそうに寝息を立てて眠っている夫の頬を指でツンっとつついた。
「んん~」
寝言なのか無意識かは分からないが、蓮は俺をそっと胸に抱き寄せてきた。
そんな蓮の姿を見て、静かに心が満たされていく。あぁ、これが幸福感というものなのだろう。
ーーけれど、もうしばらくは蓮がお酒を飲んできた日のエッチはやめよう。そう思った。
そう。あれは一回だけ俺が蓮のことを「寝ないで待ってるよ~」と言ったのにもかかわらず、ベッドに入った瞬間、すやすやと寝てしまったときの話だ。
ただ寝るだけだったならまだしも、この日は俺が蓮を誘ったこともあって、蓮も楽しみにしていた日であったと思う。
言い訳をすると、この日は依頼主が突然「納期を早めてくれないか」と打診してきた。いつも俺に案件を回してくれるお得意様なだけあって、俺はつい「いいですよ」と快く受けてしまった。その結果、その日のうちに取引先に送らなければならない案件を一気に三つも抱えることとなり、完全に寝不足の状態だった。
仕事が終わったのが、ちょうど蓮が寝る時間と重なっていたから、「まぁ、眠いけどこのまま起きてられるでしょ」と軽く思っていたのが甘かった。
俺からすると、気がついたらもう朝になっていて、なぜか蓮は不機嫌オーラ全開だし、なんで蓮が怒ってるのかさっぱり分からなかった。それ以来、蓮はこのことをずっと根に持っているわけだ。
もうそれを引き合いに出さなくても......さすがにそろそろ許してくれてもいいと思うんだけどね。
俺はパソコンのデータを保存してから、寝室に向かった。ぽすっとベッドに体を沈めるとふわりと蓮の匂いが鼻腔を掠める。
思わず心地よいその匂いを全身で堪能していると、寝室の扉がガチャリと開いた。そこにはタオル一枚を腰に巻いただけの蓮の姿があった。まったく...どうして服を着ていないんだよ...。
「また寝てたかと思った。」
「俺がうつ伏せだったから??」
「うん。」
そう言いながら、蓮は俺の隣に腰を下ろした。
「なんで服着てないのさ...」
「だって、どうせ後で脱ぐし」
「いや風邪ひくってば。」
俺はとりあえず毛布を蓮に巻き付けた。
宣言通りに蓮は、かなり手早く風呂を済ませてきたようだった。隣にいる蓮の身体からは、俺と同じシャンプーの匂いとフェロモンの混じった香りがふわっと漂ってきた。
けど、どう考えても絶対湯船には浸かっていないだろうなぁ。
「湯船、浸かってないでしょ??」
「葵のところに早く行きたくて。でも、明日の朝入るよ。」
「そう言う問題じゃーー」
そう返そうとした俺の言葉は、そっと蓮の唇によって塞がれてしまった。静かな寝室に優しくも熱を帯びたリップ音が響いた。
「んっ...」
甘いリップ音は次第に、水音に変わっていきそれに呼応するように口づけも深くなった。舌が器用に俺の口の中を蹂躙し、上顎や舌先をちゅるっと吸われると下半身にずくっと疼きを覚えた。
「んんっ...あっ...はぁっ...」
「ねぇ、俺だけ服着てないの恥ずかしいから、葵も脱いで?」
「蓮が勝手に服着てないだけじゃん...。」
俺は不満を口にしながらも蓮の「バンザーイ」に素直に応じた。にこにこと無邪気に笑いながら、俺の服を一枚ずつ脱がせていく蓮の手は、いつになく丁寧で優しかった。
だけどあまりにゆっくりと脱がせてくるので、だんだんと恥ずかしくなってきてしまった。
「そんなじっくり脱がせなくてもいいでしょ......」
「ん??だって葵が可愛いんだもん。好きな人の可愛い姿をじっくり見たくなるのは当たり前じゃない?」
あぁもう......蓮はずるい。酒が入ってるとはいえ、そんな甘い言葉を俺にかけてくるなんてさ。俺は何も言い返せなくなっていた。
「今日は乳首だけでイってみよっか」
「はっ??」
そう言うと蓮は、俺の胸の赤い粒を執拗に攻めてきた。ぐにぐにと人差し指と親指で挟んできたり、舌を器用に這わせてくる。そしてぎゅっと強い力で摘ままれたり、弾かれたりすると背中に電流のようなものがビリビリと走った。
「んぁっ...あっ、んんっ」
「ずーっとびくびくしてるね。かーわい。」
もう蓮のバカ、どアホ!陰険!!早く挿れろよこの酔っ払い!!
「でもやっぱ、俺のでイって欲しくなってきたな。」
蓮は俺を後ろから抱きしめると項をさらりと手で撫でて、べろりと舌を這わせた。
「......噛むつもりでしょ??」
「痕、薄くなってきちゃったからね。余計な虫が寄り付かないように。」
「......俺が嫌だって言ってもどーせ噛むくせにね?」
「えへへ、それでもなんだかんだ許してくれるから葵は優しいよね。」
分かっててやってるなら聞くなよな。と思いつつ内心、何回噛まれてもいいと思っている自分もいた。
「仕事はもうほとんど終わったんだっけ??」
「うん。ほとんど終わらせちゃった」
「じゃあ、今日は無理させてもいいってことだよね??」
ギラギラとした蓮の瞳は俺だけを写しだしていた。そしてぶわっと蓮のフェロモンが部屋の中に充満した。
「お、お手柔らかに......」
この後、蓮に散々抱かれまくったのは言うまでもなかった。
翌朝、目が覚めると項を何回もがぶりと噛みつかれたせいで首はズキズキと痛むし、身体には蓮が咲かせた赤いバラの花びらがたくさん舞っていた。声もガラガラでおじいちゃんみたいなしゃがれた声になっていた。
それもそのはずで、昨日の蓮はお酒の影響かは分からないが、いつも以上にねちっこかった。俺のいいところを的確に当ててくるくせに、絶頂を迎えそうと分かった途端、いきなり動きを止めてきたり
「葵?もっとちゃんと動かないと俺、いつまで経ってもイケないよ??」
「葵の好きなとこ、違うでしょ?ほら、自分で気持ちいいとこ当ててごらん??」
そう言いながら、蓮の上に跨っている俺の屹立を扱いてきたり、腰に手を添えて一気にS状結腸のあたりまで蓮の杭をぐぐっと打ち付けてきたりしてきた。
おかげで昨日の夜はお互いの粘着質な液体のせいで、身体がぐちゃぐちゃだった。
でもキレイになってるってことは、あのあと蓮がお風呂に連れて行ってくれたんだろうな。
にしてもだ。これはやりすぎだろ......と思いつつ、隣ですぅすぅと気持ちよさそうに寝息を立てて眠っている夫の頬を指でツンっとつついた。
「んん~」
寝言なのか無意識かは分からないが、蓮は俺をそっと胸に抱き寄せてきた。
そんな蓮の姿を見て、静かに心が満たされていく。あぁ、これが幸福感というものなのだろう。
ーーけれど、もうしばらくは蓮がお酒を飲んできた日のエッチはやめよう。そう思った。
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