二人で過ごす発情期の話。

蒸しケーキ

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「ねぇ、巣作りしてくれたんだ」
扉のほうからずっと待ち望んでいた番の声が聞こえた気がした。いやいやそんなわけがない。これは自分の都合のいい幻だ、と思い、服に埋めていた顔を扉の方に向ける。するとそこには紛れもない俺の、、俺の恭ちゃんがいた。しかし頭の片隅にあった理性の欠片を拾い集めなんとか、すんでのところで今すぐに飛びつきたい欲求を抑えて
「な、え、?けん、きゅ、、う、発表、は、?」
と帰ってきてくれて嬉しい気持ちとなにかあったのではないかという不安な気持ちが、ないまぜになる。
「発表の方は一番最初でやったから僕は午前中で終わりだったんだよね。他の学生の発表も聞いた方が良かったんだろうけど、教授に番が発情期に入りそうなのでって伝えて、帰って来ちゃった。だから淳太が心配する必要はないんだよ。」
その言葉を聞き、ほっ、と胸を撫で下ろす。それにしても匂いはそんなに出ていないはずだし、なんで分かったんだ?と疑問に思っていると恭ちゃんが俺の方に近付き、ギュッと優しく包み込んでくれる。
「匂い、バレてないって思ってたでしょ?幼馴染兼恋人パワーをなめないでほしいね。」俺は、げ、バレてたのか、と思った。
「淳太のことだもん。どうせ発情期で迷惑かけたくない、俺の匂いは他の人より薄いから大丈夫だ~みたいなこと思ってたんでしょ?ほんとは発表なんでどうでもよかったけど、行かなかったら行かなかったで俺のせいで~とか淳太考えるじゃん。」
俺は図星でぐぅの音も出ない。少し沈んだ顔をすると、ちゅっ、とキスをされる。
「もっとわがままになっていいんだよ、?僕のこともっと頼って。」
両手で頬を挟まれ、強制的に視線が交わる。
「それにしても素敵な巣だよね。僕のために作ってくれたんだって思うと嬉しくてたまらないよ。ありがとう。」
と嬉しそうに恭ちゃんは言う。俺は
「そう、か?不格好だし、全然うまくできてない、、、と思うけど」
と伏せ目がちに耳を赤くして言う。
「ふふ。そんなことないよ。二人だけの幸せの巣だよ。淳太は相変わらず素直じゃないね。まぁそこも含めてかわいいんだけどね。」
「かわいいとか、!うれしk、、、!?」
俺が言い切る前に舌と舌が交わる激しいキスをした。ぷはっ、名残惜しく口を離し、息を整えていると
「でも、僕淳太に隠し事されて、少し怒ってるんだ~。今日はいっぱいつきあってもらうね?噛み痕も薄くなってきてるし、いいよね?」
うなじをすすすっと撫でるように触られると、ビクッと体が反応し、全身の細胞が恭ちゃんに触ってほしいと歓喜している。俺はゆっくりコクッとうなずく。その合図を皮切りに恭ちゃんが俺を求める。発情期の間、忘れられない時間を恭ちゃんと過ごした。
5日経過し、発情期が落ち着いたころ、ムクッと起き上がり、ふと自分の身体に目をやると、そこには恭ちゃんがこの5日間でたくさん咲かせたであろう無数の赤い花びらが散っている。そして自分のベッドですぅすぅと寝息をたて、幸せそうに眠る恭ちゃんの姿を見つめる。
「大好きだよ、恭ちゃん、、、」
と愛しい番にキスを落とし、彼の胸元に頭をぐりぐりと押しつけ、再び眠りにつくのであった。
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