23 / 113
第一章:出会い編
ライザックの言う事には①
しおりを挟む
「本当に違うんだ」とライザックは縋る様に俺の背中に顔を埋めて一向に離す気配がないので、俺は諦めて身体の力を抜いた。話し合いが足りていないのは確かに間違っていないと思うのだ、何か俺に言いたい事があるのなら聞いてやらないほど俺は聞く耳を持たない人間じゃない。
「ライザック、何か隠してる事があるなら全部言え。お前は一体俺をどうしたいんだ? 言っておくけど、俺はお前の性欲処理の相手に使われるだけの人生なんて真っ平ごめんだからな、だったら何処かに借金してでも俺はこの屋敷を出て行く」
「むしろ私にはカズが何をどうしてその考えに至ったのかさっぱり分からない。私はお前にそんな無体を働いただろうか?」
「抱くだけなら何度も抱いただろ!」
「それは仕方がないだろう? 抱かなければカズは死んでいたんだぞ?」
「いっそ死ねばよかったんだ。こんな訳の分からない世界で生きてくくらいなら、死んでいれば元の世界にだって戻れていたかもしれないのに……!」
「カズ! 私にとってお前は特別なんだ、そんな事は言わないでくれ。偶然は二度は起きない、それが二度重なればそれは必然、カズは間違いなく私の運命の相手なんだ」
偶然? 必然? 運命の相手って一体何なんだよ? 何言ってんだか全然分かんねぇ!!
「私も最初は半信半疑だった、藁にも縋る想いで見てもらった未来予知で、巡り合ったのがカズなんだ、私があそこでカズを救い出したのは偶然なんかではない必然だった!」
「未来予知?」
それってアレか? ハインツが言ってた占い師?
「……もしかして、ライザックは占いなんか信じてんの? そいつに何を言われたんだか知らないけど、そんなの真に受けてんの? 馬鹿なの?」
「カズは辛辣だな」
いやだって占いだろ? どんな占い師だか知らないけどそもそも占いなんて根拠も何もないもんだろう? それを運命だ、必然だってあり得なくない? 信じられない。
「私だとて最初は半信半疑だったと言っただろう?」
「そうだけど、今は完全に真に受けちゃってんだろ? 目を覚ませ、占いなんてなんの根拠もないただの虚言だぞ」
「一度の事ならば私だってそう思った、だからカズを家に連れ帰りはしても何も言わなかったんじゃないか」
「一度じゃなかった?」
「一度目はカズと出会った日、西の森で運命の相手に出会うと言われて半信半疑で赴いた、そしてそこに居たのがカズだった。そして二度目は昨日だ、店の外に出て一番最初に出会った知人がその相手だと、何だそれは、やはり当てずっぽうかと思って店を出た直後にカズに遭遇した時の私の衝撃がカズには分かるか!?」
「そんなんただの偶然じゃん」
「そんな偶然が二度も続くものか! ここクリスタに私の知人が一体何人いると思っているんだ、その中でしかも出先で遭遇する確率がどれ程のものか……それでも私だとて俄かには信じられなくて戸惑ってはいる、けれどそんな偶然も必然も自分の感情の前では意味もない。占い師に何を言われなくても私はカズに惹かれているんだ、占い師はそんな私の背中を押したに過ぎない。昨晩カズがベアード殿に攫われたとミレニアから聞いた時には血の気が引いて生きた心地がしなかった」
またしても抱きつかれた腕の力が強くなる。だから苦しいんだってば、この馬鹿力!
「ライザック、何か隠してる事があるなら全部言え。お前は一体俺をどうしたいんだ? 言っておくけど、俺はお前の性欲処理の相手に使われるだけの人生なんて真っ平ごめんだからな、だったら何処かに借金してでも俺はこの屋敷を出て行く」
「むしろ私にはカズが何をどうしてその考えに至ったのかさっぱり分からない。私はお前にそんな無体を働いただろうか?」
「抱くだけなら何度も抱いただろ!」
「それは仕方がないだろう? 抱かなければカズは死んでいたんだぞ?」
「いっそ死ねばよかったんだ。こんな訳の分からない世界で生きてくくらいなら、死んでいれば元の世界にだって戻れていたかもしれないのに……!」
「カズ! 私にとってお前は特別なんだ、そんな事は言わないでくれ。偶然は二度は起きない、それが二度重なればそれは必然、カズは間違いなく私の運命の相手なんだ」
偶然? 必然? 運命の相手って一体何なんだよ? 何言ってんだか全然分かんねぇ!!
「私も最初は半信半疑だった、藁にも縋る想いで見てもらった未来予知で、巡り合ったのがカズなんだ、私があそこでカズを救い出したのは偶然なんかではない必然だった!」
「未来予知?」
それってアレか? ハインツが言ってた占い師?
「……もしかして、ライザックは占いなんか信じてんの? そいつに何を言われたんだか知らないけど、そんなの真に受けてんの? 馬鹿なの?」
「カズは辛辣だな」
いやだって占いだろ? どんな占い師だか知らないけどそもそも占いなんて根拠も何もないもんだろう? それを運命だ、必然だってあり得なくない? 信じられない。
「私だとて最初は半信半疑だったと言っただろう?」
「そうだけど、今は完全に真に受けちゃってんだろ? 目を覚ませ、占いなんてなんの根拠もないただの虚言だぞ」
「一度の事ならば私だってそう思った、だからカズを家に連れ帰りはしても何も言わなかったんじゃないか」
「一度じゃなかった?」
「一度目はカズと出会った日、西の森で運命の相手に出会うと言われて半信半疑で赴いた、そしてそこに居たのがカズだった。そして二度目は昨日だ、店の外に出て一番最初に出会った知人がその相手だと、何だそれは、やはり当てずっぽうかと思って店を出た直後にカズに遭遇した時の私の衝撃がカズには分かるか!?」
「そんなんただの偶然じゃん」
「そんな偶然が二度も続くものか! ここクリスタに私の知人が一体何人いると思っているんだ、その中でしかも出先で遭遇する確率がどれ程のものか……それでも私だとて俄かには信じられなくて戸惑ってはいる、けれどそんな偶然も必然も自分の感情の前では意味もない。占い師に何を言われなくても私はカズに惹かれているんだ、占い師はそんな私の背中を押したに過ぎない。昨晩カズがベアード殿に攫われたとミレニアから聞いた時には血の気が引いて生きた心地がしなかった」
またしても抱きつかれた腕の力が強くなる。だから苦しいんだってば、この馬鹿力!
37
あなたにおすすめの小説
神官、触手育成の神託を受ける
彩月野生
BL
神官ルネリクスはある時、神託を受け、密かに触手と交わり快楽を貪るようになるが、傭兵上がりの屈強な将軍アロルフに見つかり、弱味を握られてしまい、彼と肉体関係を持つようになり、苦悩と悦楽の日々を過ごすようになる。
(誤字脱字報告不要)
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
オメガ修道院〜破戒の繁殖城〜
トマトふぁ之助
BL
某国の最北端に位置する陸の孤島、エゼキエラ修道院。
そこは迫害を受けやすいオメガ性を持つ修道士を保護するための施設であった。修道士たちは互いに助け合いながら厳しい冬越えを行っていたが、ある夜の訪問者によってその平穏な生活は終焉を迎える。
聖なる家で嬲られる哀れな修道士たち。アルファ性の兵士のみで構成された王家の私設部隊が逃げ場のない極寒の城を蹂躙し尽くしていく。その裏に棲まうものの正体とは。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる