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第一章
お金を稼ぐのって大変です
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今日も今日とて晩御飯に呼ばれた宴会場でこれからどうしようかと考えていたら「何難しい顔してんだ、子供は黙って飯を食え」とアランに背中を叩かれた。陽気なアランは今日も酔っ払いだ。ってか、ここの人達本気で毎日宴会してる……
「そうは言っても今後の稼ぎの事を考えるとそんなに笑ってられないです。現状宿泊費も食費もおんぶに抱っこで、それは追々返していくとしても、装備を整えるために貯金もしなきゃだし、この稼ぎじゃ毎日食べてくだけで精一杯……」
「いや、冒険者なんてそんなもんだろ? 今日飯にありつけた、お前の年齢ならそれだけで充分!」
ええええ……
「まぁ、わりと冒険者ってそうですよね。きっちり生活を考え始めるのは家族を持つ年齢になってからの方が多いんじゃないですかね?」
今日のルーファウスは僕の横で僕と一緒に果実を絞ったジュースを飲んでいる。当分酒はやめると心に決めたらしい。
「それに真面目に依頼をこなしていればDランクに上がった頃には家を建てられる程度には稼ぐことができるようになってる。俺にはタケルの年齢で焦る理由がさっぱり分からん」
「Dランクで家、ですか……」
通常何年くらいかけたらDランクになれるのだろう? それまではこんなその日暮らしでいいのか? 「宵越しの金は持たねぇぜ!」って、江戸っ子気質の人はいいかもしれないけど、僕は性格的に無理! ある程度不測の事態に対応できる貯金がないと安心して生活できないよ!
「ポポン草の炒め物、お待たせ!」
今日はラナさんが僕の近くまで寄って来てくれる。昨日彼女たちが僕の近くに来なかったのは酒を飲んでいたルーファウスを警戒しての事だったんだな。ってか、分かってたなら言ってよ……
僕が採取してきたポポン草の花はほかほかの湯気を立てて炒め物になった。食べてみたら普通に美味しい、これからもポポン草は積極的に採取しよう。
「そういえば、ここのキッチンって誰でも使っていいんですよね?」
「ああ、食材も所有者名が書いてなかったら自由に使っていい、魔物討伐のついでに食べられそうな物を持って帰って来る奴がいるから、食材はいつでもわりと豊富にあるぞ」
あ、そういう感じなんだ? いつも食材は何処から出てくるんだろう? って思ってたんだよね。朝食はパンと果物メインで料理らしい料理は出ないけどここに来れば食べられる。晩御飯の宴会料理は皆好き好きにしていて代金の請求をされた事もない。アランとルーファウスに奢られているのかと思っていたけど、そればかりでもなかったらしい。
「あ、じゃあ僕が作っても問題ないですね、ちょっと見てきてもいいですか?」
「いいけど、タケルは料理ができるの?」
「多少ですけど、作るのは好きですよ」
自炊を始めた当初はただひたすらに面倒くさかったのだが、一度始めてしまったら色々と新しい料理にチャレンジしたりアレンジを考えるのが楽しくなってしまい、休みの日はよく作り置きなどを作って一日過ごしていた。
趣味らしい趣味はなく友人も少ないから休みの日をどう過ごすかと考えた時に残ったのは家事と読書、あとはスマホゲームくらいのものだった。
家事はとても面倒くさいが、それを趣味にしてしまえば意外とそれは向いていたようで家の中が僕好みに変わっていくのが嬉しくて料理だけでなく片付けや掃除もよくしていた。洗濯だけは唯一あまり好きではなかったけれど、向こうでは洗濯機がボタン一つで乾燥までしてくれたからな。
ああ、でもこっちではそれが魔法の「洗浄」で一発なんだから、向こう以上に楽だな。洗浄魔法さっさと覚えないと。
キッチンを覗き込むと、忙しそうにラナさんが料理を作っていた。先程のポポン草の炒め物もそうだったが、ラナさんは昨日も一昨日も料理をしていた気がする。
「ラナさん、僕も手伝いましょうか?」
「え? ホント? ありがと~」
今日も今日とてホールは宴会場になっている、冒険者たちが各自料理の持ち寄りもしているけれど、酒の肴としては足りていないのを恐らくラナさんがフォローしているのだ。
「ラナさん、いつも一人で料理してるんですか?」
「少しだけね。メインの肉は各自テーブルで焼いて食べてるし、ちょっとしたおつまみだけ。元々実家が居酒屋だったから、こういうの見るとつい働いちゃうのよねぇ」
なんて、ラナさんは笑っていた。
「でも一人じゃ大変じゃないですか? 皆さん毎日宴会してるし」
「ふふふ、本当よね。タケル君が来てからは毎日宴会だものね、だけど無理強いされてる訳じゃないから大丈夫よ。それに皆がお駄賃くれるから良い小遣い稼ぎにもなってるのよ」
そっか、ならいいか……って、今、ラナさん何て言った? 小遣い稼ぎ? お駄賃? お金!
「ここで料理を振舞ったらお駄賃貰えるんですか!?」
「貰えるわよ~お酒の入った冒険者たちは気前がいいもの」
食材はこのキッチンに置いてあるものは自由に使っていいと言っていた、だとすると提供するのは料理の腕と時間だけ、リスクはほぼない!
「僕も料理作ります!」
はい! と挙手をして宣言すると、ラナさんは「そこに在る物は適当に使っていいよ」と、キッチンの端に置いてある籠を指差した。
「そうは言っても今後の稼ぎの事を考えるとそんなに笑ってられないです。現状宿泊費も食費もおんぶに抱っこで、それは追々返していくとしても、装備を整えるために貯金もしなきゃだし、この稼ぎじゃ毎日食べてくだけで精一杯……」
「いや、冒険者なんてそんなもんだろ? 今日飯にありつけた、お前の年齢ならそれだけで充分!」
ええええ……
「まぁ、わりと冒険者ってそうですよね。きっちり生活を考え始めるのは家族を持つ年齢になってからの方が多いんじゃないですかね?」
今日のルーファウスは僕の横で僕と一緒に果実を絞ったジュースを飲んでいる。当分酒はやめると心に決めたらしい。
「それに真面目に依頼をこなしていればDランクに上がった頃には家を建てられる程度には稼ぐことができるようになってる。俺にはタケルの年齢で焦る理由がさっぱり分からん」
「Dランクで家、ですか……」
通常何年くらいかけたらDランクになれるのだろう? それまではこんなその日暮らしでいいのか? 「宵越しの金は持たねぇぜ!」って、江戸っ子気質の人はいいかもしれないけど、僕は性格的に無理! ある程度不測の事態に対応できる貯金がないと安心して生活できないよ!
「ポポン草の炒め物、お待たせ!」
今日はラナさんが僕の近くまで寄って来てくれる。昨日彼女たちが僕の近くに来なかったのは酒を飲んでいたルーファウスを警戒しての事だったんだな。ってか、分かってたなら言ってよ……
僕が採取してきたポポン草の花はほかほかの湯気を立てて炒め物になった。食べてみたら普通に美味しい、これからもポポン草は積極的に採取しよう。
「そういえば、ここのキッチンって誰でも使っていいんですよね?」
「ああ、食材も所有者名が書いてなかったら自由に使っていい、魔物討伐のついでに食べられそうな物を持って帰って来る奴がいるから、食材はいつでもわりと豊富にあるぞ」
あ、そういう感じなんだ? いつも食材は何処から出てくるんだろう? って思ってたんだよね。朝食はパンと果物メインで料理らしい料理は出ないけどここに来れば食べられる。晩御飯の宴会料理は皆好き好きにしていて代金の請求をされた事もない。アランとルーファウスに奢られているのかと思っていたけど、そればかりでもなかったらしい。
「あ、じゃあ僕が作っても問題ないですね、ちょっと見てきてもいいですか?」
「いいけど、タケルは料理ができるの?」
「多少ですけど、作るのは好きですよ」
自炊を始めた当初はただひたすらに面倒くさかったのだが、一度始めてしまったら色々と新しい料理にチャレンジしたりアレンジを考えるのが楽しくなってしまい、休みの日はよく作り置きなどを作って一日過ごしていた。
趣味らしい趣味はなく友人も少ないから休みの日をどう過ごすかと考えた時に残ったのは家事と読書、あとはスマホゲームくらいのものだった。
家事はとても面倒くさいが、それを趣味にしてしまえば意外とそれは向いていたようで家の中が僕好みに変わっていくのが嬉しくて料理だけでなく片付けや掃除もよくしていた。洗濯だけは唯一あまり好きではなかったけれど、向こうでは洗濯機がボタン一つで乾燥までしてくれたからな。
ああ、でもこっちではそれが魔法の「洗浄」で一発なんだから、向こう以上に楽だな。洗浄魔法さっさと覚えないと。
キッチンを覗き込むと、忙しそうにラナさんが料理を作っていた。先程のポポン草の炒め物もそうだったが、ラナさんは昨日も一昨日も料理をしていた気がする。
「ラナさん、僕も手伝いましょうか?」
「え? ホント? ありがと~」
今日も今日とてホールは宴会場になっている、冒険者たちが各自料理の持ち寄りもしているけれど、酒の肴としては足りていないのを恐らくラナさんがフォローしているのだ。
「ラナさん、いつも一人で料理してるんですか?」
「少しだけね。メインの肉は各自テーブルで焼いて食べてるし、ちょっとしたおつまみだけ。元々実家が居酒屋だったから、こういうの見るとつい働いちゃうのよねぇ」
なんて、ラナさんは笑っていた。
「でも一人じゃ大変じゃないですか? 皆さん毎日宴会してるし」
「ふふふ、本当よね。タケル君が来てからは毎日宴会だものね、だけど無理強いされてる訳じゃないから大丈夫よ。それに皆がお駄賃くれるから良い小遣い稼ぎにもなってるのよ」
そっか、ならいいか……って、今、ラナさん何て言った? 小遣い稼ぎ? お駄賃? お金!
「ここで料理を振舞ったらお駄賃貰えるんですか!?」
「貰えるわよ~お酒の入った冒険者たちは気前がいいもの」
食材はこのキッチンに置いてあるものは自由に使っていいと言っていた、だとすると提供するのは料理の腕と時間だけ、リスクはほぼない!
「僕も料理作ります!」
はい! と挙手をして宣言すると、ラナさんは「そこに在る物は適当に使っていいよ」と、キッチンの端に置いてある籠を指差した。
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