143 / 222
第四章
ライムの新たなる能力
しおりを挟む
ルーファウスは考え込むように部屋の中を歩き回る。前科者の魔術師か……ルーファウスが良い腕を持っているって言うくらいだから相当レベルも高そうだ、本当に全てルーファウスの言う通りだとしたら厄介そうな相手だな。
しかも相手の居場所が分からないのでは助け出しにも行けやしない。こんな話合いをしている間にもロイドと小太郎の二人が危険な目に遭っているかもしれないと思うと僕は気が気ではない。
『タケル、タケル~』
不意に僕のローブの胸ポケットに潜んでいたライムがのそのそとポケットから出てきて、ぴょこんと床の上に降り立った。
「ん? ライム、どうしたの?」
『コタロー、あっちにいる』
「え?」
ライムがぷにぷにボディを伸び縮みさせながら、窓の外を指(?)指した。
「ライム、小太郎君の居場所分かるの!?」
『ついてった仲間がいるから分かるよ~』
!! そういえば、さっき小太郎の熱を吸収するようにライムの分裂体が何匹か小太郎に引っ付いていた事を僕は思い出す。
「すごいよ、ライム! お手柄だ!」
『えへへ~』
「タケル、もしかして……」
「うん! ライムが小太郎君の居場所分かるって言ってます!」
ライムはあっちと方向を示すだけで具体的な場所までは分からないのだけれど方向が分かるだけでも今は充分だ。
けれど、こんな惨状の部屋を放置して行ってしまって良いものかと少し足踏みをしていたら、レオンハルト王子が「こちらは大丈夫だ」と言ってくれたので、この場は彼等に任せる事にした。念の為、護衛にとオロチを呼び出したら茉莉のテンションが爆上がりしたのは言うまでもない。
僕達はライムがぴょんぴょんと飛び跳ね案内してくれる後を追いかけて外へと飛び出した。僕達はライムを追いかけ街の中を駆け抜ける、全速力でスライムを追いかける冒険者なんて目立ってしまって仕方がないけど、この際体裁など構っていられない。
「ここは……」
案内されて辿り着いた先、そこは街の外れにある別荘が密集する高級住宅街だった。
「はぁ、はぁ、はぁ……ちょっと、待って……」
気付いたらルーファウスがへばってる。
冒険者を家業としている僕達はそれなりに体力はあるつもりだけど、魔術師という職業柄ルーファウスはスタミナが少ない。魔術師は身体を使って戦う訳じゃないし、魔物退治にしたってルーファウスは転移で移動ができるからこんなに全力疾走しないしね。
僕も同じ魔術師だけど、今の僕の身体ってぴちぴちの13歳だから単純に体力だけならルーファウスより上だったりする、若いっていいね。
「ルーファウス、へばるの早くないか? 何なら担いでいくか?」
「結・構・です!」
体力お化けのアランはまだ息ひとつ切らしていない、そんなアランに担がれるのはさすがにプライドが許さないようでルーファウスはアランの申し出をきっぱりと拒絶した。
「それにしても、はぁ、街の外に出るのであればまだマシだと思っていたのに、嫌な予感というは当たるものですね……」
「嫌な予感って?」
「コタロー達を攫った黒幕が貴族である可能性ですよ。昨日もコタローは一度攫われかけていますし、昨日の犯人も黒髪の子供を狙っていました。犯人は余程黒髪の子供にご執心のようですね」
ああ、そう言われてみればそうだったな。昨日ルーファウスは人攫いが暇を持て余した貴族なのではないかという所まで言及していたのだ、それは悪い意味で大正解だったという事だ。
「でも今回の犯人の目的は聖剣だろう?」
「だったらその剣だけを奪って逃げれば良かったでしょう? 何ならコタローは既に聖剣の所有者ですらないのです、確かに聖剣の持ち主が黒髪の子供であるという情報は流れていましたけれど、聖剣だけが目的なのであれば犯人は剣だけを奪って逃げれば良かったとは思いませんか?」
「まぁ、でも誘拐目的もあったらしいし……」
「あの二人では間違っても金持ちの子息になんて見えませんよ。私だったらどうせ攫うなら聖女様を攫います、あの二人は見るからに高級そうな衣服を身に纏っていましたからね」
確かに言われてしまうとその通りかと、僕も二人の誘拐に疑問持つ。
『ねぇ、タケル、まだ休憩?』
「あ、ううん、行くよ! どっち?」
『あっち~』
僕達が再びライムを追いかけると、ライムは一軒の大きく立派な屋敷の前で『ここ~』と門扉の前でぴょんぴょんと飛び跳ねた。
その屋敷は建物時代は少し年季が入っていそうな風格を醸し出しているのだが、それは決して劣化しているという訳ではなく、庭も屋敷自体もよく手入れされているように見えた。けれど、その屋敷を見上げた瞬間、ルーファウスは大きく大きく溜息を吐く。
「はぁ……考えうる中でも一番嫌な予感が的中してしまいそうなのですか……」
「なに? 何の?」
「ここ、うちの別荘で父の別邸ですよ……」
ルーファウスの父親……確かアルバート総務大臣? だったっけ?
「お? まさかとは思うが、人攫いはお前の親父さんって事か?」
「考えたくはありませんけれど……流石に実行犯ではないと思いますが、コタローがここに囚われていると言うのであれば、その指示を出したのは父で間違いないでしょう。コタローに刻まれた紋印を見た時点で薄々嫌な予感はしていたのですよ」
ルーファウスは苦虫を嚙み潰したような表情だ。できれば関わりたくないという感情がその表情からは滲みだしている。
「でもまぁ、ここがお前ん家の別荘だって言うなら、侵入するのも訳ないだろう。さっさと行こうぜ」
そう言ってアランが門扉に手をかけると、ルーファウスは小さく首を振る。
「確かに私はこの屋敷の見取り図を全て把握はしてますけど、同時にセキュリティの高さも熟知しております。アラン、その門を許可もなく通り抜けようとすると問答無用で丸焦げになりますよ。ついでにこんがり焼けた所で庭に放たれた使役獣に美味しく食されてしまうでしょうね」
ルーファウスがそう言いながら小石を門の向こう側へと投げ入れると、門扉の脇から物凄い勢いで炎が吹きだした。なにこれ、怖い。
アランもその炎を見やってそっと門扉にかけた手を放し「なんだよ、だったらどうやって中へ入れと……」と、溜息を吐いた。
「この屋敷の中へ安全に入るためには正式に招かれるか、もしくは転移で直接乗り込むかですよ。ホーリーウッド家の者はほとんどが時空魔法を操れますので、門なんてものは客人を招くためだけのお飾りです」
門がお飾りって、何というか斬新な家の造りだな。でも、それだけ厳重に護りを固めているのであればセキュリティ面は盤石と言ってもいいのかもしれない。少なくともちんけなコソ泥では絶対に侵入などできはしないだろう。
「じゃあ、お前の転移魔法でちゃちゃっと中へ入ろうぜ」
「そちらに関しても簡単に侵入できるほどセキュリティは甘くはありません。屋敷の中へ転移できる部屋は決まっているのですが、その転移魔法陣にはセキュリティコードが組み込まれています、そのコードは週一で変更されており、私は現在のセキュリティコードを知りません」
「……お手上げ?」
「ですね。そのセキュリティコードが分かれば打つ手もあるのですけれど」
セキュリティコードかぁ……そんなのどうやっても入手できなさそうだし、どうしたものか。二人の居場所が分かったのに助ける手立てがないというのはどうにも歯がゆい。
『タケルぅ、助けに行かないの?』
ライムが門の前から動かない僕達を見やり伸び縮みを繰り返し、ソワソワしている。
「行きたいけど行けないんだよ、なんだかこのお屋敷には罠がいっぱいあるみたいでね」
『罠ってな~に? 美味しいの?』
「美味しくはないかなぁ……ねぇルーファウス、そのセキュリティコードってどうやって管理されているんですか?」
「転移魔法陣が毎週自動的に書き変わるようになっているのですよ、その文字列はランダムで、必要であれば管理者が連絡を寄越すシステムです。管理者からそのセキュリティコードを奪うか、もしくは転移魔法陣を見る事ができれば良いのですが……」
『魔法陣あるよ~』
「え?」
『おうちの探検してたんだって、それでね、魔法陣あるって』
「ええ? ちょっとライム何の話??」
突然意味不明な事を言い出したライムに僕は戸惑う。
『コタローが部屋から出れないから、どっかから出れないか探してきてって。だから探検』
「あ! もしかして小太郎君に付いてったライムの分裂体!?」
『そう~お部屋でて、階段降りたらなんか丸いグルグルあったって。ボク、丸いグルグルは魔法陣だって知ってるの!』
偉いでしょ! と言わんばかりに伸び縮みしているライムに最高に癒される。だけど今は癒されている場合ではない。
「それって、どんな魔法陣か分かる!?」
『うんとね、白くて、なんか文字いっぱい!』
あ~……さすがにライムにそれ以上の情報を期待するのは無理かぁ……
「タケル、ライムが何か見付けたのですか?」
「はい、ライムの分裂体が転移魔法陣を見付けたみたいです。ただ、ライムは文字が読めないので断定はできないですけど」
「なるほど……タケル、ひとつ試して欲しい事があるのですが、いいですか?」
「? なんでしょう?」
「従魔師のスキルの中に従魔との感覚共有というのがあると思うのです、それを試す事はできますか?」
「感覚共有……?」
それはライムと自分の感覚を共有するという事か? 従魔師スキルは持っているだけでほぼ活用していない僕は、従魔師にはそんなスキルもあったのかと従魔師らしからぬ感想を抱く。
いや、だって、僕は一応魔術師だし? 従魔師は副業みたいなものだからさ。
「ライム、感覚共有ってできる?」
『できるよ~』
ライムを抱き上げそう尋ねると、ライムの返事はあっさりとしたもので、その返答と同時に僕の目の前に半透明の僕が現れて僕は思わずライムをその場に落としてしまった。
それと同時に目の前の半透明な僕の顔は視界から消え去り、そのまま落下しぽふんとバウンドした。現在僕の目の前にあるのは半透明な僕の足だ。
『タケル~なんで落とすの~?』
「あ、ごめん!」
ライムに謝りつつも、僕は自分の視界のおかしさにフラフラしてしまう。自分の見ている世界と、ライムの見ている世界が中途半端に融合していて、しかもライムがぴょんぴょんと跳ねるたびに視界も上下するものだから、まるで船酔いのような状態で気持ちが悪い。
「タケル、大丈夫ですか?」
「たぶん感覚共有できましたけど、これ、ちょっと長くは続けられないかも……」
しかも相手の居場所が分からないのでは助け出しにも行けやしない。こんな話合いをしている間にもロイドと小太郎の二人が危険な目に遭っているかもしれないと思うと僕は気が気ではない。
『タケル、タケル~』
不意に僕のローブの胸ポケットに潜んでいたライムがのそのそとポケットから出てきて、ぴょこんと床の上に降り立った。
「ん? ライム、どうしたの?」
『コタロー、あっちにいる』
「え?」
ライムがぷにぷにボディを伸び縮みさせながら、窓の外を指(?)指した。
「ライム、小太郎君の居場所分かるの!?」
『ついてった仲間がいるから分かるよ~』
!! そういえば、さっき小太郎の熱を吸収するようにライムの分裂体が何匹か小太郎に引っ付いていた事を僕は思い出す。
「すごいよ、ライム! お手柄だ!」
『えへへ~』
「タケル、もしかして……」
「うん! ライムが小太郎君の居場所分かるって言ってます!」
ライムはあっちと方向を示すだけで具体的な場所までは分からないのだけれど方向が分かるだけでも今は充分だ。
けれど、こんな惨状の部屋を放置して行ってしまって良いものかと少し足踏みをしていたら、レオンハルト王子が「こちらは大丈夫だ」と言ってくれたので、この場は彼等に任せる事にした。念の為、護衛にとオロチを呼び出したら茉莉のテンションが爆上がりしたのは言うまでもない。
僕達はライムがぴょんぴょんと飛び跳ね案内してくれる後を追いかけて外へと飛び出した。僕達はライムを追いかけ街の中を駆け抜ける、全速力でスライムを追いかける冒険者なんて目立ってしまって仕方がないけど、この際体裁など構っていられない。
「ここは……」
案内されて辿り着いた先、そこは街の外れにある別荘が密集する高級住宅街だった。
「はぁ、はぁ、はぁ……ちょっと、待って……」
気付いたらルーファウスがへばってる。
冒険者を家業としている僕達はそれなりに体力はあるつもりだけど、魔術師という職業柄ルーファウスはスタミナが少ない。魔術師は身体を使って戦う訳じゃないし、魔物退治にしたってルーファウスは転移で移動ができるからこんなに全力疾走しないしね。
僕も同じ魔術師だけど、今の僕の身体ってぴちぴちの13歳だから単純に体力だけならルーファウスより上だったりする、若いっていいね。
「ルーファウス、へばるの早くないか? 何なら担いでいくか?」
「結・構・です!」
体力お化けのアランはまだ息ひとつ切らしていない、そんなアランに担がれるのはさすがにプライドが許さないようでルーファウスはアランの申し出をきっぱりと拒絶した。
「それにしても、はぁ、街の外に出るのであればまだマシだと思っていたのに、嫌な予感というは当たるものですね……」
「嫌な予感って?」
「コタロー達を攫った黒幕が貴族である可能性ですよ。昨日もコタローは一度攫われかけていますし、昨日の犯人も黒髪の子供を狙っていました。犯人は余程黒髪の子供にご執心のようですね」
ああ、そう言われてみればそうだったな。昨日ルーファウスは人攫いが暇を持て余した貴族なのではないかという所まで言及していたのだ、それは悪い意味で大正解だったという事だ。
「でも今回の犯人の目的は聖剣だろう?」
「だったらその剣だけを奪って逃げれば良かったでしょう? 何ならコタローは既に聖剣の所有者ですらないのです、確かに聖剣の持ち主が黒髪の子供であるという情報は流れていましたけれど、聖剣だけが目的なのであれば犯人は剣だけを奪って逃げれば良かったとは思いませんか?」
「まぁ、でも誘拐目的もあったらしいし……」
「あの二人では間違っても金持ちの子息になんて見えませんよ。私だったらどうせ攫うなら聖女様を攫います、あの二人は見るからに高級そうな衣服を身に纏っていましたからね」
確かに言われてしまうとその通りかと、僕も二人の誘拐に疑問持つ。
『ねぇ、タケル、まだ休憩?』
「あ、ううん、行くよ! どっち?」
『あっち~』
僕達が再びライムを追いかけると、ライムは一軒の大きく立派な屋敷の前で『ここ~』と門扉の前でぴょんぴょんと飛び跳ねた。
その屋敷は建物時代は少し年季が入っていそうな風格を醸し出しているのだが、それは決して劣化しているという訳ではなく、庭も屋敷自体もよく手入れされているように見えた。けれど、その屋敷を見上げた瞬間、ルーファウスは大きく大きく溜息を吐く。
「はぁ……考えうる中でも一番嫌な予感が的中してしまいそうなのですか……」
「なに? 何の?」
「ここ、うちの別荘で父の別邸ですよ……」
ルーファウスの父親……確かアルバート総務大臣? だったっけ?
「お? まさかとは思うが、人攫いはお前の親父さんって事か?」
「考えたくはありませんけれど……流石に実行犯ではないと思いますが、コタローがここに囚われていると言うのであれば、その指示を出したのは父で間違いないでしょう。コタローに刻まれた紋印を見た時点で薄々嫌な予感はしていたのですよ」
ルーファウスは苦虫を嚙み潰したような表情だ。できれば関わりたくないという感情がその表情からは滲みだしている。
「でもまぁ、ここがお前ん家の別荘だって言うなら、侵入するのも訳ないだろう。さっさと行こうぜ」
そう言ってアランが門扉に手をかけると、ルーファウスは小さく首を振る。
「確かに私はこの屋敷の見取り図を全て把握はしてますけど、同時にセキュリティの高さも熟知しております。アラン、その門を許可もなく通り抜けようとすると問答無用で丸焦げになりますよ。ついでにこんがり焼けた所で庭に放たれた使役獣に美味しく食されてしまうでしょうね」
ルーファウスがそう言いながら小石を門の向こう側へと投げ入れると、門扉の脇から物凄い勢いで炎が吹きだした。なにこれ、怖い。
アランもその炎を見やってそっと門扉にかけた手を放し「なんだよ、だったらどうやって中へ入れと……」と、溜息を吐いた。
「この屋敷の中へ安全に入るためには正式に招かれるか、もしくは転移で直接乗り込むかですよ。ホーリーウッド家の者はほとんどが時空魔法を操れますので、門なんてものは客人を招くためだけのお飾りです」
門がお飾りって、何というか斬新な家の造りだな。でも、それだけ厳重に護りを固めているのであればセキュリティ面は盤石と言ってもいいのかもしれない。少なくともちんけなコソ泥では絶対に侵入などできはしないだろう。
「じゃあ、お前の転移魔法でちゃちゃっと中へ入ろうぜ」
「そちらに関しても簡単に侵入できるほどセキュリティは甘くはありません。屋敷の中へ転移できる部屋は決まっているのですが、その転移魔法陣にはセキュリティコードが組み込まれています、そのコードは週一で変更されており、私は現在のセキュリティコードを知りません」
「……お手上げ?」
「ですね。そのセキュリティコードが分かれば打つ手もあるのですけれど」
セキュリティコードかぁ……そんなのどうやっても入手できなさそうだし、どうしたものか。二人の居場所が分かったのに助ける手立てがないというのはどうにも歯がゆい。
『タケルぅ、助けに行かないの?』
ライムが門の前から動かない僕達を見やり伸び縮みを繰り返し、ソワソワしている。
「行きたいけど行けないんだよ、なんだかこのお屋敷には罠がいっぱいあるみたいでね」
『罠ってな~に? 美味しいの?』
「美味しくはないかなぁ……ねぇルーファウス、そのセキュリティコードってどうやって管理されているんですか?」
「転移魔法陣が毎週自動的に書き変わるようになっているのですよ、その文字列はランダムで、必要であれば管理者が連絡を寄越すシステムです。管理者からそのセキュリティコードを奪うか、もしくは転移魔法陣を見る事ができれば良いのですが……」
『魔法陣あるよ~』
「え?」
『おうちの探検してたんだって、それでね、魔法陣あるって』
「ええ? ちょっとライム何の話??」
突然意味不明な事を言い出したライムに僕は戸惑う。
『コタローが部屋から出れないから、どっかから出れないか探してきてって。だから探検』
「あ! もしかして小太郎君に付いてったライムの分裂体!?」
『そう~お部屋でて、階段降りたらなんか丸いグルグルあったって。ボク、丸いグルグルは魔法陣だって知ってるの!』
偉いでしょ! と言わんばかりに伸び縮みしているライムに最高に癒される。だけど今は癒されている場合ではない。
「それって、どんな魔法陣か分かる!?」
『うんとね、白くて、なんか文字いっぱい!』
あ~……さすがにライムにそれ以上の情報を期待するのは無理かぁ……
「タケル、ライムが何か見付けたのですか?」
「はい、ライムの分裂体が転移魔法陣を見付けたみたいです。ただ、ライムは文字が読めないので断定はできないですけど」
「なるほど……タケル、ひとつ試して欲しい事があるのですが、いいですか?」
「? なんでしょう?」
「従魔師のスキルの中に従魔との感覚共有というのがあると思うのです、それを試す事はできますか?」
「感覚共有……?」
それはライムと自分の感覚を共有するという事か? 従魔師スキルは持っているだけでほぼ活用していない僕は、従魔師にはそんなスキルもあったのかと従魔師らしからぬ感想を抱く。
いや、だって、僕は一応魔術師だし? 従魔師は副業みたいなものだからさ。
「ライム、感覚共有ってできる?」
『できるよ~』
ライムを抱き上げそう尋ねると、ライムの返事はあっさりとしたもので、その返答と同時に僕の目の前に半透明の僕が現れて僕は思わずライムをその場に落としてしまった。
それと同時に目の前の半透明な僕の顔は視界から消え去り、そのまま落下しぽふんとバウンドした。現在僕の目の前にあるのは半透明な僕の足だ。
『タケル~なんで落とすの~?』
「あ、ごめん!」
ライムに謝りつつも、僕は自分の視界のおかしさにフラフラしてしまう。自分の見ている世界と、ライムの見ている世界が中途半端に融合していて、しかもライムがぴょんぴょんと跳ねるたびに視界も上下するものだから、まるで船酔いのような状態で気持ちが悪い。
「タケル、大丈夫ですか?」
「たぶん感覚共有できましたけど、これ、ちょっと長くは続けられないかも……」
24
あなたにおすすめの小説
穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜
春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、
癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!?
トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。
彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて――
運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!
恋愛感情もまだわからない!
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。
個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする
愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ!
月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新)
基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる