19 / 26
鍵を渡す相手が島で出来たってこと
しおりを挟む
スッカラカンな島の部屋。
あの遺品整理をお願いした『何でも屋さん』が、
置いていったのは電灯と1階店舗の一部棚。
あと応接間の飾り棚だった。
引っ越しや、片付けの際に電灯だけは、
最後まで残すべきアイテムだと
聞いたのは誰だったか?
「まずは、家具家電だな。」
何もない台所で、立ったまま。
妹と2人、缶コーヒーを手にした春。
漁師相手に売る地元魚の弁当を食べ終え、
わたしは妹に言った。
「なに?おねぇ。」
ちなみに弁当で驚くのは 、
米が水っぽい炊き上げな事。
島はガスがボンベだから、火力が緩いのか?
とにかく水っぽい。
しかも清んだ水っぽい味がする。
水が良いのだ。
なのに米が緩い炊き加減。
どっち!!なツッコミ味。
が、魚や惣菜は流石美味し!!
そして風流にも、
島の庭に桜の花弁が舞う。風花。歌みたい。
近くに会社の別荘の茶室があり、
そこに桜があるのだ。
うちの庭から少し見えて、
ちょっと得した気分がする。
年末に亡くなった伯母。
あれから結局、4ヶ月。
伯母が亡くなって直ぐに動いても、
相続センターに依頼した保険金や、銀行のお金が
ぜーんぶ入ったのは春で、
これで漸く諸々が終わった次第。
それでも、あっという間な気がする。
「えー、リフォームでしょ!ここは!!『匠』にお願いしよー、テレビ局に応募しよー!」
自販機のミルクティを飲み干し、
妹が目を輝かせるんだよね。
「軍資金600万では無理だな。1000万は用意しないとダメ。リフォーム業者に頼むと、家を直すとこからになるだろし。」
頼めるなら頼みたいけど、
なんと言っても築50年はいってる。
ちなみに無事に遺産の保険金も
親族から遺産放棄してもらい、
島の家に使わせてもらえる。
冷静に考えるべきは『金』。
600万まるまるリフォームに使えるわけじゃないのだ。
何より『島の家』ってだけで、拒否される。
実際幾つか見積りを打診した。
が、撃沈。
島でも、この集落に入るのは
難しいと言われたわけで。
昔、
祖母が本土の病院で亡くなった時
葬儀屋が遺体を島に運ぶのを嫌がった事を思えばだ。
結局、自分達でトラックに祖母の遺体を乗せて
海を渡り運んだ。
祭壇だって、自分達で組んだ。
今の時勢から思えば、あの経験は貴重だった。
とにかく、
今回もDIYは必須だろうと推測。
「ならお洒落なのにしよ?!◯KEYAとかでさ!北欧ー北欧ー!!ね?おねぇー」
「まてまて、軍資金との兼ね合いもあるし、なんでも思い付きでインテリアを買うと痛い目あう。」
「じゃあどうすんの?」
文句垂れ垂れの視線を向ける妹。
でも軍資金は600万。
インテリアやDIYに使えるのは200万ぐらい。
「島の電気屋に行くよ。」
「ええーーー!なんで!」
まずは冷暖房!!
なんっつっても、今の今も立ったまま
台所で作戦会議しているのだ。
夏にDIYや家具を組み立てるならば、
鬼暑い間違いない!
「エアコンとか、冷蔵庫、洗濯機、そんで電灯に、レンジを買う。まずは文明の機器だわ。」
「でも電気屋なんかあんの?」
「小学校と支所があるなら、絶対あるもんなんよ。島の電気屋はね。」
そうなのだ。
離島に嫁に行った友人曰く。
嫁入り先の電気屋を辞めれないと
事情を嘆いていたのを思い出す。
なにより。
「ばあちゃんが店してた時に、電気屋の子供が来てたはず。」
荷物を手にして、
向かいのお好み焼き屋に顔を出す。
聞けば、やっぱり電気屋は続いていた。
教えられた道を進むと、
天下の松◯電気=パナ◯ニックの
看板!!
『貴方の町のでんきやさん』だ!
ピロリ~ン、、
電子音を鳴らせて店に入れば、
絶対、あの美容院で巻いた
パーマヘアーのマダムが出てくる。
「カタログ見せてもらえませんか?」
もちろん街の量販店みたいには現物がある訳がない。
いや、違う。
「先生とこの姪っ子です。島の家に家電を入れたいんです。」
まずは、叔母の姪っ子だと
自分の身分を証明する事をする。
これだけで、
「ありゃあ、先生とこの!いんやあ、大変やったよなあ。先生、ぜぇんぜぇん元気やったもんなあ。でぇ、姪っ子ぉ~?結婚しとん?え、いくつう?ほな、うちん息子の5つ下よって店でおうとる?」
となる。
叔母さまさまだよ、ホント。
で、マダムが店の奥から息子を呼ぶわけよね。
「どないしたん?おう客かぁ?」
マダムと良く似た顔の息子が出てきて、、、
あたり!!見た顔!!
「あ!!うちの駄菓子屋に来てたよね?覚えてるわ!でんきや!」
「え、あ?あ、あ、ホンマ?」
たじろぐ電気屋三代目息子に、
指を差すと、みるみる記憶が甦る
夏休みの度に島へ連れて来られ、
祖母の駄菓子屋の店番を
させられていた小学生時代。
うるさい蝉の鳴き声の中で響く声
『おい!でんきや!』
店に来る、いかにもガキ大将に
呼ばれていた、ヒョロ高い男の子。
コイツだ!!全然かわらない!!
て、ことはガキ大将は、
ママの美容室んとこの息子だ!!
「お姉ちゃんと何時も来てたの、覚えてるよ。おかっぱの。」
「えぇすごいなあ。覚えてるんなぁ?まあ、ねえちゃんおるな。」
後ろにいる我が妹が引いてる。
自慢じゃないが、
なにせ人への記憶力が半端ないのだよ、わたし。
そこからしこたま、マダムも入っての昔話。
「ほんで、家電そろえるんな?カタログこれやが、ゆぅて2種ずつやど?選ぶんな。どないする?いつまで島におる?注文してすぐは無理やでなぁ。5日はいるな。」
「カタログに今、◯付けるわ。そんで鍵を預けるし、家開けて注文したヤツを設置もしといてくれへん?信用してるから。」
この台詞に我が妹の目が見開く。
まあ、街では考えられない話だ。
でも、ここは島。
家の鍵を締めたら、鍵をそのまま渡す約束をする。
「おう、わかった。ほなら、入れておくよってなぁ。」
「ほなぁ、あんた車で送ったり。ほれ、これも持っていきな。」
マダムにゴリ押しされ三代目の車に押し込められて
渡されたのは、、
「これ、、桜鯛、、」
桜の咲く時期にとれる鯛だ。
なんだか、
花弁が舞う道を電気屋の車に
鯛を持たされ乗るそれは。
「輿入れやん、、」
恐れるべし。
あの遺品整理をお願いした『何でも屋さん』が、
置いていったのは電灯と1階店舗の一部棚。
あと応接間の飾り棚だった。
引っ越しや、片付けの際に電灯だけは、
最後まで残すべきアイテムだと
聞いたのは誰だったか?
「まずは、家具家電だな。」
何もない台所で、立ったまま。
妹と2人、缶コーヒーを手にした春。
漁師相手に売る地元魚の弁当を食べ終え、
わたしは妹に言った。
「なに?おねぇ。」
ちなみに弁当で驚くのは 、
米が水っぽい炊き上げな事。
島はガスがボンベだから、火力が緩いのか?
とにかく水っぽい。
しかも清んだ水っぽい味がする。
水が良いのだ。
なのに米が緩い炊き加減。
どっち!!なツッコミ味。
が、魚や惣菜は流石美味し!!
そして風流にも、
島の庭に桜の花弁が舞う。風花。歌みたい。
近くに会社の別荘の茶室があり、
そこに桜があるのだ。
うちの庭から少し見えて、
ちょっと得した気分がする。
年末に亡くなった伯母。
あれから結局、4ヶ月。
伯母が亡くなって直ぐに動いても、
相続センターに依頼した保険金や、銀行のお金が
ぜーんぶ入ったのは春で、
これで漸く諸々が終わった次第。
それでも、あっという間な気がする。
「えー、リフォームでしょ!ここは!!『匠』にお願いしよー、テレビ局に応募しよー!」
自販機のミルクティを飲み干し、
妹が目を輝かせるんだよね。
「軍資金600万では無理だな。1000万は用意しないとダメ。リフォーム業者に頼むと、家を直すとこからになるだろし。」
頼めるなら頼みたいけど、
なんと言っても築50年はいってる。
ちなみに無事に遺産の保険金も
親族から遺産放棄してもらい、
島の家に使わせてもらえる。
冷静に考えるべきは『金』。
600万まるまるリフォームに使えるわけじゃないのだ。
何より『島の家』ってだけで、拒否される。
実際幾つか見積りを打診した。
が、撃沈。
島でも、この集落に入るのは
難しいと言われたわけで。
昔、
祖母が本土の病院で亡くなった時
葬儀屋が遺体を島に運ぶのを嫌がった事を思えばだ。
結局、自分達でトラックに祖母の遺体を乗せて
海を渡り運んだ。
祭壇だって、自分達で組んだ。
今の時勢から思えば、あの経験は貴重だった。
とにかく、
今回もDIYは必須だろうと推測。
「ならお洒落なのにしよ?!◯KEYAとかでさ!北欧ー北欧ー!!ね?おねぇー」
「まてまて、軍資金との兼ね合いもあるし、なんでも思い付きでインテリアを買うと痛い目あう。」
「じゃあどうすんの?」
文句垂れ垂れの視線を向ける妹。
でも軍資金は600万。
インテリアやDIYに使えるのは200万ぐらい。
「島の電気屋に行くよ。」
「ええーーー!なんで!」
まずは冷暖房!!
なんっつっても、今の今も立ったまま
台所で作戦会議しているのだ。
夏にDIYや家具を組み立てるならば、
鬼暑い間違いない!
「エアコンとか、冷蔵庫、洗濯機、そんで電灯に、レンジを買う。まずは文明の機器だわ。」
「でも電気屋なんかあんの?」
「小学校と支所があるなら、絶対あるもんなんよ。島の電気屋はね。」
そうなのだ。
離島に嫁に行った友人曰く。
嫁入り先の電気屋を辞めれないと
事情を嘆いていたのを思い出す。
なにより。
「ばあちゃんが店してた時に、電気屋の子供が来てたはず。」
荷物を手にして、
向かいのお好み焼き屋に顔を出す。
聞けば、やっぱり電気屋は続いていた。
教えられた道を進むと、
天下の松◯電気=パナ◯ニックの
看板!!
『貴方の町のでんきやさん』だ!
ピロリ~ン、、
電子音を鳴らせて店に入れば、
絶対、あの美容院で巻いた
パーマヘアーのマダムが出てくる。
「カタログ見せてもらえませんか?」
もちろん街の量販店みたいには現物がある訳がない。
いや、違う。
「先生とこの姪っ子です。島の家に家電を入れたいんです。」
まずは、叔母の姪っ子だと
自分の身分を証明する事をする。
これだけで、
「ありゃあ、先生とこの!いんやあ、大変やったよなあ。先生、ぜぇんぜぇん元気やったもんなあ。でぇ、姪っ子ぉ~?結婚しとん?え、いくつう?ほな、うちん息子の5つ下よって店でおうとる?」
となる。
叔母さまさまだよ、ホント。
で、マダムが店の奥から息子を呼ぶわけよね。
「どないしたん?おう客かぁ?」
マダムと良く似た顔の息子が出てきて、、、
あたり!!見た顔!!
「あ!!うちの駄菓子屋に来てたよね?覚えてるわ!でんきや!」
「え、あ?あ、あ、ホンマ?」
たじろぐ電気屋三代目息子に、
指を差すと、みるみる記憶が甦る
夏休みの度に島へ連れて来られ、
祖母の駄菓子屋の店番を
させられていた小学生時代。
うるさい蝉の鳴き声の中で響く声
『おい!でんきや!』
店に来る、いかにもガキ大将に
呼ばれていた、ヒョロ高い男の子。
コイツだ!!全然かわらない!!
て、ことはガキ大将は、
ママの美容室んとこの息子だ!!
「お姉ちゃんと何時も来てたの、覚えてるよ。おかっぱの。」
「えぇすごいなあ。覚えてるんなぁ?まあ、ねえちゃんおるな。」
後ろにいる我が妹が引いてる。
自慢じゃないが、
なにせ人への記憶力が半端ないのだよ、わたし。
そこからしこたま、マダムも入っての昔話。
「ほんで、家電そろえるんな?カタログこれやが、ゆぅて2種ずつやど?選ぶんな。どないする?いつまで島におる?注文してすぐは無理やでなぁ。5日はいるな。」
「カタログに今、◯付けるわ。そんで鍵を預けるし、家開けて注文したヤツを設置もしといてくれへん?信用してるから。」
この台詞に我が妹の目が見開く。
まあ、街では考えられない話だ。
でも、ここは島。
家の鍵を締めたら、鍵をそのまま渡す約束をする。
「おう、わかった。ほなら、入れておくよってなぁ。」
「ほなぁ、あんた車で送ったり。ほれ、これも持っていきな。」
マダムにゴリ押しされ三代目の車に押し込められて
渡されたのは、、
「これ、、桜鯛、、」
桜の咲く時期にとれる鯛だ。
なんだか、
花弁が舞う道を電気屋の車に
鯛を持たされ乗るそれは。
「輿入れやん、、」
恐れるべし。
0
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる