エマをもつむすめ

ぴょん

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ありがとう、おいしかった

「吸っていいのよ」
恥ずかしいのをこらえて言うと、ヨンジンは安心したようにアーユーラの胸に顔をうずめてまた乳首を口に含んだ。アーユーラは声が出そうになるのを必死で我慢した。
(私、どうしちゃったんだろう。エマができるまで、乳首なんか触っても何ともなかったのに……)

初めてのお乳は出が悪いのか、ヨンジンは間歇的に力を込めてチュッチュッと吸い付いてくる。無意識なのか、左手で右の乳房を揉みしだいている。こうするとお乳がよく出るのを本能的に知っているんだね。
やがて右の乳首からもお乳がしみ出してきて、アーユーラのおっぱいはべとべとになってしまった。できたばかりのエマが燃えるように熱かった。アーユーラは腰から力が抜けてその場にぺたんと尻もちをついた。
ヨンジンは無心に乳首を吸い続けている。よほどお腹が空いていたんだね。アーユーラはヨンジンに気づかれないように、わずかに身をよじった。くうっとこらえきれない声が漏れた。

左のおっぱいが出なくなると、ヨンジンはようやく名残惜しそうに乳首を離した。アーユーラはようやく体の力を抜いた。ホッとしたのもつかの間、ヨンジンが今度は右のおっぱいからあふれ出したお乳をぺろぺろとなめ始めた。アーユーラはああっと声にならない声をあげた。ザラザラした舌が幾度も乳房の表面をなぞる。アーユーラは頭が真っ白になってしまった。たまらず右手で自分のエマをさすった。うるさいほど激しく心臓が鳴っている。鼓動がヨンジンに聞こえるのではないかと思うと気が気ではなかったけれど、どうすることもできなかった。

吸いつくされたと思ったおっぱいがまたとろとろとあふれてきた。あふれたお乳をすっかりなめとってしまうと、ヨンジンは右の乳首をくわえた。アーユーラは無我夢中でヨンジンの頭をしっかりと抱きかかえて自分の胸に押し付けた。意識がもうろうとして何が何だか分からなかった。体中の力が抜けて、アーユーラはそのままずるずると地面に仰向けに崩れ落ちてしまった。ヨンジンはアーユーラの体にのしかかってきて、夢中で乳房をまさぐりながら舌と唇を上手に使って吸い付いてくる。
「んんっ」
押し殺した呻きがアーユーラののどから洩れた。
お乳をあらかた吸い尽くしてしまったのか、ヨンジンは焦れたように強く乳首をむさぼった。ヨンジンの膝が下着越しにアーユーラの熱く火照ったエマに当たった。アーユーラは片手を口に押し当てて必死で声をこらえた。ヨンジンが乳首を吸うたびに、そこがスイッチになったみたいにエマに電流が走り、ズクンズクンと重だるいしびれが体中を駆け巡った。あまりの気持ちよさにアーユーラの目尻から涙が一筋伝い落ちた。ヨンジンの膝が着物越しにエマにこすれるたび、腰がビクンビクンと痙攣した。拷問に近いような快感が永遠に続くかと思われた。
ふいにヨンジンが乳首から唇を離して体を起こした。
「ありがとう、おいしかった」
ヨンジンは満足したようにあどけない笑顔を見せると、小さく舌なめずりしてあっという間に飛び去っていった。

アーユーラはその場に倒れたまま、はだけた胸元を隠すのも忘れてしばらく放心していた。

息せききってお城に戻ったアーユーラは、クフベツさまの閉じ込められている石牢に駆けつけた。
クフベツさまは後ろ手に縛られて眠っているようだった。クフベツさまのそばには誰もいなかった。いつも控えているワメールは、アーユーラの代わりにハルマヤさまの部屋の片付けにでも行っているのかもしれない。

アーユーラは盗んできた鍵束を取り出して片っ端から鍵穴に差し込んでみた。鍵は何十本もあったが、運良く6本目で牢の鍵がかちりと開いた。
物音に目を覚ましたらしいクフベツさまが怯えたように体をこわばらせた。
「誰だ」
「ハルマヤさまのお世話係のアーユーラです」
クフベツさまにとっても見覚えのある顔だった。クフベツさまは少し安心したように、
「どうした?」
と聞いた。
(やっぱり、頭がおかしいわけじゃないって噂は本当だったのね)
アーユーラは一人で納得しながら、
「ヨンジンが迎えに来てます。私がご案内します」
と手短に言った。
「ヨンジンが?」
思わず大きな声をあげたクフベツさまを手で制して、アーユーラは辺りをうかがった。近くには誰もいる気配がなかった。
アーユーラは牢の扉を細く開けて中に滑り込み、身に着けていた小刀でクフベツさまの繋がれている縄をごしごしと切った。

塔は牢屋の西側に位置しているはずだった。西と思われる方角に廊下をずんずん進んでいくと、窓から塔が見えた。そちらを目指して城の中を突っ切っていくと、案外簡単に塔につながる渡り廊下に出ることができた。

おとうさまがどんなに狂暴か噂に聞いていたので、塔に入るのは怖かった。塔の掃除から帰ってきた時のオルさまの傷だらけの姿を思い出してアーユーラはぶるっと震えた。

塔の壁には食べ物を差し入れる扉があった。ここは鍵がかかっていなかったが、大人が入るには狭かった。
掃除の時にオルさまが通る入口がどこかにあるはずだ。外壁に沿って歩いていくと、思ったとおり人が通れそうな扉がついていた。手をかけて押してみると、案の定鍵がかかっている。はやる気持ちを抑えてまた鍵束を取り出し、合う鍵を探す。今度もすんなりと扉は開いた。

中はかなり暗くて何も見えない。アーユーラは細く開けた扉から恐る恐る体をねじ込んだ。
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