君とのシアワセ

15

カツカツカツ

曲がり角から革靴が床を叩く音が聞こえる。
バレたらやばい通報されるかもしれない！
血の気が引いていくのが分かる。
ドンドンドン

「創くんお願い、創くん創くん開けて開けて！」

必死で叩くけど反応もない。立とうと思うけど、腰に力が入らなかった。

カツ"カツ"カツ"カツ"

テンポが早くなり走ってくるのがわかる。

やばいやばいやばい

「創くん創くんやばい、人来てるお願い開けて開けてぇ！」

「1、ゼロ。」

泣きそうな声になりながらドアに縋り付くと創くんの声とともにガチャっと音がして扉が開いた。
そのままぐっと一瞬で引っ張られ教室に吸い込まれ創くんの胸に頭を押さえつけられる。

バンッ

カツカツカツカツカツカツ

「あれ？確かここに結がいたはずなのになぁ、」

「はぁ、はぁ、総長どうしたんすか？」

「いや、なんでもねぇ、」

カツカツカツカツ

声の主はどこかへ行ったみたいだ。
創くんが押さえつける力を緩めた。

「はぁはぁ、はぁ、怖かったぁ、創くん創くん、」

「よしよーし、頑張ったね。」

「うぅ、見つかるかとぉ、うう｣

創くんの匂いを鼻いっぱいに入れ込むと、安心しちゃって涙が出てくる。
頭をなでなでしてくれる。
ふふ、嬉しいー
でも、たぶん30秒ぐらいしか経ってないと思う。
ちょっと僕に甘くて優しいところ好き。

「帰るよ、」

2人で抱き合っていると創くんは僕を見て言った。
創くんは僕の腰が使い物にならないことを分かってるので、お姫様抱っこしようとする。
僕はその意図に気づき創くんの首に手をかけた。
創くんは僕を抱き上げた後、窓を開けて校庭に降りた。


窓から教室をでて校門に行くと、いつものように創くんの車があった。
車に乗りこみ家に向かう。

「アイツをどう片付けるか。」

「チッ、俺の結をよくも…」

車での移動中、創くんがブツブツと腕組みをしながら足を組んで言っている。
創くんの表情がどんどん険しくなっていった。
今の創くんはやばいと思ったのでできるだけ縮こまって静かにじっとしていた。
しばらくして、家に到着した。
創くんは出る時もお姫様抱っこで降ろしてくれた。




「結、結」

「あぁんん、あぁ、いくぅぅ、」

寝室の扉を開けてすぐベットに投げられて、血走った創くんが乗っかってきた。
慣らさずにいきなり入れてきた。
獣のような創くんの姿に頑張って僕もついて行きたいけど、教室でのことも含めたら僕の体は限界がきて何度も気を失う。
けど創くんがその度に顔を叩いたり、奥を突いてきて無理やりにも僕を起こす。
創くんは学校でのキレが再び戻っていて僕が寝る度に「絶対あいつに渡さない｣だとか、「浮気するな｣とかいってたきがする。
記憶が曖昧で思い出せない。

そんな永遠と思える時間が1日中続いて、 復帰したにも関わらず僕達は2日休んだ。
その間はずっとつきっきりで創くんが僕の面倒をみていた。