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第二部 異世界建築士と大工の娘
第113話:大工の兄妹
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夜明け間近の空を窓から見上げる。
もう、この日の出前の時間帯に起きるのは、習慣になっていた。目覚まし時計で起きていた日本の生活習慣からは、ずいぶんとかけ離れている。
ただ、この街にやってきて、食事は屋台のものを食べるということをしていると、この夜明けから市場が動き出すまでの時間をもてあますことになってしまった。
「ふんっ…………あ~~~~ッ!」
宿の前で、おもいっきり手足を伸ばし、ラジオ体操のような動きで、手足を振り回す。子供のころ、夏休みになると家の近くの公園でラジオ体操をしていたのを思い出す。
「あ~た~らしい、あーさがッ来た……ッと」
子供のころはあんなに面倒くさいと思っていたラジオ体操だが、夜明けとともに起きる習慣と、手持ち無沙汰なこの時間を組み合わせると、ラジオ体操でもやっていないと落ち着かない。
「ラジオ体操第一ぃ~、腕を前から上にあげて、のびのびと背伸びの運動から~、ハイッ」
ラジオは無いので、覚えているあの台詞を自分で言いながら始める。どうせこんな明け方、外にはだれもいない。
木村設計事務所では、所長の趣味で、ラジオ体操が朝礼前の日課だったから、体がすっかり覚えている。久しぶりにこうやってのびのびと体を動かしていると、自分は確かに日本人だったのだ、という思いになる。
だが、だからと言って、もう、帰る気にはなれない。あの、森で出会った魔狼の話が本当ならば、やはり日本に帰る手立ては存在し、それを実践した人間もいる――それでもだ。
なぜなら、どうあっても、リトリィのほうが日本で穏やかに暮らしていくことができそうにないからだ。あの顔、あの体で、どうやったら平穏な人生を、日本で送ることができるというのだろう。
もし外見がこの世界の「ひと」と同じだったら、日本に連れ帰るという選択肢もあったかもしれない。だが、そうではないのだ。無いものねだりをしても仕方がない。
リトリィは、俺を選んでくれた。あれだけ彼女を傷つけたはずの、俺を。一途に俺を慕ってくれる彼女を失うくらいなら、俺はこの世界で生きる。俺はこの世界に婿入りした、そう考えて割り切るしかないのだ。
ラジオ体操第二までを終えたころ、朝日がようやく顔を出し、まぶしい銀の光が目を射抜く。
今日は、素晴らしくいい天気だ。放射冷却のせいか、やたらと空気は冷たいが、しかし風がないのでそれほど寒さを感じない。
今日の山は雲もかかっておらず、朝日を浴びて光り輝いている。俺が――俺たちが山に帰るときには雪に降られて本当に寒い思いをしたのに。
神様は実に意地悪だ。それとも、やっとこさリトリィと結ばれた分、しっかり苦労しろという意味だったのだろうか。
腰や足はまだ痛みがあったり重みを感じたりもするが、通常の生活をしっかり送ることがリハビリになるだろう。軽い筋肉痛なら軽い運動で治す、という考え方もあるしな。
そう考えて、ちょっと街を散歩してみることにした。ぼちぼち、屋台も準備を始めているようで、いい匂いが漂ってきてもいる。街の様子――この世界の建築様式を散歩で観察しながら、腹ごしらえをすることにしよう。
「あ、ムラタさん。おはようございます」
城門を潜り抜け、門外街の城門前広場までやって来た時だった。見たことのある青年と少女の組み合わせが、俺を見つけて、右手を挙げて来た。
「お早いんですね、いつもこのお時間に?」
少女が、笑顔で問いかけてくる。青年の方は、やや首を傾けこちらを値踏みするかのような目つき――いつもの目で、こちらを見つめてくる。
マレットさんのところの、マイセルとハマーだ。
二人とも明るい栗色の髪をしている。兄のハマーは礼儀正しいが少し斜めに構えたような感じの十八歳。マイセルはそんな兄貴をフォローするように現場でいろいろと手伝いをしている十六歳の女の子だ。
ハマーの方はこの寒い中、以前現場で見たのと同じ、上下とも作務衣に似た薄手の作業着に、キャスケットに似た帽子をかぶっている。寒くないアピールで、自身の丈夫さを誇示しているのだろうか。
それに対してマイセルは、以前現場で見た活動的な服装ではなく、質素だが落ち着いた茶色の厚手のロングドレスに、厚手の毛糸の温かそうなショールを羽織っている。おそらくこちらが普段着なのだろう。なかなか可愛らしいお嬢さんだ。
「ああ、起きるのは夜明け前が習慣になっていてね」
俺の言葉に、マイセルが目を丸くする。
「夜明け前に起きるんですか?」
「ジルンディール工房は、いつも夜明けとともに仕事だったから、それに慣れちゃってね」
マイセルが、さらに目を丸くする。
「夜明けとともにお仕事って、早くないですか?」
「早いのかな?」
山の工房ではそれが当たり前だったから、この世界はそういう生活習慣なのだと思い込んでいた。
俺の言葉に、ハマーが薄く笑った。
「夜明けとともに仕事というのは、確かに早いですね。ムラタさんも、いつもならこの時間には鉄を打っているんですか?」
「いや、俺は建築士――家の設計をするんだ。今度建てる小屋のように」
自分で言いながら、建築士らしい仕事をするのは、この世界では今度の小屋は初めてだったか、と内心、苦笑する。
「あ、そうでした!」
思い出したように、マイセルが朗らかに笑う。マイセルは、一日の作業が終わるころにやってきて、彼らの父親である、大工のマレットさんとともに帰ってゆくのだ。
あとは……たしか一度、差し入れにも来たか。まあ、俺の差し入れはリトリィが世話を焼いてくれていたから関係なかったし、その程度の接点しかなかったから、覚えられていなくて当然だろう。
「ムラタさん、あの小屋はいつ再開するんですか? うちの親父、仕事がないことを幸いに朝っぱらから飲んだくれてるんで。ちょうど仕事がないときだったんで、今回の仕事はいい小遣い稼ぎになると思ってたんですが」
「小遣い稼ぎ?」
「だって、あの規模の二階建てでしょう? だから僕ら見習いにとってもちょうどいい練習になるって、親父が」
……ああ、なるほど。
小さい小屋だから、親方としての目から見て、息子たち見習いの修行にちょうどいい場になると判断されたわけか。
「そうだな、材料さえそろえばすぐにでも始められるけれど……」
「材料?」
「ああ、製材屋に発注した木材だ。もうある程度はできていると思うんだが」
「木材って、柱と床材でしょう? それくらい、もうとっくにできてるでしょう」
ハマーが、鼻で笑うように言う。
「……まあ、あの製材屋の規模の水力ノコギリなら、確かにそうだろうな」
「そうだろうじゃなくて、もうできてますって。ウチの街が誇る大水車群のうち、三つを使ってるんですよ?」
腰に手を当て、若干あごを上ずらせながら、得意げのハマー。……お前が作ったわけでもあるまいに、どうしてそんなに自慢げなんだ。
……自慢したいんだろうなあ、出身地を。
「……まあ、いずれにしても確かめてはおきたいからな、このあと、製材屋に寄って、何がどれくらいできているかを確認するつもりだ。あと、今後の予定について、マレットさんと話を詰めておきたいとも思っている」
「親父とですか?」
いぶかしげに俺を見るハマー。
「話を詰めるって……親父に任せておけば、何も問題ないんじゃないですか?」
「試したい工法があってね。そのためには、現場の中心となるマレットさんに、どのように工事を進めたいと考えているか、理解しておいてもらいたいのさ」
そう、今回はできるだけ早く仕上げたいのだ。そのためには、レンガをチマチマ積んでいく工法ではなく、原形が「バルーン工法」とも呼ばれたツーバイフォー、つまり木造枠組壁構法を採用したいのである。
「試したい工法って言われても、うちは代々大工ですからね。うちのやり方ってのがあるんですよ。親父に話を通すのは勝手ですけど、まあ、素人さんの話なんて聞く気、ないんじゃないですか?」
薄ら笑いを浮かべながらこの台詞である。自分の父親の技術に、絶対の自信を持っているようだ。むかっ腹の立つ表情だが、子供の挑発に乗って話を台無しにするようでは、大人とは……。
……ああ、腹が立つ!
「お、お兄ちゃん! ムラタさん、ごめんなさい! あの、お父さんなら今日もお休みだと思いますから、いまからうちに来れば……」
「何言ってるんだ、父さんなら俺たちが出たあとすぐ、酒を飲みに行っちゃったじゃないか」
つまらなそうに、妹の言葉を即座に否定するハマー。うなだれるマイセルに、さらにハマーが追い打ちをかける。
「女だてらに金槌なんか握ってるから、そんな思い違いをするんだよ。お前、女なんだから、もっと母さんから刺繍の一つも勉強しろよ」
「……お兄ちゃん!」
眉を吊り上げたマイセルのそばから、ハマーが飛びのいてみせる。
「親父は一度酒が入ったら話なんか聞いてくれないと思うから、今日は製材屋にでも行ったらどうです? おいマイセル、お前、女らしく案内してやれよ!」
「お兄ちゃん! そんな勝手に……!」
「任せたからな!」
結局、そのままハマーは、屋台の向こうに消えてしまった。
「……ごめんなさい、お兄ちゃんがすごくその……」
申し訳なさそうにしているマイセルに、俺もなんと声をかけていいかためらうが、悪いのはハマーだ。なにやら責任を感じて体を縮めている彼女がなんだか可愛そうで、努めて明るい声を出すことにする。
「べつに俺は怒ったりしてないから、気にしなくていいよ。それより、実は俺、朝食をとってないんだ。そのあたりの屋台でいいから、美味しいオススメのものがあるなら、教えてくれないか?」
もう、この日の出前の時間帯に起きるのは、習慣になっていた。目覚まし時計で起きていた日本の生活習慣からは、ずいぶんとかけ離れている。
ただ、この街にやってきて、食事は屋台のものを食べるということをしていると、この夜明けから市場が動き出すまでの時間をもてあますことになってしまった。
「ふんっ…………あ~~~~ッ!」
宿の前で、おもいっきり手足を伸ばし、ラジオ体操のような動きで、手足を振り回す。子供のころ、夏休みになると家の近くの公園でラジオ体操をしていたのを思い出す。
「あ~た~らしい、あーさがッ来た……ッと」
子供のころはあんなに面倒くさいと思っていたラジオ体操だが、夜明けとともに起きる習慣と、手持ち無沙汰なこの時間を組み合わせると、ラジオ体操でもやっていないと落ち着かない。
「ラジオ体操第一ぃ~、腕を前から上にあげて、のびのびと背伸びの運動から~、ハイッ」
ラジオは無いので、覚えているあの台詞を自分で言いながら始める。どうせこんな明け方、外にはだれもいない。
木村設計事務所では、所長の趣味で、ラジオ体操が朝礼前の日課だったから、体がすっかり覚えている。久しぶりにこうやってのびのびと体を動かしていると、自分は確かに日本人だったのだ、という思いになる。
だが、だからと言って、もう、帰る気にはなれない。あの、森で出会った魔狼の話が本当ならば、やはり日本に帰る手立ては存在し、それを実践した人間もいる――それでもだ。
なぜなら、どうあっても、リトリィのほうが日本で穏やかに暮らしていくことができそうにないからだ。あの顔、あの体で、どうやったら平穏な人生を、日本で送ることができるというのだろう。
もし外見がこの世界の「ひと」と同じだったら、日本に連れ帰るという選択肢もあったかもしれない。だが、そうではないのだ。無いものねだりをしても仕方がない。
リトリィは、俺を選んでくれた。あれだけ彼女を傷つけたはずの、俺を。一途に俺を慕ってくれる彼女を失うくらいなら、俺はこの世界で生きる。俺はこの世界に婿入りした、そう考えて割り切るしかないのだ。
ラジオ体操第二までを終えたころ、朝日がようやく顔を出し、まぶしい銀の光が目を射抜く。
今日は、素晴らしくいい天気だ。放射冷却のせいか、やたらと空気は冷たいが、しかし風がないのでそれほど寒さを感じない。
今日の山は雲もかかっておらず、朝日を浴びて光り輝いている。俺が――俺たちが山に帰るときには雪に降られて本当に寒い思いをしたのに。
神様は実に意地悪だ。それとも、やっとこさリトリィと結ばれた分、しっかり苦労しろという意味だったのだろうか。
腰や足はまだ痛みがあったり重みを感じたりもするが、通常の生活をしっかり送ることがリハビリになるだろう。軽い筋肉痛なら軽い運動で治す、という考え方もあるしな。
そう考えて、ちょっと街を散歩してみることにした。ぼちぼち、屋台も準備を始めているようで、いい匂いが漂ってきてもいる。街の様子――この世界の建築様式を散歩で観察しながら、腹ごしらえをすることにしよう。
「あ、ムラタさん。おはようございます」
城門を潜り抜け、門外街の城門前広場までやって来た時だった。見たことのある青年と少女の組み合わせが、俺を見つけて、右手を挙げて来た。
「お早いんですね、いつもこのお時間に?」
少女が、笑顔で問いかけてくる。青年の方は、やや首を傾けこちらを値踏みするかのような目つき――いつもの目で、こちらを見つめてくる。
マレットさんのところの、マイセルとハマーだ。
二人とも明るい栗色の髪をしている。兄のハマーは礼儀正しいが少し斜めに構えたような感じの十八歳。マイセルはそんな兄貴をフォローするように現場でいろいろと手伝いをしている十六歳の女の子だ。
ハマーの方はこの寒い中、以前現場で見たのと同じ、上下とも作務衣に似た薄手の作業着に、キャスケットに似た帽子をかぶっている。寒くないアピールで、自身の丈夫さを誇示しているのだろうか。
それに対してマイセルは、以前現場で見た活動的な服装ではなく、質素だが落ち着いた茶色の厚手のロングドレスに、厚手の毛糸の温かそうなショールを羽織っている。おそらくこちらが普段着なのだろう。なかなか可愛らしいお嬢さんだ。
「ああ、起きるのは夜明け前が習慣になっていてね」
俺の言葉に、マイセルが目を丸くする。
「夜明け前に起きるんですか?」
「ジルンディール工房は、いつも夜明けとともに仕事だったから、それに慣れちゃってね」
マイセルが、さらに目を丸くする。
「夜明けとともにお仕事って、早くないですか?」
「早いのかな?」
山の工房ではそれが当たり前だったから、この世界はそういう生活習慣なのだと思い込んでいた。
俺の言葉に、ハマーが薄く笑った。
「夜明けとともに仕事というのは、確かに早いですね。ムラタさんも、いつもならこの時間には鉄を打っているんですか?」
「いや、俺は建築士――家の設計をするんだ。今度建てる小屋のように」
自分で言いながら、建築士らしい仕事をするのは、この世界では今度の小屋は初めてだったか、と内心、苦笑する。
「あ、そうでした!」
思い出したように、マイセルが朗らかに笑う。マイセルは、一日の作業が終わるころにやってきて、彼らの父親である、大工のマレットさんとともに帰ってゆくのだ。
あとは……たしか一度、差し入れにも来たか。まあ、俺の差し入れはリトリィが世話を焼いてくれていたから関係なかったし、その程度の接点しかなかったから、覚えられていなくて当然だろう。
「ムラタさん、あの小屋はいつ再開するんですか? うちの親父、仕事がないことを幸いに朝っぱらから飲んだくれてるんで。ちょうど仕事がないときだったんで、今回の仕事はいい小遣い稼ぎになると思ってたんですが」
「小遣い稼ぎ?」
「だって、あの規模の二階建てでしょう? だから僕ら見習いにとってもちょうどいい練習になるって、親父が」
……ああ、なるほど。
小さい小屋だから、親方としての目から見て、息子たち見習いの修行にちょうどいい場になると判断されたわけか。
「そうだな、材料さえそろえばすぐにでも始められるけれど……」
「材料?」
「ああ、製材屋に発注した木材だ。もうある程度はできていると思うんだが」
「木材って、柱と床材でしょう? それくらい、もうとっくにできてるでしょう」
ハマーが、鼻で笑うように言う。
「……まあ、あの製材屋の規模の水力ノコギリなら、確かにそうだろうな」
「そうだろうじゃなくて、もうできてますって。ウチの街が誇る大水車群のうち、三つを使ってるんですよ?」
腰に手を当て、若干あごを上ずらせながら、得意げのハマー。……お前が作ったわけでもあるまいに、どうしてそんなに自慢げなんだ。
……自慢したいんだろうなあ、出身地を。
「……まあ、いずれにしても確かめてはおきたいからな、このあと、製材屋に寄って、何がどれくらいできているかを確認するつもりだ。あと、今後の予定について、マレットさんと話を詰めておきたいとも思っている」
「親父とですか?」
いぶかしげに俺を見るハマー。
「話を詰めるって……親父に任せておけば、何も問題ないんじゃないですか?」
「試したい工法があってね。そのためには、現場の中心となるマレットさんに、どのように工事を進めたいと考えているか、理解しておいてもらいたいのさ」
そう、今回はできるだけ早く仕上げたいのだ。そのためには、レンガをチマチマ積んでいく工法ではなく、原形が「バルーン工法」とも呼ばれたツーバイフォー、つまり木造枠組壁構法を採用したいのである。
「試したい工法って言われても、うちは代々大工ですからね。うちのやり方ってのがあるんですよ。親父に話を通すのは勝手ですけど、まあ、素人さんの話なんて聞く気、ないんじゃないですか?」
薄ら笑いを浮かべながらこの台詞である。自分の父親の技術に、絶対の自信を持っているようだ。むかっ腹の立つ表情だが、子供の挑発に乗って話を台無しにするようでは、大人とは……。
……ああ、腹が立つ!
「お、お兄ちゃん! ムラタさん、ごめんなさい! あの、お父さんなら今日もお休みだと思いますから、いまからうちに来れば……」
「何言ってるんだ、父さんなら俺たちが出たあとすぐ、酒を飲みに行っちゃったじゃないか」
つまらなそうに、妹の言葉を即座に否定するハマー。うなだれるマイセルに、さらにハマーが追い打ちをかける。
「女だてらに金槌なんか握ってるから、そんな思い違いをするんだよ。お前、女なんだから、もっと母さんから刺繍の一つも勉強しろよ」
「……お兄ちゃん!」
眉を吊り上げたマイセルのそばから、ハマーが飛びのいてみせる。
「親父は一度酒が入ったら話なんか聞いてくれないと思うから、今日は製材屋にでも行ったらどうです? おいマイセル、お前、女らしく案内してやれよ!」
「お兄ちゃん! そんな勝手に……!」
「任せたからな!」
結局、そのままハマーは、屋台の向こうに消えてしまった。
「……ごめんなさい、お兄ちゃんがすごくその……」
申し訳なさそうにしているマイセルに、俺もなんと声をかけていいかためらうが、悪いのはハマーだ。なにやら責任を感じて体を縮めている彼女がなんだか可愛そうで、努めて明るい声を出すことにする。
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