256 / 785
第三部 異世界建築士と思い出の家
第235話:つまりムラタはそんなやつ
しおりを挟む
ヴェフタールの無差別テロ的な奥の手に、抗議の叫びを叩きつけようとした俺だが、あまりの強烈な刺激臭。
無意識に深呼吸で吸い込んでしまったため、しばらく咳き込む羽目に陥る。
必死に咳を抑え、慌ててリトリィを拘束している鎖を何とかしようとするが、そもそも金属の鎖をどうにかする方法なんて――
リトリィをなんとか左腕で支えつつ、とにかく腰のナイフを抜く。
足を引きずりながらやって来たヴェフタールにリトリィを支えてもらい、ナイフを鎖に当てるが、しかしというか当然というか、ナイフでいくらこすっても、嫌な音を立てるだけで、鎖はびくともしない。
「……ナイフで鎖など切れませんよ。わざと時間をかけているんですか?」
ヴェフタールの嫌味が炸裂する。確かにそうだ、鉄の硬度の刃で、鉄を切れるわけがない。できるとすれば、途方もなく長い時間をかけてこすり合わせるか、衝撃を加えてその力で変形させるか。
どうすればいい、どうすれば……!
「切れ味が自慢なのかもしれませんが、無理なものは無理です。ナイフだけにこだわっていないで、別の方法を探してください。あの犬野郎が起きてしまえば、もう手立てはないんですよ?」
苛立たし気なヴェフタールに、ますます焦りを覚える。
なにか、何か方法は――
リトリィが鍛え上げた、一尺のナイフ。
折り返し鍛造法で鍛えられた、鋼の刃。
黒い防錆加工。
ノコギリになる峰。
メタルマッチになる、ナイフの根元のくぼみ。
柄の中に収められた着火棒。
……そうだ。
なぜ忘れていた。
これは、リトリィが、俺のために、知恵を絞ってくれたナイフなのだ。
「いい加減に諦めて、他の手立てを――」
「ヴェフタール、すまない! 彼女の体、しっかりと支えてやっててくれ!」
俺は、ナイフの根元のくぼみに、鎖の輪の接合部分――やや膨らんだ部分に合わせるように噛ませる。
これをやると鎖が巻き取られ、リトリィの腕が引っ張られることになり、彼女の手をより痛めつけることになるかもしれない。
だが、それでも、彼女が解き放てるなら――!
ナイフの柄を手にし、
俺は、
一気に体重をかける!
小さな力で大きな力を生み出す――『てこの原理』!
ガキッ――
小さな音とともに、鎖が若干、ナイフに巻き取られる。
リトリィの腕が持ち上げられて、小さな悲鳴が上がる。
――ごめんリトリィ! でも手ごたえはあった!
ナイフに絡めた鎖の輪は――
確かに、接合部がちぎれ、ねじれ、大きな隙間ができていた。手枷のほうは何ともならないが、天井から彼女を繋いでいた鎖を外すことはできる!
ナイフの方はというと、若干黒錆部分がはがれて銀の下地が見えること、でっぱりがわずかに変形したという点以外、特に問題がないように見える。
さすがリトリィの鍛えたナイフだ、なんともないぜ!
目を覚ましたリトリィだが、鼻を押さえて再び失神しかけたので、「起きて自力で走ってもらわないと、僕が大変ですから」と、ヴェフタールに脳天をぶん殴られて涙目で起きた。ごめんリトリィ、コイツの言動は本当に腹が立つけど、同意見です。
足の鎖は絡められているだけだったので、比較的簡単に外すことができた。
ついでに、ぴくりと動いたガルフの鼻づらに、ちぎれた革の帽子の破片を巻き付ける。
直後、ガルフはものも言わず、床の上でもんどりうって愉快にのたうち踊り狂ったあと、再び沈黙した。
……狙い通りだ。多分、狼だけに、ニオイに敏感なんだろう。それでこのニオイの元を直接押し付けられたら、……うん。ざまあみろ。
ヴェフタールが、えげつないものを見せつけられた、という目でこちらを見つめてきた。
いや、お前のえげつなさには負けるから。
自分が被っていたマントを外してリトリィにかぶせると、俺は彼女の手を引き、部屋の出入り口に向かった。
部屋を出ようとして、初めて、部屋の入り口付近で倒れている、でっぷりとした小男に気づく。
そういえば、この部屋の近くに来たとき、肉塊がどうの、とか言っていたか。
リトリィを味見しようとしていた頭領とは、こいつのことだったのかもしれない。
彼女に何らかの虐待を行おうとしたところで、奴隷馬車から戻って来た――おそらく、リトリィを奪うため――ガルフに、殺されたのだろう。
リトリィを自分のモノとして奪おうとしていたガルフだ。自分のモノが傷つけられようとしていた――傷つけられていた? そんな場面を見て、許せなかったのではないか。
「……奴は、殺さないのか?」
「リトリィさんを見ればわかるでしょう? 彼女は、あなたに捻り上げられただけで起きました。殺すほどの傷をつけたら、間違いなく起きます」
アムティを実に軽々と担ぎ上げたヴェフタールが、笑いながら答える。
「そして困ったことに、生き物というのは致命傷を受けても、そう簡単に死なないんですよ? 死を悟り自暴自棄になって暴れる犬野郎の相手を、誰がするんですか?」
暴れまわるガルフを止める。
……うん、無理だな。
それはともかく、リトリィを捻り上げたって……、言い方ァ!
仕方なかったじゃないか! ほかに方法もなかったし……。
「それにしても、出られますかねえ、これ」
「どういう意味だ?」
「どういう意味も何も、そのままですよ」
ヴェフタールが、相変わらず奇妙な笑顔で答えた。
「君たちがいた部屋の隣だったんですけどね? 例の跳ね上げ橋の鎖の、巨大な巻き上げ機。操作のための棒は見つけたんですが、さび付いていたせいなのか、なかなか動かなくてですね。
アムがどこからか金槌の親分みたいなものを見つけてきて、それでぶん殴ったんですよ」
……嫌な予感がする。
「そうしたらものの見事に棒が折れましてね。ものすごい勢いで鎖が動き出したと思ったら、その振動でか、床が抜けまして」
ものすごく心当たりがあるぞ、それ……。
……俺が、あの柱に切れ込みを仕込んでおいたせいだ……!!
「いやあ、死ぬかと思いましたよ。鎖の巻き上げ機は、下の部屋の床にも大穴をあけて地下室まで転がり落ちたみたいですし、多分、この先は――」
言われなくても分かった。
俺が通って来た通路――その一階の、あのだだっ広い部屋。
たどり着いたその部屋は、俺が入ってきた通路の辺りの壁や床も巻き込んで、すっかり崩落していた。もちろん天井など、黒々とした派手な大穴があき、瓦礫と化している。
部屋の反対側の奥は無事だが、俺たちはというと、すぐそばに外壁の穴があるにもかかわらず、床がすっかり抜け落ちてしまったせいで、出ることができない。
――また俺のせいかぁぁぁあああ!?
「なるほど、事情は分かりました。僕たちが今困っているのは、すべてムラタ君のおかげだということがね」
くいっと眼鏡を押し上げながら、実にイヤミったらしいヴェフタール。
……い、言い訳が効かない。
い、いや! おかげで敵の侵入を未然に防ぐことができたわけで……!!
「いやあ、それにしても、街で、指の一本で木造の家一軒を倒壊させた人間がいるという噂は聞いていましたが、まさか君だったなんて。
――そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」
ぐふっ……!
ヴェフタールよお前もか!
くそう、死体蹴りはやめろ……!
「おや? 妙に効いてますね、面白い人だ。まあ、言い訳は結構ですよ。今日は君が建物というものをどんなふうに取り扱うか、ということを見ることができましたし。僕がいずれ建てるであろう新居だけは、触りに来ないでくださいね」
おまえ……ブッコロスぞ……!!
「ムラタさんは、ちゃんとおうちを建てる人です! 謝ってください!」
俺の腕にしがみつくようにしていたリトリィが、突然、ヴェフタールに噛みつき始める。
「おやおや。感謝の言葉よりも先に、謝罪を要求されてしまいました。旦那さん、妻の躾がなっていませんよ?」
「助けていただいてありがとうございます。でも直接助けに来てくださったのはムラタさんですし、ムラタさんのおかげで、敵も入ってこれなくなったんでしょう? だったら、ヴェフタールさんもまず、ムラタさんにお礼を述べてください!」
まるで忠犬が飼い主をいじめる奴に吠え掛かるみたいだ。
嬉しいけど辛い、言われっぱなしの俺が余計惨めになる。
――でも、それでもかばってくれたんだ。胸が熱くなるのも、また事実。
「やれやれ。頭の悪いひとはこれですから。こうして足止めを食らっている間にも、仲間たちが必死で戦っているわけです。耳を澄まして、ほら、足音を聞いてごらん? あれが、僕らの、仲間の奮闘ですよ?」
ああ、聞こえるよ! 聞こえてるよ!
かすかに叫び声が、剣戟の音が、足音が!
悪かったな、俺のせいで稼ぐ機会を失って!
だが頭の悪いひとってなんだ、すぐに取り消せ! リトリィはいい子だからいいんだ! それにひらめきも悪くないぞ!
「まったく、二人そろって頭の悪い……。いいんですよ、今回の目玉商品、ナリクァンさんからの特別報酬が期待できる、リトリィさんの救出を成し遂げることができましたからね。……今のところは」
「今のところ?」
「はい。早くここを抜け出さないと、いい加減、あの犬野郎も起きてくるんじゃないですかね?」
……ゾッとする。
先の立ち回り――冒険者が二人がかりで立ち向かっても、あの舞うようなしなやかな動きで、あっという間に二人を叩きのめしてしまった、あの強さ。
あれが、復活する……!?
「そ、そうだ! ヴェフタールたちはあの革の帽子、もらってないか!? あれをもう一度――」
「アレをもらった人はごく少数でした。今回も、ムラタ君がたまたまそばにいたからできたことです。それより、インティはどうしたんです?」
無意識に深呼吸で吸い込んでしまったため、しばらく咳き込む羽目に陥る。
必死に咳を抑え、慌ててリトリィを拘束している鎖を何とかしようとするが、そもそも金属の鎖をどうにかする方法なんて――
リトリィをなんとか左腕で支えつつ、とにかく腰のナイフを抜く。
足を引きずりながらやって来たヴェフタールにリトリィを支えてもらい、ナイフを鎖に当てるが、しかしというか当然というか、ナイフでいくらこすっても、嫌な音を立てるだけで、鎖はびくともしない。
「……ナイフで鎖など切れませんよ。わざと時間をかけているんですか?」
ヴェフタールの嫌味が炸裂する。確かにそうだ、鉄の硬度の刃で、鉄を切れるわけがない。できるとすれば、途方もなく長い時間をかけてこすり合わせるか、衝撃を加えてその力で変形させるか。
どうすればいい、どうすれば……!
「切れ味が自慢なのかもしれませんが、無理なものは無理です。ナイフだけにこだわっていないで、別の方法を探してください。あの犬野郎が起きてしまえば、もう手立てはないんですよ?」
苛立たし気なヴェフタールに、ますます焦りを覚える。
なにか、何か方法は――
リトリィが鍛え上げた、一尺のナイフ。
折り返し鍛造法で鍛えられた、鋼の刃。
黒い防錆加工。
ノコギリになる峰。
メタルマッチになる、ナイフの根元のくぼみ。
柄の中に収められた着火棒。
……そうだ。
なぜ忘れていた。
これは、リトリィが、俺のために、知恵を絞ってくれたナイフなのだ。
「いい加減に諦めて、他の手立てを――」
「ヴェフタール、すまない! 彼女の体、しっかりと支えてやっててくれ!」
俺は、ナイフの根元のくぼみに、鎖の輪の接合部分――やや膨らんだ部分に合わせるように噛ませる。
これをやると鎖が巻き取られ、リトリィの腕が引っ張られることになり、彼女の手をより痛めつけることになるかもしれない。
だが、それでも、彼女が解き放てるなら――!
ナイフの柄を手にし、
俺は、
一気に体重をかける!
小さな力で大きな力を生み出す――『てこの原理』!
ガキッ――
小さな音とともに、鎖が若干、ナイフに巻き取られる。
リトリィの腕が持ち上げられて、小さな悲鳴が上がる。
――ごめんリトリィ! でも手ごたえはあった!
ナイフに絡めた鎖の輪は――
確かに、接合部がちぎれ、ねじれ、大きな隙間ができていた。手枷のほうは何ともならないが、天井から彼女を繋いでいた鎖を外すことはできる!
ナイフの方はというと、若干黒錆部分がはがれて銀の下地が見えること、でっぱりがわずかに変形したという点以外、特に問題がないように見える。
さすがリトリィの鍛えたナイフだ、なんともないぜ!
目を覚ましたリトリィだが、鼻を押さえて再び失神しかけたので、「起きて自力で走ってもらわないと、僕が大変ですから」と、ヴェフタールに脳天をぶん殴られて涙目で起きた。ごめんリトリィ、コイツの言動は本当に腹が立つけど、同意見です。
足の鎖は絡められているだけだったので、比較的簡単に外すことができた。
ついでに、ぴくりと動いたガルフの鼻づらに、ちぎれた革の帽子の破片を巻き付ける。
直後、ガルフはものも言わず、床の上でもんどりうって愉快にのたうち踊り狂ったあと、再び沈黙した。
……狙い通りだ。多分、狼だけに、ニオイに敏感なんだろう。それでこのニオイの元を直接押し付けられたら、……うん。ざまあみろ。
ヴェフタールが、えげつないものを見せつけられた、という目でこちらを見つめてきた。
いや、お前のえげつなさには負けるから。
自分が被っていたマントを外してリトリィにかぶせると、俺は彼女の手を引き、部屋の出入り口に向かった。
部屋を出ようとして、初めて、部屋の入り口付近で倒れている、でっぷりとした小男に気づく。
そういえば、この部屋の近くに来たとき、肉塊がどうの、とか言っていたか。
リトリィを味見しようとしていた頭領とは、こいつのことだったのかもしれない。
彼女に何らかの虐待を行おうとしたところで、奴隷馬車から戻って来た――おそらく、リトリィを奪うため――ガルフに、殺されたのだろう。
リトリィを自分のモノとして奪おうとしていたガルフだ。自分のモノが傷つけられようとしていた――傷つけられていた? そんな場面を見て、許せなかったのではないか。
「……奴は、殺さないのか?」
「リトリィさんを見ればわかるでしょう? 彼女は、あなたに捻り上げられただけで起きました。殺すほどの傷をつけたら、間違いなく起きます」
アムティを実に軽々と担ぎ上げたヴェフタールが、笑いながら答える。
「そして困ったことに、生き物というのは致命傷を受けても、そう簡単に死なないんですよ? 死を悟り自暴自棄になって暴れる犬野郎の相手を、誰がするんですか?」
暴れまわるガルフを止める。
……うん、無理だな。
それはともかく、リトリィを捻り上げたって……、言い方ァ!
仕方なかったじゃないか! ほかに方法もなかったし……。
「それにしても、出られますかねえ、これ」
「どういう意味だ?」
「どういう意味も何も、そのままですよ」
ヴェフタールが、相変わらず奇妙な笑顔で答えた。
「君たちがいた部屋の隣だったんですけどね? 例の跳ね上げ橋の鎖の、巨大な巻き上げ機。操作のための棒は見つけたんですが、さび付いていたせいなのか、なかなか動かなくてですね。
アムがどこからか金槌の親分みたいなものを見つけてきて、それでぶん殴ったんですよ」
……嫌な予感がする。
「そうしたらものの見事に棒が折れましてね。ものすごい勢いで鎖が動き出したと思ったら、その振動でか、床が抜けまして」
ものすごく心当たりがあるぞ、それ……。
……俺が、あの柱に切れ込みを仕込んでおいたせいだ……!!
「いやあ、死ぬかと思いましたよ。鎖の巻き上げ機は、下の部屋の床にも大穴をあけて地下室まで転がり落ちたみたいですし、多分、この先は――」
言われなくても分かった。
俺が通って来た通路――その一階の、あのだだっ広い部屋。
たどり着いたその部屋は、俺が入ってきた通路の辺りの壁や床も巻き込んで、すっかり崩落していた。もちろん天井など、黒々とした派手な大穴があき、瓦礫と化している。
部屋の反対側の奥は無事だが、俺たちはというと、すぐそばに外壁の穴があるにもかかわらず、床がすっかり抜け落ちてしまったせいで、出ることができない。
――また俺のせいかぁぁぁあああ!?
「なるほど、事情は分かりました。僕たちが今困っているのは、すべてムラタ君のおかげだということがね」
くいっと眼鏡を押し上げながら、実にイヤミったらしいヴェフタール。
……い、言い訳が効かない。
い、いや! おかげで敵の侵入を未然に防ぐことができたわけで……!!
「いやあ、それにしても、街で、指の一本で木造の家一軒を倒壊させた人間がいるという噂は聞いていましたが、まさか君だったなんて。
――そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」
ぐふっ……!
ヴェフタールよお前もか!
くそう、死体蹴りはやめろ……!
「おや? 妙に効いてますね、面白い人だ。まあ、言い訳は結構ですよ。今日は君が建物というものをどんなふうに取り扱うか、ということを見ることができましたし。僕がいずれ建てるであろう新居だけは、触りに来ないでくださいね」
おまえ……ブッコロスぞ……!!
「ムラタさんは、ちゃんとおうちを建てる人です! 謝ってください!」
俺の腕にしがみつくようにしていたリトリィが、突然、ヴェフタールに噛みつき始める。
「おやおや。感謝の言葉よりも先に、謝罪を要求されてしまいました。旦那さん、妻の躾がなっていませんよ?」
「助けていただいてありがとうございます。でも直接助けに来てくださったのはムラタさんですし、ムラタさんのおかげで、敵も入ってこれなくなったんでしょう? だったら、ヴェフタールさんもまず、ムラタさんにお礼を述べてください!」
まるで忠犬が飼い主をいじめる奴に吠え掛かるみたいだ。
嬉しいけど辛い、言われっぱなしの俺が余計惨めになる。
――でも、それでもかばってくれたんだ。胸が熱くなるのも、また事実。
「やれやれ。頭の悪いひとはこれですから。こうして足止めを食らっている間にも、仲間たちが必死で戦っているわけです。耳を澄まして、ほら、足音を聞いてごらん? あれが、僕らの、仲間の奮闘ですよ?」
ああ、聞こえるよ! 聞こえてるよ!
かすかに叫び声が、剣戟の音が、足音が!
悪かったな、俺のせいで稼ぐ機会を失って!
だが頭の悪いひとってなんだ、すぐに取り消せ! リトリィはいい子だからいいんだ! それにひらめきも悪くないぞ!
「まったく、二人そろって頭の悪い……。いいんですよ、今回の目玉商品、ナリクァンさんからの特別報酬が期待できる、リトリィさんの救出を成し遂げることができましたからね。……今のところは」
「今のところ?」
「はい。早くここを抜け出さないと、いい加減、あの犬野郎も起きてくるんじゃないですかね?」
……ゾッとする。
先の立ち回り――冒険者が二人がかりで立ち向かっても、あの舞うようなしなやかな動きで、あっという間に二人を叩きのめしてしまった、あの強さ。
あれが、復活する……!?
「そ、そうだ! ヴェフタールたちはあの革の帽子、もらってないか!? あれをもう一度――」
「アレをもらった人はごく少数でした。今回も、ムラタ君がたまたまそばにいたからできたことです。それより、インティはどうしたんです?」
0
あなたにおすすめの小説
ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話
ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。
異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。
「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」
異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について
国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”
人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
異世界カフェ食堂で皿洗いをしますと思ったら日本料理を創造する力が与えられていた!(もふもふ聖獣猫のモフにゃーと楽しく日本料理を創造します)
なかじまあゆこ
ファンタジー
可愛いもふもふ達とアリナは異世界でスローライフをします。
異世界召喚された安莉奈は幼女の姿になっていた。神様に与えられた能力を使い眷属聖獣猫モフにゃーや魔獣のライオン魔獣鳥に魔獣の日焼けとお料理を創造します!
熊元安莉奈(くまもとありな)は黄色のバスに乗せられ異世界召喚された。 そして、なぜだか幼女の姿になっていた。しかも、日本の地球人だったことを忘れていたのだ。 優しいモリーナ夫妻に養子として引き取れた安莉奈はアリナになった。 モリーナ夫妻はカフェ食堂を経営していたが繁盛しておらず貧乏だった。料理が出来ないアリナはお皿洗いなどのお手伝いを小さな体ながらしていたのだけど。 神様から日本料理を創造する力が与えられていた! その力を使うと。
地球では辛い生活を送っていた安莉奈が異世界ではアリナとしてお父さんに激愛され幸せに生きている。
エブリスタ、小説家になろうにも掲載しています。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる