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第四部 異世界建築士と幸せの鐘塔
第354話:結果オーライ
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「……はい。ムラタさん、できましたよ? こういうお仕事は、いつでも頼ってくださいね?」
マイセルが、あいかわらずくそ面倒くさい役所の書類の、その最後の一枚の署名を書き上げる。
署名といっても、その名前は『日ノ本ムラタ』。本名『村田誠作』の俺が、この世界で名乗る名前である。
何度もマイセルが代筆してきたおかげで、彼女は今では、署名に関してだけは、俺の筆跡をかなり忠実に真似ることができるようになった。
しかも『日ノ本』は、漢字とカタカナという具合だ。この世界で読めるのは俺と瀧井氏、そしてマイセルとリトリィだけという、実用性皆無の文字。
「ふふ、私たちの旦那様は特別って感じがして、私、このお名前、大好きです!」
マイセルはそう言ってくれているが、この署名入りの書類を提出するたびに、役所も、ギルド長も、口をへの字に曲げて眉間にしわを寄せる。
だが、戸籍局にはそれで正式に署名して届けを出しているからな。わっはっは。
とはいっても、すべてマイセルが一人で書いたわけではない。マレットさんの助言をもらいながら――というかマイセルが全てマレットさんに教えてもらいながら整えてくれたのだ。
もう、マイセルがいなければ俺の仕事は全く進まないかもしれない。未熟ではあっても、俺のために献身的に働いてくれるマイセルは、今や俺にとって欠かせない、優秀な秘書となっていた。
で、今回の仕事を通して、また色々と分かったことがある。
これまであまり意識していなかったが、税金のシステムだ。
この街では――というか、どうも「王都」と呼ばれる首都らしき街の一般的な税の一つに「建物の一階の床面積を基準として課税する」というものがあるらしい。この街もそれに基づいて、建物の所有者に税が課せられている。
そして、同法の附則に、『二階以上の「外壁に囲まれた床面積」が一階の床面積を越えていた場合、最も大きな床面積をもつ階の床面積を課税対象とする』という条文が存在していた。
じつは昔のヨーロッパにも似たような徴税方法があって、だからヨーロッパの古い町並みの一部には、二階部分、三階部分が徐々に路地のほうに張り出すようにして、家の床面積を稼ぎつつ節税していた、という話を聞いたことがある。
わざわざ附則で『最も大きな床面積をもつ階の床面積を課税対象とする』と付け足してあるということは、かつてはこの世界でもそういう家が流行した、ということなんだろう。床の延べ面積で税を取ったらいいのに、と思ったが、いろいろ利権がからんでいたのかもしれない。
「……どうりで、凝った形の家がほとんどないわけだ」
「というかムラタさん、どうせつくるなら目いっぱい作って、広いおうちにしたくないですか? わざわざ二階を小さくする理由って、ありますか?」
マイセルに言われてぐうの音も出ない。いや、基本的に日本の建築物は坪単価いくら――つまり、床面積あたりいくら、という料金の取り方をするから、予算との兼ね合いで二階の方が小さい、というパターンはよくあるんだけどな。
「例えばさ、一階部分に馬車を置けるスペースを作ろうと思ったら――」
「ちゃんと外壁で囲んで、おおきな扉をつけるという方法になると思います」
やっぱりそういうことになるのか。たとえば一階に柱だけの空間を設け、そこを駐車場にする、といったような建て方は許されないことになる。きちんと外壁で囲めば問題にならない。
「だから真四角な一階部分と屋根裏部屋でできた私たちのおうちの形は、効率がいいんですよね」
マイセルに言われて俺ははっとした。
屋根を除けば正四角柱、つまりサイコロを半分にスライスしたような形の家にしたのは、可能な限り部品を共通化したいと考えたからであって、税金対策のつもりではなかった。まあ、結果オーライというやつだ。
「そうなんですか? 私てっきり、ムラタさんのことですから、そういうことも全部考えて作られたのとばかり思ってました」
「俺も別にそこまで万能じゃないよ。この世界の法については、ずぶの素人だ。書類の書き方ひとつとってもだ。その点では、マイセルの方が知っていることが多いと思うぞ?」
そう言って頭を撫でると、マイセルはくすぐったそうにしつつも、嬉しそうに笑ってみせた。
「えへへ、――だって私、ムラタさんの秘書さんですから!」
そこにお茶を持ってきたのがリトリィである。
マレットさん、俺、そしてマイセルに茶を注いで、そして茶菓子をならべていくと、俺の前で立ち止まって、頭を下げてみせた。
――そのまま、じっとしている。
「あ、……ああ、ありがとう、リトリィ」
礼を言った俺に対して、リトリィは一度だけ俺の方を見上げてにっこりしてみせると、また頭を下げてじっとする。
で、やっと気づいた。
「――ありがとう、リトリィ」
頭を撫でてやると、ようやく嬉しそうに背を伸ばし、改めて礼をしてから、しっぽをぶんぶん振り回すようにしてキッチンに下がってゆく。
――どんな些細なことでも、平等に扱ってほしい。
それが、マイセルを迎え入れる上でリトリィが付けた条件の一つだった。
難儀だが、そんなところがいじらしいというか、可愛らしいところでもある。
マイセルなど、きっと呆れて――
「お姉さま、可愛い……!」
……目をキラキラさせてたよ。さすがリトリィを姉と慕うマイセルだ。
まあ、それはともかくとしてだ。この法には、誰も気づいていなかったのか、それとも何か理由があったのか、じつはひさし付き張り出しやひさし無し張り出しなどに対する税金上の制限がないのである。
外壁で囲まれている床面積とあるのだから、外壁の外に張り出して作る部分は課税されない、というわけだ。
念のために建築に関する法も片っ端から調べてみたが、外壁から張り出すものを作ってはならないという法はどこにもなかった。つまり、ベランダは作ってもいいのである。
実はベランダの案を提案したときは、そこら辺の法をクリアしているかどうか、まったく気にしていなかった。日本の建築法規の基準で考えていたのだ。いや、後で調べて心底ほっとしたけれど、まさしく結果オーライというやつだ。
ただ、あんまりにも張り出した場合、そいつを見咎められて新たに徴税対象にされてはかなわないので、今回はそれほど張り出させる気はない。だが、これに気づいた俺がどれだけダーティーであくどい笑みを浮かべていたか。
それは、俺の方を伺うようにしながら、リトリィにしがみつくマイセルを見れば確定的に明らか――
「……お姉さま、ムラタさんが怖いです」
「失礼なことをいってはいけませんよ。あのお顔は、きっとまた、いい知恵が浮かんだんです」
――あれ?
怖いって、恐怖って意味じゃなくて、ひょっとして変顔扱いされてるってこと?
マイセルが、あいかわらずくそ面倒くさい役所の書類の、その最後の一枚の署名を書き上げる。
署名といっても、その名前は『日ノ本ムラタ』。本名『村田誠作』の俺が、この世界で名乗る名前である。
何度もマイセルが代筆してきたおかげで、彼女は今では、署名に関してだけは、俺の筆跡をかなり忠実に真似ることができるようになった。
しかも『日ノ本』は、漢字とカタカナという具合だ。この世界で読めるのは俺と瀧井氏、そしてマイセルとリトリィだけという、実用性皆無の文字。
「ふふ、私たちの旦那様は特別って感じがして、私、このお名前、大好きです!」
マイセルはそう言ってくれているが、この署名入りの書類を提出するたびに、役所も、ギルド長も、口をへの字に曲げて眉間にしわを寄せる。
だが、戸籍局にはそれで正式に署名して届けを出しているからな。わっはっは。
とはいっても、すべてマイセルが一人で書いたわけではない。マレットさんの助言をもらいながら――というかマイセルが全てマレットさんに教えてもらいながら整えてくれたのだ。
もう、マイセルがいなければ俺の仕事は全く進まないかもしれない。未熟ではあっても、俺のために献身的に働いてくれるマイセルは、今や俺にとって欠かせない、優秀な秘書となっていた。
で、今回の仕事を通して、また色々と分かったことがある。
これまであまり意識していなかったが、税金のシステムだ。
この街では――というか、どうも「王都」と呼ばれる首都らしき街の一般的な税の一つに「建物の一階の床面積を基準として課税する」というものがあるらしい。この街もそれに基づいて、建物の所有者に税が課せられている。
そして、同法の附則に、『二階以上の「外壁に囲まれた床面積」が一階の床面積を越えていた場合、最も大きな床面積をもつ階の床面積を課税対象とする』という条文が存在していた。
じつは昔のヨーロッパにも似たような徴税方法があって、だからヨーロッパの古い町並みの一部には、二階部分、三階部分が徐々に路地のほうに張り出すようにして、家の床面積を稼ぎつつ節税していた、という話を聞いたことがある。
わざわざ附則で『最も大きな床面積をもつ階の床面積を課税対象とする』と付け足してあるということは、かつてはこの世界でもそういう家が流行した、ということなんだろう。床の延べ面積で税を取ったらいいのに、と思ったが、いろいろ利権がからんでいたのかもしれない。
「……どうりで、凝った形の家がほとんどないわけだ」
「というかムラタさん、どうせつくるなら目いっぱい作って、広いおうちにしたくないですか? わざわざ二階を小さくする理由って、ありますか?」
マイセルに言われてぐうの音も出ない。いや、基本的に日本の建築物は坪単価いくら――つまり、床面積あたりいくら、という料金の取り方をするから、予算との兼ね合いで二階の方が小さい、というパターンはよくあるんだけどな。
「例えばさ、一階部分に馬車を置けるスペースを作ろうと思ったら――」
「ちゃんと外壁で囲んで、おおきな扉をつけるという方法になると思います」
やっぱりそういうことになるのか。たとえば一階に柱だけの空間を設け、そこを駐車場にする、といったような建て方は許されないことになる。きちんと外壁で囲めば問題にならない。
「だから真四角な一階部分と屋根裏部屋でできた私たちのおうちの形は、効率がいいんですよね」
マイセルに言われて俺ははっとした。
屋根を除けば正四角柱、つまりサイコロを半分にスライスしたような形の家にしたのは、可能な限り部品を共通化したいと考えたからであって、税金対策のつもりではなかった。まあ、結果オーライというやつだ。
「そうなんですか? 私てっきり、ムラタさんのことですから、そういうことも全部考えて作られたのとばかり思ってました」
「俺も別にそこまで万能じゃないよ。この世界の法については、ずぶの素人だ。書類の書き方ひとつとってもだ。その点では、マイセルの方が知っていることが多いと思うぞ?」
そう言って頭を撫でると、マイセルはくすぐったそうにしつつも、嬉しそうに笑ってみせた。
「えへへ、――だって私、ムラタさんの秘書さんですから!」
そこにお茶を持ってきたのがリトリィである。
マレットさん、俺、そしてマイセルに茶を注いで、そして茶菓子をならべていくと、俺の前で立ち止まって、頭を下げてみせた。
――そのまま、じっとしている。
「あ、……ああ、ありがとう、リトリィ」
礼を言った俺に対して、リトリィは一度だけ俺の方を見上げてにっこりしてみせると、また頭を下げてじっとする。
で、やっと気づいた。
「――ありがとう、リトリィ」
頭を撫でてやると、ようやく嬉しそうに背を伸ばし、改めて礼をしてから、しっぽをぶんぶん振り回すようにしてキッチンに下がってゆく。
――どんな些細なことでも、平等に扱ってほしい。
それが、マイセルを迎え入れる上でリトリィが付けた条件の一つだった。
難儀だが、そんなところがいじらしいというか、可愛らしいところでもある。
マイセルなど、きっと呆れて――
「お姉さま、可愛い……!」
……目をキラキラさせてたよ。さすがリトリィを姉と慕うマイセルだ。
まあ、それはともかくとしてだ。この法には、誰も気づいていなかったのか、それとも何か理由があったのか、じつはひさし付き張り出しやひさし無し張り出しなどに対する税金上の制限がないのである。
外壁で囲まれている床面積とあるのだから、外壁の外に張り出して作る部分は課税されない、というわけだ。
念のために建築に関する法も片っ端から調べてみたが、外壁から張り出すものを作ってはならないという法はどこにもなかった。つまり、ベランダは作ってもいいのである。
実はベランダの案を提案したときは、そこら辺の法をクリアしているかどうか、まったく気にしていなかった。日本の建築法規の基準で考えていたのだ。いや、後で調べて心底ほっとしたけれど、まさしく結果オーライというやつだ。
ただ、あんまりにも張り出した場合、そいつを見咎められて新たに徴税対象にされてはかなわないので、今回はそれほど張り出させる気はない。だが、これに気づいた俺がどれだけダーティーであくどい笑みを浮かべていたか。
それは、俺の方を伺うようにしながら、リトリィにしがみつくマイセルを見れば確定的に明らか――
「……お姉さま、ムラタさんが怖いです」
「失礼なことをいってはいけませんよ。あのお顔は、きっとまた、いい知恵が浮かんだんです」
――あれ?
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