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優奈
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一倉優奈《いちくらゆうな》。これが私の名前。22歳で仕事はカフェの従業員。男性従業員がいないため、なかなか出会いがない。実はこれまで誰ともお付き合いをしたことがない。好きな人ができても交際まで発展しない。好きになる人がみな彼女持ちだったり、他に好きな人がいたから。だが、理由はそれだけではない。これまでいろいろ経験してきた。
恋というものを覚えたのは小学校3年生の時。クラスメイトのスポーツ万能の男の子。クラスのリーダータイプで、みんなから好かれていた。私に優しく接してくれた彼に好意を持った。
だが、彼には同じクラスに好きな女の子がいた。三つ編みでぱっちり目の女の子。彼からアタックし、彼は彼女と一緒に登下校する仲になった。私に入り込む隙はなかった。
私の初恋はそこで終わった。
小学校を卒業するまで恋をすることはなかった。
次の恋は高校1年生の時。クラスメイトの二枚目タイプの男の子。誰に対しても平等に接してくれる優しい男の子。私は彼と仲良くなり、告白することを心に決めていた。
だが、ある日の放課後。彼は廊下で女子生徒と一緒にいた。その女子生徒は彼の恋人だった。とても仲睦まじそうにしている姿を見るのが辛かった。
なかなか交際に発展しない。こんなことがいつまで続くのだろう。
高校卒業後、私は今のカフェに就職した。昔からカフェで働くことが夢だった私は毎日充実した日々を過ごしていた。大変なこともあるが、お客さんの笑顔や「ありがとう」の言葉がエネルギーになっている。
だが、就職してからはなかなか出会いに恵まれなかった。従業員が女性しかいないから。お客さんも女性がメインで、男性のお客さんも来店されるが、既婚者や恋人がいる人ばかりだった。だが、それでも私に話し掛けてくれるのが嬉しかった。仲の良い常連さんも増えた。
「優奈ちゃん。恋人いないの?」「実は、今まで誰ともお付き合いしたことないんですよ」「えっ、そうなの?いそうなのに…」「孝弘さん。誰か紹介してくださいよ」「俺の周り彼女持ちばかりだからなあ…」
なかなか出会いに恵まれない日々が続いた。
そんな20歳のある日、休日に同僚の藍子と遊んでいる時、1人の男性と出会った。藍子の高校時代のクラスメイトの男性だった。私は彼に遊びに誘われた。私は行くことを決意したが、友人に止められた。
「遊び人だからやめときな」「でも…」
私は藍子の制止を振り切って彼と遊びに行った。
だが、藍子の言ったことは確かだった。
帰り際、彼は私が帰ることを止め、彼についていった。ついて行くとそこは男性が住んでいるマンションだった。私は彼に誘導されるように部屋に入った。
すると、部屋に入ると同時に彼の様子が変わった。先ほどまで優しかった彼が獣になったかのように私をベッドに押し倒した。私は一瞬何が起こったのか分からなかった。
そこからの記憶はない。気付くと裸でベッドの上にいた。汗だろうか。私の体は濡れていた。男性の姿は部屋になかった。私はシャワーで汗を流した。シャワーを浴びていると目から涙が流れた。
(ついていかなきゃよかった…)
後悔しても遅い。藍子の忠告を無視した自分がいけなかったのだから。自業自得だ。
体を拭き、服を着て部屋を出た。すると、藍子がマンションの前に立っていた。呆れた表情が印象的だった。
「だから言ったでしょ。『やめときな』って。あいつ、そういう男なんだから。今までも何人の女の子があいつの餌食になったか…」
私は藍子の胸を借りて泣いた。
「優奈は押しに弱いというか気が弱いところがあるからねえ。強引に誘われたら断れないでしょ?」「うん…」「嫌なら嫌って言っていいんだよ?ちょっと勇気がいるかもしれないけど…。その時は走って逃げな。優奈、足速いでしょ?多分逃げ切れるよ」
嫌と言う。それは簡単に見えて私にとっては難しいことだった。気が弱いところが邪魔をしていたから。
「なかなかいい人って見つからないね…」「簡単に見つかればだれも苦労しないよ。カフェに来てくれるお客さんはいい人ばっかりでしょ?みんな、既婚者だったり恋人がいたりするけど。優奈はまだ男を知らないからいい男と悪い男の区別がまだついていないのかも。多くの男性と知り合えばそういうことがだんだん分かってくるよ」「どうすれば多くの男性と出会えるかな?」「合コンとかいろいろ方法はあるけどね。優奈、合コンとか行くタイプじゃないからなあ。趣味とかあればサークルで出会うなんてこともあるけどね。何か趣味ある?」「スポーツかな。ランニングとか」「だったら、公園とかで走ってみるとか。同じ公園で走っている人に顔を覚えてもらってそこから仲良くなれる可能性もあるし。今は無理して交際まで考えなくていいから。まずは友達を作る感覚で出会いを楽しんでみるといいよ。そこから自然と会話が生まれるかもしれないし」「分かった。ありがとう藍子…」
藍子のアドバイスを胸に私の運命の人探しが始まった。
恋というものを覚えたのは小学校3年生の時。クラスメイトのスポーツ万能の男の子。クラスのリーダータイプで、みんなから好かれていた。私に優しく接してくれた彼に好意を持った。
だが、彼には同じクラスに好きな女の子がいた。三つ編みでぱっちり目の女の子。彼からアタックし、彼は彼女と一緒に登下校する仲になった。私に入り込む隙はなかった。
私の初恋はそこで終わった。
小学校を卒業するまで恋をすることはなかった。
次の恋は高校1年生の時。クラスメイトの二枚目タイプの男の子。誰に対しても平等に接してくれる優しい男の子。私は彼と仲良くなり、告白することを心に決めていた。
だが、ある日の放課後。彼は廊下で女子生徒と一緒にいた。その女子生徒は彼の恋人だった。とても仲睦まじそうにしている姿を見るのが辛かった。
なかなか交際に発展しない。こんなことがいつまで続くのだろう。
高校卒業後、私は今のカフェに就職した。昔からカフェで働くことが夢だった私は毎日充実した日々を過ごしていた。大変なこともあるが、お客さんの笑顔や「ありがとう」の言葉がエネルギーになっている。
だが、就職してからはなかなか出会いに恵まれなかった。従業員が女性しかいないから。お客さんも女性がメインで、男性のお客さんも来店されるが、既婚者や恋人がいる人ばかりだった。だが、それでも私に話し掛けてくれるのが嬉しかった。仲の良い常連さんも増えた。
「優奈ちゃん。恋人いないの?」「実は、今まで誰ともお付き合いしたことないんですよ」「えっ、そうなの?いそうなのに…」「孝弘さん。誰か紹介してくださいよ」「俺の周り彼女持ちばかりだからなあ…」
なかなか出会いに恵まれない日々が続いた。
そんな20歳のある日、休日に同僚の藍子と遊んでいる時、1人の男性と出会った。藍子の高校時代のクラスメイトの男性だった。私は彼に遊びに誘われた。私は行くことを決意したが、友人に止められた。
「遊び人だからやめときな」「でも…」
私は藍子の制止を振り切って彼と遊びに行った。
だが、藍子の言ったことは確かだった。
帰り際、彼は私が帰ることを止め、彼についていった。ついて行くとそこは男性が住んでいるマンションだった。私は彼に誘導されるように部屋に入った。
すると、部屋に入ると同時に彼の様子が変わった。先ほどまで優しかった彼が獣になったかのように私をベッドに押し倒した。私は一瞬何が起こったのか分からなかった。
そこからの記憶はない。気付くと裸でベッドの上にいた。汗だろうか。私の体は濡れていた。男性の姿は部屋になかった。私はシャワーで汗を流した。シャワーを浴びていると目から涙が流れた。
(ついていかなきゃよかった…)
後悔しても遅い。藍子の忠告を無視した自分がいけなかったのだから。自業自得だ。
体を拭き、服を着て部屋を出た。すると、藍子がマンションの前に立っていた。呆れた表情が印象的だった。
「だから言ったでしょ。『やめときな』って。あいつ、そういう男なんだから。今までも何人の女の子があいつの餌食になったか…」
私は藍子の胸を借りて泣いた。
「優奈は押しに弱いというか気が弱いところがあるからねえ。強引に誘われたら断れないでしょ?」「うん…」「嫌なら嫌って言っていいんだよ?ちょっと勇気がいるかもしれないけど…。その時は走って逃げな。優奈、足速いでしょ?多分逃げ切れるよ」
嫌と言う。それは簡単に見えて私にとっては難しいことだった。気が弱いところが邪魔をしていたから。
「なかなかいい人って見つからないね…」「簡単に見つかればだれも苦労しないよ。カフェに来てくれるお客さんはいい人ばっかりでしょ?みんな、既婚者だったり恋人がいたりするけど。優奈はまだ男を知らないからいい男と悪い男の区別がまだついていないのかも。多くの男性と知り合えばそういうことがだんだん分かってくるよ」「どうすれば多くの男性と出会えるかな?」「合コンとかいろいろ方法はあるけどね。優奈、合コンとか行くタイプじゃないからなあ。趣味とかあればサークルで出会うなんてこともあるけどね。何か趣味ある?」「スポーツかな。ランニングとか」「だったら、公園とかで走ってみるとか。同じ公園で走っている人に顔を覚えてもらってそこから仲良くなれる可能性もあるし。今は無理して交際まで考えなくていいから。まずは友達を作る感覚で出会いを楽しんでみるといいよ。そこから自然と会話が生まれるかもしれないし」「分かった。ありがとう藍子…」
藍子のアドバイスを胸に私の運命の人探しが始まった。
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