7 / 23
心配
しおりを挟む
翌日出勤すると、昨日の出来事を藍子に話した。
「よく逃げられたね」「もう必死だった」「追いかけられたらなおさら怖いよなあ
…」「また体売るところだった」「体売るって…。好きでそういうことしてたわけじゃないでしょ?まったくもう…」「怒らないでよ…」「怒ってないけどさ…。呆れるというか何というか…」
藍子は呆れていた。これで何回目だろうか。
「でもよかったよ。ユウちゃんが無事で」「そうそう。よく逃げたよ!」
亜希と舞が笑顔で声を掛けた。
「また心配かけちゃったね…」
申し訳ない気持ちになった。
「でも、駅のことは何だったんだろうね…」
藍子は疑問に思った。
私はもしかしたら声を掛けてきた男と駅の男が同一人物ではないかと思った。だが、その証拠はどこにもない。真相は謎に包まれたままだ。
「とりあえず、露出多い服は止めときなアンタ。もっとひどいことになるから」「うん…。夏が少し怖い…」「だけど、狙われるほどアンタが魅力的ってことだよね、言い換えれば」「魅力的に見えるのは嬉しいけど、私の場合は気が弱いところもあって、痛い目見てるから」「私は気が強いから痛い目を見ないとでも…?優奈ちゃん…?」「いや、そういう意味じゃ…」「冗談だよ!私も狙われないように気を付けないとね!」
笑って藍子はそう返した。
営業開始後、この日も多くの客さんが来店した。
常連の女性のお客さんが来店した。水を差し出したとき、声を掛けられた。
「優奈ちゃん。昨日お休みだったんだね。楽しめた?」「実は…」
私は昨日の出来事を話した。
「あら、そう…。怖いわね…。同一人物かも分からないわけだから余計に…」「魅力的に見えるのは嬉しいですけど、別の目で見られるのは嫌ですから…」「体目当ての人もいるからね。よく逃げたよ、ほんとに…」
女性は安心した様子だった。
数分後、女性が注文したコーヒーとチーズケーキを席のテーブルに置いた。女性は「ありがとう」と笑顔を見せた。「またあんな人に声掛けられたら逃げるんだよ?」「全力で走って逃げます!」
そう言うと、女性は明るく笑ってくれた。冗談半分、本気半分の返しだった。だが、またそのような男に声を掛けられてしまうかもしれない。その時はちゃんと走って逃げることを決意した。
「ごゆっくりどうぞ」
私はそう声を掛け、キッチンに入った。
「ユウちゃん、ほんとに走って逃げてね…?」「どうしたの?亜希…」「私最近、ユウちゃんが襲われてる夢ばっかり見てさ…。男の人に服を…」「亜希、きっと心配しすぎなんだよ!大丈夫だよ!走って逃げるから」「でも…」「正夢になんかならないから大丈夫!」「うん…」
私は笑顔で返したが、亜希の顔は晴れやかではなかった。よほど心配だったのだろう。
「やっぱり、誰か紹介するよ…。ほんとに心配だから。私の男友達、いいやつ多いし…。強いし…」「嬉しいけど、言ったでしょ?『自分の力で見つけたい』って。みんなにばかり頼っていられないもの。この状況を抜け出すのも恋人作りも自分の力だけでやってみるから。私が生死を彷徨っている時に助けに来てよ!」「生死を彷徨うって…。どんな状況を想定してるの…」
亜希は少し藍子に似てきたように感じた。藍子とよく一緒にいるからだろうか。
その後、お客さんが次々と来店し、私が対応した。その様子を亜希が晴れない表情で見つめていた。
(ほんとに心配なんだよ…?ユウちゃんがいなくなったらお店のみんなもお客さんも悲しんじゃうから…。看板娘のユウちゃんがいなくなったら誰がお店を盛り上げてくれるの…)
私は亜希がそのように思ってくれていることも知らずに、接客をした。亜希以外のお店のみんなには私の今の姿がどう見えただろうか。
私を見つめる亜希の肩に藍子が手を置いた。
「あの子がそう言ったら下手なことはできないよ。今は見守ろう、亜希…」
亜希は少し間を空けて頷いた。
6時を過ぎ、この日の営業を終了した。食器洗いなどを終え、更衣室に入った。すると、藍子と亜希が何かを話していた。よく聞こえなかった。
「やっぱりユウちゃん…」「でもね…」
そんな声が聞こえた。何のことが聞きたかったが、邪魔をしたくはなかったため、そのまま着替えた。
「じゃあ、私帰るね」「待って、ユウちゃん」「どうしたの?亜希」
だが、亜希は黙ってしまった。藍子は私を心配そうに見つめていた。
「どうしたの2人とも。まさか、心配なの?」
すると、亜希が小さく頷いた。
「ユウちゃん、ほんとに誰か紹介するよ!嫌かもしれないけど、また襲われたりしたら…。私の男友達、そういうことしないから。それか、私達がガードするから!」「ほんとに大丈夫だってば!もう、亜希ったら。そんなことしたら亜希達の時間がなくなっちゃうでしょ?」「でも…」
亜希は俯いた。藍子は私に対して何も言わなかった。
「じゃあ、私ほんとに帰るね。2人とも明日お休みでしょ?楽しんでね」
そう言い残し、私は店を出た。
(ユウちゃんのこと心配で楽しめないよ…)
2人はどんな休日を過ごしたのだろうか。
「よく逃げられたね」「もう必死だった」「追いかけられたらなおさら怖いよなあ
…」「また体売るところだった」「体売るって…。好きでそういうことしてたわけじゃないでしょ?まったくもう…」「怒らないでよ…」「怒ってないけどさ…。呆れるというか何というか…」
藍子は呆れていた。これで何回目だろうか。
「でもよかったよ。ユウちゃんが無事で」「そうそう。よく逃げたよ!」
亜希と舞が笑顔で声を掛けた。
「また心配かけちゃったね…」
申し訳ない気持ちになった。
「でも、駅のことは何だったんだろうね…」
藍子は疑問に思った。
私はもしかしたら声を掛けてきた男と駅の男が同一人物ではないかと思った。だが、その証拠はどこにもない。真相は謎に包まれたままだ。
「とりあえず、露出多い服は止めときなアンタ。もっとひどいことになるから」「うん…。夏が少し怖い…」「だけど、狙われるほどアンタが魅力的ってことだよね、言い換えれば」「魅力的に見えるのは嬉しいけど、私の場合は気が弱いところもあって、痛い目見てるから」「私は気が強いから痛い目を見ないとでも…?優奈ちゃん…?」「いや、そういう意味じゃ…」「冗談だよ!私も狙われないように気を付けないとね!」
笑って藍子はそう返した。
営業開始後、この日も多くの客さんが来店した。
常連の女性のお客さんが来店した。水を差し出したとき、声を掛けられた。
「優奈ちゃん。昨日お休みだったんだね。楽しめた?」「実は…」
私は昨日の出来事を話した。
「あら、そう…。怖いわね…。同一人物かも分からないわけだから余計に…」「魅力的に見えるのは嬉しいですけど、別の目で見られるのは嫌ですから…」「体目当ての人もいるからね。よく逃げたよ、ほんとに…」
女性は安心した様子だった。
数分後、女性が注文したコーヒーとチーズケーキを席のテーブルに置いた。女性は「ありがとう」と笑顔を見せた。「またあんな人に声掛けられたら逃げるんだよ?」「全力で走って逃げます!」
そう言うと、女性は明るく笑ってくれた。冗談半分、本気半分の返しだった。だが、またそのような男に声を掛けられてしまうかもしれない。その時はちゃんと走って逃げることを決意した。
「ごゆっくりどうぞ」
私はそう声を掛け、キッチンに入った。
「ユウちゃん、ほんとに走って逃げてね…?」「どうしたの?亜希…」「私最近、ユウちゃんが襲われてる夢ばっかり見てさ…。男の人に服を…」「亜希、きっと心配しすぎなんだよ!大丈夫だよ!走って逃げるから」「でも…」「正夢になんかならないから大丈夫!」「うん…」
私は笑顔で返したが、亜希の顔は晴れやかではなかった。よほど心配だったのだろう。
「やっぱり、誰か紹介するよ…。ほんとに心配だから。私の男友達、いいやつ多いし…。強いし…」「嬉しいけど、言ったでしょ?『自分の力で見つけたい』って。みんなにばかり頼っていられないもの。この状況を抜け出すのも恋人作りも自分の力だけでやってみるから。私が生死を彷徨っている時に助けに来てよ!」「生死を彷徨うって…。どんな状況を想定してるの…」
亜希は少し藍子に似てきたように感じた。藍子とよく一緒にいるからだろうか。
その後、お客さんが次々と来店し、私が対応した。その様子を亜希が晴れない表情で見つめていた。
(ほんとに心配なんだよ…?ユウちゃんがいなくなったらお店のみんなもお客さんも悲しんじゃうから…。看板娘のユウちゃんがいなくなったら誰がお店を盛り上げてくれるの…)
私は亜希がそのように思ってくれていることも知らずに、接客をした。亜希以外のお店のみんなには私の今の姿がどう見えただろうか。
私を見つめる亜希の肩に藍子が手を置いた。
「あの子がそう言ったら下手なことはできないよ。今は見守ろう、亜希…」
亜希は少し間を空けて頷いた。
6時を過ぎ、この日の営業を終了した。食器洗いなどを終え、更衣室に入った。すると、藍子と亜希が何かを話していた。よく聞こえなかった。
「やっぱりユウちゃん…」「でもね…」
そんな声が聞こえた。何のことが聞きたかったが、邪魔をしたくはなかったため、そのまま着替えた。
「じゃあ、私帰るね」「待って、ユウちゃん」「どうしたの?亜希」
だが、亜希は黙ってしまった。藍子は私を心配そうに見つめていた。
「どうしたの2人とも。まさか、心配なの?」
すると、亜希が小さく頷いた。
「ユウちゃん、ほんとに誰か紹介するよ!嫌かもしれないけど、また襲われたりしたら…。私の男友達、そういうことしないから。それか、私達がガードするから!」「ほんとに大丈夫だってば!もう、亜希ったら。そんなことしたら亜希達の時間がなくなっちゃうでしょ?」「でも…」
亜希は俯いた。藍子は私に対して何も言わなかった。
「じゃあ、私ほんとに帰るね。2人とも明日お休みでしょ?楽しんでね」
そう言い残し、私は店を出た。
(ユウちゃんのこと心配で楽しめないよ…)
2人はどんな休日を過ごしたのだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写と他もすべて架空です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる