遊ばれ女の優奈

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幸せとは②

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 朝6時過ぎ。この日は気持ちよく目覚めた。着替えを済ませ、朝食作りを始めた。

 (楽しみ!だけど、緊張してきた…)

 久しぶりに友人に会うということもあってだろうか。それとも、初めて会う人がいるからだろうか。いや、両方だろう。

 気持ちが落ち着かなかった。

 (私と話したことない人はどんな人が来るんだろう…。多分、健ちゃんと仲良い子だよね)

 鞄に財布などを入れた。

 (メガネは駅に着く前に外そう…)

 オシャレでかけようとも思ったが、なんだか気が引けてしまった。

 久しぶりに会う友人は私を見てどう思うだろうか。初めて話す子は私を見てどう思うだろうか。楽しみになったのと同時に少し不安になった。

 時計を見ると、9時30分。まだ時間がある。私はメガネをかけずにコンビニエンスストアへ向かった。といっても特に購入するものはなかった。気持ちを落ち着かせるためだったのかもしれない。だが、財布は持参した。

 店内に入るとあてもなく歩き回った。すると、カフェの常連のお客さんに会った。

 「優奈ちゃん!今日はお休みなんだ?今日お店行こうと思って」「麻衣子さん!今日お休みなんですよー」「そうなんだー。寂しいけど他のみんなにも会えるし、こうして優奈ちゃんに偶然会えたし。コンビニ来て得した気分!」「もう!麻衣子さんたら」

 私はお茶を購入し、店を出てしばらく麻衣子と話した。

 「今日は遊びに行くんだ!いいなー。楽しんできてね!」「ありがとうございます!」

 麻衣子と別れ、アパートへ戻った。

 (近所だし、メガネかけずに出ちゃった。でも、そのおかげで麻衣子さんに気付いてもらえてお話しできたし…)

 幸いにも、帰り道に被害に遭わずに済んだ。

 アパートに着き、部屋に入ってゆっくりした。

 テレビを観ていると10時30分になっていた。私はテレビを消し、坂下駅へ向かった。

 10時45分過ぎに到着し、みんなを待った。少しだけ緊張している自分がいた。みんなどんな反応をするのだろうか。受け入れてもらえるだろうか。そんな心配を抱えながらみんなを待った。

 数分後、誰かが私に手を振っている姿が見えた。女性のようだ。ロングヘアーの女性。

 クラスメイトだった三島愛梨だ。私が中学校時代一番仲が良かった友人だ。愛梨は小走りで私に駆け寄り、抱きついた。

 「優奈、久しぶり!いろいろ心配してたんだよ?被害に遭ったって話聞いて…」「愛梨も知ってたんだ…。ごめんね、心配かけて…」「無事でよかったよ…」「ちょっと!泣いてるの!?」

 愛梨は笑みを浮かべていたが、その表情にはうっすらと涙が見えた。

 愛梨と話をしながらみんなを待った。

 「優奈ちゃん?初めまして」

 駅に着いた初対面の子が私に挨拶をしてくれた。私も挨拶を返した。

 小田雄一。短髪で爽やかな男性だ。早織の1年時のクラスメイトだ。

 「雄一、髪切ったんだ。爽やかになったね」「中学の時は長かったからな。営業してるから第一印象を良くしたくてさ」「似合ってるよ!」「嬉しいな!」

 雄一は部品メーカーの営業職に就いているそうだ。愛梨曰く、中学校時代はおちゃらけていたそうだ。だが、仕事は真面目に取り組み、上司からは高い評価を得ている。

 「あの雄一が真面目になるなんてね。想像もしなかったな…」「社会に出ていろんな壁にぶつかって、人のやさしさに触れて…。そこから真面目に生きようと思ってさ…」「雄一らしくない台詞…。大人になったね」「俺もびっくりだよ。ここまで真面目になるなんて」

 2人は笑い合うと、愛梨が雄一について話してくれた。

 「雄一は1年生の時から優奈のこと知ってたんだよ。私と優奈が同じ部活ってこともあってよく話してて、その様子を見て…」「でも、なかなか声掛けられなかったんだよな。他の男子から人気あって俺なんか相手にされないなと思って」「恋愛は奥手なんだよね、雄一って」

 声を掛けようとしたが勇気が出ず、話すことができなかったそうだ。

 「でも、よかったじゃん。こうしてお話しできるようになって。営業やってるおかげかな」「多分な!」

 しばらく、3人で話をした。すると、続々と集まってきた。その中に健二と拓真の姿も見えた。

 私を含めて16人。私が話したことがない子は雄一を含めて9人。私は雄一以外の8人とも話ができるだろうか。

 そんなことを考え、切符を購入し、ホームに並んだ。

 電車を待っている間、健二と話した。

 「一倉、ありがとな。来てくれて。嬉しいんだ。俺もみんなも」「やめてよ、健ちゃん。照れちゃうじゃん!」「ほんとにみんな一倉に会いたがってたんだ。まあ、俺も拓真も同じなんだが」「もっと照れちゃうじゃん!」

 拓真はそんな私を見て声を掛けた。

 「一倉は昔からすぐ赤くなるよな。反応が面白くてクラスの男子がよくちょっかい出してたし」「俺達もよくやってたよな。懐かしいな…」

 2人は中学校時代を懐かしんでいた。同時に私は中学校時代を思い出していた。

 「私ってどう見られてたんだろ」「頑固なマドンナ」「ははは!そうそう!」「ちょっと、健ちゃん!」「わあ、一倉が怒った!」「雨降るかもな!」「たくちゃん!」

 拓真の言葉とは正反対に、雲から青空が顔を出した。

 こうして昔と変わりなく接してくれる友人がいることも幸せの1つなのかもしれない。
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