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バルタザール3
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今日は盗賊の財宝についての結果を聞きに行かなければいけないんだけど、門に来て欲しいと兵隊長さんに言われているが時間は指定されていなかった。
あんまり早すぎて用意ができていなくても嫌なので午前中は宿でゆっくり過ごして昼過ぎに着くよう門に向かう。
「こんにちは。兵隊長のアーモスさんと約束があって来ました」
外に立っている兵士さんにそう伝えると、アーモスさんから話を聞いていたのかすんなりと部屋に案内してもらえた。
お茶を出してもらいしばらく待っていると、2日間という短い時間で領主様とやりとりをしたからなのか疲れた顔のアーモスさんがやってきた。
「待たせてしまってすまないな」
そう言って向かいのソファに座ったアーモスさんは、観光はしたかとかどこに泊まったんだとか、なかなか肝心の盗賊から取り返した財宝の買取の話を出さない。
このまま話していても時間の無駄だわ、と思い、「それで、領主様は買取をしてくれるのでしょうか?」
とズバッと聞いてみる。
「あぁ。荷は全て買い取りたいと言っているよ」
よかった!
これで買い取ってもらったら町を出られるわ。
でもそれにしてはアーモスさんは浮かない表情だ。
「詳細を教えていただけますか?」と聞くと、数枚の紙を渡される。
見てみると前回盗賊のアジトから持ってきた荷をここでリスト化してもらったものだった。
前回と違うのはリストの横に金額が書いてあることだった。
え!? なにこれ、安すぎる!
私が平民の冒険者で財宝の価値なんてわからないだろうと思ったのか、明らかに安い値段で買取りしようとしている。
元々盗賊が集めていた財宝は大したことないが、この町の領主であるデブブ伯爵の荷物の中には高価な壺や絵画や絨毯が含まれている。
盗賊が集めていた財宝とデブブ伯爵の荷物を合わせると私の見立てでは白金貨25枚、2500万リル以上はあると思う。
でも紙に書かれている金額はその10分の1ほどの250万リルだ。
だからアーモスさんの顔色が悪かったのね。
確かに平民からしたら大金だし騙されて売ってしまうだろうが、この間まで貴族社会でみる目を養ってきた私には通用しない。
『リア、売るのか?』
ノアも雰囲気でわかったのかそう聞いてくる。
『さすがにこの金額じゃ売れないわ。だったらこのまま持っていって他の町か隣国で売った方がいいもの』
そうノアに言い、アーモスさんにも領主様とやりとりしてもらって申し訳ないが売るのはやめておくと伝える。
それを聞いたアーモスさんはやっぱり、というような顔をするがすぐにこちらを心配するような表情に変わる。
「なんとか買取額を上げてもらおうとしたのだが、力になれなくてすまない。だが領主様は伯爵位を持つ貴族だ。もしかしたら面倒なことになるかもしれないぞ」
確かに普通だったら貴族の申し出を断るのはよくない。
でも私なら魔法もあるし、そもそもすぐに町を出る予定だから大丈夫だろう。
「心配ありがとうございます。私なら旅をしているので町を出てしまえば大丈夫です。 それにこの通り魔法も使えるのできっとなんとかなります
よ」
『そうだ! それにリアには私もついているからな!』とノアも胸を張ってアピールする。
「だったら出来るだけ早くこの町を出たほうがいい。私は仕事だからこの後領主様にこの結果を伝えにいかなくてはならない。その前に町を出るんだ」、 とアーモスさんはこっそり教えてくれる。
本当に良い人だ。
きっと多少強引にでも買取をした方が領主様からの印象はよくなるだろうに。
最初からずっとこちらを気遣ってくれている。
「本当にありがとうございます。もうこの町には用事がないのでこのまま旅に出ようと思います」
そう言うとアーモスさん自ら町を出る手続きをしてくれたので、私たちは急いで町を出た。
あんまり早すぎて用意ができていなくても嫌なので午前中は宿でゆっくり過ごして昼過ぎに着くよう門に向かう。
「こんにちは。兵隊長のアーモスさんと約束があって来ました」
外に立っている兵士さんにそう伝えると、アーモスさんから話を聞いていたのかすんなりと部屋に案内してもらえた。
お茶を出してもらいしばらく待っていると、2日間という短い時間で領主様とやりとりをしたからなのか疲れた顔のアーモスさんがやってきた。
「待たせてしまってすまないな」
そう言って向かいのソファに座ったアーモスさんは、観光はしたかとかどこに泊まったんだとか、なかなか肝心の盗賊から取り返した財宝の買取の話を出さない。
このまま話していても時間の無駄だわ、と思い、「それで、領主様は買取をしてくれるのでしょうか?」
とズバッと聞いてみる。
「あぁ。荷は全て買い取りたいと言っているよ」
よかった!
これで買い取ってもらったら町を出られるわ。
でもそれにしてはアーモスさんは浮かない表情だ。
「詳細を教えていただけますか?」と聞くと、数枚の紙を渡される。
見てみると前回盗賊のアジトから持ってきた荷をここでリスト化してもらったものだった。
前回と違うのはリストの横に金額が書いてあることだった。
え!? なにこれ、安すぎる!
私が平民の冒険者で財宝の価値なんてわからないだろうと思ったのか、明らかに安い値段で買取りしようとしている。
元々盗賊が集めていた財宝は大したことないが、この町の領主であるデブブ伯爵の荷物の中には高価な壺や絵画や絨毯が含まれている。
盗賊が集めていた財宝とデブブ伯爵の荷物を合わせると私の見立てでは白金貨25枚、2500万リル以上はあると思う。
でも紙に書かれている金額はその10分の1ほどの250万リルだ。
だからアーモスさんの顔色が悪かったのね。
確かに平民からしたら大金だし騙されて売ってしまうだろうが、この間まで貴族社会でみる目を養ってきた私には通用しない。
『リア、売るのか?』
ノアも雰囲気でわかったのかそう聞いてくる。
『さすがにこの金額じゃ売れないわ。だったらこのまま持っていって他の町か隣国で売った方がいいもの』
そうノアに言い、アーモスさんにも領主様とやりとりしてもらって申し訳ないが売るのはやめておくと伝える。
それを聞いたアーモスさんはやっぱり、というような顔をするがすぐにこちらを心配するような表情に変わる。
「なんとか買取額を上げてもらおうとしたのだが、力になれなくてすまない。だが領主様は伯爵位を持つ貴族だ。もしかしたら面倒なことになるかもしれないぞ」
確かに普通だったら貴族の申し出を断るのはよくない。
でも私なら魔法もあるし、そもそもすぐに町を出る予定だから大丈夫だろう。
「心配ありがとうございます。私なら旅をしているので町を出てしまえば大丈夫です。 それにこの通り魔法も使えるのできっとなんとかなります
よ」
『そうだ! それにリアには私もついているからな!』とノアも胸を張ってアピールする。
「だったら出来るだけ早くこの町を出たほうがいい。私は仕事だからこの後領主様にこの結果を伝えにいかなくてはならない。その前に町を出るんだ」、 とアーモスさんはこっそり教えてくれる。
本当に良い人だ。
きっと多少強引にでも買取をした方が領主様からの印象はよくなるだろうに。
最初からずっとこちらを気遣ってくれている。
「本当にありがとうございます。もうこの町には用事がないのでこのまま旅に出ようと思います」
そう言うとアーモスさん自ら町を出る手続きをしてくれたので、私たちは急いで町を出た。
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