人狼ゲーム

亜里吹♭

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人狼ゲーム

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おじいちゃんちゃんにこんな話をしてもらったことがある。

―昔…とある廃墟の屋敷に四匹の狼が住み着いていた。狼は、人間に見つからないようにひそかに暮らしていた。しかし、ある日、人間に見つかってしまった。母狼と父狼は子供を逃がし、人間と必死に戦った。しばらくして、子供狼は母狼と父狼が心配になり、もう一匹の子供狼に先に行ってもらい来た道を戻った。それから何百年と時がたち、生き残った狼は、生まれかわり、人間に狼の間の人狼になり復讐に来たそうだ…。―
「だから智も気をつけるんだぞ」
「うん!おじいちゃん」

それから二十年がたった。子供の頃にしてもらった話は、全く忘れてしまっていた。
俺、智は今二十八歳で会社員をしている。
「智~今日こそデートしようよ~」
「え、悪い!今日も残業なんだ!」
この人は俺の彼女の葵、俺と同じ会社員だ。年は四つ下。
「んもう!今週デートするって約束したじゃん!」
「葵……わかったよ、じゃあ土曜日にしよう」
「やったー!」
「こら!会社でそう言う話をするな。未だ独身の社長が起こるぞ…」
こいつは拓海。俺と同い年で幼なじみであり、ライバルでもある。
「お前の方がよっぽど失礼だぞ…」
この二人とはよくつるんでいる。
「拓海君彼女いるよね?土曜日ダブルデートしようよ!」
「俺も賛成だ、面白そうだし」
「僕は予定空いているけど彼女はどうかな…確認してくるよ」
確認してみるとオッケーだったらしい。
「なあ、せっかくならトリプルデートしてみないか?僕らと君らと、後僕の友達と」
「「賛成!!!」」
そして土曜日……
「紹介するよこの子が僕の彼女の…」
「由依でぇす!」
この子は由依と言うらしく拓海の三つ年下だ。
「…はぁ、で、こっちが僕の友達の大和とその彼女の飛鳥ちゃん」
「大和です、よろしく」
「飛鳥です」
大和は俺らの一つ下で飛鳥は大和の二つ下だ。
「よし!早速行くか!」
「「「「「「おー!」」」」」」
車で移動中、突如壁が現れぶつかった時、俺らは、気絶した。
目が覚めるとある屋敷っぽい家の中にいた。
「ここ何処だ…?」
俺は皆の無事を確認した。
「おい!皆いるか?!」
「…智?良かった~」
葵は無事だった。
「ん?…!由依!いるか!」
「拓海いるよ!」
拓海と由依も大丈夫みたいだ。
「大和起きて!」
「う、うぅぅぅん…はっ!飛鳥!ここは?」
全員無事だったようだ。

辺りを見ると、どうやら廃墟になった屋敷らしい。そこまで思って俺ははっとした。
「…………………」
「どうしたの?智…」
「思い出した!」
「「「「「え?」」」」」
「ここ、聞いたことある…」
そう、俺は思い出した。あのおじいちゃんが話してくれたことを…
「ここがそうなのか?」
「おい!智説明してくれ!」
俺は皆に説明した。
「そんなことが…本当に、あるの?」
「わからない。おじいちゃんも話してくれた後、すぐいなくなったし…」
「でも、本当なら…人狼に殺されるかもしれない…」
「と、とにかくここから出よう!」
全員出口を探し走った。しかし…
出口はあったがドアが開かない。
「くそっ!なんで開かないんだよ!」
「かぎも開いてるのに…?」
そこで俺たちは確信した、ここからは出られない。
「出来るだけ単独行動は避けよう!」
「思ったんだけど…ここにいる誰かが…」
「あぁ、もしくは夜になるとそいつが来るかだな」
ドンドンドン
突然ドアがノックされた。さらに、ドアが勝手に開いた。
「すいません僕ら迷ってしまって…泊めてくれませんか?」
現れたのは三十代の男性と、その子供と思われる十代の息子だった。
「いえ…泊めるも何も、ここは俺たちの家じゃないですよ?」
「ええ!そうなんですか!失礼!では他の場所を探します…」
「待って!俺たちもその…泊めてもらってるんです、だからあなた方も良かったら…(人が多い方が安心だしな…)」
「ありがとうございます!」
父親は、勝と言うらしく息子は大輝と言うらしい。
今日はもう遅いので、寝ることにした
「おやすみ」



朝…
なにやら騒がしかった。
「おはよう…ん?どうした大輝君」
すると大輝は血相を変えて…
「お父さんがいなくなった!」
すぐ家中を探すと…
「…………っ!」
「お父さん…!」
二階の廊下で倒れていた。身体中噛まれたような後がある。
「な、何これ!」
「きゃぁぁぁぁぁぁ!」
「脈は!?…ない、心臓は!?…だめだ、止まってる」
「そんな…」
「お父さぁぁぁぁぁぁん!」
その後は誰も話さず沈黙が続いた。
「やっぱり人狼が…」
「そんなことない!お父さんは入り込んできた犬に噛まれたんだ!」
「大輝君…」
その日の夜…
「やっぱり、全員で寝ずにバラバラで寝よう」
「え?」
「全員で固まって寝るのは危険すぎる」
「でも、やっぱり全員で寝た方が…」
「…俺はどっちでもいい」
俺はもし言い合っている二人のどっちかが人狼だったらまずいと思い中立を取った。
平等にじゃんけんで決めることにした。その結果個人で寝ることになった。多少納得行く顔をしてない人もいるがきまったものはしょうがない。

次日の朝…
また、なにやら騒がしかった。
「由依!何処だ!!!」
「まさかまた……!」
探すと、一階のキッチンで勝のように倒れていた。
「由依!由依ぃぃぃぃぃ!」
「もう、助からないな…」
「くそっ!くそぉぉぉ」
「ん?何か書いてある…」
「ダイイングメッセージってやつか?」
由依の右手の人差し指の上あたりに血でなぞったようなダイイングメッセージがかかれていた。その内容は…
「じゅう…じか?」
十字架がかかれていた
「でも、なんで十字架?」
「さぁ…?」
その日の内に十字架の意味はわからず夜になった。
「もう寝て明日考えよう…」
夜中…
「…きろ…起きろ!智!」
「……ん?拓海?どうした?」
「逃げるぞ!」
「え?」
拓海はこの屋敷を抜け出そうと言った。
「でもどうやって?」
「考える前に動く!行くぞ!」
「え!ちょっと!」
智と拓海は玄関に走っていった。
「でも、ドア開かないんじゃ…」
すると、拓海はニヤリと笑い、
「それはどうかな」と言った。
智が聞き返す暇もなく拓海はドアを開けた。
「え、開いた…?」
「行くぞ!」
玄関を抜けると、森が広がっていた。
「皆を連れてこなくてよかったのか!?」
「もし、あの中に人狼がいたらどうするんだよ!」
「でも…なんで俺だけ連れてきたんだ…」
「お前は僕が唯一信用できるからだ!それに…」
拓海は少しためらった。だが、続けた。
「俺が…人狼だから」
最後が小さくて小さくて、でも、はっきり聞こえた。
「い、今何て…後、俺って…」
「聞こえなかったか?」
今度は大きな声で、
「俺が!人狼なんだよ!」
殺される。一瞬で頭の中に響いて来た。
「ん、お前気づいてないのか?それとも、ごまかしてるのか?」
何のことかさっぱり分からなかった。
「な、何のこと?」
頭が真っ白だった。
「俺は、由依を殺したけど勝は殺してないぞ?」
「ほらあの十字架、あれはtだと思う、で、俺の名前たくみだからt、な?
でも、勝の時は何もなかった。あいつ俺らの名前知らないしだから…」
つまり…
「え?」
「お前が殺したんじゃないのか?」
違うと思いたかった。
「違う、俺じゃない…」
「忘れたのか?あの約束を、じゃあ思い出させてやるよ」
突如頭に何か浮かんできた。
『おい!二狼!』
『お兄ちゃん生きてたの!良かった!…お父さんとお母さんは…』
『……ごめん』
『……いいよ!お兄ちゃんが居てくれるだけでいいから!』
『二狼…強くなったな、いいか、俺らはこれから人狼になる』
『人狼?』
『簡単に言うと人に化けれる狼のことだ』
『へぇー』
『俺らは人に化けてお母さんたちをやった人間に仕返しする』
『……うん、お兄ちゃんがそれでいいなら協力する』
『ありがとう、お互い離れた方が安全だ。でも、またどこかで絶対会える!約束な!』
『うん!約束!』




「そう言えば、そうだった」
どうして忘れてたんだろう。
「お前、二重人格なんじゃないか?」
「え、………あ!」
そう言えば前にお母さんが言っていたのを偶然聞いてしまった。
~智は普段おとなしいのにたまに突然性格が変わったように変わるのよねぇ…~
でも、俺はそんなこと覚えてない。
「記憶がないのか、残念だな」
「なぁ智…いや二狼、協力してくれるって言ったよな?」
嫌だと言おうとしたが口が動かなかった。すると勝手に口が動いた。
「はぁ?何言ってんだよ」
ぐさっ。
「ぐっ二狼…」
拓海が倒れこんだ。
「誰が協力するんだよ」
まだ、口が勝手に動いている。
「俺は俺のやり方でやる。一狼お兄ちゃんは邪魔しないで」
「二狼…随分偉く…なったな」
拓海は動かなかなくなった 。
「なあ、智だっけ?お前ももう出てくるな」
俺は二狼を生かしてはいけないと思った。
「これはお前(二狼)の体じゃない」
「は?」
「俺の体だぁぁぁぁぁぁ!」
ポケットに入れていたカッターナイフをとり出し、自分の心臓に刺した。
「智、何を!?」
「お前を生かしてはおくわけには行かないよ」
「くっそ!」
「拓海を、お兄ちゃんを殺した罰だぁぁ!」
その場に倒れこんだ。
「出てこなくていいのは…はっ…お前の方だぁ…」
そして意識がとんだ。




―昔…とある廃墟の屋敷に四匹の狼が住み着いていた。狼は、人間に見つからないようにひそかに暮らしていた。しかし、ある日、人間に見つかってしまった。母狼と父狼は子供を逃がし、人間と必死に戦った。しばらくして、子供狼は母狼と父狼が心配になり、もう一匹の子供狼に先に行ってもらい来た道を戻った。それから何百年と時がたち、生き残った狼は、生まれかわり、人間に狼の間の人狼になり復讐に来たそうだ…。しかし、一匹の狼は自分達が生きてはいけない存在だと気づいて、自分以外の人狼を殺し、最後に自分も殺したそうだ―




終わり
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