嫌われ者の妖怪少女

かな

文字の大きさ
上 下
3 / 17
旧作

旧作 出会い

しおりを挟む


この子の名前は葵。
今年から新しく高校へ入学する小柄で左目に眼帯をつけた少し不思議な少女である


そんな少女に優しそうな男の子が話しかけてきた

男「ねぇ君」

「どちら様ですか?」

カイ「ぼくはカイ。君は?」

「わたしは葵です。何か用ですか?」


カイ「君の制服…もしかして同じ学校かな?」

「言われてみれば…確かにそうですね。あなたも新入生ですか?」

カイ「そうだよ!同じ学校に行く人と会えてよかった~♪」


少年はとても嬉しそうだった


カイ「あっそうだ。君はさっき猫に話しかけていたけど猫が好きなの?」


「先程のを見ていましたか。えぇ猫、というより動物が好きですね」


カイ「そうなんだ!何かと葵さんとは気が合いそうだ♪
あっそうだ!よかったら学校まで一緒に行かない?その方が道に迷わなさそうだし!」

「そうですね…分かりました。よろしくお願いします。カイさん」

カイ「うん!よろしくね!葵さん!」


少年と少女はそのまま学校へと向かった。

そして、学校へ着くと少年は喋り出した


カイ「うわぁこんなにたくさん人が居るなんて!」

そこは葵とカイが入学するとても大きな学校である。そして、それを埋め尽くすかのような人の数。2人はそれに圧倒されていた

カイ「すごいね!これは1人で来てたら迷子じゃ済まないよ」

「確かにすごいですね。これからここで生活するだなんて思えません」

2人はそう言いながら大勢の人の中に入っていった


カイ「クラスの名簿はどこにあるのかな?」

「カイさんあそこに貼ってありますよ。どうやら、わたしとカイさんは1-D組。同じクラスのようです」

カイ「本当!やったぁ!葵さん!これからもよろしくお願いしますね!」

「ええ、こちらこそよろしくお願いします。」

クラスを確認すると2人は自分たちの教室へと向かった


「それにしても教室まで遠いですね」

カイ「こんなに広いと迷っちゃいますね」

カイは冗談交じりに笑いながら言った

そして、教室を見つけ中へ入った


カイ「葵さんぼくの席は一番前の廊下側なので、用があったらいつでも来てくださいね♪」

「わたしの席はここですね。こちらこそよろしくお願いします。」


その後担任の話や、荷物の整理などなどがあり、今はもう下校の時間


カイ「葵さん!一緒に帰りませんか?」

「別に構いませんが」

カイ「やった!」


そうして、朝来た道を歩いていると葵が口を開いた

「カイさん。一つ聞きたいことがあるのですが、良いですか?」

カイ「ん?なんです?」

「わたしの左目や眼帯のことをどうして何も聞かなかったんですか?」

カイ「怪我してたりだったらあんまり思い出させちゃったら悪いかなって思ったからだけど…余計なお世話だった?」

「いえ、そんな事はありません。でもすっきりしました。ありがとうございます。」

「(そうですね…あなたになら…)」


「カイさん今日はありがとうございました。わたしはここら辺で失礼します。カイさんのおかげで少し気楽に学校生活を始められそうです」

カイ「それはぼくも同じだよ♪もしよかったら明日も一緒に行かない?」

「良いですよ。ではまた明日ここで集合でお願いします」

カイ「やったぁ!ありがとう!じゃあまた明日ね!」



カイと別れてから少し歩いたところから猫が顔を出した

「にゃー」

「あ、あなたは朝の……」

葵は左目の眼帯を外すとその猫と楽しそうに話しながら歩いて行った

「良い仲間に出会えましたか?」

「にゃー!」

「そうですか。それはよかったです」

「にゃー♪」
しおりを挟む

処理中です...