3 / 79
例えどんな理不尽な世界だとしても
何だか楽勝なんですが?
しおりを挟む
薄暗い森を四人の男女がゆっくり、周囲を警戒しつつ歩みを進める。
まだ太陽はてっぺんを超えてから二時間ほどしか経っていないにも関わらず、森は背の高い木々に陽射しを阻まれ、どうにも薄暗い。
街を出て、魔物が多く生息する区域――通称ディザスターの一つである『暗躍の森』を訪れてから一時間。
クエストの条件となっているリザードマンは、森の中層部に巣を構えることが多い。しかし、もちろん『暗躍の森』に跋扈する魔物はリザードマンだけではない。
先頭を歩くハルトが、ひたいに滲む汗を拭おうと左手をあげた刹那、ギャァ! ギャァ! というけたたましい鳴き声が左前方から聞こえてくる。
一瞬、硬直状態のように体をビクつかせる四人だが、慣れ親しんだ冒険者の小慣れた動作でそれぞれ鳴き声のする方向に武器を構える。ちなみに四人は全員魔剣士であるため武器は一般的な細い両手剣だ。
事前に打ち合わせた通り、ハルトとユキオが前衛を、そしてモミジとマナツが後衛のポジションに入る。
「打ち合わせ通り、スワップを効かせつつ行くぞ!」
普段は常に気だるそうにしているハルトも、ディザスターでは一瞬たりとも集中力を切らすことはない。
全員が鳴き声のした方向を固唾を飲んで凝視する。草木を搔きわける音が徐々に大きくなる。
ハルトたちを木々がすり抜けて差し込む光が照らす。その瞬間、茂みから一頭の肉食獣の体と毒蛇の尻尾を持った魔物が姿を表す。
「なっ! バジリスク!?」
飛び出して来た魔物は『バジリスク』。ライオンに似た頭部で前方の敵を食いちぎり、毒蛇の尻尾で後方の敵に状態異常を付加させるCランクの魔物だ。
Cランクといえば、冒険者になり三年が経過したハルトの元パーティーがつい先日ようやく到達したランク。元パーティーで対峙してようやく同等とされる魔物が今、新しく結成したばかりの、しかも魔剣士だらけの不揃いパーティーの目の前にいるのだ。早くも全滅の危機であることは全員が瞬時に悟った。
「バジリスクがなんでこの中層にいるのよ! こいつは深層部にいるはずでしょ!?」
後方から明らかに焦った口調のマナツの声がハルトの耳に届く。現在のパーティーの中で、Cランクを経験したことのあるメンバーはハルトとモミジのみである。ユキオとマナツは元はDランクのパーティーの所属。
しかし、Cランクの期間がわずか二週間あまりだったハルトも、バジリスクとの対面は初めて。実質、バジリスクと対面したことがあるのはモミジのみだ。
「い、一旦撤退した方がいいんじゃ」
ユキオの提案はもっともである。明らかにハルトを含め、全員動揺を隠せないでいる。
中層部にはせいぜいEランクまでの魔物しか巣を作っていないはずなのに、どうして。そんなことを考える暇もなく、眼前のバジリスクが唸り声を響かせる。
「いやでも、逃がしてくれそうもないよなぁ」
前衛を務めるハルトとユキオの目の前に大きくそびえ立つバジリスクは、口からよだれを垂らして今にも襲いかかって来そうだ。おそらくバジリスクに背を向けて撤退するという判断をした瞬間、背中に風穴が開くことは間違いないだろう。
全員、それなりの防御力を誇るローブや鎧を身につけているとはいえ、一瞬の判断ミスが死に繋がることは四人とも十分承知の上だった。
「やるしかないだろ。よし、いくぞ!」
ハルトが駆け出したと同時に、並行していたユキオも勢いよく地面を蹴り上げる。 ハルトよりも随分と豊満な体格にも関わらず、ほぼ横並びでついて来たユキオに、ハルトは少しだけ驚かされる。
後方ではモミジとマナツが魔法の詠唱を始めた。
猛烈に迫り来る二人に対してバジリスクは今一度、ライオンというよりは鳥のような甲高い鳴き声をあげて二人に飛びかかる。
迫り来る牙に死の気配を色濃く感じながらも、ユキオと剣を交差させるようにしてバジリスクの牙を抑え込む。激しい金属音が鼓膜を震わせる。
手を伸ばせば触ることのできる距離にバジリスクがいるという恐怖が、身を思わずすくませる。
しかし、ハルトは両手にかかる重圧に確かな違和感を感じた。
「な、なぁユキオ」
こんな状況でというべきか。いや、こんな状況だからこそハルトはユキオに呼びかける。
「な、なに……!?」
歯を食いしばり、迫り来るバジリスクの牙を必死の形相で受け止めているユキオは返事をするのも苦しいと言わんばかりに聞き返す。
「いやさ、なんか……」
「何ってば!」
「軽くない?」
「……へ?」
ユキオの表情から焦りの色が抜ける。ハルトも最早片手で剣を持ち、顔こそバジリスクの方を向いてはいるものの、明らかに表情は先ほどまでの険しいものではなかった。
「ほ、本当だ。なんだかスライムの突進を受け止めてるみたいだ」
ハルトの感じた違和感。それはあまりにもバジリスクの突進が軽すぎるというものだった。
バジリスクの突進は本来であれば、ユキオの言うスライムなどとは比較にならない威力を誇る。
ハルト自身も、バジリスクの突進による初撃で前衛が崩壊したパーティーの話を聞いていたため、決死の覚悟で剣を振りかざしたのだが、結果はあまりに軽すぎたのである。
「このバジリスクが謎に弱い個体なのか?」
ハルトの聞いた話では、バジリスクはCランクの魔法職が魔法を十数発叩き込んでようやく倒せる相手だと聞いた。しかし、魔剣士の魔法は他の魔法職のものよりも威力が格段に落ちる。
つまり四人が前衛と後衛を入れ替えつつ、エンドレス的に魔法を放ってようやく倒せるかもしれないという、なんとも絶望的なシチュエーション……のはずだった。
「そんな事例聞いたことないけど、とりあえず今は魔法が来るタイミングで離脱しよう」
「魔法オーケー! いくよー! 3、2、1――!!」
マナツの掛け声に合わせてハルトとユキオが一斉に剣でバジリスクを弾き、左右に飛び退く。
その瞬間、マナツの火の魔法とモミジの氷の魔法が同時に炸裂した。特大の火炎球と氷塊が宙を切り裂くようにバジリスクに突き刺さる。
その様を、ハルトは口をあんぐりと開けてその状況を呆然と眺めていた。
「威力高すぎだろ! 魔導師の三倍くらいあるじゃん!?」
本来であれば魔導師の火炎球と氷塊の魔法は木々を数本なぎ倒すほどの威力である。魔剣士の魔法となれば、木の一本を倒せればなかなか良いという程度だ。
しかし、マナツとモミジが放った魔法はバジリスクを軽々貫通しても威力を衰えることなく、森の木々を蹴散らし、前方を広く更地に変えて最後は炎と氷がぶつかり合い、凄まじい爆音と多量の水蒸気を撒き散らして消滅した。
当然ながら、身を貫かれたバジリスクは体の半分をやけ焦がし、もう半身はガチガチに氷づいた状態で絶命していた。
度重なる不可解すぎる出来事に、思わずその場にいた四人は地面にへたり込んだ。
「な、なんだこりゃー!?」
情けなく尻餅をついた姿で、空を見上げながら叫んだハルトの絶叫が森をこだましたのであった。
まだ太陽はてっぺんを超えてから二時間ほどしか経っていないにも関わらず、森は背の高い木々に陽射しを阻まれ、どうにも薄暗い。
街を出て、魔物が多く生息する区域――通称ディザスターの一つである『暗躍の森』を訪れてから一時間。
クエストの条件となっているリザードマンは、森の中層部に巣を構えることが多い。しかし、もちろん『暗躍の森』に跋扈する魔物はリザードマンだけではない。
先頭を歩くハルトが、ひたいに滲む汗を拭おうと左手をあげた刹那、ギャァ! ギャァ! というけたたましい鳴き声が左前方から聞こえてくる。
一瞬、硬直状態のように体をビクつかせる四人だが、慣れ親しんだ冒険者の小慣れた動作でそれぞれ鳴き声のする方向に武器を構える。ちなみに四人は全員魔剣士であるため武器は一般的な細い両手剣だ。
事前に打ち合わせた通り、ハルトとユキオが前衛を、そしてモミジとマナツが後衛のポジションに入る。
「打ち合わせ通り、スワップを効かせつつ行くぞ!」
普段は常に気だるそうにしているハルトも、ディザスターでは一瞬たりとも集中力を切らすことはない。
全員が鳴き声のした方向を固唾を飲んで凝視する。草木を搔きわける音が徐々に大きくなる。
ハルトたちを木々がすり抜けて差し込む光が照らす。その瞬間、茂みから一頭の肉食獣の体と毒蛇の尻尾を持った魔物が姿を表す。
「なっ! バジリスク!?」
飛び出して来た魔物は『バジリスク』。ライオンに似た頭部で前方の敵を食いちぎり、毒蛇の尻尾で後方の敵に状態異常を付加させるCランクの魔物だ。
Cランクといえば、冒険者になり三年が経過したハルトの元パーティーがつい先日ようやく到達したランク。元パーティーで対峙してようやく同等とされる魔物が今、新しく結成したばかりの、しかも魔剣士だらけの不揃いパーティーの目の前にいるのだ。早くも全滅の危機であることは全員が瞬時に悟った。
「バジリスクがなんでこの中層にいるのよ! こいつは深層部にいるはずでしょ!?」
後方から明らかに焦った口調のマナツの声がハルトの耳に届く。現在のパーティーの中で、Cランクを経験したことのあるメンバーはハルトとモミジのみである。ユキオとマナツは元はDランクのパーティーの所属。
しかし、Cランクの期間がわずか二週間あまりだったハルトも、バジリスクとの対面は初めて。実質、バジリスクと対面したことがあるのはモミジのみだ。
「い、一旦撤退した方がいいんじゃ」
ユキオの提案はもっともである。明らかにハルトを含め、全員動揺を隠せないでいる。
中層部にはせいぜいEランクまでの魔物しか巣を作っていないはずなのに、どうして。そんなことを考える暇もなく、眼前のバジリスクが唸り声を響かせる。
「いやでも、逃がしてくれそうもないよなぁ」
前衛を務めるハルトとユキオの目の前に大きくそびえ立つバジリスクは、口からよだれを垂らして今にも襲いかかって来そうだ。おそらくバジリスクに背を向けて撤退するという判断をした瞬間、背中に風穴が開くことは間違いないだろう。
全員、それなりの防御力を誇るローブや鎧を身につけているとはいえ、一瞬の判断ミスが死に繋がることは四人とも十分承知の上だった。
「やるしかないだろ。よし、いくぞ!」
ハルトが駆け出したと同時に、並行していたユキオも勢いよく地面を蹴り上げる。 ハルトよりも随分と豊満な体格にも関わらず、ほぼ横並びでついて来たユキオに、ハルトは少しだけ驚かされる。
後方ではモミジとマナツが魔法の詠唱を始めた。
猛烈に迫り来る二人に対してバジリスクは今一度、ライオンというよりは鳥のような甲高い鳴き声をあげて二人に飛びかかる。
迫り来る牙に死の気配を色濃く感じながらも、ユキオと剣を交差させるようにしてバジリスクの牙を抑え込む。激しい金属音が鼓膜を震わせる。
手を伸ばせば触ることのできる距離にバジリスクがいるという恐怖が、身を思わずすくませる。
しかし、ハルトは両手にかかる重圧に確かな違和感を感じた。
「な、なぁユキオ」
こんな状況でというべきか。いや、こんな状況だからこそハルトはユキオに呼びかける。
「な、なに……!?」
歯を食いしばり、迫り来るバジリスクの牙を必死の形相で受け止めているユキオは返事をするのも苦しいと言わんばかりに聞き返す。
「いやさ、なんか……」
「何ってば!」
「軽くない?」
「……へ?」
ユキオの表情から焦りの色が抜ける。ハルトも最早片手で剣を持ち、顔こそバジリスクの方を向いてはいるものの、明らかに表情は先ほどまでの険しいものではなかった。
「ほ、本当だ。なんだかスライムの突進を受け止めてるみたいだ」
ハルトの感じた違和感。それはあまりにもバジリスクの突進が軽すぎるというものだった。
バジリスクの突進は本来であれば、ユキオの言うスライムなどとは比較にならない威力を誇る。
ハルト自身も、バジリスクの突進による初撃で前衛が崩壊したパーティーの話を聞いていたため、決死の覚悟で剣を振りかざしたのだが、結果はあまりに軽すぎたのである。
「このバジリスクが謎に弱い個体なのか?」
ハルトの聞いた話では、バジリスクはCランクの魔法職が魔法を十数発叩き込んでようやく倒せる相手だと聞いた。しかし、魔剣士の魔法は他の魔法職のものよりも威力が格段に落ちる。
つまり四人が前衛と後衛を入れ替えつつ、エンドレス的に魔法を放ってようやく倒せるかもしれないという、なんとも絶望的なシチュエーション……のはずだった。
「そんな事例聞いたことないけど、とりあえず今は魔法が来るタイミングで離脱しよう」
「魔法オーケー! いくよー! 3、2、1――!!」
マナツの掛け声に合わせてハルトとユキオが一斉に剣でバジリスクを弾き、左右に飛び退く。
その瞬間、マナツの火の魔法とモミジの氷の魔法が同時に炸裂した。特大の火炎球と氷塊が宙を切り裂くようにバジリスクに突き刺さる。
その様を、ハルトは口をあんぐりと開けてその状況を呆然と眺めていた。
「威力高すぎだろ! 魔導師の三倍くらいあるじゃん!?」
本来であれば魔導師の火炎球と氷塊の魔法は木々を数本なぎ倒すほどの威力である。魔剣士の魔法となれば、木の一本を倒せればなかなか良いという程度だ。
しかし、マナツとモミジが放った魔法はバジリスクを軽々貫通しても威力を衰えることなく、森の木々を蹴散らし、前方を広く更地に変えて最後は炎と氷がぶつかり合い、凄まじい爆音と多量の水蒸気を撒き散らして消滅した。
当然ながら、身を貫かれたバジリスクは体の半分をやけ焦がし、もう半身はガチガチに氷づいた状態で絶命していた。
度重なる不可解すぎる出来事に、思わずその場にいた四人は地面にへたり込んだ。
「な、なんだこりゃー!?」
情けなく尻餅をついた姿で、空を見上げながら叫んだハルトの絶叫が森をこだましたのであった。
4
あなたにおすすめの小説
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした
コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。
クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。
召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。
理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。
ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。
これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。
追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした
新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。
「ヨシュア……てめえはクビだ」
ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。
「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。
危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。
一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。
彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる