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例えどんな理不尽な世界だとしても
使いみちは◯◯らしいですよ?
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ハルトの家は狭い。いや、むしろ冒険者三年目で一人暮らしをできているのだから、順調に稼げている証拠だろう。
冒険者は共同で部屋を借りて、複数人で住まうことの多い職業だ。パーティー全員で大部屋を借りて住むことも珍しくはない。その要因としてはやはり金銭的問題だ。
冒険者は他の職業に比べ、一攫千金はあるが、収入が安定しない。加えて、装備やアイテムなどの費用がこれまた馬鹿にならない。そういった理由で、ホームシェアをすることは珍しくなく、むしろ一般的なことだ。
しかし、ハルトはあえて一人を選択した。もちろん、元パーティーメンバーで一緒に住むという話も出てはいたが、あえて否定した。駆け出しにはやはり金銭的に厳しいものがあったが、頑なに一人を好んだ。
理由は単純、ハルトは他人と寝食を共同することが苦手だった。
それを聞いていたテトラが言及することは無かった。話さないという事は話したくないという事だ。
しかし、ハルト自身もテトラに本当の理由を隠していることが、バレている事はわかっていた。だからといって話す気はさらさら無い。彼は誤魔化すようにこう言った。
「――めんどくせ」
「しゅ、しゅごい……どうしようこれ」
「落ち着けモミジ。なんか言葉すごいぞ」
「いやいや、ハルトこれ実際やばいよ。やばいってレベルじゃ無いくらいやばいよ」
「お前も落ち着けユキオ。そんなやばい連呼するな。耳痛いわ」
「わ、私はこんなんじゃ、浮かれないよ。いや、ほんとに」
「わーこいつ目が泳ぎまくってやがるぜ」
狭い空間にベッドと木のテーブル、小さな収納箱しかない簡素な部屋に、四人は集まっていた。
テーブルには溢れんばかりの金貨の山。乗せきれなくて床にジャラジャラと落ちている。
「はぁー。お前ら、少しは落ち着けよ」
ハルトの吐くため息を飲み込むように、三人はブツブツと何かを呟き続ける。
「スライム様ありがとうございます。このマナツ、もう一生あなたを倒す事はないと誓います。ありがとうございます。ありがとうございます」
「これだけガロがあれば、お菓子をどれだけ買えるでしょうか……」
「やばいやばいやばいやばいやばいやばい」
黄金色のスライムジェネラルを特大魔法の四連撃でぶっ倒した結果、ギルドから報酬として受け取った金額は、なんと驚きの一千万ガロ。四人で平等に分けても一人当たり二百五十万ガロ。五年は何もしなくとも暮らしていける額。それどころか、軽く屋敷が立ってしまうような冒険者が持つにはあまりに多すぎる量だ。
「とりあえず五年は自宅警備で過ごそうかな俺……」
「何言ってんのハルト! Sランクパーティー目指すんでしょ!」
「誰もそんなこと一言も言っとらん。俺はめんどくさいことは嫌いなんだよ。寝てること以外は全部めんどい!」
「私はこのお金は、何かパーっと使うのがいい……と思います」
「僕もどのみち分けて渡されても使い道ないからなあ」
どうやらモミジとユキオは平等分けではなく、何か大きなことに使いたいようだ。ハルト個人としては正直なところ、目の前にある大量の金貨がどのように使われようと、実はあまり気になっていない。
金に執着が無いわけではないが、使い道を巡って口論を交わす行為がすでに億劫に感じた。
「んーでも、一千万ガロをパーっと使うって、実際かなり難しいよね」
「そうだね。私たち駆け出し冒険者はこんな大金扱ったことないし」
「冒険者が必要なものと言えば装備、アイテム、居住くらいしかないもんね」
マナツとモミジは使い道に関して相談している。ユキオも一人でうーんと唸っていた。
「ちょっと散歩でもしてくる。使い道は三人で決めてどーぞ」
「もーテキトーね。男ってやっぱりみんなこうよね」
「ちょ、僕はちゃんと話し合いに参加するからね」
協調性が無いな、とは思う。けれど、ハルトにとってそのくらいドライな関係でいたかった。深入りをすれば、失った時にそれだけ傷つくことになるのだから。
「あ、ようやく帰って来た!」
部屋のドアを開けるや否や、マナツの顔が至近距離に迫る。少し顔を前に出せば肌が触れてしまいそうなほど近い距離に、思わず胸が跳ねる。頬が少し火照るのを感じ、慌ててのけぞった。
「近ぇよ! そんで、使い道は決まったの?」
ふふんと言いたげに腕を組んで、仰々しく胸を張るマナツ。その後ろには長い間議論を重ねたのであろう、疲れ切った表情のモミジとユキオの姿がある。ちょっとだけ罪悪感が芽生えた。
ややあって、マナツは金貨の山を指差しながら言い放つ。
「家を買うわ!」
「だが、断るッ!」
「はぁ!? なんでよ!」
即答のハルトにマナツは青筋を立てる。それも当然、勝手に決めろと言っておきながら、頭ごなしに却下したのだから。
「俺は一人暮らしがいいの。住むなら三人で住めよな。俺はこの部屋にそのまま残るから」
「なーんでそんなこというの! 私たちパーティーはハルトも含めての四人よ! リーダーのハルトが住まないでどうすんの!」
「リーダーじゃねぇ! ……とにかく、家は駄目だ」
ハルトは頑なに拒む。
「ハルト君は私たちのこと、嫌い?」
モミジが少し悲しそうな顔を見せる。流石にその表情にはハルトも若干気圧された。
「い、いや、別に嫌いじゃないけど……」
「じゃあ、いいじゃない! というかもう物件も決めてあるし」
マナツは一枚のビラをハルトに半ば押し付けるように渡す。
冒険者が住むには十分なくらい大きな一軒家のイラストが描かれていた。金額までご丁寧に五百万ガロと書かれている。これ、貴族用の物件なのではないだろうか。
「ちなみにもう五百万ガロは装備とかをハイパー強化するための資金ね」
「ちょ、だから俺は住まないって――」
「勝手に決めていいって言ったよね? そもそも、ハルトに拒否権ないから」
「なっ……、うっ、確かに……」
このパーティーの本当のリーダーはマナツなのでは? と心の中でぼやきながら、めんどくさがってしまったことを心底後悔するハルトであった。
冒険者は共同で部屋を借りて、複数人で住まうことの多い職業だ。パーティー全員で大部屋を借りて住むことも珍しくはない。その要因としてはやはり金銭的問題だ。
冒険者は他の職業に比べ、一攫千金はあるが、収入が安定しない。加えて、装備やアイテムなどの費用がこれまた馬鹿にならない。そういった理由で、ホームシェアをすることは珍しくなく、むしろ一般的なことだ。
しかし、ハルトはあえて一人を選択した。もちろん、元パーティーメンバーで一緒に住むという話も出てはいたが、あえて否定した。駆け出しにはやはり金銭的に厳しいものがあったが、頑なに一人を好んだ。
理由は単純、ハルトは他人と寝食を共同することが苦手だった。
それを聞いていたテトラが言及することは無かった。話さないという事は話したくないという事だ。
しかし、ハルト自身もテトラに本当の理由を隠していることが、バレている事はわかっていた。だからといって話す気はさらさら無い。彼は誤魔化すようにこう言った。
「――めんどくせ」
「しゅ、しゅごい……どうしようこれ」
「落ち着けモミジ。なんか言葉すごいぞ」
「いやいや、ハルトこれ実際やばいよ。やばいってレベルじゃ無いくらいやばいよ」
「お前も落ち着けユキオ。そんなやばい連呼するな。耳痛いわ」
「わ、私はこんなんじゃ、浮かれないよ。いや、ほんとに」
「わーこいつ目が泳ぎまくってやがるぜ」
狭い空間にベッドと木のテーブル、小さな収納箱しかない簡素な部屋に、四人は集まっていた。
テーブルには溢れんばかりの金貨の山。乗せきれなくて床にジャラジャラと落ちている。
「はぁー。お前ら、少しは落ち着けよ」
ハルトの吐くため息を飲み込むように、三人はブツブツと何かを呟き続ける。
「スライム様ありがとうございます。このマナツ、もう一生あなたを倒す事はないと誓います。ありがとうございます。ありがとうございます」
「これだけガロがあれば、お菓子をどれだけ買えるでしょうか……」
「やばいやばいやばいやばいやばいやばい」
黄金色のスライムジェネラルを特大魔法の四連撃でぶっ倒した結果、ギルドから報酬として受け取った金額は、なんと驚きの一千万ガロ。四人で平等に分けても一人当たり二百五十万ガロ。五年は何もしなくとも暮らしていける額。それどころか、軽く屋敷が立ってしまうような冒険者が持つにはあまりに多すぎる量だ。
「とりあえず五年は自宅警備で過ごそうかな俺……」
「何言ってんのハルト! Sランクパーティー目指すんでしょ!」
「誰もそんなこと一言も言っとらん。俺はめんどくさいことは嫌いなんだよ。寝てること以外は全部めんどい!」
「私はこのお金は、何かパーっと使うのがいい……と思います」
「僕もどのみち分けて渡されても使い道ないからなあ」
どうやらモミジとユキオは平等分けではなく、何か大きなことに使いたいようだ。ハルト個人としては正直なところ、目の前にある大量の金貨がどのように使われようと、実はあまり気になっていない。
金に執着が無いわけではないが、使い道を巡って口論を交わす行為がすでに億劫に感じた。
「んーでも、一千万ガロをパーっと使うって、実際かなり難しいよね」
「そうだね。私たち駆け出し冒険者はこんな大金扱ったことないし」
「冒険者が必要なものと言えば装備、アイテム、居住くらいしかないもんね」
マナツとモミジは使い道に関して相談している。ユキオも一人でうーんと唸っていた。
「ちょっと散歩でもしてくる。使い道は三人で決めてどーぞ」
「もーテキトーね。男ってやっぱりみんなこうよね」
「ちょ、僕はちゃんと話し合いに参加するからね」
協調性が無いな、とは思う。けれど、ハルトにとってそのくらいドライな関係でいたかった。深入りをすれば、失った時にそれだけ傷つくことになるのだから。
「あ、ようやく帰って来た!」
部屋のドアを開けるや否や、マナツの顔が至近距離に迫る。少し顔を前に出せば肌が触れてしまいそうなほど近い距離に、思わず胸が跳ねる。頬が少し火照るのを感じ、慌ててのけぞった。
「近ぇよ! そんで、使い道は決まったの?」
ふふんと言いたげに腕を組んで、仰々しく胸を張るマナツ。その後ろには長い間議論を重ねたのであろう、疲れ切った表情のモミジとユキオの姿がある。ちょっとだけ罪悪感が芽生えた。
ややあって、マナツは金貨の山を指差しながら言い放つ。
「家を買うわ!」
「だが、断るッ!」
「はぁ!? なんでよ!」
即答のハルトにマナツは青筋を立てる。それも当然、勝手に決めろと言っておきながら、頭ごなしに却下したのだから。
「俺は一人暮らしがいいの。住むなら三人で住めよな。俺はこの部屋にそのまま残るから」
「なーんでそんなこというの! 私たちパーティーはハルトも含めての四人よ! リーダーのハルトが住まないでどうすんの!」
「リーダーじゃねぇ! ……とにかく、家は駄目だ」
ハルトは頑なに拒む。
「ハルト君は私たちのこと、嫌い?」
モミジが少し悲しそうな顔を見せる。流石にその表情にはハルトも若干気圧された。
「い、いや、別に嫌いじゃないけど……」
「じゃあ、いいじゃない! というかもう物件も決めてあるし」
マナツは一枚のビラをハルトに半ば押し付けるように渡す。
冒険者が住むには十分なくらい大きな一軒家のイラストが描かれていた。金額までご丁寧に五百万ガロと書かれている。これ、貴族用の物件なのではないだろうか。
「ちなみにもう五百万ガロは装備とかをハイパー強化するための資金ね」
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「勝手に決めていいって言ったよね? そもそも、ハルトに拒否権ないから」
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