51 / 79
召喚される者、召喚した者
リリーです?
しおりを挟む
「リリーというのです。よろしくおねがいしますです!」
ハルトに突然の告白をした少女リリーは、その大きな眼でハルトを見上げている。少しでも身長を高く見せようと背伸びをする様子は、まるで野うさぎが耳をピクピクと動かしているような印象を受ける。
フードを被っていた時はわからなかったことがある。頭のてっぺん。頭頂部からピョコッと長い髪が半弧を描いて癖っ毛となっていた。
低身長、童顔。もはや少女にしか見えないが、彼女は続けてこう言ったのである。
「リリーは、今年で十六なんです。あの、だから、成人済みです!」
……まごうごとなき少女であった。確かに十六で成人を迎えるとはいえ、二十に差し掛かったハルトからすれば四歳も年下。子供である。
「いや、あの……あ、はい……。ハルトと言います。こちらはパーティーメンバーのモミジ」
何を思ってか、つられて敬語になってしまった。
「……よろしくお願いします」
後方から聞こえてくるモミジの声は、やけに不機嫌そうでいつもより声のトーンが低い。
なんででしょうか……。後ろを振り向くのが怖いですね……うん。
「そ、それで、なんで俺たちの後をつけて来たのかな……?」
「えっ、ハルトさんのことが好きだからです。ラブです」
「……うん?」
リリーはぽかんとしている。おそらく、彼女からすれば、後を尾けるという行為が良くないことだという認識がなさそうだ。
「……ハルト君。魔法……」
ボソッとつぶやいたモミジの声はもはや冷徹。明らかにやばいオーラをぷんぷんに放っている。
いや、ってか魔法……がなに? 怖い、怖い……!
生唾を飲み込み、意を決して振り向く。モミジの目は完全に冷え切っており、魔力を解放しすぎて前髪が浮きだっている。身につけたローブすら、バサバサと波打っていた。
「お、落ち着いてモミジ……! なんでそんなに怒ってるの!?」
「えっ……私、怒ってないですよ。ええ、怒ってないです」
「怒ってなかったら、……と思う。っていうよね!? と、とにかく魔力抑えて!」
モミジはしぶしぶといったように解放寸前であった魔力を離散させる。バフッと風圧がのしかかる。
ハルトとモミジのやり取りを見ていたリリーは頬をぷっくりと膨らませ、両手を体の前に持ってきて外套をぎゅっと下げるように握りしめていた。
「むー。ハルトさんを惑わす悪魔め! リリーはあなたを許しません!」
体を反って、片手を腰に当てて、もう片手でモミジをビシッと指差しているリリーの姿は、やはりどこからどう見ても少女そのものであった。しかし、体をそらしたことでわかったことがある。胸部は明らかに少女ではないということに……。
モミジやマナツと比較しても明らかに大きい。いや、だから何だというのだけれども……。
「……女狐」
モミジがボソッと呟いた。
あぁ、怖いよ。なんだこの板挟み……。
「ちょ、ちょっと待って。あの、初対面でいきなり、その、ラブとか言われても、理解が追いつかないというか……」
「むむっ、リリーは初対面ではないですよ。魔軍侵略のときにリリーはハルトさんに命を救われました。中央広場で、魔物に襲われてたリリーの元に颯爽と駆け寄り、敵を一刀両断したあのお姿……。まさに胸を奪われたというやつです」
「あー……確かに冒険者の黒髪少女を助けたような、助けてないような……」
「むー! 覚えていてくださらなかったのは悲しいですが、これからリリーと共に歩むのですから、いっぱいリリーを見てください!」
なんか、勝手に話が進んでいる気もするが、どうしよう……。だんだん、めんどくさくなってきたぞ。いや、最初から振り切るほどめんどくさいのだけれど。
「んっ……? ということは、リリーは冒険者?」
「はい、そうですよ。勇者の印、見ますか?」
そういうとリリーは外套ごと服をめくり出した。
「ちょ、ちょ、ちょっ! 待って! なんで……!?」
リリーの白い素肌が目に飛び込み、勢いよく視線をそらした。その際、モミジと目が合ってしまい、彼女の呆れるような目が突き刺さった。精神的ダメージがすごすぎる。
リリーは腹上で服をまくる手を止めた。
「えっ、だってリリーの印は左胸にあるんです。ハルトさんが見たいっていうから……。他の人には見せないですよ、もちろん」
「いや、見ない……! 見ないから!」
この発言は、どちらかというとリリーではなく、モミジに向けて言った発言といえよう。
「とはいえ、リリーは今年から冒険者になった駆け出しなのです。あ、ちなみに職業は、ハルトさんと同じ魔剣士ですよ」
「えっ……魔剣士?」
「はい、そうです。正直、魔剣士って弱いので嫌いだったんですけど、ハルトさんはとても強かったですし、世間で言われている不遇職ってわけでもないのかなぁって」
ズキッと胸が痛んだ。違うんだ、魔剣士は本当は弱い職業なんだ。そう言いたいところであるが、彼女はそんな言葉に耳を貸すことはないだろう。
いわば偽りの強さだ。誇れるものではない。
「そういうわけで、ハルトさん。子供は何人欲しいですか?」
「……おふっ」
「リリー的には三人くらいがいいんですけど、どうです?」
「あのね、リリー。はっきりいうけど、俺は君のことが好きでも嫌いでもないんだよ。俺からしたら初対面だし。だからね、その、いきなり付き合うとか、結婚とかはちょっと、ね……」
ここにマナツがいたら「はっきりしない物言いは良くないよ!」と説教をされてしまいそうだ。
正直、付き合うとか結婚とか、今まで無関心すぎて、こういった状況を冷静に対処できるだけの心の余裕はハルトにはない。
「そ、そうです。ハルト君はお淑やかな人が好きなんです! だから、ダメッ……だと思います」
それ今言う必要あるんですかね、モミジさん……。っていうか、なんか、ムキになっていません?
でも、確かに仲間が困っていたら助け舟を出すのは自然なことだ。あくまで、仲間のため。そういうことだろう。
「がーん! ハルトさん、お淑やかな女性が好きなんですか……? はっ! まさか、もう意中の相手が……!」
うっわ、どうしよう、この質問……。
ハルトは両手を組み、唸るようにため息をついた。
「……好きっていうか、気になっている人なら」
ぐぁぁぁぁぁぁぁ、穴に入りたい……! バレていないよね? 大丈夫だよな?
恐る恐るモミジを見ると、なぜか今にも泣き出しそうに顔を歪ませている。
「もしかして……やっぱりアカメさん……」
モミジが呟く。声が震えているのが良くわかった。
「えっ、ちょっ、はい? なんでアカメがでてく――」
「くやしーい、です! 」
否定の言葉はリリーによって遮られてしまう。よくよく見ると、リリーも涙袋に雫を目一杯ためている。側から見れば、二人の女性を泣かそうとしている男にしか見えない。
「でも! リリーは諦めませんから! 絶対にハルトさんをラブに染めて見せます! 覚悟しといてくださいね!」
リリーは矢継ぎ早にフードを深く被り、踵を返して走り去っていってしまった。
ハルトは心底疲れたようにため息をついた。モミジを見ると、がっくりとうなだれている。長い前髪がさらに顔を覆い隠すようにかぶさっている様子は、心情をよく表していて、もはや髪に意思あるように思える。
「ほんと、何だったんだ……」
ハルトに突然の告白をした少女リリーは、その大きな眼でハルトを見上げている。少しでも身長を高く見せようと背伸びをする様子は、まるで野うさぎが耳をピクピクと動かしているような印象を受ける。
フードを被っていた時はわからなかったことがある。頭のてっぺん。頭頂部からピョコッと長い髪が半弧を描いて癖っ毛となっていた。
低身長、童顔。もはや少女にしか見えないが、彼女は続けてこう言ったのである。
「リリーは、今年で十六なんです。あの、だから、成人済みです!」
……まごうごとなき少女であった。確かに十六で成人を迎えるとはいえ、二十に差し掛かったハルトからすれば四歳も年下。子供である。
「いや、あの……あ、はい……。ハルトと言います。こちらはパーティーメンバーのモミジ」
何を思ってか、つられて敬語になってしまった。
「……よろしくお願いします」
後方から聞こえてくるモミジの声は、やけに不機嫌そうでいつもより声のトーンが低い。
なんででしょうか……。後ろを振り向くのが怖いですね……うん。
「そ、それで、なんで俺たちの後をつけて来たのかな……?」
「えっ、ハルトさんのことが好きだからです。ラブです」
「……うん?」
リリーはぽかんとしている。おそらく、彼女からすれば、後を尾けるという行為が良くないことだという認識がなさそうだ。
「……ハルト君。魔法……」
ボソッとつぶやいたモミジの声はもはや冷徹。明らかにやばいオーラをぷんぷんに放っている。
いや、ってか魔法……がなに? 怖い、怖い……!
生唾を飲み込み、意を決して振り向く。モミジの目は完全に冷え切っており、魔力を解放しすぎて前髪が浮きだっている。身につけたローブすら、バサバサと波打っていた。
「お、落ち着いてモミジ……! なんでそんなに怒ってるの!?」
「えっ……私、怒ってないですよ。ええ、怒ってないです」
「怒ってなかったら、……と思う。っていうよね!? と、とにかく魔力抑えて!」
モミジはしぶしぶといったように解放寸前であった魔力を離散させる。バフッと風圧がのしかかる。
ハルトとモミジのやり取りを見ていたリリーは頬をぷっくりと膨らませ、両手を体の前に持ってきて外套をぎゅっと下げるように握りしめていた。
「むー。ハルトさんを惑わす悪魔め! リリーはあなたを許しません!」
体を反って、片手を腰に当てて、もう片手でモミジをビシッと指差しているリリーの姿は、やはりどこからどう見ても少女そのものであった。しかし、体をそらしたことでわかったことがある。胸部は明らかに少女ではないということに……。
モミジやマナツと比較しても明らかに大きい。いや、だから何だというのだけれども……。
「……女狐」
モミジがボソッと呟いた。
あぁ、怖いよ。なんだこの板挟み……。
「ちょ、ちょっと待って。あの、初対面でいきなり、その、ラブとか言われても、理解が追いつかないというか……」
「むむっ、リリーは初対面ではないですよ。魔軍侵略のときにリリーはハルトさんに命を救われました。中央広場で、魔物に襲われてたリリーの元に颯爽と駆け寄り、敵を一刀両断したあのお姿……。まさに胸を奪われたというやつです」
「あー……確かに冒険者の黒髪少女を助けたような、助けてないような……」
「むー! 覚えていてくださらなかったのは悲しいですが、これからリリーと共に歩むのですから、いっぱいリリーを見てください!」
なんか、勝手に話が進んでいる気もするが、どうしよう……。だんだん、めんどくさくなってきたぞ。いや、最初から振り切るほどめんどくさいのだけれど。
「んっ……? ということは、リリーは冒険者?」
「はい、そうですよ。勇者の印、見ますか?」
そういうとリリーは外套ごと服をめくり出した。
「ちょ、ちょ、ちょっ! 待って! なんで……!?」
リリーの白い素肌が目に飛び込み、勢いよく視線をそらした。その際、モミジと目が合ってしまい、彼女の呆れるような目が突き刺さった。精神的ダメージがすごすぎる。
リリーは腹上で服をまくる手を止めた。
「えっ、だってリリーの印は左胸にあるんです。ハルトさんが見たいっていうから……。他の人には見せないですよ、もちろん」
「いや、見ない……! 見ないから!」
この発言は、どちらかというとリリーではなく、モミジに向けて言った発言といえよう。
「とはいえ、リリーは今年から冒険者になった駆け出しなのです。あ、ちなみに職業は、ハルトさんと同じ魔剣士ですよ」
「えっ……魔剣士?」
「はい、そうです。正直、魔剣士って弱いので嫌いだったんですけど、ハルトさんはとても強かったですし、世間で言われている不遇職ってわけでもないのかなぁって」
ズキッと胸が痛んだ。違うんだ、魔剣士は本当は弱い職業なんだ。そう言いたいところであるが、彼女はそんな言葉に耳を貸すことはないだろう。
いわば偽りの強さだ。誇れるものではない。
「そういうわけで、ハルトさん。子供は何人欲しいですか?」
「……おふっ」
「リリー的には三人くらいがいいんですけど、どうです?」
「あのね、リリー。はっきりいうけど、俺は君のことが好きでも嫌いでもないんだよ。俺からしたら初対面だし。だからね、その、いきなり付き合うとか、結婚とかはちょっと、ね……」
ここにマナツがいたら「はっきりしない物言いは良くないよ!」と説教をされてしまいそうだ。
正直、付き合うとか結婚とか、今まで無関心すぎて、こういった状況を冷静に対処できるだけの心の余裕はハルトにはない。
「そ、そうです。ハルト君はお淑やかな人が好きなんです! だから、ダメッ……だと思います」
それ今言う必要あるんですかね、モミジさん……。っていうか、なんか、ムキになっていません?
でも、確かに仲間が困っていたら助け舟を出すのは自然なことだ。あくまで、仲間のため。そういうことだろう。
「がーん! ハルトさん、お淑やかな女性が好きなんですか……? はっ! まさか、もう意中の相手が……!」
うっわ、どうしよう、この質問……。
ハルトは両手を組み、唸るようにため息をついた。
「……好きっていうか、気になっている人なら」
ぐぁぁぁぁぁぁぁ、穴に入りたい……! バレていないよね? 大丈夫だよな?
恐る恐るモミジを見ると、なぜか今にも泣き出しそうに顔を歪ませている。
「もしかして……やっぱりアカメさん……」
モミジが呟く。声が震えているのが良くわかった。
「えっ、ちょっ、はい? なんでアカメがでてく――」
「くやしーい、です! 」
否定の言葉はリリーによって遮られてしまう。よくよく見ると、リリーも涙袋に雫を目一杯ためている。側から見れば、二人の女性を泣かそうとしている男にしか見えない。
「でも! リリーは諦めませんから! 絶対にハルトさんをラブに染めて見せます! 覚悟しといてくださいね!」
リリーは矢継ぎ早にフードを深く被り、踵を返して走り去っていってしまった。
ハルトは心底疲れたようにため息をついた。モミジを見ると、がっくりとうなだれている。長い前髪がさらに顔を覆い隠すようにかぶさっている様子は、心情をよく表していて、もはや髪に意思あるように思える。
「ほんと、何だったんだ……」
2
あなたにおすすめの小説
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした
新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。
「ヨシュア……てめえはクビだ」
ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。
「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。
危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。
一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。
彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる