61 / 79
召喚される者、召喚した者
皮肉だよなぁ?
しおりを挟む
ライズはため息をついた。同時に隣で小生意気に鼻を鳴らす青年にヤヒロが青筋を立てた。
「あぁびぃぃとぉぉ――ッ! てめぇ何度言ったら分かるんだよ! 先輩舐めてんのか? おぉん?」
牙を立ててアビトに迫るヤヒロに、なんだか恥ずかしくなった。とはいえ、ヤヒロが激昂するのも無理はない。
異世界より召喚された勇者の内の一人――アビトの育成を任された。
ライズたちからすれば、人の教育をすることは特に珍しいことでもなく、今までもやれ貴族の子供に剣術を教えろだの、やれ王国の兵士に訓練を付けてくれなど、人に何かを教え込む強制的な依頼は多くこなしてきた。むしろ、相手が変に階級が高いわけではないという点では楽だ。いや、楽なはずであった。
しかし、アビトの子守りは予想以上に面倒であった。
まず、とにかく生意気。事あるごとに王国の名前を出して、優位性を保とうとしてくる。
次に、暇さえあればライズたちを特殊スキルの『魔門開脈』によって召喚した魔物で命を狙いに来る。
現に今ヤヒロが激昂しているのが、この魔門開脈によって今日何度目かの暗殺を試みられたからである。
もちろん、経験浅いアビトにライズたちを倒すことなど毛頭できず、全て返り討ちにあっているわけだが、それでもアビトはひたむきに魔力が続く限り、魔物を召喚し続けるのだ。
「やだなぁ。これも僕が早く成長して、ヤヒロ先輩たちの手を煩わせないようにしようとしている結果ですよ」
いつもならば、コマチがヤヒロをなだめてくれるのだが、残念ながらここはディザスター内。しかも、CランクとBランクの魔物が出現する火山だ。人数制限の関係で、コマチとイアンはイルコスタに待機させている。
「俺らを狙うより、魔物を狙え! おら、来てるぞ魔物」
ヤヒロが指さした方向から、背筋がピキッと軋むような殺気が漂ってくる。そして、大きな岩陰から姿を現したのは、マグマで全身を纏った熊――『ボルグベアー』だ。
Cランクの魔物ではあるが、数が問題だ。最初に姿を現したボルグベアーに続き、後方にもう二体のボルグベアーが控えている。
「全く、先輩たちも戦ってくださいよ」
アビトはアッシュメッシュの入る黒髪をぼりぼりとかきむしりながら、一つあくびをする。のんきな奴だ。
普通、駆け出しの冒険者であれば、ボルグベアーなんて目にした瞬間、腰を抜かして尻餅をつくか、一目散に逃げだしてしまうのだが、アビトはどこまでもつかめない青年だ。
そもそも、彼の特殊スキルが強力過ぎるがゆえに、常に慢心状態。何度、言い聞かせても直す気配すら見せないので、ライズは早々に諦めた。アビトは誰かに師事を仰ぐより、一人で成長する方が早いタイプだ。
結果論ではあるが、倒せば態度など、どうでもよいのだ。冒険者にマナーなんてものはほとんど存在しないのだから。
「何言ってんだアホ。お前のためにわざわざこんなあっちぃところに来てんだ。さっさと倒せよ、おら」
「はぁ……、はいはい……」
アビトの目の前に巨大な魔方陣が展開する。そして、アビトのゆっくりと振り上げる手に呼応するように、魔方陣から漆黒の毛皮を持つ熊が現れた。見たことがない魔物だが、直感で判別するならBランク程度の魔物だろう。
「けっ、熊に熊を当てるなんて、どこまでも性格の悪い奴だぜ」
ヤヒロがあきれたようにライズの隣に腰を下ろした。気怠そうな態度ではあるが、手は常に大剣の柄に触れている。
アビトはさらに二つの魔方陣を展開し、同じく黒熊を二体呼び出した。
「――いってください」
アビトの手がびしっと前方のボルグベアーを指さした。
黒熊は猛然とボルグベアーに向かって突進し、ギラリと輝く鋭いかぎ爪を振るった。ボルグベアーも負けじとグツグツと燃える体毛でかぎ爪を受け止める。
肉が焼けるような音がするが、黒熊はそんなことお構いなしに、ボルグベアーのマグマ肌に噛みつき、その血肉ごと食い破った。
ライズは剣と盾を持って立ち上がり、アビトから背を向ける。
「ヤヒロ、後は任せた。俺はイアンに迎えを呼ばせる」
「へいへーい。早めに頼むぜー。暑くてたまんねぇよ」
火山を出て、出発前にイアンから受け取っていた小さな魔石を剣で砕いた。すると、粉々に砕け散った破片が再度、形を構成し、小さな鳥となってイルコスタにいるイアンの元へ飛び去って行く。
イアンが来るまで、およそ一時間半というところだろうか。
全く、皮肉もいいところである。勇者に最も近いと呼ばれていたライズたちが、勇者を育てる羽目になるのだから、腹立たしさとむずがゆさにどうかなりそうだ。
別に地位なんてものはどうでもいい。しかし、冒険者としての純粋な強さだけは、誰にも負けたくはない。最近では、パっと出てきた魔剣士のパーティーに完全に劣っていると自覚したが、さらに異世界人によって追い打ちをかけられるとは、誰が予想できただろうか。
異世界人の特殊スキルは、純粋な冒険者では到底及ばない強力なスキルだ。アビトの魔門開脈と同等か、それ以上の特殊スキルを残りの三人の勇者も持っているのである。そんな異世界人がパーティーなんて組もうものなら、それこそどんなに足掻こうが勝ち目がなくなる。
強い存在でありたい。しかし、どうしても抗えない理不尽な力によって、己の強さが薄れる。積み上げてきた何かが、ゆっくりと崩れていく気配がした。
「どうすればいいんだよ……」
全く、意地悪な世界だ。
「さて、俺もやることをやってしまうか……」
先ほどから痛いほどに感じていた殺気を排除しなくてはならない。おそらく、ヤヒロも気づいていただろう。彼の発言の「早めに頼む」とは、火山の周りに張っているストーキング野郎たちをさっさと追い払え、という意味も込められていたのだろう。
殺気を常に向けていられるのは、気が良いものではない。肌を常にチクチクと細い針で刺されているような気分。針の筵だ。
しかし、殺気の隠し方も学んでいない奴らを仕向けてくるとは、舐められたものだな。
怠惰な思いと、若干の憤り、あとは八つ当たりも兼ねて、ライズは抑え込んでいた殺気を解き放った。
空気がびりびりと震える。
それからは簡単なものだ。ライズの殺気に焦って飛び出してきた、道外れの冒険者を受動的に皆殺しにするだけの作業。こいつらは人じゃない。だから、心は痛まない。どうして、己を殺そうとする者に同情が出来ようか。
最後の一人に剣を突き立て、ライズは考えた。
どうして召喚系の特殊スキルを持つアビトの育成を任されたのだろうか。もう一つのAランクパーティーであるラザリアのところには、確か召喚魔法の使える魔導師がいたはずだ。本来であれば、ラザリアのパーティーにアビトを預けるのが妥当なはずだが。
それに異世界人の召喚を行ったのもラザリアのとこの魔導師だと聞いている。なおさら、ライズたちのパーティーにアビトを押し付けられたのは納得がいかない。
召喚された勇者は、魔導師が二人、重戦士が一人、魔剣士が一人。どうにも偏った編成ではあるが、それでも一応パーティーとしてのカタチにはなるであろう。
魔剣士の勇者は、ソーサルにいる魔剣士のパーティーに預けられたと耳にした。おそらく、というか十中八九ハルトたちの事だろう。
俄かに不安である。ハルトたちは謎のパーティーバフによって、大概の魔物や冒険者に後れを取ることは無いはずだが、果たして勇者が狙われる存在であると、理解しているのだろうか。
もし、ハルトたちが人間による襲撃を予期していないとすれば、不意打ちをくらうことになる。まだまだ経験の浅い彼らでは、もしかしたら対処ができないかもしれない。
人を殺すというのは、魔物を屠るのとはわけが違う。全く別種の覚悟と、心の持ちようが必要だ。そして、少なくともハルトにその能力は備わっていない。
「……近いうちにソーサルに帰るか」
忠告も兼ねて、ホームに帰るとしよう。最近ではイルコスタに出現する魔物も以前より数が減ったため、ライズたちがいなくとも現地の冒険者たちで何とかなる程度には収まって来た。
ふいに、背後に突如出現した気配を瞬時に悟り、前飛びすると同時に身をねじって、剣を薙ぎ払う。
鋭いかぎ爪とライズの剣が火花を散らした。漆黒の毛皮に身を纏い、紅色の瞳を爛々と輝かせる黒熊を見て、ライズは再びため息をついた。
「あぁびぃぃとぉぉ――ッ! てめぇ何度言ったら分かるんだよ! 先輩舐めてんのか? おぉん?」
牙を立ててアビトに迫るヤヒロに、なんだか恥ずかしくなった。とはいえ、ヤヒロが激昂するのも無理はない。
異世界より召喚された勇者の内の一人――アビトの育成を任された。
ライズたちからすれば、人の教育をすることは特に珍しいことでもなく、今までもやれ貴族の子供に剣術を教えろだの、やれ王国の兵士に訓練を付けてくれなど、人に何かを教え込む強制的な依頼は多くこなしてきた。むしろ、相手が変に階級が高いわけではないという点では楽だ。いや、楽なはずであった。
しかし、アビトの子守りは予想以上に面倒であった。
まず、とにかく生意気。事あるごとに王国の名前を出して、優位性を保とうとしてくる。
次に、暇さえあればライズたちを特殊スキルの『魔門開脈』によって召喚した魔物で命を狙いに来る。
現に今ヤヒロが激昂しているのが、この魔門開脈によって今日何度目かの暗殺を試みられたからである。
もちろん、経験浅いアビトにライズたちを倒すことなど毛頭できず、全て返り討ちにあっているわけだが、それでもアビトはひたむきに魔力が続く限り、魔物を召喚し続けるのだ。
「やだなぁ。これも僕が早く成長して、ヤヒロ先輩たちの手を煩わせないようにしようとしている結果ですよ」
いつもならば、コマチがヤヒロをなだめてくれるのだが、残念ながらここはディザスター内。しかも、CランクとBランクの魔物が出現する火山だ。人数制限の関係で、コマチとイアンはイルコスタに待機させている。
「俺らを狙うより、魔物を狙え! おら、来てるぞ魔物」
ヤヒロが指さした方向から、背筋がピキッと軋むような殺気が漂ってくる。そして、大きな岩陰から姿を現したのは、マグマで全身を纏った熊――『ボルグベアー』だ。
Cランクの魔物ではあるが、数が問題だ。最初に姿を現したボルグベアーに続き、後方にもう二体のボルグベアーが控えている。
「全く、先輩たちも戦ってくださいよ」
アビトはアッシュメッシュの入る黒髪をぼりぼりとかきむしりながら、一つあくびをする。のんきな奴だ。
普通、駆け出しの冒険者であれば、ボルグベアーなんて目にした瞬間、腰を抜かして尻餅をつくか、一目散に逃げだしてしまうのだが、アビトはどこまでもつかめない青年だ。
そもそも、彼の特殊スキルが強力過ぎるがゆえに、常に慢心状態。何度、言い聞かせても直す気配すら見せないので、ライズは早々に諦めた。アビトは誰かに師事を仰ぐより、一人で成長する方が早いタイプだ。
結果論ではあるが、倒せば態度など、どうでもよいのだ。冒険者にマナーなんてものはほとんど存在しないのだから。
「何言ってんだアホ。お前のためにわざわざこんなあっちぃところに来てんだ。さっさと倒せよ、おら」
「はぁ……、はいはい……」
アビトの目の前に巨大な魔方陣が展開する。そして、アビトのゆっくりと振り上げる手に呼応するように、魔方陣から漆黒の毛皮を持つ熊が現れた。見たことがない魔物だが、直感で判別するならBランク程度の魔物だろう。
「けっ、熊に熊を当てるなんて、どこまでも性格の悪い奴だぜ」
ヤヒロがあきれたようにライズの隣に腰を下ろした。気怠そうな態度ではあるが、手は常に大剣の柄に触れている。
アビトはさらに二つの魔方陣を展開し、同じく黒熊を二体呼び出した。
「――いってください」
アビトの手がびしっと前方のボルグベアーを指さした。
黒熊は猛然とボルグベアーに向かって突進し、ギラリと輝く鋭いかぎ爪を振るった。ボルグベアーも負けじとグツグツと燃える体毛でかぎ爪を受け止める。
肉が焼けるような音がするが、黒熊はそんなことお構いなしに、ボルグベアーのマグマ肌に噛みつき、その血肉ごと食い破った。
ライズは剣と盾を持って立ち上がり、アビトから背を向ける。
「ヤヒロ、後は任せた。俺はイアンに迎えを呼ばせる」
「へいへーい。早めに頼むぜー。暑くてたまんねぇよ」
火山を出て、出発前にイアンから受け取っていた小さな魔石を剣で砕いた。すると、粉々に砕け散った破片が再度、形を構成し、小さな鳥となってイルコスタにいるイアンの元へ飛び去って行く。
イアンが来るまで、およそ一時間半というところだろうか。
全く、皮肉もいいところである。勇者に最も近いと呼ばれていたライズたちが、勇者を育てる羽目になるのだから、腹立たしさとむずがゆさにどうかなりそうだ。
別に地位なんてものはどうでもいい。しかし、冒険者としての純粋な強さだけは、誰にも負けたくはない。最近では、パっと出てきた魔剣士のパーティーに完全に劣っていると自覚したが、さらに異世界人によって追い打ちをかけられるとは、誰が予想できただろうか。
異世界人の特殊スキルは、純粋な冒険者では到底及ばない強力なスキルだ。アビトの魔門開脈と同等か、それ以上の特殊スキルを残りの三人の勇者も持っているのである。そんな異世界人がパーティーなんて組もうものなら、それこそどんなに足掻こうが勝ち目がなくなる。
強い存在でありたい。しかし、どうしても抗えない理不尽な力によって、己の強さが薄れる。積み上げてきた何かが、ゆっくりと崩れていく気配がした。
「どうすればいいんだよ……」
全く、意地悪な世界だ。
「さて、俺もやることをやってしまうか……」
先ほどから痛いほどに感じていた殺気を排除しなくてはならない。おそらく、ヤヒロも気づいていただろう。彼の発言の「早めに頼む」とは、火山の周りに張っているストーキング野郎たちをさっさと追い払え、という意味も込められていたのだろう。
殺気を常に向けていられるのは、気が良いものではない。肌を常にチクチクと細い針で刺されているような気分。針の筵だ。
しかし、殺気の隠し方も学んでいない奴らを仕向けてくるとは、舐められたものだな。
怠惰な思いと、若干の憤り、あとは八つ当たりも兼ねて、ライズは抑え込んでいた殺気を解き放った。
空気がびりびりと震える。
それからは簡単なものだ。ライズの殺気に焦って飛び出してきた、道外れの冒険者を受動的に皆殺しにするだけの作業。こいつらは人じゃない。だから、心は痛まない。どうして、己を殺そうとする者に同情が出来ようか。
最後の一人に剣を突き立て、ライズは考えた。
どうして召喚系の特殊スキルを持つアビトの育成を任されたのだろうか。もう一つのAランクパーティーであるラザリアのところには、確か召喚魔法の使える魔導師がいたはずだ。本来であれば、ラザリアのパーティーにアビトを預けるのが妥当なはずだが。
それに異世界人の召喚を行ったのもラザリアのとこの魔導師だと聞いている。なおさら、ライズたちのパーティーにアビトを押し付けられたのは納得がいかない。
召喚された勇者は、魔導師が二人、重戦士が一人、魔剣士が一人。どうにも偏った編成ではあるが、それでも一応パーティーとしてのカタチにはなるであろう。
魔剣士の勇者は、ソーサルにいる魔剣士のパーティーに預けられたと耳にした。おそらく、というか十中八九ハルトたちの事だろう。
俄かに不安である。ハルトたちは謎のパーティーバフによって、大概の魔物や冒険者に後れを取ることは無いはずだが、果たして勇者が狙われる存在であると、理解しているのだろうか。
もし、ハルトたちが人間による襲撃を予期していないとすれば、不意打ちをくらうことになる。まだまだ経験の浅い彼らでは、もしかしたら対処ができないかもしれない。
人を殺すというのは、魔物を屠るのとはわけが違う。全く別種の覚悟と、心の持ちようが必要だ。そして、少なくともハルトにその能力は備わっていない。
「……近いうちにソーサルに帰るか」
忠告も兼ねて、ホームに帰るとしよう。最近ではイルコスタに出現する魔物も以前より数が減ったため、ライズたちがいなくとも現地の冒険者たちで何とかなる程度には収まって来た。
ふいに、背後に突如出現した気配を瞬時に悟り、前飛びすると同時に身をねじって、剣を薙ぎ払う。
鋭いかぎ爪とライズの剣が火花を散らした。漆黒の毛皮に身を纏い、紅色の瞳を爛々と輝かせる黒熊を見て、ライズは再びため息をついた。
2
あなたにおすすめの小説
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした
新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。
「ヨシュア……てめえはクビだ」
ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。
「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。
危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。
一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。
彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる