転生ドラゴンの魔法使い~魔法はガチでプログラムだった~

喰寝丸太

文字の大きさ
42 / 164
第7章 国境のドラゴン

第42話 傷治癒魔法

しおりを挟む
「降りて下さい。お願いします」

 タルコットは村を見つけると大きな声で懇願した。

「利点」
「傷治癒の魔法をお教えします」

 俺は粘れとミニアに伝言魔法を飛ばした。

「もう。一声」
「病気治療の魔法もつけます。但し客を集めるのを手伝って下さい」

 ただでは転ばないな。
 客集めか。
 ミニアに何を要求するんだろう。
 なんとなく興味をひかれた。
 承諾の言葉をミニアに送る。

「成立」

 俺は村の前に着陸した。
 村人は思い思いの武器を手にして鞍から降りようとしている三人をポカンと見上げていた。

「商人のタルコットです。布、魔道具を取り揃えています。皆さんお誘いの上お越し下さい」

 タルコットはミニアに指示を小声で出した。
 敷物と商品をアイテムボックスから出して下さいって、それは別に構わない。
 その後に続いた言葉が問題だった。
 ドラゴンに踊りを踊らせてもらえませんか。
 何だって。
 客寄せは俺がやるのかよ。
 しょうがないドラゴンの短い後ろ足で踊れそうなので思いついたのが阿波踊りだった。
 記憶をほじくり返し一生懸命踊る。

「見て、見て、ドラゴンがパニックになっているよ。おかしいんだぁ」

 塀の内側に隠れていた子供が興味持って村の外へ出てきた。
 一応成功なのかな。

「なんとなく見栄えが悪いですな。ミニア様、別の踊りを」

 駄目なのか。
 じゃあ、今度はフラダンスだ。
 ドラゴンの前足はフラダンスを踊る様には出来ていない。
 もの凄く変だと思う。

「見て、ドラゴンが手招きしている」

 フラダンスが手招きに見えるのか。
 なら招き猫のポーズで良いんじゃないのか。
 俺は昔流行った動く招き猫よろしく招きドラゴンを演じた。
 これが馬鹿受け。
 タルコットの商品は次々に売れていく。
 客足が止まったので俺は早く魔法を寄越せとミニアに伝言魔法を送った。

「報酬」
「ミニア様のおかげで沢山売れました。これが報酬の魔法です」

 俺はミニアの頭越しに覗き込んだ。
 よし解析だ。
 傷治療魔法のイメージは。

void main(void)
{
 TEL *tpi,*tpo; /*体の定義*/
 tpi=topen("魔法名.body"); /*体を開く*/
 tpo=topen("temp"); /*仮体を開く*/
 healing(tpi,tpo); /*傷治癒*/
 tclose(tpi); /*閉じる*/
 tclose(tpo); /*閉じる*/
 system("copy /-Y temp 魔法名.body"); /*体書き換え*/
 tpi=topen("魔法名.body"); /*体を開き直し*/
 body_remake(tpi); /*体を元に体を再構成*/
 tclose(tpi); /*閉じる*/

}

 この呪文魔法名が分からないと使えない。
 非常に使いづらい。
 なんとかするのも今後の課題だ。
 病気治療の方は後でゆっくりとみる事にした。

 ミニアは村の子供達と仲良くなり遊び始めた。
 たしか村に住んでいたのだったな。
 村が懐かしいのかも知れない。

 しばらく魔法の事を考えて目を離していたら、ミニアは指を咥えていた。
 なんだ赤ちゃん返りか。

「むっ。指切った」

 そうか指切ったのか。
 どれ見せてみなさい。

 少しだけだな。
 ポーションはもったいないからさっき覚えたばかりの魔法を使うか。
 魔法を使うと傷がかさぶたになった。
 こんな感じか。
 これだと重症は治らないな。

「わーん、私も切った」

 ミニアと遊んでいた女の子が泣き喚いた。
 見ると少し深い傷を手の平に負っている。
 なんの遊びをしているんだ。
 木の棒とナイフがあり、木屑が散らばっていた。
 木剣でも作ろうとしていたのかな。
 それよりも治療だ。

 普通の魔法だと不味いかも。
 旅に出る前にタルコットに貰った実行できない魔法にこんな魔法があったのを思い出した。
 イメージはこうだ。

void healing(TEL *tpi,TEL *tpo)
{
 int i; /*カウンター*/
 char s[256]; /*読み込みの領域*/
 while(tgets(s,256,tpi)!= NULL ){ /*たぶん体読み込みが尽きるまで繰り返す*/
  i=0;
  while(s[i]!='\0'){ /*データが終わるまで繰り返す*/
   if(s[i]==SCAR ){ /*傷なら*/
    s[i]=SCAB; /*肉体をかさぶたに*/
   }
   i++;
  }
  tputs(s,tpo); /*体を出力*/
 }
}

 傷治療魔法の中身だな。
 これだと傷をかさぶたに置き換えているだけだ。
 駄目だな。
 女の子には悪いが少し待ってもらう。
 手早く呪文を改良した。

void healing2(TEL *tpi,TEL *tpo)
{
 int i; /*カウンター*/
 char s[256]; /*読み込みの領域*/
 char healthy; /*正常なデータ*/
 healthy=SCAB;
 while(tgets(s,256,tpi)!= NULL ){ /*体読み込みが尽きるまで繰り返す*/
  i=0;
  while(s[i]!='\0'){ /*データが終わるまで繰り返す*/
   if(s[i]!=SCAR && s[i]!=SCAB){ /*傷でなければ*/
    healthy=s[i]; /*正常として登録*/
   }
   else{ /*傷ならば*/
    s[i]=healthy; /*肉体を正常な物にする*/
   }
   i++;
  }
  tputs(s,tpo); /*体を出力*/
 }
}

 前の魔法と違うのはどんな深い傷も治るはずなんだが。
 何か落とし穴がありそうだ。
 そうでなければあんな中途半端になっていないはずだ。
 とにかく女の子魔法名をつきとめて魔法を行使した。

 あちゃー、失敗だな。
 なぜなら、傷は塞がったが、肉が盛り上がっただけだ。
 皮膚は出来ていない。
 おまけに血がにじみ出ている。
 そりゃそうだよな訳の分からないイメージをコピーしただけだ。
 もう一度今度はかさぶたを作る魔法を実行した。
 盛り上がった肉は瘡蓋に覆われとりあえず応急処置は終わった。

 女の子は泣き止み再び木剣作りを再開するようだ。
 田舎の子はこういう無茶をやらかしてナイフの使い方を覚えるのだろう。
 ミニア、仲良くなったのは良いがそろそろ行くぞ。
 タルコットさんは撤収の準備も済んで少し焦れているから。
 ミニアが帰りにも寄る約束をして俺達は次の村に向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

神々に見捨てられし者、自力で最強へ

九頭七尾
ファンタジー
三大貴族の一角、アルベール家の長子として生まれた少年、ライズ。だが「祝福の儀」で何の天職も授かることができなかった彼は、『神々に見捨てられた者』と蔑まれ、一族を追放されてしまう。 「天職なし。最高じゃないか」 しかし彼は逆にこの状況を喜んだ。というのも、実はこの世界は、前世で彼がやり込んでいたゲーム【グランドワールド】にそっくりだったのだ。 天職を取得せずにゲームを始める「超ハードモード」こそが最強になれる道だと知るライズは、前世の知識を活かして成り上がっていく。

26番目の王子に転生しました。今生こそは健康に大地を駆け回れる身体に成りたいです。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー。男はずっと我慢の人生を歩んできた。先天的なファロー四徴症という心疾患によって、物心つく前に大手術をしなければいけなかった。手術は成功したものの、術後の遺残症や続発症により厳しい運動制限や生活習慣制限を課せられる人生だった。激しい運動どころか、体育の授業すら見学するしかなかった。大好きな犬や猫を飼いたくても、「人獣共通感染症」や怪我が怖くてペットが飼えなかった。その分勉強に打ち込み、色々な資格を散り、知識も蓄えることはできた。それでも、自分が本当に欲しいものは全て諦めなければいいけない人生だった。だが、気が付けば異世界に転生していた。代償のような異世界の人生を思いっきり楽しもうと考えながら7年の月日が過ぎて……

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...