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第12章 受験生のドラゴン
第74話 合格発表
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今日は合格発表。
カンニングで失格とかなければ受かっているはずだ。
ティの360度見える目はこういう時に都合良い。
6809番。ないな。
まさかな。
ふと発表掲示版の上に目をやると金色で縁取られた6809の文字が。
あったぞ。
背が低くてぴょんぴょん飛び跳ねているミニアに伝言魔法で教えた。
「セラリーナ、あったよ。一番上の金色の奴」
「私のは。あった8086番。私は隣だよ」
「ほんとだ。銀色だね」
「やっぱり、滑舌の試験で噛んじゃったのが敗因かなあ。緊張したのよね。ミニアは凄いな」
「決闘に比べれば緊張しない」
「そんな事もしてたの。もう危ない真似しちゃだめよ」
「うん」
「あれが今回の主席と次席だとう。頭がよさそうにはとても見えないな」
「どうせカンニング合格だろう」
「うらやましいな。報奨金がでるんだろ」
ミニア達の言葉を聞いて周囲が騒ぎ始める。
俺は手続きに行けと伝言魔法で催促した。
魔法学園にはもうカンニングはばれているだろうな。
なぜかって言うと俺は一頭だからだ。
ミニア達が事務局の窓口で手続きに入る。
「ちょうど良いです。二度手間が省けました。お二人はカンニング入学ですよね。奥でお話を聞かせて下さい」
やり手の雰囲気を纏った事務員の男がそう言った。
二人は事務員の後について行って応接室に入っていく。
「では聞かせて下さい」
「うん、カンニングだよ」
「私もです」
「手口はどのような」
「師匠が伝言魔法で答えを教えてくれたの」
「そうですか。それでお二人とも答えが一緒だったんですね。もっと詳しく教えて下さい」
「会場に入った時に師匠が伝言拒否の魔法を解いて。それから、スライムに感覚共有を掛けて問題用紙を見て答えを教えてくれたんだ」
「視界外に特別な魔法以外を掛ける技術は発見されてません。それを明かしてくれませんか」
「師匠の秘伝だから駄目」
「うーん、では師匠と呼ぶ人間をこの場に呼んでもらえませんか」
「師匠は世捨て人だから、誰にも会わない」
「では、スライムに感覚共有を掛ける術も駄目そうですね」
「うん」
「それですと、報奨金は出せないですね」
「べつにいい」
「困ったな。今のままだと同じ方法で何人も合格できてしまう。しょうがないですね。来年からスライムに目隠しをつけましょう。普通の従魔は目隠しをしてましたし、反発も少ないでしょう。ただ遠距離で魔法を掛けられるのは脅威です。スライム以外にも手がありそうです」
「師匠の弟子は私だけ。今のところ予定はないよ」
「そうですか。それを信じましょう」
再び合格発表の掲示版の前を通ると意外な人物が居る。
リタリーだ。
「あら、ミニアちゃんじゃない。どうだった」
「ばっちり。合格したよ」
「後ろの子は友達?」
「うん。セラリーナ、こちらはリタリー。Cランク冒険者で先輩」
「セラリーナです。よろしくお願いします」
「リタリーよ。よろしく。二人は今年から生徒なのよね。私が教える事があるかもね」
「どういう事?」
「講師の試験に受かったのよ」
姿を見ないと思ったら講師の試験を受けていたのか。
「どの教科ですか?」
セラリーナが興味津々だ。
「竜言語魔法関連と言いたいところだけど、そちらは落ちてしまったの。魔道具学よ」
「講師の試験って難しそうですね」
「そんな事ないわ。論文の提出か技術の実践よ。卒業生でなくとも講師になれるわ。聞いた話、近接魔法学の教授は少数民族の出で座学はからきしみたい」
ふーん、ミニアにコンパイルの事を論文に書かせたら教授になれるな。
でもそれはやりたくないな。
「実技だけで教授にもなれるんですね」
「教授めざす」
黙っていたミニアが突然言った。
「ミニアちゃんなら、なれそうなところが恐いわね。冒険者でも抜かれ、学問でも抜かれると先輩の立場が」
「段々ミニアが遠い人になってしまいそう」
「ミニアはミニア。偉大なのはドラゴン」
「ドラゴンは確かに凄いわね。ドラゴンを従える方法を論文にしたら、教授も夢じゃないわね」
「それは明かせない」
「リタリーさんは、どういう論文を書いたのですか」
「それがね。ちょっと言いづらいのよ。ぶっちゃけると、情けない事にミニアの功績を横取りしたの。ごめんね」
「構わない。どういう事か話す」
「文字を出す魔道具あったじゃない。あれとCランク魔石で作れるファイヤーボールの魔道具を論文にしたの」
「それなら良いよ。許す」
「実は私もミニアのおかげで合格したの」
「セラリーナちゃんも。やっぱり、ミニアは教授の器ね」
なんだ、文字を出す魔道具程度で講師か。
教授は楽勝だな。
ところで生徒をしながら教授になれるのか。
ミニアに伝言魔法で伝える。
「生徒をしながら、教授になれる?」
「可能のはずよ。優秀な生徒が講師も兼任している例があるって」
「なら、絶対に目指す」
「ところで、ミニアちゃん論文を書けるの?」
「無理。そこはドラゴン的なパワー」
「ミニアちゃんの謎パワーね。案外、竜言語魔法だったりして」
「そうだわ。合格したらミニアの謎を明かしてもらうはずだった」
「私も聞きたいわ。本当にミニアちゃんは謎ね」
三人は連れ立ってカフェにお喋りしに行くらしい
俺はティの感覚共有を切って、一頭、豆腐ハウスの中で考える。
ミニアの手助けをする事は確定として。
なんの教科で教授を目指すのかという事だな。
呪文なら幾らでも新しく作れる。
魔道具学と呪文学は候補に入れるとして。
後で、ゆっくりと考えよう。
とりあえずは新しい呪文をゲットしまくるぞ。
図書室なんかに新しい呪文が沢山あるはずだ。
カンニングで失格とかなければ受かっているはずだ。
ティの360度見える目はこういう時に都合良い。
6809番。ないな。
まさかな。
ふと発表掲示版の上に目をやると金色で縁取られた6809の文字が。
あったぞ。
背が低くてぴょんぴょん飛び跳ねているミニアに伝言魔法で教えた。
「セラリーナ、あったよ。一番上の金色の奴」
「私のは。あった8086番。私は隣だよ」
「ほんとだ。銀色だね」
「やっぱり、滑舌の試験で噛んじゃったのが敗因かなあ。緊張したのよね。ミニアは凄いな」
「決闘に比べれば緊張しない」
「そんな事もしてたの。もう危ない真似しちゃだめよ」
「うん」
「あれが今回の主席と次席だとう。頭がよさそうにはとても見えないな」
「どうせカンニング合格だろう」
「うらやましいな。報奨金がでるんだろ」
ミニア達の言葉を聞いて周囲が騒ぎ始める。
俺は手続きに行けと伝言魔法で催促した。
魔法学園にはもうカンニングはばれているだろうな。
なぜかって言うと俺は一頭だからだ。
ミニア達が事務局の窓口で手続きに入る。
「ちょうど良いです。二度手間が省けました。お二人はカンニング入学ですよね。奥でお話を聞かせて下さい」
やり手の雰囲気を纏った事務員の男がそう言った。
二人は事務員の後について行って応接室に入っていく。
「では聞かせて下さい」
「うん、カンニングだよ」
「私もです」
「手口はどのような」
「師匠が伝言魔法で答えを教えてくれたの」
「そうですか。それでお二人とも答えが一緒だったんですね。もっと詳しく教えて下さい」
「会場に入った時に師匠が伝言拒否の魔法を解いて。それから、スライムに感覚共有を掛けて問題用紙を見て答えを教えてくれたんだ」
「視界外に特別な魔法以外を掛ける技術は発見されてません。それを明かしてくれませんか」
「師匠の秘伝だから駄目」
「うーん、では師匠と呼ぶ人間をこの場に呼んでもらえませんか」
「師匠は世捨て人だから、誰にも会わない」
「では、スライムに感覚共有を掛ける術も駄目そうですね」
「うん」
「それですと、報奨金は出せないですね」
「べつにいい」
「困ったな。今のままだと同じ方法で何人も合格できてしまう。しょうがないですね。来年からスライムに目隠しをつけましょう。普通の従魔は目隠しをしてましたし、反発も少ないでしょう。ただ遠距離で魔法を掛けられるのは脅威です。スライム以外にも手がありそうです」
「師匠の弟子は私だけ。今のところ予定はないよ」
「そうですか。それを信じましょう」
再び合格発表の掲示版の前を通ると意外な人物が居る。
リタリーだ。
「あら、ミニアちゃんじゃない。どうだった」
「ばっちり。合格したよ」
「後ろの子は友達?」
「うん。セラリーナ、こちらはリタリー。Cランク冒険者で先輩」
「セラリーナです。よろしくお願いします」
「リタリーよ。よろしく。二人は今年から生徒なのよね。私が教える事があるかもね」
「どういう事?」
「講師の試験に受かったのよ」
姿を見ないと思ったら講師の試験を受けていたのか。
「どの教科ですか?」
セラリーナが興味津々だ。
「竜言語魔法関連と言いたいところだけど、そちらは落ちてしまったの。魔道具学よ」
「講師の試験って難しそうですね」
「そんな事ないわ。論文の提出か技術の実践よ。卒業生でなくとも講師になれるわ。聞いた話、近接魔法学の教授は少数民族の出で座学はからきしみたい」
ふーん、ミニアにコンパイルの事を論文に書かせたら教授になれるな。
でもそれはやりたくないな。
「実技だけで教授にもなれるんですね」
「教授めざす」
黙っていたミニアが突然言った。
「ミニアちゃんなら、なれそうなところが恐いわね。冒険者でも抜かれ、学問でも抜かれると先輩の立場が」
「段々ミニアが遠い人になってしまいそう」
「ミニアはミニア。偉大なのはドラゴン」
「ドラゴンは確かに凄いわね。ドラゴンを従える方法を論文にしたら、教授も夢じゃないわね」
「それは明かせない」
「リタリーさんは、どういう論文を書いたのですか」
「それがね。ちょっと言いづらいのよ。ぶっちゃけると、情けない事にミニアの功績を横取りしたの。ごめんね」
「構わない。どういう事か話す」
「文字を出す魔道具あったじゃない。あれとCランク魔石で作れるファイヤーボールの魔道具を論文にしたの」
「それなら良いよ。許す」
「実は私もミニアのおかげで合格したの」
「セラリーナちゃんも。やっぱり、ミニアは教授の器ね」
なんだ、文字を出す魔道具程度で講師か。
教授は楽勝だな。
ところで生徒をしながら教授になれるのか。
ミニアに伝言魔法で伝える。
「生徒をしながら、教授になれる?」
「可能のはずよ。優秀な生徒が講師も兼任している例があるって」
「なら、絶対に目指す」
「ところで、ミニアちゃん論文を書けるの?」
「無理。そこはドラゴン的なパワー」
「ミニアちゃんの謎パワーね。案外、竜言語魔法だったりして」
「そうだわ。合格したらミニアの謎を明かしてもらうはずだった」
「私も聞きたいわ。本当にミニアちゃんは謎ね」
三人は連れ立ってカフェにお喋りしに行くらしい
俺はティの感覚共有を切って、一頭、豆腐ハウスの中で考える。
ミニアの手助けをする事は確定として。
なんの教科で教授を目指すのかという事だな。
呪文なら幾らでも新しく作れる。
魔道具学と呪文学は候補に入れるとして。
後で、ゆっくりと考えよう。
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図書室なんかに新しい呪文が沢山あるはずだ。
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