転生ドラゴンの魔法使い~魔法はガチでプログラムだった~

喰寝丸太

文字の大きさ
78 / 164
第13章 生徒のドラゴン

第78話 色々な講義を受ける2

しおりを挟む
 今日はセラリーナとは別行動だ。
 魔法学園の講義は多岐に渡る。
 見て回る従魔学、魔力増加学、後衛魔法学の他にも、興味を引いた物として魔法調薬学、魔法治療学、魔法建築学などがある。
 本当に多い。
 魔法に関係ない物を含めたら60は越えるだろう。
 軍隊の指揮関連にも興味を惹かれたが、ミニアがつまらなそうだったので諦めた。
 一週間で全ての第一回目の講義にでるのは不可能だろう。

 さて、従魔学だ。

「今日はテイマーにとっての基本の魔法について話します。隷属、感覚共有、伝言の三つが主にテイマーが使う魔法です。呪文は各自手に入れて下さい」

 隷属魔法の注意と書かれた。
 拒否される事がある。
 場合によっては襲ってくる事もとある。

 感覚共有魔法の注意と書かれた。
 気が狂う事もある。
 尻尾など人間にない物を知覚するのは危険とある。
 それじゃ動物は全て危険じゃないか。
 ふんふん、なるべくそういう器官があるのを無視するのがコツとある。
 なるほどな。
 じゃあなんだ。
 従魔に感覚共有している敵対しているテイマーがいたら、従魔の尻尾を握ればいいのか。
 そうすればそこに意識が集中するから一発でアウトだ。
 そんなレアなケースはまあないだろうけどな。

 伝言魔法の注意点と書かれた。
 知能が低いと送った内容を理解されない。
 その内容は知っている。
 一文字ずつ区切って送ると理解される事もあると書いてある。
 なるほどこれは知らなかった。

 講師のミニアを見る目が気持ち悪いのに気がついた。
 あれは嫉妬を多分に含んだ目だ。

「そこの君、スライムと感覚共有しているそうじゃないか。模範演技として何か見せてくれないか」
「分かった。スライムに計算させる」
「ちょうどいい。目隠しに使うためのスライム用のゲージを持っているんだ。ここにスライムと一緒に数式を入れるから、出来るものなら解かせるがいい」

 ティと一緒に紙がゲージに入れられる。
 数式は平方根の25だ。
 ミニアには解けない数式だな。
 俺には楽勝だけどな。

 ティがゲージから出された。
 他の生徒はどうなるか固唾を飲んでいる。

「答えは5」

 ミニアの声が静まった教室に響いた。

「くっ、本当に感覚共有しているとは。くそっ、俺はまたしても教授になれないのか」

 ミニアが従魔学の教授になるって、決まっていないが。
 ドラゴンは隷属されてないし、スライムの隷属も俺だ。
 まあいいや。
 誤解だけど、言ったところで納得しそうもないな。

 一時取り乱した講師だったが、それから淡々と魂が抜けた目で講義を終わらせた。



 次は魔力増加学だ。
 講師はハゲマッチョだった。
 濃い教師だな。

「1に魔獣殲滅、2に魔獣殲滅、34がなくて、5に魔力増加」

 確かに魔力増やすのは魔獣殺すのが一番なんだけど。
 もっと他に言いようがあるだろう。
 これで講義をこれからどう展開していくのかが興味出てきた。

「罠や道具を効率的に使って魔獣を仕留めるのが効果的だぜ」
「剣や魔法を使うのは駄目なんですか」

 生徒の一人が質問した。

「魔力ってのは魔獣を倒せば倒すほど上がる。剣や魔法は回数に制限があるだろう。罠は材料さえあれば制限がない」
「ちょっと卑怯な気もします」
「魔獣相手なんだから、卑怯も糞もないんだよ。いいか毒もバンバン使え。手段は何でもいい。とにかく殲滅だ」

「はい、質問。上げた魔力は何時、使うのですか」
「そんなもん。強敵が出てきた時に一発かますのよ。一撃必殺、最強だぜ」

 おー、最初の時のミニアみたいだ。
 あの時はいきなり必殺技かましていたな。
 待てよ。
 決闘の時も一撃必殺だった。
 ミニアはこの授業の講師と案外馬が合ったりするのかも。
 黒板に試験内容と書かれた。

 魔力増加学1、最大魔力150。
 魔力増加学2、最大魔力200。
 魔力増加学3、最大魔力300。
 魔力増加学4、最大魔力400。
 魔力増加学5、最大魔力500。

 とある。
 つまりこの授業は魔力を500まで上げれば良いのか。

「魔獣殲滅に行き詰ったらいつでも相談に来い。色々な裏技を酒と引き換えに教えてやる」

 うわ、賄賂要求しちゃったよ。
 でも試験は魔力次第だから、成績には関係ないという訳か。



 次に受ける後衛魔法学ってどんな学問なのだろう。
 近接戦闘は前衛に任せて固定砲台として如何に力を発揮するかを競うのかな。

「素早い詠唱、短い呪文、消費は少なく」

 入ってくるなり痩せた講師はそう言った。

「具体的には最初にならうファイヤーボールこれは最短です。しかし、これがファイヤーボール10個となるとどうでしょう。もっと他に良い呪文もあります。しかし、呪文は高い。この教室では生徒同士、呪文を交換しあうのです」

 おお、魔法のトレードをする訳か。
 考えたな。
 だが、落ちが見えた。
 貧乏学生ばかり集まって安い呪文しか手に入らない環境になりそうだ。
 とっておきの呪文は誰でも秘匿したいよな。

「さあ、自由に交換しあって下さい」

 生徒がグループを作り交換を始める。
 ミニアのところにも何人かきたが。
 三連続弾などレベル低い魔法しか交換がこない。

 魔力コスト100のファイヤーボールなんて貰っても意味がない。
 魔道具学で使う呪文を申し出た生徒もいたが、もう間に合っている。
 もう少し回が進むと面白くなるのだろうか。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。

Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。 現世で惨めなサラリーマンをしていた…… そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。 その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。 それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。 目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて…… 現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に…… 特殊な能力が当然のように存在するその世界で…… 自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。 俺は俺の出来ること…… 彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。 だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。 ※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※ ※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

処理中です...