異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第1章 ニオブざまぁ編

第9話 元締めと、交渉と、大量生産

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 魔道具は性能が良過ぎて売れない。
 性能を悪くするなんて事は俺には考えられない。
 エンジニア魂に反するというものだ。

 それで考えた。
 スリグループとの交渉に魔道具を使うというのはどうだろう。
 どうなるか分からないが、やってみるだけだ。

「マイラ、準備は良い?」
「うん、短剣も2本装備したし、暗器の針も持ったわ」

 朝一で買ってきて、色々とプログラムを書き込んだスペルブックを、俺はしっかりと抱きしめた。

「よし、出陣だ」

 マイラと二人、スラムの一角の家に入った。
 入ってすぐの入口の影に男が潜んでいる。
 俺に男が居るのが、分かったのはマイラが居たからだろう。
 そうでなければ完全に影に入っていたはずだ。

「マイラか。今日は早いな。特上の獲物でも仕留めたか」
「元締めは居る?」
「ああ、いつもの奥の部屋だ」

 男はあごをしゃくった。
 俺達は奥の部屋に入った。
 中年の男が三人いる。
 椅子に座っているのが元締めで、脇に立っている二人が用心棒だろう。

「マイラ、上納金か?」
「いいえ、交渉に来たわ」
「上納金の交渉か」

「スリから足を洗う」
「昨日から冒険者ギルドに出入りしているらしいな。裏切るつもりなら辞めておけ。稼ぎの良い子飼いを失いたくない。足を洗うのも無しだ」

「まあまあ、対価なら用意した」
「小僧、引っ込んでろ」
「見てみなよ」

 俺は種火の魔道具を出した。
 用心棒が緊張したのが分かる。
 しかし、持っているのがゴブリンの魔石だと知って、緊張を解いた。

 魔道具を起動すると火が灯る。

「無限に火が点くんだ」
「ほう、貸してみな」

 元締めに魔道具を渡す。
 元締めが魔道具を起動して、一分ほど経つと元締めの目がギラリと光った気がした。

「上納金を四ヶ月免除だ」
「これを俺がいくらでも作れると言ってもか」
「ふはははっ、今この場で小僧を拉致しても良いんだぞ」

「させない」
「マイラ、落ち着け」

 俺はスペルブックを開くと、30センチほどの火球を空中に浮かべた。
 用心棒が武器を構える。
 マイラも短剣を抜いて構えた。

「拉致が何だって?」
「小僧、脅しは通じないぞ」
「脅しじゃない交渉だ」

「よし、言い分を聞こう。言ってみろ」
「俺はこの魔道具を元締めに定期的に格安で売る。それでマイラを解放してやってくれ」
「ふん、対価としては十分だ。しかし、駄目だ。グループを抜ける前例は作れない」

 そう言うと思ったよ。
 これは想定していた。

「じゃあ、選べ。消し炭になるか、全員が堅気になるかだ」
「何だって!」

「魔道具はゴブリンの魔石から出来ているんだぞ。そんなものいくらでも作れる。お前ら全員を養っていける稼ぎはあるんだよ」
「小僧、気に入った。名前は?」
「タイトだ」

「よし、タイト。お前の提案に乗ろう。スリは今日から廃業だ」

 俺は火球を消した。
 そして、魔道具5個を出した。

「これでとうざは足りるだろう。グループの人間には、何か真っ当な仕事を、見つけさせるんだな。養うと言ったが、ごく潰しは要らない」
「分かってる。一生懸命に働らかせて食っていけない奴にだけ、足りない分を支払うさ」

 マイラと二人、元締めの家を出る。
 俺は深呼吸して息を吐いた。

「元締めが納得してくれて良かったよ」
「魔導師には敵わないから、誰でも退くよ。元締めだって命は惜しい」

 さて、魔道具の大量生産をしないとな。
 今だと、1日に10個ぐらいしか作れない。
 魔道具を作るプログラム的呪文を作らないと。

extern MAGIC *magic_tool_init(void);
extern void magic_tool_write(MAGIC *mp,char *spell);
void main(void)
{
 MAGIC *mp;
 mp=magic_tool_init();
 magic_tool_write(mp,"ここに呪文を入れる");
}

 解説をする。

 mp=magic_tool_init();←魔石を魔法として登録
 magic_tool_write(mp,"ここに呪文を入れる");←呪文書き込み

 こんなのでどうだろう。
 これで1日に何万個も作れるはずだ。
 案件が一つ片付いた。
 後は人さらい組織だな。
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