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第1章 ニオブざまぁ編
第54話 バーと、怪しいおっさんと、敵対組織
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暴れて死んだ生徒の聞き込みは簡単に出来た。
あるバーに頻繁に出入りしてたようだ。
俺もそのバーにマイラを連れて行ってみた。
「こんにちは」
「ふん」
「感じ悪いね」
「とりあえず、座ろう」
バーテンに無視されたが、俺達はカウンターの席に腰かけた。
「ミルク二つ」
注文を無視するかと思ったら、ジョッキにミルクが入れられてドカンと置かれた。
何だ、不愛想なだけか。
さて、どうやって情報を集めよう。
ミルクを飲みながら考える。
「タイト、遠慮する事はないよ。胸倉を掴んで脅せばいい」
「うーん、それだと、素直に喋ってくるかどうか。客に話を聞くのが正解かな」
「それじゃあ、みんなに一杯ずつおごってやってくれって頼む?」
「うん、それがいいかもね」
「おい、子供が昼間から酒を飲もうなんてふてぇ野郎だ」
赤い顔をしたおっさんが絡んできた。
「これは酒じゃなくてミルク」
「大人の言う事が聞けないのか」
そして、『悪い事言わねぇから、言われた通りついて来い』と耳打ちされた。
通信魔法でマイラに事情を説明するとマイラが頷く。
どういう事態か分からないが、事態が動き出した事には変わりない。
このおっさんについて行く事にした。
バーテンに銀貨を投げ渡して、おっさんの後についてバーを出る。
おっさんはバーを出ると周囲を見渡してから歩き始めた。
どこに行くかと思ったらまた酒場だ。
「奥を借りるぜ」
「おう」
おっさんはバーテンに声を掛け奥の部屋に入った。
俺達も続いて入る。
俺達が入ると、ドアが外から閉められ鍵が掛けられた。
おっ、当たりを引いたか。
マイラが活躍しそうな場面だ。
マイラがいくつかの魔道具を起動してから、武器の短剣をいつでも抜けるように構えたのが分かった。
俺もスペルブックをいつでも開けるようにした。
「お前さん達は魔法学園の生徒だろ」
「そうだが」
「命を捨てるような真似しちゃいけねぇ。会うはずだった魔導師の名前と風体と合言葉を吐いちまいな」
んっ、こいつら冒険者か。
連続殺人の情報収集依頼を受けた輩か。
「知らん」
「強情な奴だな。お前が魔導師に会えば騙されて実験台にされるところだったんだぞ。感謝して喋れ」
「知らないんだ」
「本当に強情な奴だな」
「所でおっさんは誰? 俺達はギルドの依頼で連続殺人犯を捕まえる為に動いている」
「かぁー、見込み違いか。誰だよ、あの酒場で取引があるなんて言ったのは。魔法学園の生徒が現れるからって。ガセネタかよ」
「誰なのか聞いてるんだけど」
俺がそう言うと、マイラが短剣を抜きおっさんに突きつけた。
「喋るんだよ。吐いちまいな」
マイラが凄む。
「おいおい、これじゃ立場が逆だ。参ったな。とんだ奴を捕まえちまった」
「で、どこの誰なんだ? マイラは気が短いんだ」
「待った待った。俺は魔導師敵対組織レジスタのもんだ」
魔導師に敵対組織なんて物があるんだな。
初めて聞いた。
まあ、ありえる事だな。
魔導師は悪事を働いているようだからな。
「俺達が冒険者だと言うのは話したよね。連続殺人犯を追っている。魔導師が絡んでいる事は分かっている。問題は誰がやっているのかの答えと、証拠だ。何の為にというのも知りたい」
「情報は喋れないな。組織の人間だと明かしたのだって大盤振る舞いなんだ」
「刺されたいの?」
「そいつは勘弁だ。あんた方も冒険者ギルドを首になりたくないだろ。刺したりは出来ないはずだ」
「くっ」
マイラが悔しそうに歯がみする。
「マイラ、殺されても喋らないと思う。じゃあ、情報交換しよう」
「いいぜ。そっちからだ」
「魔導師の根源の力について話す。だからそちらの情報を全部だ」
「ガセじゃないよな」
「魔導師の呪文の根源は神秘魔法名を使ってる。通信魔法の名前の識別もこれでやっている」
「何だって。嘘判別魔法も身体強化もそれを使っているのか」
「ああ、そうだ」
「くそう。俺達を巻き込むつもりだな」
「よく分かったな。この秘密を知った人間を魔導師は許さない」
「降参だ。分かった事を話す。あのバーの奥に部屋があって合言葉を知っている人間しか通さない。奥で何が行われているかは不明だ」
「ありがと。神秘魔法名の使い方は任せるよ。でも知らせるのは、信用のおける人間だけにしておいた方がいいと思う」
「分かっている。組織にも魔導師のスパイがいる可能性があるって事ぐらいはな」
「じゃ鍵を開けるように言って」
「闇夜のカラスは白い」
鍵が開いた音がした。
「マイラ、行こう」
「うん」
俺は姿隠しの魔道具を起動した。
マイラも俺を見て同じようにした。
「消えやがった。はぁーあ、物騒な奴らを捕まえたもんだ。今日はついてねぇ」
俺とマイラは男が扉を開けたのでそれに合わせて出て行った。
あるバーに頻繁に出入りしてたようだ。
俺もそのバーにマイラを連れて行ってみた。
「こんにちは」
「ふん」
「感じ悪いね」
「とりあえず、座ろう」
バーテンに無視されたが、俺達はカウンターの席に腰かけた。
「ミルク二つ」
注文を無視するかと思ったら、ジョッキにミルクが入れられてドカンと置かれた。
何だ、不愛想なだけか。
さて、どうやって情報を集めよう。
ミルクを飲みながら考える。
「タイト、遠慮する事はないよ。胸倉を掴んで脅せばいい」
「うーん、それだと、素直に喋ってくるかどうか。客に話を聞くのが正解かな」
「それじゃあ、みんなに一杯ずつおごってやってくれって頼む?」
「うん、それがいいかもね」
「おい、子供が昼間から酒を飲もうなんてふてぇ野郎だ」
赤い顔をしたおっさんが絡んできた。
「これは酒じゃなくてミルク」
「大人の言う事が聞けないのか」
そして、『悪い事言わねぇから、言われた通りついて来い』と耳打ちされた。
通信魔法でマイラに事情を説明するとマイラが頷く。
どういう事態か分からないが、事態が動き出した事には変わりない。
このおっさんについて行く事にした。
バーテンに銀貨を投げ渡して、おっさんの後についてバーを出る。
おっさんはバーを出ると周囲を見渡してから歩き始めた。
どこに行くかと思ったらまた酒場だ。
「奥を借りるぜ」
「おう」
おっさんはバーテンに声を掛け奥の部屋に入った。
俺達も続いて入る。
俺達が入ると、ドアが外から閉められ鍵が掛けられた。
おっ、当たりを引いたか。
マイラが活躍しそうな場面だ。
マイラがいくつかの魔道具を起動してから、武器の短剣をいつでも抜けるように構えたのが分かった。
俺もスペルブックをいつでも開けるようにした。
「お前さん達は魔法学園の生徒だろ」
「そうだが」
「命を捨てるような真似しちゃいけねぇ。会うはずだった魔導師の名前と風体と合言葉を吐いちまいな」
んっ、こいつら冒険者か。
連続殺人の情報収集依頼を受けた輩か。
「知らん」
「強情な奴だな。お前が魔導師に会えば騙されて実験台にされるところだったんだぞ。感謝して喋れ」
「知らないんだ」
「本当に強情な奴だな」
「所でおっさんは誰? 俺達はギルドの依頼で連続殺人犯を捕まえる為に動いている」
「かぁー、見込み違いか。誰だよ、あの酒場で取引があるなんて言ったのは。魔法学園の生徒が現れるからって。ガセネタかよ」
「誰なのか聞いてるんだけど」
俺がそう言うと、マイラが短剣を抜きおっさんに突きつけた。
「喋るんだよ。吐いちまいな」
マイラが凄む。
「おいおい、これじゃ立場が逆だ。参ったな。とんだ奴を捕まえちまった」
「で、どこの誰なんだ? マイラは気が短いんだ」
「待った待った。俺は魔導師敵対組織レジスタのもんだ」
魔導師に敵対組織なんて物があるんだな。
初めて聞いた。
まあ、ありえる事だな。
魔導師は悪事を働いているようだからな。
「俺達が冒険者だと言うのは話したよね。連続殺人犯を追っている。魔導師が絡んでいる事は分かっている。問題は誰がやっているのかの答えと、証拠だ。何の為にというのも知りたい」
「情報は喋れないな。組織の人間だと明かしたのだって大盤振る舞いなんだ」
「刺されたいの?」
「そいつは勘弁だ。あんた方も冒険者ギルドを首になりたくないだろ。刺したりは出来ないはずだ」
「くっ」
マイラが悔しそうに歯がみする。
「マイラ、殺されても喋らないと思う。じゃあ、情報交換しよう」
「いいぜ。そっちからだ」
「魔導師の根源の力について話す。だからそちらの情報を全部だ」
「ガセじゃないよな」
「魔導師の呪文の根源は神秘魔法名を使ってる。通信魔法の名前の識別もこれでやっている」
「何だって。嘘判別魔法も身体強化もそれを使っているのか」
「ああ、そうだ」
「くそう。俺達を巻き込むつもりだな」
「よく分かったな。この秘密を知った人間を魔導師は許さない」
「降参だ。分かった事を話す。あのバーの奥に部屋があって合言葉を知っている人間しか通さない。奥で何が行われているかは不明だ」
「ありがと。神秘魔法名の使い方は任せるよ。でも知らせるのは、信用のおける人間だけにしておいた方がいいと思う」
「分かっている。組織にも魔導師のスパイがいる可能性があるって事ぐらいはな」
「じゃ鍵を開けるように言って」
「闇夜のカラスは白い」
鍵が開いた音がした。
「マイラ、行こう」
「うん」
俺は姿隠しの魔道具を起動した。
マイラも俺を見て同じようにした。
「消えやがった。はぁーあ、物騒な奴らを捕まえたもんだ。今日はついてねぇ」
俺とマイラは男が扉を開けたのでそれに合わせて出て行った。
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