異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第3章 狂戦士の守護者編

第163話 退治と、充魔器と、多重人格

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 10メートルの奴だけかと思ったら、続いて100メートル級が現れた。
 こんなに大きくなるなんて、いったい何を食っているんだ。
 食物連鎖的におかしいだろう。
 10メートルはまだ許せる。
 でも湖の規模からして100メートル級はないな。

 そんな事を考えているうちにメタルシュリンプが上陸を開始した。
 逃げ惑う観光客。

 退治する義理はないが、メタルシュリンプは美味そうだ。
 俺は観光客の流れに逆行してメタルシュリンプに近づいた。
 そして600メートルの電撃魔法を放つ。

 100メートル級のメタルシュリンプは黒焦げになって死んだ。
 あちゃーやり過ぎたか。
 でも体は残っているから、食えるよな。
 余波で死んだ10メートル級の奴は、美味しそうにこんがりと焼き上がっている。

 まあいいか。
 でかいのは大味だっていうし。
 露店の人間がメタルシュリンプの死骸に群がる。

 『俺が獲った奴だ、触るな』とかケチな事は言わない。
 いくらか建物も壊されているし、補填に使って貰ったら良い。
 無料でメタルシュリンプの肉が振る舞われた。

「美味しいね」

 マイラがメタルシュリンプのブロック肉の串焼きにかぶりついてそう言った。

「そうだね、でかい奴の肉も案外いける。100メートル級のは惜しい事をしたな」
「むっ、閃いた」

 マイラはいつも持っている魔法陣の塗料の材料とメタルシュリンプの汁を混ぜた。
 そして図形を書き上げる。

「何の魔法陣?」
「んー、分からない」

 腹が満たされたので、100メートル級の死骸に近づく。
 こっちも解体しているみたいだ。
 甲殻を武具とかに使うのかな。

 無事な肉もあったらしくて、串焼きにして差し出されたが断った。
 もう腹は一杯だ。
 メタルシュリンプの胃袋からは、白い仮面が多数出て来た。
 そうか、奴らの仕込みだったのか。
 なら餌の問題は解決だな。
 たぶん奴らが餌を与えたのだろう。
 何となくすっきりした。

 リラは白い仮面を見て怒りに震えている。
 何があったのか分からないが落ち着けよ。
 俺の視線を感じたのか、俺に向かってにっこり笑った。

「出来た!」
「マイラ、何が出来たんだ」
「さっきの魔法陣と魔力電池を繋いだら、充填出来た」

 おお、充魔器を作ったのか。
 色々と試験して分かったのは、どうやら太陽の光を魔法陣に当てると魔力を集めるらしい。
 どういう仕組みなのかは分からないが、またマイラは莫大な富を手にしたようだ。

 そんな事に気を取られていたらリラが消えていた。

「エミッタ、リラは?」
「バイトだと言って帰ったのだ」

 バイトか、なら仕方ないな。
 遺跡からの帰り道。

「敵襲!」

 先頭を飛んでいたマイラが警告を発した。
 出て来た奴らは白い仮面を着けている。
 直接、襲いに来たのか。

 マイラとダイナが飛ぶ板から飛び降りた。
 短剣を抜き放ち、白い仮面の集団に突っ込んでいく。

 白い仮面の奴らは二人に任せよう。
 形勢はマイラとダイナに傾いている。

 その時、狼の仮面を着けた奴が現れて、白い仮面の奴らをぶっ飛ばし始めた。
 マイラとダイナは襲わない。

 これは何の意味が。
 仲間割れか。
 それとも狼の仮面は前から手当たり次第にだったから、抑えが効かなかったのか。
 でもマイラとダイナは襲われていない。

 白い仮面の奴らが全員、地に伏すと狼の仮面は去って行った。

「狼の仮面の正体が分かっちゃった」

 マイラが俺をエミッタ達の元から連れ出すと、そう言い始めた。

「もったいぶらずに言えよ」
「リラだよ」
「だってリラは神秘魔法名の鑑定や歩き方でも違うと出てる」
「言えるのは今日の狼仮面はリラ。歩き方が一緒だった。それに浄化の魔道具を使ってた。あの感じは間違えない」

 ここから導き出される答えは、狼仮面が複数いるか。
 もしくは多重人格だ。
 それも魂レベルのだ。

 とにかく、リラの肉体を改造したのは白い仮面の奴らだという事だ。
 リラはなんで従っているのだろう。
 事情があるのかな。
 謎が少し解けたが、まだ分からない事は多い。

「レクティ、リラの身上調査をもう一回やってみてくれ」

 追いかけて来たレクティに話し掛けた。

「分かりました」

 調査の結果でまた何か分かるだろう。
 俺の勘だが、たぶん本物のリラは死んでいるな。
 入れ替わっているような気がする。
 だったら、リラは誰なんだ。
 本当の名前があるはずだ。
 それを使って話し掛けない限りは、リラは俺に心を許さないのかもな。
 リラの時でも見えない仮面を被っているのだろう。
 それを剥がしてやりたい。
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