異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第3章 狂戦士の守護者編

第185話 セレンと、完全回復と、覚悟

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 夏休み、真っただ中だ。
 デートに行ったり海にも行った。
 なぜか戦闘機会が多いが、それは仕方ない。
 襲ってくるのは俺のせいじゃない。

「私、医者の試験を受ける」

 みんなで課題をやっていた時に、セレンが突然言い出した。

「大変な職業だぞ。尊敬されるだろうけど、激務でつらい事も多い」
「ん? そんな事はないよ」

 マイラから突っ込みが入った。

「そうですね。医者は怠け者が多いです。権威を振りかざして、尊敬どころか軽蔑されてます」

 レクティがそう補足した。
 しまった、前世の常識で話していた。
 この世界の医者はだめだめなんだな。

「人が死んでも、虫けらが死んだぐらいにしか思わないのが、医者かなぁ。金がないと平気で見捨てるよ」

 リニアも付け加えた。

「俺が言ったのは一握りの立派な医者だ。セレンが目指すのは立派な医者だろう」

 なんとか誤魔化した。

「ええ、立派な医者を目指すわ」

 セレンが持っている医者になる為の参考書を見る。
 あれっ、臓器の数が少ないんじゃないか。
 どれって指摘は出来ないけど、もっと多かった気がする。
 異世界だからなのか?

 そんな事はないはずだ。
 解剖学が発達してないのかな。
 まあいいや。
 指摘しないでおこう。
 ランシェにはこそっと、解剖学を発展させるように言っておこう。
 いや待てよ。

「医者は死体を切り刻んだりしないのか?」
「しないですね。問診して薬を出すだけです。重傷者は魔導師が回復魔法で治します」

 魔法の存在が医学の発展を阻害しているのか。
 呪文でぱぱっと治れば、そりゃ発展しないよな。

 完全回復の魔道具は作れる。
 簡単な魔法のだとこんな感じだ。
 あらかじめバックアップを取っておく必要はあるが、神秘魔法名を指定して発動させれば治る。

#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
#include <string.h>

void main(int argc,char *argv[])
{
 char scom[4+1+200+5+1+200+5+1]; /*コマンド命令を入れる*/
 strcpy(scom,"copy "); /*文字列に『copy 』を入れる*/
 strcat(scom,argv[1]); /*文字列に神秘魔法名を連結*/
 strcat(scom,".bbak "); /*文字列に『.bbak 』を連結*/
 strcat(scom,argv[1]); /*文字列に神秘魔法名を連結*/
 strcat(scom,".body"); /*文字列に『.body』を連結*/
 system(scom); /*体のバックアップを体の情報に上書きする*/
}

 バックアップもこれを改造すればできる。
 出来るが、神秘魔法名の技術は魔導師が独占してるのだよな。

 セレンに教えていいものか。
 刺客がわんさか来る可能性もある。
 いっそのこと神秘魔法名の存在を公表しちまえば良いんだけど。
 魔導師の反発は必至だな。
 戦乱になる可能性もある。

「セレンは殺される危険があっても医者を目指したいか?」
「ええと。正直に言うわ。自分の命も救えない人は資格がないと思う。でも、自分の命を投げ出しても救いたいって思わないと失格なのかも。矛盾しているね。覚悟というか信念が足らないのがよくわかったわ」
「そんな深い意味で言ったんじゃないけどな」
「でも揺るがない信念は必要でしょう」
「そうかもな。それが分かっているセレンは立派だ」

「医者は諦めるわ。良く考えたら攻撃魔法は殺す為にあるのよね。命を救う人間が殺しをしたらいけない。攻撃魔法を極めたいのに医者はないわよね」

 軍医とかは、医者だけど軍人だな。
 混乱させてもなんだから言わないけど。
 セレンはまだ考えが固まってない。

 マイラとレクティとリニアは目指す方向が決まっている。
 セレンは迷いがあるんだな。
 それが弱さのような気がする。

 だけどまだ若い。
 十代前半で悟っている人間なんか普通いないさ。
 マイラとレクティとリニアが特殊なだけだ。

「セレン、自分がどうなりたいかは、ゆっくりと考えたら良い。焦る必要はない」
「でも3人と比べて私は……」

「好きな様に生きて、好きな様に死んでいく。スラムの生き方」
「好きに生きたら良いのね。信念なんかなくても。やっぱり医者の試験は受けるわ。何事も挑戦よ。資格を取ってから考える事にする」

 マイラの言葉でセレンの元気が出たようだ。
 挑戦するのは良い事だ。
 自分を型に嵌めるのはいつでもできる。
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