異世界で俺だけがプログラマー~転生して蘇った知識は魔王級。家族に捨てられたけど、世界法則には気に入られた。プログラム的呪文で最強無双~

喰寝丸太

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第6章 特使編

第347話 戦争開始と、一当てと、夜戦

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 ついに、ロータリが動いた。
 入植地など作らずに、進軍させている模様。
 サバンナの土地を取ってもそれほど旨味はない。
 ロータリも馬鹿じゃないから、過去の反省をしたのだろう。

「ディップ人の戦い方を見せて来る」

 そう言って戦士達が出陣していった。
 俺が手を出すとややこしくなりそうだから、ピンチにならないうちは手出しはしなくていいだろう。
 望遠鏡の魔道具をせっかく作ったのだから、実地テストといくか。

 ロータリ人とディッブ人の戦いを見学することにした。
 サバンナは木々がほとんどない。
 見晴らしが良いので、ロータリ人の進軍が良く見える。

 ロータリ人の指揮官以外は全員が徒歩だ。

「飼葉の調達が難しいから、歩兵という選択は正しいのかもな。だが、乗り物を用意する知恵ぐらいないと。成績を付けるとしたら50点だな」
「魔法エンジンの存在は戦争を変えますね」

 そうレクティが言う。

「平和利用だけに使いたいんだけどな」
「ナイフを持つと斬りたくなる。チンピラの心理」

「国のお偉いさんがチンピラと同じだとは思いたくないが、あり得る展開だよな」
「わたくしとしては、飛ぶ板の利用価値の方が凄いと思われます。高所から石を落としただけで威力があるのは、セレンさんが証明してます」

 レクティは航空戦力を考えたらしい。

「外野がうるさくなるから、高所からの攻撃アイデアは秘密な」
「かしこまりました」

 ディッブ人は、ほふく前進してロータリの軍に近寄った。
 あんなのでばれないのかな。
 やるなら夜だろう。

 戦闘が始まった。
 ディッブ人の戦士達はタコ殴りにあっているようだ。
 不利と見て逃げ帰ってきた。

「やつら魔闘術を無効化する魔道具を使ってきた」

 逃げ帰ってきたトレンが悔しそうだ。

「その魔道具の存在は警告しただろう。だから、バリアや遠距離攻撃の魔道具を使えとあれほど」
「それはディッブ人の戦い方ではない」

「魔道具なら用意してある。今からでも使うか?」
「いや、ステータスアップの魔道具でなんとかやれている。今回は昼間の襲撃だった。夜ならばあるいは」
「そんなことを言っていると、負けるぞ」

「いまさらやり方が変えられるか!」
「分かるよ。昔、一緒に働いていた奴がいて、非効率なやり方をしてたから、効率の良いやり方を教えた。それでもそいつはやらなかった。こっちも意地になって、頼むから騙されたと思って違う方法でやってみてくれと懇願した。一度は効率の良いやり方でやってはくれた。だが、しばらくして見に行ったら元の非効率な方法に戻ってた。その理由を聞いてみたら、何となく嫌なんだとさ」

「私が愚か者か頑固者に見えるというわけか」
「いや、俺が思うに、効率の良い方法に乗り換えると、過去の自分を否定された気になるのだろう。ようするにプライドの問題だな。プライドは良い悪いじゃない。プライドを持って一芸を突き詰めて、人にはできない素晴らしいことをする人もいる」
「ということは努力が足りないということか」
「だな。だが、努力が間に合うかどうか」

 今度は夜戦をするらしい。
 日が暗くなり始める頃に戦士が準備を始めた。

 しかし、ロータリの軍を見て士気が落ちていくのが手に取るように見てとれた。
 ロータリは煌々と灯りを照らして死角を作らないようにしてたからだ。

 ディッブ人は遠くから投石を行った。
 接近戦は駄目だと悟ったのだろう。
 投石は効果があるように思えたが、すぐにロータリ軍は石壁を作った。
 こんな物まで用意しているとはな。

 掛かった費用を考えると、その本気度が見える。

「トクニカ。手が出ない」

 トレンが帰ってきた。

「やり方を変えない限りは無理だな。リッツ、ディッブ人に出来るような助言をしてやれ」
「ええと、トンネルを掘って、奇襲を掛けるのはどう? いきなり陣の真ん中から敵が出てきたら、大混乱だと思う」
「なかなか、上手い手だな」

「どうせ、女子寮に忍び込む方法として考えたんでしょ」
「ギクッ」

 マイラからの突っ込みに慌てるリッツ。

「まあ、切っ掛けは何であれ良い手だと思う」
「ディッブ人は、穴など掘らんぞ」
「そのなんだ。リッツ、頑張れ」
「えっ、俺ひとりでやるの。みんな手伝ってよ」

 どうやらトンネル作戦は計画だけに終わりそうだ。

 手伝ってやってもいいか。
 穴を掘る魔法を作ってやるか。
 魔法を作るだけなら10分と掛からない。
 トンネルを掘るのはリッツに任せよう。
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