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第7章 魔王大戦編
第392話 虫と、食事と、お好み焼き
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地竜の縄張りの虫取りに同行する。
採るのは芋虫の類。
獣人が爪で樹を突いた。
そして樹に耳を当てて聞いている。
そして、鋭い爪で樹を掘り始めた。
出てきたのは30センチほどのでかい芋虫。
それ美味いのかとは聞かない。
嬉々として箱に入れている。
葉っぱに集る芋虫は器用に木に登り採取した。
これも箱の中に入れる。
箱の中は想像したくない。
地獄絵図だろうから。
そして、村へ帰り、でかい芋虫を枝に刺し焼き始めた。
匂いは美味そうだが、俺は絶対に食わないぞ。
あれを食材とは認めない。
日本でもある地域ではお蚕や、川虫を食べたりしているそうだ。
食ったら美味いのかも知れないが、どうも形がな。
切り刻んで炒め物とかに入れたら分からないかも知れないが、分かってしまったらたぶん食わないだろう。
「ひとつどうです」
焼き上がった芋虫を差し出された。
どう言おう。
こんなの人の食い物じゃないと言ったら気を悪くするな。
でも正直に言おう。
「虫は好きじゃないんだ」
「美味しいのに」
彼らの悲しそうな目。
たぶん、こんな美味い物が好きじゃないなんて、可哀想だなとか思っているに違いない。
そうだ。
俺は小麦粉を捏ねて、芋虫の形にした。
それを枝に刺して焼き始めた。
これなら食える。
良い匂いが漂った。
砂糖醤油を塗ろうかな。
ますます匂いがよくなった。
偽芋虫にかぶりつく。
クリアもこれなら食べられるようで、ぱくついてた。
「ひとつもらっても」
獣人が偽芋虫を食った。
微妙な顔つき。
小麦粉を練って焼いただけだけど素朴な味で美味いだろう。
「コクが足らないな。クリーミィな感じがないと」
よせ、虫を食ったところを想像すると飯が不味くなる。
「そうそう、噛んだ時にとろりとした甘い汁が口の中を満たすのがいいよな」
「そうそう乳を煮詰めたような味でさ」
きっとそれは生臭くて、少し苦いのだろう。
いかん想像してしまった。
俺は練った小麦粉を焼いて砂糖醤油を塗ったので十分だ。
彼らの声なんか聞こえない。
ハチの巣を採ってきた猛者がいる。
うほっ、これはまんまウジじゃないか。
まだ生きているぞ。
うねうねするところのなんて気持ち悪いことか。
獣人は石の上でハチの子を焼き始めた。
甘くて香ばしい匂いがする。
美味そうな匂いなのは認める。
だが虫だぞ。
俺は小麦粉にチーズの粉と砂糖を練り込んで、偽ハチの子を作った。
これで良いんじゃないか。
こっちはもっと美味そうな匂いだぞ。
「ひとつもらっても」
「いいぞ」
獣人が偽ハチの子を食べてやはり微妙な顔をする。
「これも美味しいですが、ハチの子に比べたら」
クリアが呆れた目で俺を見ている。
張り合う必要はないか。
ただ、俺は絶対に虫は食わん。
前世でイナゴの佃煮を食ったことはあるけど、あれは別に良いだろう。
好きじゃなかったし。
でも考えると不思議だ。
エビやカニは喜んで食うのにね。
海の生き物でも具足虫を食う気にはなれない。
エビとカニは例外なんだ。
あれは特別。
獣人が続いてもって来たのはコガネムシ。
もう好きにしてくれ。
「おう、この樹液をたっぷり吸った奴が美味いんだよな」
そうですか。
「苦みがアクセントなんだよな」
ほう。
「殻はぱりぱりして美味いし」
エビもカニも殻は食わない。
この野蛮人め。
偽コガネムシを作らない。
飴とか使ったら殻とか再現できそうだが、そこまでして張り合いたい訳じゃない。
偽ハチの子美味し。
クリアはチーズが入っているので、偽ハチの子は食わない。
もっぱら砂糖醤油の偽芋虫を食ってた。
食の好みはひとそれぞれ。
地球でも国が違うと色々な食文化がある。
否定することだけはすまい。
俺は食わないけど。
もっとも、前世で外人は生卵と納豆と味噌なんかが苦手なひとはいた。
鰹節も熱でうねるように動くと気持ち悪いっていってたっけ。
お好み焼きが食いたくなった。
ソースはないけど。
俺は小麦粉を溶いて、野菜と肉を入れて、焼き始めた。
焼けたら醤油を塗った。
ソースがあればもっと良かったのに。
それと鰹節とマヨネーズ。
クリア用のは肉抜きで作ってやった。
獣人は虫のぶつ切りを入れてお好み焼きを作り始めた。
俺はそれを食わないように目を見張って監視。
あっ、口の中に広がるクチュっていう感触。
慌てて確認すると、真っ赤な果実だった。
してやったりのクリアの顔。
くそっ悪戯に引っ掛かった。
採るのは芋虫の類。
獣人が爪で樹を突いた。
そして樹に耳を当てて聞いている。
そして、鋭い爪で樹を掘り始めた。
出てきたのは30センチほどのでかい芋虫。
それ美味いのかとは聞かない。
嬉々として箱に入れている。
葉っぱに集る芋虫は器用に木に登り採取した。
これも箱の中に入れる。
箱の中は想像したくない。
地獄絵図だろうから。
そして、村へ帰り、でかい芋虫を枝に刺し焼き始めた。
匂いは美味そうだが、俺は絶対に食わないぞ。
あれを食材とは認めない。
日本でもある地域ではお蚕や、川虫を食べたりしているそうだ。
食ったら美味いのかも知れないが、どうも形がな。
切り刻んで炒め物とかに入れたら分からないかも知れないが、分かってしまったらたぶん食わないだろう。
「ひとつどうです」
焼き上がった芋虫を差し出された。
どう言おう。
こんなの人の食い物じゃないと言ったら気を悪くするな。
でも正直に言おう。
「虫は好きじゃないんだ」
「美味しいのに」
彼らの悲しそうな目。
たぶん、こんな美味い物が好きじゃないなんて、可哀想だなとか思っているに違いない。
そうだ。
俺は小麦粉を捏ねて、芋虫の形にした。
それを枝に刺して焼き始めた。
これなら食える。
良い匂いが漂った。
砂糖醤油を塗ろうかな。
ますます匂いがよくなった。
偽芋虫にかぶりつく。
クリアもこれなら食べられるようで、ぱくついてた。
「ひとつもらっても」
獣人が偽芋虫を食った。
微妙な顔つき。
小麦粉を練って焼いただけだけど素朴な味で美味いだろう。
「コクが足らないな。クリーミィな感じがないと」
よせ、虫を食ったところを想像すると飯が不味くなる。
「そうそう、噛んだ時にとろりとした甘い汁が口の中を満たすのがいいよな」
「そうそう乳を煮詰めたような味でさ」
きっとそれは生臭くて、少し苦いのだろう。
いかん想像してしまった。
俺は練った小麦粉を焼いて砂糖醤油を塗ったので十分だ。
彼らの声なんか聞こえない。
ハチの巣を採ってきた猛者がいる。
うほっ、これはまんまウジじゃないか。
まだ生きているぞ。
うねうねするところのなんて気持ち悪いことか。
獣人は石の上でハチの子を焼き始めた。
甘くて香ばしい匂いがする。
美味そうな匂いなのは認める。
だが虫だぞ。
俺は小麦粉にチーズの粉と砂糖を練り込んで、偽ハチの子を作った。
これで良いんじゃないか。
こっちはもっと美味そうな匂いだぞ。
「ひとつもらっても」
「いいぞ」
獣人が偽ハチの子を食べてやはり微妙な顔をする。
「これも美味しいですが、ハチの子に比べたら」
クリアが呆れた目で俺を見ている。
張り合う必要はないか。
ただ、俺は絶対に虫は食わん。
前世でイナゴの佃煮を食ったことはあるけど、あれは別に良いだろう。
好きじゃなかったし。
でも考えると不思議だ。
エビやカニは喜んで食うのにね。
海の生き物でも具足虫を食う気にはなれない。
エビとカニは例外なんだ。
あれは特別。
獣人が続いてもって来たのはコガネムシ。
もう好きにしてくれ。
「おう、この樹液をたっぷり吸った奴が美味いんだよな」
そうですか。
「苦みがアクセントなんだよな」
ほう。
「殻はぱりぱりして美味いし」
エビもカニも殻は食わない。
この野蛮人め。
偽コガネムシを作らない。
飴とか使ったら殻とか再現できそうだが、そこまでして張り合いたい訳じゃない。
偽ハチの子美味し。
クリアはチーズが入っているので、偽ハチの子は食わない。
もっぱら砂糖醤油の偽芋虫を食ってた。
食の好みはひとそれぞれ。
地球でも国が違うと色々な食文化がある。
否定することだけはすまい。
俺は食わないけど。
もっとも、前世で外人は生卵と納豆と味噌なんかが苦手なひとはいた。
鰹節も熱でうねるように動くと気持ち悪いっていってたっけ。
お好み焼きが食いたくなった。
ソースはないけど。
俺は小麦粉を溶いて、野菜と肉を入れて、焼き始めた。
焼けたら醤油を塗った。
ソースがあればもっと良かったのに。
それと鰹節とマヨネーズ。
クリア用のは肉抜きで作ってやった。
獣人は虫のぶつ切りを入れてお好み焼きを作り始めた。
俺はそれを食わないように目を見張って監視。
あっ、口の中に広がるクチュっていう感触。
慌てて確認すると、真っ赤な果実だった。
してやったりのクリアの顔。
くそっ悪戯に引っ掛かった。
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