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魔族蠢動編
第18話 セイレーン物語で豚領主が美徳領主に
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夕暮れの街を行く。
「メリアちゃん、また歌を聞きに行くからよ。領主なんかに負けるなよ」
とメリアに幾つも声が掛かる。
兵士がいるからこれからどんな事が起こるのか皆うすうす分かっているんだろうな。
それにしても人気があるようだ。
普通なら兵士が恐くて声を掛けないところだろう。
「ねぇ、魔法でぷちっとしたい気分なんだけど」
「駄目だよ、未依子ちゃん」
「そうだな、お尋ね者になるのはめんどくさい。最後の手段だ」
「でも、あの美声が失われると思うと」
「買ってくれて、ありがたいのだけど。あれはお茶の力だから。普段の私はあんな綺麗な声は出ないって」
「同性でも、ぞくぞく来るわ」
小前田の御花畑を見る目がジト目になる。
「やめてよ。あの豚領主に見初められただって気持ち悪いのに、さらに増えると困るわ。ところでお茶の効果って何時切れるの」
「あー、切れないかも」
「えっ、一生なの。まあ良いかな。生涯を吟遊詩人にかける覚悟はあるから」
白い石造りの豪邸に俺達は到着した。
領主の準備が整うまで待合室で待たされる。
いよいよだな。
俺の今回の武器の二つの本は衣服に忍ばせた。
武器とアイテム袋を預け大広間に俺達は入っていった。
領主は椅子に座りながら俺達を迎えた。
「ぐふふふふ、メリアよ。今日も可愛いの」
本当に豚領主だな。
脂ぎっていやらしい笑みを浮かべた表情は普通に気持ち悪い。
「まずは挨拶がてらに一曲。セイレーンの歌を歌います。ラーララ、ラーラ、母なる海の懐に抱かれて……」
メリアが歌い出したので、『セイレーン物語』を取り出した。
セイレーンというのは歌声で水夫を惑わす魔物だ。
メリアの背中に触り。
「カタログスペック100%」
メリアは光り、歌を聴いた領主の目はうつろになり、ふらふらとこちらに向かって歩き始めた。
周りにいる兵士も目がうつろだ。
俺達は耳栓をして魅了の力から逃れた。
物語に耳栓をして助かった船員の話が書いてあったので上手くいけると思ったが、上手くいって何よりだ。
領主が俺の手の届く範囲に来たので。
「お客さん、歌い手には手を触れないで下さい。カタログスペック100%」
俺は『貴族規範』を手にスキルを領主に掛けた。
兵士の目はうつろで俺達の他は誰も領主が光ったのに気がつかない。
「二曲目は愛の歌……」
領主は二曲目が始まると
意思が戻り領主は頭を数度振ってから椅子に戻っていった。
歌が全て終わり、領主は口を開いた。
「どうだ、めか……、ぐぬぬ。湧き上がる奉仕の心はなんだ。はぁはぁ、音楽の都ミシュラールに留学させてやろう。もちろん費用は私が出してやろう。もちろん条件などは一切ない。芸術を愛する心は素晴らしい……、何でこんな言葉が」
「じゃあ一筆書いてもらおう。メリアもそれで良いか」
「ええ、街から出れるのなら」
「よかろう、一筆書く。体が勝手に」
領主に一筆書いて貰い、メリアの留学の路銀と当座の生活費を貰った。
宿に帰り急いで馬車に馬をつなぐ。
それを見ていたメリアに声を掛ける。
「よかったら、馬車で隣町まで乗せてくよ」
「ありがとう。本当に感謝しているわ」
「でそれから、どうする」
「ミシュラールまでは行くつもりよ。留学が水に合わなければ旅に出るわ」
領主はもう大丈夫だろう。
俺が喉を治してしまったのが発端だからな。
なんとかなって良かった。
「メリアちゃん、また歌を聞きに行くからよ。領主なんかに負けるなよ」
とメリアに幾つも声が掛かる。
兵士がいるからこれからどんな事が起こるのか皆うすうす分かっているんだろうな。
それにしても人気があるようだ。
普通なら兵士が恐くて声を掛けないところだろう。
「ねぇ、魔法でぷちっとしたい気分なんだけど」
「駄目だよ、未依子ちゃん」
「そうだな、お尋ね者になるのはめんどくさい。最後の手段だ」
「でも、あの美声が失われると思うと」
「買ってくれて、ありがたいのだけど。あれはお茶の力だから。普段の私はあんな綺麗な声は出ないって」
「同性でも、ぞくぞく来るわ」
小前田の御花畑を見る目がジト目になる。
「やめてよ。あの豚領主に見初められただって気持ち悪いのに、さらに増えると困るわ。ところでお茶の効果って何時切れるの」
「あー、切れないかも」
「えっ、一生なの。まあ良いかな。生涯を吟遊詩人にかける覚悟はあるから」
白い石造りの豪邸に俺達は到着した。
領主の準備が整うまで待合室で待たされる。
いよいよだな。
俺の今回の武器の二つの本は衣服に忍ばせた。
武器とアイテム袋を預け大広間に俺達は入っていった。
領主は椅子に座りながら俺達を迎えた。
「ぐふふふふ、メリアよ。今日も可愛いの」
本当に豚領主だな。
脂ぎっていやらしい笑みを浮かべた表情は普通に気持ち悪い。
「まずは挨拶がてらに一曲。セイレーンの歌を歌います。ラーララ、ラーラ、母なる海の懐に抱かれて……」
メリアが歌い出したので、『セイレーン物語』を取り出した。
セイレーンというのは歌声で水夫を惑わす魔物だ。
メリアの背中に触り。
「カタログスペック100%」
メリアは光り、歌を聴いた領主の目はうつろになり、ふらふらとこちらに向かって歩き始めた。
周りにいる兵士も目がうつろだ。
俺達は耳栓をして魅了の力から逃れた。
物語に耳栓をして助かった船員の話が書いてあったので上手くいけると思ったが、上手くいって何よりだ。
領主が俺の手の届く範囲に来たので。
「お客さん、歌い手には手を触れないで下さい。カタログスペック100%」
俺は『貴族規範』を手にスキルを領主に掛けた。
兵士の目はうつろで俺達の他は誰も領主が光ったのに気がつかない。
「二曲目は愛の歌……」
領主は二曲目が始まると
意思が戻り領主は頭を数度振ってから椅子に戻っていった。
歌が全て終わり、領主は口を開いた。
「どうだ、めか……、ぐぬぬ。湧き上がる奉仕の心はなんだ。はぁはぁ、音楽の都ミシュラールに留学させてやろう。もちろん費用は私が出してやろう。もちろん条件などは一切ない。芸術を愛する心は素晴らしい……、何でこんな言葉が」
「じゃあ一筆書いてもらおう。メリアもそれで良いか」
「ええ、街から出れるのなら」
「よかろう、一筆書く。体が勝手に」
領主に一筆書いて貰い、メリアの留学の路銀と当座の生活費を貰った。
宿に帰り急いで馬車に馬をつなぐ。
それを見ていたメリアに声を掛ける。
「よかったら、馬車で隣町まで乗せてくよ」
「ありがとう。本当に感謝しているわ」
「でそれから、どうする」
「ミシュラールまでは行くつもりよ。留学が水に合わなければ旅に出るわ」
領主はもう大丈夫だろう。
俺が喉を治してしまったのが発端だからな。
なんとかなって良かった。
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