57 / 100
クラスメイト相談編
第52話 破邪の香り
しおりを挟む
俺達は今日、街を観光する事にした。
街には露店が幾つも出ていて、その一つから元気の良い掛け声が聞こえてくる。
「置いた、置いた。置いて悪いは荷物と置き引き。これはそんじょそこらの殺虫剤と違う。なにせその名も聖者の骨。聖者のありがたい威光でゴキブリもいちころってなもんだ」
「面白い。全部くれ」
「波久礼君、無駄遣いは良くないよ。殺虫剤なら私にも作れるから」
「聖者の骨ってところが良いんだよ。伝説にも何度か出てくる」
俺は骨の形をした殺虫剤たぶんホウ酸団子だろうを受け取りアイテム鞄に突っ込んだ。
それから別の露店で食料を幾つか仕入れその場を後にした。
街は一通り見たので、郊外の畑をのんびり散策。
柵を作っている場面に出くわした。
「日野さん、久しぶり」
小前田が声を掛けた。
大工道具片手に柵を作っていたのはクラスメイトの日野さんだった。
「ほんと久しぶり。波久礼君に御花畑さんも久しぶり。波久礼君ったら両手に花ね」
「トゲがある花じゃなきゃいいんだけど」
「失礼ね。私達は良い香りのする花よ」
「そうよ可憐な花よ私達は」
「そういう事にしておいてやるよ」
「仲がいいのね。もしかして三角関係とか」
「ないない。ところで何やっているんだ」
「見てのとおりの柵作りよ」
「生産系の職業なのか」
「作成師という職業よ。小前田さんは錬金術士よね」
「ええ、そうよ」
「なにか魔物が嫌うような臭いを出すものを作れないかしら。柵に塗りたいのよ」
「レシピにはあるけど。波久礼君に頼んだ方が強力なのが作れると思う」
「俺が一肌脱いでやるよ」
取り出したのは聖者の骨とピーチェの実。
聖者の骨を粉にしてピーチェの果汁をかける。
そして、『サンソーラーの伝説』という本を片手に。
「カタログスペック100%」
乾燥させて『破邪の粉』の出来上がりだ。
なんでも聖者の骨に破邪の実として知られているピーチェの実を供えたところお告げがあったとか。
骨を粉にしてピーチェの果汁を掛ければよこしまな者は近づけないと。
その粉を撒いた街には魔物が一度も襲ってこないのだとか。
悪人も居心地が悪くなるらしい。
その都市がどこにあったのかは語られていない。
伝説なんてそんなものだ。
「ほらさっそく聖者の骨が役にたっただろう」
俺が小前田に言うと。
「今回はたまたまよ。無駄遣いはいけないわ」
「そんな事言って。小前田だって。動物の小物とか見つけるとつい買うだろ」
「うっ、それを言われると」
「とにかく、この粉の近くには魔物は寄ってこれないはずだ」
「疑うわけじゃないけど、試してみないとね」
そう言って日野さんは粉を受け取った。
柵の材料で犬ゲージみたいな物、ようは携帯出来る柵を作りだす。
その柵に『破邪の粉』を入れたペンキを塗った。
「試しに行きましょ」
俺達は携帯出来る柵を持って森に入った。
柵を設置してしばらく待つ。
ぐぎゃぐきゃ言う声が聞こえてきた。
ゴブリンだな。
ゴブリンは柵には近づかない。
鼻をすんすんと鳴らし顔をしかめた後に、立ち去った。
「これ良いね。野営の時に便利よ」
「過信は禁物だと思うな」
「その辺は上手くやるわ。見張りは必ず置くから大丈夫」
それから、聖者の骨を売っていた露店を探し出し倉庫一つ分を仕入れた。
それを使って『破邪の粉』を量産。
日野さんは『破邪の粉』を使って煙玉とペンキを作り売り出した。
売れ行きは好調だ。
俺達にも分け前をくれたので、材料費を抜いた余りは教会に寄付しておいた。
街には露店が幾つも出ていて、その一つから元気の良い掛け声が聞こえてくる。
「置いた、置いた。置いて悪いは荷物と置き引き。これはそんじょそこらの殺虫剤と違う。なにせその名も聖者の骨。聖者のありがたい威光でゴキブリもいちころってなもんだ」
「面白い。全部くれ」
「波久礼君、無駄遣いは良くないよ。殺虫剤なら私にも作れるから」
「聖者の骨ってところが良いんだよ。伝説にも何度か出てくる」
俺は骨の形をした殺虫剤たぶんホウ酸団子だろうを受け取りアイテム鞄に突っ込んだ。
それから別の露店で食料を幾つか仕入れその場を後にした。
街は一通り見たので、郊外の畑をのんびり散策。
柵を作っている場面に出くわした。
「日野さん、久しぶり」
小前田が声を掛けた。
大工道具片手に柵を作っていたのはクラスメイトの日野さんだった。
「ほんと久しぶり。波久礼君に御花畑さんも久しぶり。波久礼君ったら両手に花ね」
「トゲがある花じゃなきゃいいんだけど」
「失礼ね。私達は良い香りのする花よ」
「そうよ可憐な花よ私達は」
「そういう事にしておいてやるよ」
「仲がいいのね。もしかして三角関係とか」
「ないない。ところで何やっているんだ」
「見てのとおりの柵作りよ」
「生産系の職業なのか」
「作成師という職業よ。小前田さんは錬金術士よね」
「ええ、そうよ」
「なにか魔物が嫌うような臭いを出すものを作れないかしら。柵に塗りたいのよ」
「レシピにはあるけど。波久礼君に頼んだ方が強力なのが作れると思う」
「俺が一肌脱いでやるよ」
取り出したのは聖者の骨とピーチェの実。
聖者の骨を粉にしてピーチェの果汁をかける。
そして、『サンソーラーの伝説』という本を片手に。
「カタログスペック100%」
乾燥させて『破邪の粉』の出来上がりだ。
なんでも聖者の骨に破邪の実として知られているピーチェの実を供えたところお告げがあったとか。
骨を粉にしてピーチェの果汁を掛ければよこしまな者は近づけないと。
その粉を撒いた街には魔物が一度も襲ってこないのだとか。
悪人も居心地が悪くなるらしい。
その都市がどこにあったのかは語られていない。
伝説なんてそんなものだ。
「ほらさっそく聖者の骨が役にたっただろう」
俺が小前田に言うと。
「今回はたまたまよ。無駄遣いはいけないわ」
「そんな事言って。小前田だって。動物の小物とか見つけるとつい買うだろ」
「うっ、それを言われると」
「とにかく、この粉の近くには魔物は寄ってこれないはずだ」
「疑うわけじゃないけど、試してみないとね」
そう言って日野さんは粉を受け取った。
柵の材料で犬ゲージみたいな物、ようは携帯出来る柵を作りだす。
その柵に『破邪の粉』を入れたペンキを塗った。
「試しに行きましょ」
俺達は携帯出来る柵を持って森に入った。
柵を設置してしばらく待つ。
ぐぎゃぐきゃ言う声が聞こえてきた。
ゴブリンだな。
ゴブリンは柵には近づかない。
鼻をすんすんと鳴らし顔をしかめた後に、立ち去った。
「これ良いね。野営の時に便利よ」
「過信は禁物だと思うな」
「その辺は上手くやるわ。見張りは必ず置くから大丈夫」
それから、聖者の骨を売っていた露店を探し出し倉庫一つ分を仕入れた。
それを使って『破邪の粉』を量産。
日野さんは『破邪の粉』を使って煙玉とペンキを作り売り出した。
売れ行きは好調だ。
俺達にも分け前をくれたので、材料費を抜いた余りは教会に寄付しておいた。
20
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる