無職の俺は追放されてもへっちゃらカタログスペック100%があるから ~現実を強引に俺の真実で塗り替える~

喰寝丸太

文字の大きさ
80 / 100
魔族暗闘編

閑話 十魔将最後の一人

しおりを挟む
 わしは十魔将最後の一人、思えば随分と寂しくなったものだ。
 魔王様から送られてきた参謀役のインプに声を掛ける。

「でどうなんだ。作戦は上手くいきそうか。わしはお前を信用しとらん。他の十魔将がなぜ討ち取られたのか試しに敗因を言ってみろ」
「エルダーバンパイヤのカタリーヌ様はあれですな。油断しすぎです。自分の討伐の依頼を出したのに罠を周到に用意しないのが悪い」

 エルダーバンパイヤのカタリーヌは偽商品を売りつけ資金獲得と負の感情いわゆる悪念を集める為に活動していた。
 偽商品を扱う者が偽勇者に討ち取られるとは笑い話にもならない。
 こやつのいう事にも一理ある商売の作戦だけ地道にこなしておけば良いものを。



「ティノタリウスの敗因は」
「ジャイアントのティノタリウス様ですか。ダンジョンの罠は研究されつくされてます。上位バージョンを作っても突破されるのは必然でしょう」

 たしかティノタリウスはダンジョンで悪念を集める仕事をしていた。
 きゃつは良い奴だったのだがな。
 でかい図体をしていたからおつむの方が少しな。
 そこを突かれたのだろう。



「ウガタはどうか」
「ジェネラルリザードマンのウガタ様ですか。お世辞にも隠密にたけた方とは言えません。無理があったのでは」

 火に弱いリザードマンの癖に爆発物なんか扱うからそういう目に会うんだ。
 男なら腕っ節でなんとかせんとな
 確かに隠密行動にたけているとは言えないな。



「ギャガガの奴は」
「ゴブリンキングのギャガガ様ですか。数を揃えた所は評価できます。しかし、少数に本陣を奇襲されるなどなってません」

 所詮数に頼る臆病者よ。
 群れる魔物は弱い魔物だ。



「マクロンの奴は聞かなくても分かる。でも一応聞いておこう」
「ハイドッペルゲンガーのマクロン様ですか。領主の妻を殺したのですから、領主も殺してなり代わってしまえば良かったのです」

 人間に化けて暗殺したり謀をしたりするからそういう事になる。
 確かに領主の妻を殺したなら夫も殺し、領民を皆殺しにするぐらいの気概を見せんとな。



「ヤミーもな。なんとなく分かる」
「シャドウアサシンのヤミー様は変装に自信があったようですが、勇者の嗅覚を舐めすぎです。他の魔物も討ち取られているのに自分だけは上手くいくと考えるからいけないのです」

 ヤミーも馬鹿な女だ。
 色仕掛けで勇者を油断させて討ち取ろうなどと考えるから、逆にやられるんだ。



「ユキャリは俺でも分かる間抜けだったからだ」
「領主に反乱を起こさせて人間を殺すのは迂遠すぎます」

 そうだな、わしと同じ種族だとは思えん。
 趣味でスライムなど飼っとるからいけないのだ。
 確かに迂遠すぎる。



「ホワカスは情けないな。薬草一つ満足に枯らせないとは」
「エビルスモッグのホワカス様ですか。攻撃が邪気しかないのがいけません。複数の攻撃手段を用意しておくべきです」

 そうだな、近接と魔法の両方が出来ないとな。



「ゲーラシンはタフな奴だったがな」
「ええ、でもハイシャドウデーモンのゲーラシン様は弱点をお持ちです。それを克服する手段を開発しておきませんと」

 人間に不死身の影魔なんて呼ばれて良い気になっているからだ。



「分かった。お前のいう事にも一理ある作戦を任そう」

 わしは魔王様が産まれてから容姿が似ているという事で影武者を勤めてきた。
 そのため前線に出る事は無かったがいよいよわしの番か。
 倒された同僚には悪いが血が滾るというものだ。

「では、王女をさらってもらいます。助けに来た勇者をこちらに有利なフィールドに誘い込むのです」
「では、出撃しよう」

 最後のお務めだと思ってなんとしてでも勇者を葬り去る。
 例え差し違えたとしてもだ。
 その為には誘拐なんていう姑息な作戦にも目を瞑ろう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

酔っぱらったせいで、勇者パーティーを洗脳してしまった

透けてるブランディシュカ
ファンタジー
悪友のせいで酔ったら。(※重複投稿しています)仲仁へび

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

処理中です...