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心臓がドキドキ
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サウレは元に戻るのにしばらくかかった。
しかも 元に戻ると人格が退行してヤンキーになっていたときの記憶は無くなってしまっているようだ。
「覚えていないのですか?」
正気に戻ったサウレはなんか イヤリングをまさぐり出して、触って、触って、
そして残念そうな顔をして、二日酔いの朝のように頭を押さえていたので
「精神が退行」してましたよね?と話すと
「実は・・」と自分にかけられた呪いの話をしてくれた。
サウレは魔女になって年齢が止まってから見た目が若い事で
困ったことが起きたら、若さに甘えて許される限りの生き方をしていたのだとか。
でも さらに悪い魔女に付け込まれて本当に人格が退行してしまう呪いを貰ってしまったらしい。
セレネが生まれてから精神的にも成長をして一度も、
精神が退行することはなくなったのだけど、
俺に意表を突かれて驚いて出てきてしまったらしく
未熟な自分がとても恥ずかしいと言っていた。
「セレネには秘密にしてくださいね。魔女との約束にはメリットがありますよ」
と言っていたけど「秘密を話せないように血の契約を結んでほしい」
とまで言い出したのでさすがに断った。
その代わりこちらの秘密も話すので修行を確りとしてもらいたいとお願いした。
「さっき戦ったフロンという石像ですがただのゴーレムではありません。
実は フロンには意思があります」と話すとサウレは
半信半疑で「古い物には命が宿ると言われています。術者の窮地を助けて身代わりになったゴーレムの
物語なら何度も聞いたことがありますし子供の頃は涙も流しました。でもそれはおとぎ話の世界ですよね?」
と魔女なのに全くファンタジーなことは信じないって感じだったので
ニーマンたちをセレネに見えるように召喚してやった。
「よろしくでチュ!」
「さっき 戦ったゲロな。よろしくゲロ」
サウレは 目を丸くして大きなイヤリングを高速で何度も撫でまわしていた。
だけどコルビンが現れて「オレ コルビン 大工だいスキ ガハハハ」と挨拶をすると
尻もちをついて動かなくなってしまった。
「サウレさん?」と声をかけると
「なんだこの可愛い奴らは?まるでぬぃぐるみじゃねぇ~かよ!!
バカやろう、オーレンス あたいの心をくすぐるんじゃねぇよ。」
とサウレはまた後退してしまった。
だけど そこからは魔女の血が騒いで止まないという感じで質問の嵐だった。
ところで「ニーマンの事は知ってるか?」と逆にサウレに質問すると
「ああ。魔女だったら一度は憧れる存在だからな。
古代文明が栄えていたころに世界を滅ぼしかけたと言われる悪魔の事だぜ!
何でもその力は、この世の常識の外にある強さだったと言われている。
でも おかしな伝承はいくつも残っているがニーマンと契約した魔女は誰もいないのさ。
あたいも若かったころはニーマンと契約がしたくて古い村や町を調べていたけど
やっと情報を見つけてもニーマンは悪魔というより
人に寄り添おうとする小さなヒーローって感じの話ばかりだったのさ。
でも あたいはそんな、ニーマンの話が好きになっちまって、
魔女を辞めて可愛いニーマンの話を集める事にしたのさ。
そうこうしているうちにセレネが生まれて、この村に引っ越してきたわけよ。
セレネも生まれた頃は、あたいに甘えて離れない子だったんだぜ
ニーマンみたいだなって思たぜ」
そしてそれからはサウレはニーマンを召喚するたびに驚いて精神が退行するようになったけど
元に戻るとニーマンの事はすっかり忘れてしまうようだった。
さっきまであんなに遊んだのに 忘れちゃうなんて寂しいゲロ、シクシク」
「また 明日 一緒にぬいぐるみを作るでチュよ」
「オレ また木刀ツクル ガハハハ」
「ぶ~ん ぶ~ん」
なんか サウレのもう一つの人格さ、育ってきてないか??
でも 以前のサウレはいつも頭痛を抱えていそうな顔をしていたけど
今は元に戻っても元気そうですっきりして見えた。
もちろん修行もちゃんと見てくれるけど 俺が修行中にニーマンたちと遊んでいる時間が
癒しの時間になっているのかもしれない。
次の日
「いいか?今日は ぬいぐるみを作ろうと思う。」
ニーマンたちは飛び跳ねて喜んでいた。
「だが! オーレンス お前にはこれだ!「リングウェイト!!」」
俺の手足に水のリングが装着された。
「イヤリングの力で セレネの魔法を出してみた。
この技には拘束のほかにトレーニングとしての使い方がある
オーレンス、お前は魔法を跳ね返す類の事は苦手なようだ。
だから魔法に体を慣らす修行をしてもらう。
そのリングを付けた状態で フロン人形を3匹。サブロウ人形を3匹作ってもらう。
コルビンとコガネムシは私が作ってやろう では始める」
・・・・・
「なあ セレネ 考えてくれたか?」
「マクア様 私はあなたの事は好きになれません」
「村娘のクセしてはっきり言いやがるぜ。でも いいのか?
人間なんて明日死んじゃうかもしれないんだぞ。
村を出ることもなく 恋人を作らない人生で本当にいいんだな??」
「それは・・ それは・・ オー・・。いいえ わかっているわよ。
でも、でも儀式が終わるまで返事を待ってください・・・」
「うひゃひゃひゃひゃひゃ いいぜ。けどな人生は短い。
俺はお前のために待ってやっていることを忘れるな。
お前は俺に貴重なときを、待ってもらっているんだぜ!いいな?」
セレネはうなずいた。
やはり「死出のネックレス」はジェフラとの勝負に関係のない事柄では今一つだな。
場の流れとは言え選ぶ事柄を間違えたぜ。
しかも 都娘ならまだしも 村娘のくせしやがって!
これが終わったら今度は街だ!賢者スデーモにお願いしよう。
・・・・・
「オーレンス 目隠しをしてコガネムシを動かしてみろ。
コガネムシはゴーレムから外れすぎててあたいも推測だが
おそらくコガネムシは喋らないんじゃなくて、お前の心に同調しようとしているんだ。
だから てめぇもコガネムシと同調しやがれ!
さぁ~て ニーマンちゃんたち。今日は 何して遊ぼうか?」
フロンやサブロウはこないだ作ったぬいぐるみに入ってサウレにハグハグと抱きしめられていた。
俺はコガネムシと心が一つになるように集中してみた
すると 何かがぼんやりと・・見えて・・来たぞ・・あれは大福か?
お皿に二つ置かれている。
視界の感じがうまくつかめないが、、縦と横はあってるのか?
モチモチして美味しそうな大福だな。異世界の大福は色が違うようだな。
大きすぎて、全体がよくわからないぞ。
音も聞こえてきた「ふん♪ ふ~ん♪」鼻歌だ。
聴覚も共有できるのか。。
コガネムシ 地面から離れてくれないか?
「ぶーん」
おいおい あれ? セレネだぞ 桶に水を張って水浴びしてるのか?
すげーなこれ。色々な意味ですげーな。
けど セレネなんだかやつれてるな。
異常なやつれ方だ。毒でも飲んでいるみたいな異常な・・・。
「ドガ! ボカン!!! ボカボカ!」
「てめぇー デレデレした顔しやがって修行中に何やってるんだ!まじめにやれ!!
ちなみにだぁ! 殴られたのに痛みをそれほど感じなかっただろう?
それはコガネムシと感覚を共有しているからだ。
後でそのデカい、タンコブを冷やしておくといいぞ。ふふふ 」
「オレ ツクッタ 木刀 気に入ってくれてヨカッタ」
あ痛たたぁ・・
触ってもわかるくらいの大きなタンコブが出来ていた。。。
コルビンが二人になった気分だ。
それからは 村周辺のお宝探索がはかどるようになったけど
「視覚共有」は精神集中に時間がかかるし宿屋とか安全なところからじゃないと
使えなさそうだった。
「あったゲロよ。でも折れた剣ゲロ・・シクシク」
フロンが見つけてくれたお宝を見てみると ハズレだ。
お金とかはあまり落ちていなくて 代わりに壊れた武器とかのハズレが多い。
「もったいないでチュね」
だけど 折れた剣とかオノとか矢じりとか・・そうだな もったいないな。。そうだ。
・・・・・
「セレネ・・どうしちゃったの・・」ジェブラは賢者スデーモの部屋に忍び込んでいた。
すると今日もセレネと賢者スデーモがやってきた。
「ねえ そろそろ教えてよ。あのツボの中には何が入っているの?」
「ほら 今日の分じゃ 一気に飲み干すのじゃ」
「ほらってね。これはただの空のコップじゃないの? 私をからかっているの?」
カーテンを少し開いて覗き込むとコップとセレネが見える
「何よ 空のコップって?よく見えないわ。あ!」
隠れていたカーテンを揺らしてしまった・・ 気づかれたかしら?
・・・。
・・。
大丈夫・・ 気づいていない。
その間にもセレネはからのコップを飲み干すマネをしていた。
「やはり お前には何かの適性があるようじゃ。それよりさっきからモンブランの香りがたまらんわい」
賢者スデーモは カーテンをにらみつけた。
カーテン越しなのにもかかわらず ジェフラは見られている視線を感じた。
布越しなのに 透視されてるみたいに肌に直接、視線を感じるわ。
でも、しばらくすると カーテンの向こう側からジェフラが出てきた。
「はぁはぁはぁ・・・心臓が苦しいくらい・・バクバクと鳴っている。
胸が苦しいわ・・」
「ジェフラ?」
「ほうほう ジェフラであったか、わしの自慢のツボが見たくて忍び込んだと見えるが
勝手にツボを覗きこんでしまったようじゃな
どれ お仕置きをしてやろう」
賢者スデーモは 拳に風を集めた。
圧縮した空気の塊が渦になってジェフラに向かっていくが・・
「バッシャン!」とセレネが飛ばした水玉とぶつかり合って相殺された。
「セレネ・・ ごめんなさい」倒れこんだまま 引きずられたような声でジェフラが誤ると
「ジェフラ もう ここへ来ちゃだめよ」とセレネは優しい言葉で返事を返した。
「どうじゃった?セレネよ。巨大なバルーンを出さずとも
ワシの魔法を相殺できたであろう。
お前の魔法は母親の魔法よりもワシらの魔法に近いのじゃ
それからジェフラよ。今回の事は村長に報告させてもらうぞ」
・・・・・
しかも 元に戻ると人格が退行してヤンキーになっていたときの記憶は無くなってしまっているようだ。
「覚えていないのですか?」
正気に戻ったサウレはなんか イヤリングをまさぐり出して、触って、触って、
そして残念そうな顔をして、二日酔いの朝のように頭を押さえていたので
「精神が退行」してましたよね?と話すと
「実は・・」と自分にかけられた呪いの話をしてくれた。
サウレは魔女になって年齢が止まってから見た目が若い事で
困ったことが起きたら、若さに甘えて許される限りの生き方をしていたのだとか。
でも さらに悪い魔女に付け込まれて本当に人格が退行してしまう呪いを貰ってしまったらしい。
セレネが生まれてから精神的にも成長をして一度も、
精神が退行することはなくなったのだけど、
俺に意表を突かれて驚いて出てきてしまったらしく
未熟な自分がとても恥ずかしいと言っていた。
「セレネには秘密にしてくださいね。魔女との約束にはメリットがありますよ」
と言っていたけど「秘密を話せないように血の契約を結んでほしい」
とまで言い出したのでさすがに断った。
その代わりこちらの秘密も話すので修行を確りとしてもらいたいとお願いした。
「さっき戦ったフロンという石像ですがただのゴーレムではありません。
実は フロンには意思があります」と話すとサウレは
半信半疑で「古い物には命が宿ると言われています。術者の窮地を助けて身代わりになったゴーレムの
物語なら何度も聞いたことがありますし子供の頃は涙も流しました。でもそれはおとぎ話の世界ですよね?」
と魔女なのに全くファンタジーなことは信じないって感じだったので
ニーマンたちをセレネに見えるように召喚してやった。
「よろしくでチュ!」
「さっき 戦ったゲロな。よろしくゲロ」
サウレは 目を丸くして大きなイヤリングを高速で何度も撫でまわしていた。
だけどコルビンが現れて「オレ コルビン 大工だいスキ ガハハハ」と挨拶をすると
尻もちをついて動かなくなってしまった。
「サウレさん?」と声をかけると
「なんだこの可愛い奴らは?まるでぬぃぐるみじゃねぇ~かよ!!
バカやろう、オーレンス あたいの心をくすぐるんじゃねぇよ。」
とサウレはまた後退してしまった。
だけど そこからは魔女の血が騒いで止まないという感じで質問の嵐だった。
ところで「ニーマンの事は知ってるか?」と逆にサウレに質問すると
「ああ。魔女だったら一度は憧れる存在だからな。
古代文明が栄えていたころに世界を滅ぼしかけたと言われる悪魔の事だぜ!
何でもその力は、この世の常識の外にある強さだったと言われている。
でも おかしな伝承はいくつも残っているがニーマンと契約した魔女は誰もいないのさ。
あたいも若かったころはニーマンと契約がしたくて古い村や町を調べていたけど
やっと情報を見つけてもニーマンは悪魔というより
人に寄り添おうとする小さなヒーローって感じの話ばかりだったのさ。
でも あたいはそんな、ニーマンの話が好きになっちまって、
魔女を辞めて可愛いニーマンの話を集める事にしたのさ。
そうこうしているうちにセレネが生まれて、この村に引っ越してきたわけよ。
セレネも生まれた頃は、あたいに甘えて離れない子だったんだぜ
ニーマンみたいだなって思たぜ」
そしてそれからはサウレはニーマンを召喚するたびに驚いて精神が退行するようになったけど
元に戻るとニーマンの事はすっかり忘れてしまうようだった。
さっきまであんなに遊んだのに 忘れちゃうなんて寂しいゲロ、シクシク」
「また 明日 一緒にぬいぐるみを作るでチュよ」
「オレ また木刀ツクル ガハハハ」
「ぶ~ん ぶ~ん」
なんか サウレのもう一つの人格さ、育ってきてないか??
でも 以前のサウレはいつも頭痛を抱えていそうな顔をしていたけど
今は元に戻っても元気そうですっきりして見えた。
もちろん修行もちゃんと見てくれるけど 俺が修行中にニーマンたちと遊んでいる時間が
癒しの時間になっているのかもしれない。
次の日
「いいか?今日は ぬいぐるみを作ろうと思う。」
ニーマンたちは飛び跳ねて喜んでいた。
「だが! オーレンス お前にはこれだ!「リングウェイト!!」」
俺の手足に水のリングが装着された。
「イヤリングの力で セレネの魔法を出してみた。
この技には拘束のほかにトレーニングとしての使い方がある
オーレンス、お前は魔法を跳ね返す類の事は苦手なようだ。
だから魔法に体を慣らす修行をしてもらう。
そのリングを付けた状態で フロン人形を3匹。サブロウ人形を3匹作ってもらう。
コルビンとコガネムシは私が作ってやろう では始める」
・・・・・
「なあ セレネ 考えてくれたか?」
「マクア様 私はあなたの事は好きになれません」
「村娘のクセしてはっきり言いやがるぜ。でも いいのか?
人間なんて明日死んじゃうかもしれないんだぞ。
村を出ることもなく 恋人を作らない人生で本当にいいんだな??」
「それは・・ それは・・ オー・・。いいえ わかっているわよ。
でも、でも儀式が終わるまで返事を待ってください・・・」
「うひゃひゃひゃひゃひゃ いいぜ。けどな人生は短い。
俺はお前のために待ってやっていることを忘れるな。
お前は俺に貴重なときを、待ってもらっているんだぜ!いいな?」
セレネはうなずいた。
やはり「死出のネックレス」はジェフラとの勝負に関係のない事柄では今一つだな。
場の流れとは言え選ぶ事柄を間違えたぜ。
しかも 都娘ならまだしも 村娘のくせしやがって!
これが終わったら今度は街だ!賢者スデーモにお願いしよう。
・・・・・
「オーレンス 目隠しをしてコガネムシを動かしてみろ。
コガネムシはゴーレムから外れすぎててあたいも推測だが
おそらくコガネムシは喋らないんじゃなくて、お前の心に同調しようとしているんだ。
だから てめぇもコガネムシと同調しやがれ!
さぁ~て ニーマンちゃんたち。今日は 何して遊ぼうか?」
フロンやサブロウはこないだ作ったぬいぐるみに入ってサウレにハグハグと抱きしめられていた。
俺はコガネムシと心が一つになるように集中してみた
すると 何かがぼんやりと・・見えて・・来たぞ・・あれは大福か?
お皿に二つ置かれている。
視界の感じがうまくつかめないが、、縦と横はあってるのか?
モチモチして美味しそうな大福だな。異世界の大福は色が違うようだな。
大きすぎて、全体がよくわからないぞ。
音も聞こえてきた「ふん♪ ふ~ん♪」鼻歌だ。
聴覚も共有できるのか。。
コガネムシ 地面から離れてくれないか?
「ぶーん」
おいおい あれ? セレネだぞ 桶に水を張って水浴びしてるのか?
すげーなこれ。色々な意味ですげーな。
けど セレネなんだかやつれてるな。
異常なやつれ方だ。毒でも飲んでいるみたいな異常な・・・。
「ドガ! ボカン!!! ボカボカ!」
「てめぇー デレデレした顔しやがって修行中に何やってるんだ!まじめにやれ!!
ちなみにだぁ! 殴られたのに痛みをそれほど感じなかっただろう?
それはコガネムシと感覚を共有しているからだ。
後でそのデカい、タンコブを冷やしておくといいぞ。ふふふ 」
「オレ ツクッタ 木刀 気に入ってくれてヨカッタ」
あ痛たたぁ・・
触ってもわかるくらいの大きなタンコブが出来ていた。。。
コルビンが二人になった気分だ。
それからは 村周辺のお宝探索がはかどるようになったけど
「視覚共有」は精神集中に時間がかかるし宿屋とか安全なところからじゃないと
使えなさそうだった。
「あったゲロよ。でも折れた剣ゲロ・・シクシク」
フロンが見つけてくれたお宝を見てみると ハズレだ。
お金とかはあまり落ちていなくて 代わりに壊れた武器とかのハズレが多い。
「もったいないでチュね」
だけど 折れた剣とかオノとか矢じりとか・・そうだな もったいないな。。そうだ。
・・・・・
「セレネ・・どうしちゃったの・・」ジェブラは賢者スデーモの部屋に忍び込んでいた。
すると今日もセレネと賢者スデーモがやってきた。
「ねえ そろそろ教えてよ。あのツボの中には何が入っているの?」
「ほら 今日の分じゃ 一気に飲み干すのじゃ」
「ほらってね。これはただの空のコップじゃないの? 私をからかっているの?」
カーテンを少し開いて覗き込むとコップとセレネが見える
「何よ 空のコップって?よく見えないわ。あ!」
隠れていたカーテンを揺らしてしまった・・ 気づかれたかしら?
・・・。
・・。
大丈夫・・ 気づいていない。
その間にもセレネはからのコップを飲み干すマネをしていた。
「やはり お前には何かの適性があるようじゃ。それよりさっきからモンブランの香りがたまらんわい」
賢者スデーモは カーテンをにらみつけた。
カーテン越しなのにもかかわらず ジェフラは見られている視線を感じた。
布越しなのに 透視されてるみたいに肌に直接、視線を感じるわ。
でも、しばらくすると カーテンの向こう側からジェフラが出てきた。
「はぁはぁはぁ・・・心臓が苦しいくらい・・バクバクと鳴っている。
胸が苦しいわ・・」
「ジェフラ?」
「ほうほう ジェフラであったか、わしの自慢のツボが見たくて忍び込んだと見えるが
勝手にツボを覗きこんでしまったようじゃな
どれ お仕置きをしてやろう」
賢者スデーモは 拳に風を集めた。
圧縮した空気の塊が渦になってジェフラに向かっていくが・・
「バッシャン!」とセレネが飛ばした水玉とぶつかり合って相殺された。
「セレネ・・ ごめんなさい」倒れこんだまま 引きずられたような声でジェフラが誤ると
「ジェフラ もう ここへ来ちゃだめよ」とセレネは優しい言葉で返事を返した。
「どうじゃった?セレネよ。巨大なバルーンを出さずとも
ワシの魔法を相殺できたであろう。
お前の魔法は母親の魔法よりもワシらの魔法に近いのじゃ
それからジェフラよ。今回の事は村長に報告させてもらうぞ」
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