あの子と増税メガネの秘密

モルモット

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第一話 今どきのヒロインは主人公の財布を盗んでくる

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彼はその日もいつものように、のらりくらりと歩いていた。サンダルは足に合わず、ルームウェアは体にだぶついていた。だが彼のポケットには長財布があって、歩くたびにゆらゆらとリズムを刻む。まるで彼の人生のように、目的もなくフラフラと。

「いいカモねぇ」

後ろから聞こえた女性の声に、彼は耳を傾けなかった。この先には彼の住むアパートしかないのだ。早く帰って、今日も3Dの世界に没頭しよう。夢と現実の境界があいまいになっていくこの時代、彼にとっても現実は夢の一部なのかもしれない。

「オレの夢?」
彼は自嘲気味に呟いた。人生を楽しむことが彼の夢なのか、バーチャルの世界が彼の夢なのか。不意に財布を確かめようとしたその時…

ドン!!!

強く、そしてどこか優しげな衝撃が彼を襲った。彼は地面に倒れ込んだ。痛みを感じながらも目を開けると、彼と同じように地面に倒れている女の子がいた。ピンクのリボンにツインテール、その瞳は…

「可愛い」

彼は思わず漏らした。だが、その完璧な女の子は、なぜか彼の財布を握っていた。彼は急いで財布を取り戻そうとした。

「あの、どうしてオレの財布を?」

「えぇぇぇ、うひぃぃ~キャピ♥ わかんな~い」

彼女ははにかんだように笑いながら、彼の財布を弄んでいた。身分証が落ちて、彼女は彼の名前を読み上げた。

「へぇ~キシオって名前なんだぁ。カッコイイね」

彼は戸惑いながらも、優しさを忘れずに問いかけた。

「その手は何?離してくれない?」

彼女は自己紹介をして、何かを交渉してくる。料理が得意だと言って、彼の家に来ると言い出した。状況は一変し、彼は彼女との奇妙な交渉に応じることになった。

「男の家に来るって事はわかってるんだろうな?」

「えぇぇぇ。うん、キャピ♥」

交渉成立。彼女のウィンクに、彼は何故か心を許してしまったのだった。
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